エンジェルと名乗る女の言葉に俺達は顔を見合わせた。
「どうしたの?」
「こんな場合、俺達を縛り上げて2人だけで行くと思ったから……」
「あのDr.スリルの研究室に簡単に入れると思っていたら甘いわよ。サマナー嫌いの男が何か罠を用意しているわ」
エンジェルは肩をすくめた。フロントジッパーを腰まで下げると胸の谷間がはっきり見える。かなりの巨乳で思わず目が点になったよ。でもヒロ子さんより小型だけど。
「ふぅ、この方が楽だわ。あたしが生き残りの所員から誘惑して聞いた話では、特殊な悪魔が結界を張っているのよ。悪魔の名前と種族はその男でも分からなかったけどね」
「じゃあ、その悪魔を倒さないと研究室に入れないのかよ……」
RPGゲームに例えればダンジョンの最深部で、ラスボスが待ち構えているのか。
「あたしとリリーちゃんだけではさすがに厳しいわ。それにお嬢さん達だけでもまず無理ね」
「それで一緒に行けと言うのか……ちょっと仲魔と相談させてもらえないですか?」
「ええ、いいわ。言っておくけど他に選択肢は無いわよ」
この女、かなり胡散臭い。チャム・ファウも耳元で囁く。
「その悪魔を倒すまでは味方ね。問題はその後よ」
「同感。あの女、絶対に企んでいるワケ」
「でも大丈夫よ。アンタ達では無理だけどあの女、アタシを普通のピクシーと思っているからうまく出し抜けるわよ。それにアタシには切り札があるしね」
「切り札って何よ?」
黒井が尋ねるが教えてくれない。俺も気になるが、ここは経験と場数を踏んでいるチャム・ファウを信用するしか無い。
「アイツを驚かすまでは内緒。アタシが仲魔になったからリョウは運が良いわよ」
相談の結果を女に話した。
「確かに選択の余地が無い。2人に協力します」
「まあ、そうなるわよね。エンジェル?」
「ふふ、そう言うと思ったわ。よろしくね、リョーコちゃん」
手を差し出してきたので俺は一瞬躊躇ったが握手をした。女の手にしてはやけにタコがあるよ、この人。
「それと2人は他に武器は持っていないのですか?」
「アタシは格闘武器や射撃武器のスキルが無いから持っていても使えないわよ」
「心配は無用よ。ほらこの通り」
良く見ると肩からホルスターを吊っているよ。ハンドガンを抜いて俺に見せてくれた。
「私の愛銃グロック17よ」
「9ミリオートか。でも45口径の方が威力あるのでは?」
「グロック21ね。あたしは装弾数の多い方を選ぶわ」
人それぞれだよな。床に置いてある黒色の大型バッグからショットガンを取り出した。こ、この女、何者だよ。
「SPAS12ショットガン……」
「よく知っているわね。主に軍、警察で使われ、折畳み式金属銃床とピストルグリップが特徴で自動式(セミオート)から手動式(ポンプ・アクション)に切り替えることが可能なコンバーチブル・ショットガンよ」
「特徴的な外見で映画やゲームの主人公が使っているから……」
見た目は確かに格好良いけど、欠点がある。弾を込める際にフレームのボタンを押しながら込めなければならない為両手が必要で、構えながら弾を込めることが出来ない事だ。使い勝手なら箱型マガジンのSPAS15がいいのでは? と思う。
「お喋りはそこ迄よ。エンジェル、早く行きましょう」
リリムが先頭に女、俺達の順に乗る。女が壁のボタンを押すとドアが閉じ、エレベーターはゆっくりと下降し始めた。地下に着くまで時間が長く感じる。
「言い忘れたけど、到着したらこのエレベーターは悪魔を倒すまで動かないからね」
「な、何だって!! ふざけんなよ!!」
「そんな事だろうと思ったわ」
チャム・ファウが肩をすくめる。
「あの2人、最低な女ワケ」
「……」
