テリー 冒険のその後   作:ストイコピクシー

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第7話 強敵との遭遇

緑の粒子が空中に揺らぐ岩肌の洞窟。この世界においてはオーソドックスともいえるこの洞窟。最初からいきなり深入りするつもりはない。まだゴールは目指していない。まだ探りの段階だ。テリーはゆっくりと進んで行った。「トロルボンバー」1体と「ガーディアン」1体が現れた。デスタムーアの城と同じレベルの魔物が出るのか。まあ、仕方ない。テリーはまるで居合の構えのように、剣を抜くことなく柄を持ち構えた。もちろん剣で戦うつもりはない。剣で戦うと魔物たちに思わせるのである。接近戦を望むファイターだと思わせるのである。

トロルボンバーが棍棒を振り上げ近づいてきている。くらったらかなりの確率で痛恨の一撃となる。ガーディアンも盾を前に出しつつ近づいてきている。まだだ。ギリギリまで引き付ける。・・・今だ!レイルーラにより魔物たちの背後に回った。トロルボンバーはほんの一瞬前までテリーのいた場所に棍棒を叩きつけ、ガーディアンも戸惑ったように周りを見回している。その2体に「しんくうは」の刃がふりかかった。硬い鎧をまとうガーディアンの体に傷を付けることができたが、トロルボンバー共々、それほどダメージを受けている様子はない。

落ち着け。今までやってきたことの繰り返しだ。テリーは先ほどと同じように、剣の柄を持った。魔物たちはテリーの他に仲間がいるのかと周りを見回したが、気配がない為、本能的に目の前の敵であるテリーに襲いかかるしかなかった。

数ターン後、深呼吸をするテリーの前に鉄屑と化したガーディアンと体中傷だらけでだらりと棍棒を持っているトロルボンバーがいた。テリーは右手をトロルボンバーの右手に向け「かまいたち」を放った。トロルボンバーは叫び声を上げて棍棒を手放した。トロルボンバーはすでに目の光を失っていたが、それでも左手でテリーを捕まえようと腕を伸ばした。テリーの体は消え、トロルボンバーは首の後ろから血を流し倒れた。「かまいたち」は便利な技だなとテリーは思った。剣の腕がない者でも剣と同じ切れ味で魔物を切ることができる。

もう一度、深呼吸をした。精神の摩耗がひどい。広いフィールドで戦うよりも、狭いダンジョン内で戦う方が神経を使う。テリーはポケットの中から砂糖菓子を取り出し、口の中に入れた。

 

2回目の戦闘はすぐに始まった。「マッスルアニマル」3匹が現れた。1度目のレイルーラは虚を突き、しんくうはによるダメージを与えることができた。だが2度目のレイルーラは襲いかかってきた1匹以外の2匹はすぐにテリーの出現場所を突き止め、テリーに襲いかかってきた。強い魔獣ならではの嗅覚、そして勘。ここしばらくテリーが経験したことがないものだった。襲いかかってきたマッスルアニマルの一匹目の攻撃は剣でさばいた。2匹目のマッスルアニマルは大きく右手を振りかぶった。テリーは盾を構え、マッスルアニマルの攻撃に備えた。強烈な衝撃が盾からテリーの体に伝わり、テリーの体は後方へと突き飛ばされた。だが、それこそがテリーの狙いだった。これでマッスルアニマル達との距離が出来た。テリーは十字を切り今の自分の最強だと思える技を放った。「グランドクロス」しんくうの刃が巨大な十字架となってマッスルアニマル3匹を襲った。マッスルアニマル3匹がその技をくらっていることを目視にて確認できた。テリーは追撃をしようとしてクラリと目が回る感覚にとられた。回復をしたい気持ちを抑えしんくうはを放った。あの素早いマッスルアニマルよりも早く動くことのできた幸運に感謝しながら。

 

回復呪文を自分に施した後、マッスルアニマル3匹の死体を確認した。まだ戦える、そう思い前に進もうとした気持ちに理性がストップをかけた。デスタムーア城と同じ魔物が出るのだ。例えば「ブースカ」が3体出てきたとしよう。いくらレイルーラでその時に攻撃を避けたとしても広範囲にわたる魔法のイオナズンを使われれば、レイルーラ後、出現した際爆発に巻き込まれダメージをくらうだろう。何より魔物が強い為、緊張状態が続くのが辛い。たった2戦しかしていないが撤退しよう。レイルーラがつかえればなんとかなる。そう考えていた自分の甘さを恥じてテリーはリレミトを唱えた。

マッスルアニマルの攻撃を盾で受けるのではなく、アストロンをすれば無傷でいられたことに気づいたのはリレミトでダーマ神殿の外に出た時のことだった。ちょっとテンパるとこれだ。テリーは自分の未熟さを恥じた。

 

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