魔物たちを狩る日々は続いた。
魔物たちと対峙すれば、レイルーラで安全な場所へ行き、しんくうはで攻撃をする。その繰り返し。それによってどれだけの魔物を殺したのだろう?ある時期になり、魔物たちにとどめをさそうとする際、いわゆる「魔獣(動物型の魔物)」たちの中には、テリーに対しておびえた目をするものが出てきた。ここで自分が憐れみを感じて、逃がしてしまえば手負いの魔物はかえって自分から人間を襲うようになるだろう。そう自分に言い聞かせて、テリーはおびえる魔物も、逃げようとする魔物もすべて殺した。
ある日、魔物たちを全滅させた後、頭の中に一つの言葉が浮かんだ。「マダンテ」。自分は「はぐれメタル」の職業の力により、マダンテという呪文を覚えた。そうテリーは確信した。この呪文は知っている。バーバラが使っていたものだ。自分の持っている魔法力のすべてを解き放ち、相手へのダメージとする攻撃呪文だ(呪文だが敵からのマホトーンが効かないためか特技に分類されるとバーバラは言っていた)。
テリーはバーバラがこの呪文を使った時のことをよく覚えていた。バーバラはいわゆるボス戦でこの呪文を使っていた。魔物や敵をある程度弱らせると、相手は捨て身のような思わぬ攻撃をしてくることが多い。そうなる前にとどめをさしてしまうのだ。幾度の戦いでそれがベストの戦い方だと皆知っていた。
デスタムーア戦では、デスタムーアの第3形態時に、レックのジゴスパーク、ドランゴのかがやくいき等でデスタムーアの右手・頭・左手をある程度弱らせた後に、マダンテは放たれた。デスタムーア自体を滅ぼすに至らなかったが、右手と左手を吹き飛ばした。これにより戦いはだいぶ楽になったと思う。
バーバラにとっても、レック達にとっても切り札ともいえるこの呪文は、今のテリーには必要なものとだは思えなかった。一人旅の戦闘において魔力が無くなるということは死に直結する。ルーラやリレミトが出来なくなるのだ(ルーラにはキメラの翼という代用品があるのだが)。それに自分はバーバラのような大量の魔力は持っていない。自分がマダンテを使ったところで、威力などたかが知れているだろう。自分にとってこの呪文は有用なものとは思えなかった。
アストロン、レイルーラは当たりだったが、マダンテは当たりとは言えないな。そう思った。カルベローナに伝わる大呪文、マダンテを習得できたのはすごいと思う。しかし「はぐれメタル」がこれで終わりとは思えなかった。
とりあえずこれで一区切りだ。「はぐれメタル」の次の力を手に入れるために、あとどれだけ戦わなければならないのか知っておこう。そう考えてある場所に行くことを決意した。ダーマ神殿である。