黒井は腕を組んで無言だが、内心はムッとしているだろう。さすがの俺も腹が立ったが、今更どうにもならないので拳をグッと握り締めるしかない。やがて到着するとドアが開いたので俺達は降りた。ここはホールらしく右側の壁に3人座れるベンチと自販機が設置されている。左側の奥にドアが見えた。空気が冷たく、きのせいかも知れないけど誰かに見られているのを肌に感じる。COMPのエネミーソナーは赤色で人型のアイコン激しく動いている。女の言う通り閉じたエレベーターのドアはボタンを押しても開かない。チャム・ファウが俺の耳を引っ張る。
「リョウ、悪魔が待ち構えているよ」
「ああ、分かっているよ」
「深町くんに渡して置くわ」
黒井が小声で俺の耳元で囁くと、俺の右手に丸い物に握らせた。
「エッ!! 何これ?」
「チャクラドロップよ。私が指示したら使うのよ」
「何だか良く分からないけど、分かったよ」
ヤバイ、俺達の話でエンジェルとリリムが振り向いた。
「貴女達、何コソコソ話しているの? 覚悟を決めて行くわよ!!」
「ふふ、今になって怖気付いたのかしらぁ? レッツらゴー」
エンジェルがショットガンを構えてドアの前に立つと、感圧式のセンサーが作動して自動で開いた。 俺達も2人の後に続いた。秘密研究室は広く、最新鋭の電子設備機器で埋め尽くされていた。奥の方に円筒形のシリンダーらしき物が見える。当然だけど人影は見当たらない。エンジェルはベルトに付けていたポーチから、デジタルカメラを取り出して周囲を撮り始めた。
「す、凄いわ。後は目的の悪魔人合体のデータファイルを手に入れるだけだわ」
突然、見えない壁が現れて俺達を遮ると同時に、どこからか女の笑い声が響いた。
『ホッホッホ、餌に釣られて愚かな獲物が妾の糧になる為に来たよのぅ。ホホホ』
「す、凄い量のマグネタイトが集中しているわ!! リョウ、みんな気をつけて!!」
目の前の空間が奇妙な光と共に揺らぐと、俺達の前に悪魔が1体実体化した。
「怪人蜘蛛女かよ……」
「キモ!! こいつ何なワケ?」
上半身は全裸で人間の若い女と同じだが下半身は5メートル近くある巨大な斑蜘蛛だ。股間の部分に口があって鋭い牙が見える。足をM字に開いたみたいに足がクネクネと動いてキモい。途端に周囲が揺らめいたかと思うと、蜘蛛の巣が張り巡らされていた。これでは迂闊に動けない。
腰まで届く黒色の髪は前髪も長いので顔が見えないが、口を歪めて俺達を嘲笑っているようだ。
『ホッホッホ、妾は女郎蜘蛛。スリル殿との契約でこの場を守護するモノじゃ。お主達、上でぱすわーどとやらをを解いてよう来られたのぅ。歓迎するぞぇ』
「私はジャーナリストのエンジェル。リリムは相棒で、彼女達は協力者よ」
この場を任されている女郎蜘蛛は絶対的な自信があるのだろう。嘲笑いながら彼女の名乗りを聞いている。
『ほほぅ、1人では敵わぬと見て仲間を連れて来たのかぇ。数を揃えても妾には勝てぬぞぇ』
「言いたい事はそれだけかしら? 蜘蛛女さん。貴女を倒して眠っているお宝を手に入れるだけよ」
エンジェルが油断無くSPAS12を両手で構え、気楽に言うと俺達も身構える。
『ホホホ、強気な女よのぅ。妾を上にいる下等な屍鬼と同様に思ったら大間違いじゃ!!』
いきなり女郎蜘蛛が鋭い牙を剥き出しにしてエンジェルに噛み付いてきた。女郎蜘蛛は図体がデカイ割に素早い。エンジェルは避けきれず、右脇腹を裂かれた。
「ウッ!! こ、これぐらい、何これし、痺れて……」
『ホホホ、痺れて動けまい。次は生きたまま噛み砕いやるぞぇ』
「エンジェル!! メ・ディアで」
「駄目!!」
彼女は膝を床に付いて女郎蜘蛛を睨む。次、襲われたら最後だ。
「こ、この程度……かすり傷よ。リリーちゃん回復よりスク・カジャをお願い」
「……オッケー!!」
チャム・ファウは両手の人差し指を蜘蛛女に向けた。
「蜘蛛女、その身に刻め!! 必殺パワー!! サンダーブレーク!!」
チャム・ファウの指先から青白い稲妻が2本発生して広がり1発は命中、もう1発は外れた。
「チッ!! 惜しい」
指をパチンと鳴らす。
『グッ、下等な妖精の分際で、連続攻撃とは小癪な真似を!! お主から喰らうてやる。覚悟せい』
「バーカ、アンタみたいなウスノロの間抜けなんかに捕まらないわよーだ。アッカンベーのべロベロバー!!」
挑発された女郎蜘蛛は鋭い爪を伸ばした両手を振り回すが、サイズ補正なのか捕まえる事が出来ない。俺はその隙にエンジェルを引っ張って離れた。気のせいか俺の身体が軽くなったようだ。これがスク・カジャの効果なのか。
「ありがとう。こんな事があろうかとディスパライズを使用するわ」
「次はナオミが引き裂いてやるワケ」
ナオミが爪を伸ばして斬りつけるが、ひょいと避けられた。
『馬鹿め!! どこを狙っているのかぇ』
「Nasatanada Zazasu Zazasu Zazasu……マカ・カジャ」
黒井はナイフを両手で手にして目を閉じ何かを唱えていた。俺は傷薬で、この女を回復だ。
「優しいのね……おかげでだいぶ楽になったわ」
「べ、別にアンタの為に助けたんじゃないよ」
『ホホホ、次は骨も残さず喰らうてやるぞぇ』
「ヤベッ!!」
「避けてみせる!!」
『チッ!! 運の良い女じゃのぅ』
今度は回避成功で、女郎蜘蛛は忌々しそうな顔をしている。
「ビリビリしちゃえ!! 必殺パワー!! サンダーブレーク乱れ撃ちィイイ!!」
女郎蜘蛛は電撃魔法の激しい稲妻を回避したが、もう1発は当たった。
『グォオオウッ!! か、身体が痺れて……う、動けぬ。おのれ生意気なピクシー!!』
「ふふ。その隙に、スク・カジャよ」
リリムが両手を広げて唱える。
「ナオミのセクシーで華麗なダンスステップを見るワケ」
『ホホホ、そんな田舎娘の盆踊りがどうしたのかぇ?』
「そんな!!」
「マカ・カジャ2回目。深町君はあの悪魔のデータをCOMPで調べて」
「わ、分かった」
女郎蜘蛛が動けない今がチャンスだ。COMP操作するが緊張でリモコンを操作しずらい。悪魔召喚プログラムのメニュー画面から、悪魔情報検索をクリックして検索画面を出して女郎蜘蛛と入力するとヘッドバイザーの画面に項目が現れた。
悪魔名称:女郎蜘蛛 レベル:25
種 族:獣族系妖獣
神 族:不明
ステータス:即死、氷結無効、
所持スキル:麻痺噛み付き、ブフーラ ??? ??? ???
HP:??? MP:???
妖獣女郎蜘蛛。俺は結果を話した。
「それだけでも分かれば上出来よ」「ふーんさすがサマナーね」「これぐらい出来て当然よ」
痺れが無くなったのか女郎蜘蛛が動き出した。
『弱い人間の癖に忌々しい女共と仲魔じゃ。ホホ、次は黒髪の女、お主を喰らうてやるぞぇ』
女郎蜘蛛が黒井を狙って噛み付いて来た。両腕でガードしたが耐え切れず、衝撃で後ろへ吹っ飛ばされた。
「あぁ!! 痛ッ!!」
苦痛で顔が蒼白だ。
「ジオンガ乱れ撃ちぃいい!!」
「じゃ、アタシもジオンガよ。死んでね、蜘蛛女さん」
『クッ!! 浅ましい淫魔の分際で妾に楯突くとは、寝床で男と交わっておれば良いものを……』
「ふふ、アンタを倒したらホテルへ行くわよ」
計3発のジオンガが命中して、女郎蜘蛛が巨体を震わせると同時に轟音が響いた。
「う、嘘? 効いていないの……?」
『愚か者め!! そんな豆鉄砲が妾に効くと思ったのか!!』
「ナオミなら……」
女郎蜘蛛の装甲数値は高いのかよ。突然、ナオミがエンジェルに飛び掛かると押し倒した。
「キャッ!! は、離しなさい!!」
「そのテッポーをナオミに貸すワケ!! じゃないと腕を喰いちぎって奪うワケ」
「お、おいやめろ!! ナオミ!!」
ナオミは俺より力があるので止められない。エンジェルは不意を突かれた為、抵抗虚しくショットガンを奪われた。立ち上がった彼女は肩で息をしてナオミを睨んでいる。
「屍鬼の貴女がショットガンを扱えると思ったの?」
「ナオミならアンタより扱えるワケ。多分」
「ふざけないで!! 今すぐ返しなさい」
「貴女達!! いい加減にしてよッ!! ハァハァ、アギ……ラオ連続攻撃!!」
膝を付き、荒い息をする黒井から炎の塊が2つ現れ、女郎蜘蛛に命中して一瞬、炎に包まれた。
『ウギャァァァ!! これは火炎魔法。黒髪の女、魔術師かぇ? 横にいる黒衣の女は召喚師か? おのれ口惜しや』
女郎蜘蛛の叫び声を無視して、俺は貴重な傷薬で黒井を回復させると顔色が良くなった。
「あ、ありがとう。楽になったわ」
「ああ。死なれたら困るし……」
死。そ、そうだ一歩間違えれば俺も死ぬ可能性があるんだ……緊張と興奮が薄れて急に身体が震えて来る。
『ホホホ、下等な屍鬼の分際で妾に楯突くとは力の差が分からぬ愚か者よのぅ!! ブフーラで氷漬けになるが良いぞぇ』
女郎蜘蛛の前に氷塊が1個現れるとナオミに向かった。
「そんなのナオミは華麗なダンスステップで回避するワケ」
『ホホホ、その隙に黒衣の女を喰らうてやるぞぇ』
「し、しまっブフーラはフェイントか?」
女郎蜘蛛が俺達に体当たりして来た。だ、駄目だ、避けられない!!
「ウグゥウウ……」「キャアアア!!」
俺とチャム・ファウが避けきれず吹っ飛ばされ俺は床に叩き付けられた。凄まじい激痛が身体中を走り抜け、手足が動かない。もし黒蝶ドレスを着ていなかったら、良くて意識不明の重傷で最悪は死……い、嫌だ。女装したまま、こんな所で絶対に死にたくない。
「貴女達!! しっかりして」
「深町君、チャム・ファウ!!」
「あ、アタシは大丈夫。それよりリョウを回復させて、早く!!」
「分かったわ。貴重な魔石を使うから貸しだからね、リョーコちゃん」
ふざけるな俺だって助けたから貸し借り無しだ。痛みと意識が朦朧で喋れない。魔石が砕けると暖かさに包まれ、今迄の激痛が嘘のようだ。チャム・ファウはフラフラして俺の左肩に止まる。リリムがジオンガで攻撃すると女郎蜘蛛は痺れて動けない。
「蜘蛛女!! これでも喰らいなさい!! メギド・キャノン発射!!」
指先から稲妻ではなく光の塊が現れ、女郎蜘蛛に命中した。
『こ、これは万能魔法のメギド? 何故下等なピクシーが使えるのじゃ!?』
大ダメージを受けて前より弱っているぞ。
「ナオミの優雅で華麗なスーパーショットをその身で味わうワケ」
ニヤリと笑うナオミがSPAS12を撃った。その動作は素人ではなく熟練の射手だ。
『グウゥ!! ば、馬鹿な!! 豆鉄砲如きで妾の身体に傷を与えるとは……口惜しや』
両腕を抱え苦しんでいる。嘘、効いているぞ。俺が黒井を見ると彼女も驚いている。
「よし、俺も攻撃だ」
改造釘打ち機を両手で構え、女郎蜘蛛に接近して撃つが、弾かれて釘が床に落ちた。
「しまった!!」
『ホホホ、黒衣の女!! そんな針で妾の肌を貫けると思ったのかぇ?』
あ、危ない、もし動けたらあの足で蹴られていただろう。
『次はお主ぞぇ。淫魔!!』
巨体の向きを変えてリリムに、ドス黒い爪を伸ばして襲いかかったが、翼を広げて回避した。
「ふん、遅いわよ」
『ホホホ、馬鹿め引っ掛かりおったぞぇ』
「えッ!! ウグッ!!」
「リリーちゃん!!」
冷静なエンジェルが叫ぶ。リリムの腹に拳が直撃して、彼女は腹を押さえて膝を付いた。
「き、効いたわよ………い、今のは……」
妖艶な美貌は痛みと怒りに変わり女郎蜘蛛を睨んでいる。
「ピクシービィィィム、フルッパワー!!」
「さっきのお返しよ。ジオンガ!!」
『お、おのれ猪口才な淫魔め!! 動ければこの爪で引き裂けるのに……嗚呼、口惜しや』
上半身がぐったりしている。いいぞ、かなり弱っている。
「こんな事もあろうかと、あたしはマハラギストーンで仕掛けるわ。女郎蜘蛛、覚悟!!」
エンジェルが赤い石を投げつけると一瞬炎に包まれた。
『グッ!! まだ動けぬのかぇ……』
「ナオミのダブルタップで追い撃ちなワケ」
轟音が2回響き、胸に12ケージシェルが命中した。
「これ……で終わりよ。アギ・ラオ連撃……ふ、深町君。今よ」
「あ、ああ分かった」
俺は隠し持っていたチャクラドロップを黒井に使った。疲労が嘘みたいに回復したのいつもの顔だ。
女郎蜘蛛は痺れが回復すると俺達に向かって来た。
『黒衣の女と屍鬼め、妾がその四肢を引きちぎるぞぇ』
「そんな事されてたまるか!!」
「バーカ」
女郎蜘蛛は弱っているので余裕で避けられたが、ナオミは胸から腰にかけて斬られた。
「キャアア!! こ、この変態蜘蛛女!!」
『ホホホ、お主、貧相なぼでぃをしているのぅ。それでは男を誘惑出来ぬぞぇ。次は上の口で噛みちぎってやるかのぅ、ホホ』
ナオミが両手で胸と股間を隠している隙につかみ上げた。
「こ、この変態蜘蛛女。ナオミを離すワケ!! ギャアアアア!!」
ナオミの絶叫が響いた。女郎蜘蛛は首筋噛み付いたが、顔をしかめた。
『ペッ!! 不味いのぅ。腐った女は喰えたモノではないわ。黒衣の女、返すぞぇ』
女郎蜘蛛はナオミを放り投げた。俺は抱き留めたが、重いよ。
「ありがとう……涼太クン。大好きなワケ」
「わ、分かったから離してくれ」
俺の顔が真っ赤だよ全く。女郎蜘蛛はチャム・ファウとリリムのジオンガで痺れて動けない。
「永久に抱いていたいワケ。もう……絶対に離さない」
「あのね2人共、イチャつくのはこの後、ラブホテルで交わってくれないかしら」
「ハァハァ、いいわぁ……女屍鬼×女装子、屍姦特殊プレイ、有りね。薄い本が出来るわ。嗚呼……」
リリムは貴腐人かよ。そんなの変態猟奇ジャンルを読んだらSUN値直葬だ。
「リリーいい加減にしなさい。ったくアンタは日頃はクールなのに、どうして変身すると淫乱になるのかしら」
嫌味を言いながらグロック17を発砲するがダメージを与えられない。
「ナオミの射撃は的確なワケ」
SPAS12を両手で構え撃つ。どうしてナオミはダメージを与えられるのだろう。
「アギ・ラオ2連発」
女郎蜘蛛は完全ぐったりしている。今の内にナオミを回復させた。
『何故じゃ!! 何故、妾が一方的に攻撃を受けるのじゃ? おのれ!! 小賢しい妖精と淫魔め……お主達さえいなければ……今頃は……嗚呼、口惜しや……』
「ふふん、あいつかなり弱ってきたワケ。いい気味」
「油断しないで!! 勝つ迄気を緩めちゃ駄目なワケ」
女郎蜘蛛がチャム・ファウを狙ってきた。
『妖精、お主だけでも……喰らうてやるぞぇ』
「クッ!! まだまだァ」
鋭い牙で太腿を食いちぎられたが、気丈にも女郎蜘蛛を睨みつけ叫ぶ。両腕を振り上げる。
「蜘蛛女!! これでダウンよ。必殺!! エレクトリッガー発射!!」
『ウギァァァ!!』
チャム・ファウのジオンガで動かなくなった。
『む、無念じゃ、妾がこんな輩に倒されようとは……スリル殿、契約を守れず申し訳……』
蜘蛛女の身体が溶けるように崩れだして消滅し、それと同時に周囲も元の研究室に戻った。
戦闘シーンはキャラシートを作成してダイスを振りましたが、7ターンもかかりました。