白音は仙術を使わず気を扱うようです   作:煌めく伯爵

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重力増加装置

「それが……超サイヤ人?」

 

「多分ですがね」

 

アーシアの問いにそう答える白音。

 

「元には戻れるの?」

 

「アザゼルに聞いた話だと軽い興奮状態らしいから、落ち着けば戻ると思いますよ」

 

深く息を吐き、心を落ち着かせるといつもの白音に戻った。特に変わったところはないようだが、今もう一度なれと言われるとそれは難しいだろう。

 

「もう夜遅いっすから、真相は明日アザゼル様に聞きに行くのが良さそうっすね」

 

「はい、そうしましょう。それでですね、アーシアさん。この傷、治してくれると嬉しいんですが」

 

「あ、すいません!今治しますね」

 

手をかざし、アーシアが宝具を発動させると癒しの光が白音の傷をまるで早送りのように治していく。数分後宝具の性質上疲労は治らないが、痛みはすっかり引いていた。4人は結界が張ってあったから大丈夫だとは思うが、念のため急いでその場から離れ、アザゼルが用意してくれたホテルに向かうのだった。

 

 

次の日、真相を確かめるべく4人はアザゼルの元へ向かっていた。気で何処にいるかはわかるので、すぐ行こうかとも思ったが、その近くに例の赤龍帝と天使でも悪魔でも堕天使でもない気が感じ取れたので、アザゼルが1人になるまで待ってから、アザゼルに話しかけた。

 

「なに?昨日、超サイヤ人になったかもしれんだと?」

 

「はい、昨日、とある事で私の姿が変わったんです。黄金の髪を持つ姿に」

 

白音の説明とレイナーレ達3人の証言をターブルから聞いた伝説と照らし合わせながら、それが本当に超サイヤ人か考えるアザゼル。結果的に、聞いた伝説とは多少の誤差があるもののほぼ間違いなくそれは超サイヤ人であろうと結論づけた。

 

「それにしても、コカビエルの奴が聞いたら喜びそうな話だな」

 

「と言っても、現状は自分の意思では変身できないんですけどね」

 

「まあ、仮にも伝説の存在だ。そうホイホイとなれるもんじゃないだろうしな。……そう言えば、お前らに渡したいものがあったんだ。ホレ」

 

そう言って、投げ渡されたのは4つの腕時計の様ななにか。と言っても、形こそ腕時計だが、時間は何処にも表示されていないし、なにやら赤いボタンと青いボタンと付いている。

 

「これは……?」

 

「それはな、昔酒に酔った勢いで作った重力増加装置だ。赤いボタンを押すと電源のON OFFが出来る。魔力を流すことによって最大300倍まで重力を増加でき、作った時は最高の発明だ、なんて思ったが装着者以外を対象にできなくてな。欠陥品だったんで、いつか処分しようとしてたんだ。どうだ、使うか?使ってくれるならやるぞ。お前達の修行にも役立つだろうしな。リアスとか一誠にやっても良かったんだが、あいつらじゃ使いこなせないだろう」

 

「そういう事なら、喜んで貰いますよ。ね、皆さん」

 

「私はアザゼル様からの贈り物なら何だって貰うわよ。風邪とか病気以外ならね」

 

「ウチもっす。今まで、会ったこともなかった憧れの人からの贈り物とか一生かけて使うっすよ!」

 

「あれ?となると、この青いボタンって?」

 

「ん?ああ、それはかかる重力を固定するボタンだ。それを押さないと、装着者の魔力の変動ですぐ変わっちまうからな。くれぐれもちゃんと押せよ。今どれくらいのGがかかってるかは表示されるから安心しな」

 

とりあえず装着して、魔力を流してみる白音。すると10Gと表示され途端に身体が重くなる。どんな動作をするにも今まで以上の筋肉が使われることだろう。これは良い修行になりそうである。

 

「確かに、これは良いですね。普通に生活するだけでも修行になりそうです。でも、本当にいいんですか?貰ってしまって」

 

「ああ、全然構わんさ。さっきも言ったが処分するより有効に使ってもらった方が俺も作った甲斐があるってな。っと、そろそろ時間か。この後、サーゼクスの野郎と話し合いに行かなきゃならんのでな」

 

そう言って、アザゼルは何処かへと向かっていった。それを見送った後、白音は全員に重力増加装置を配り、とりあえず全員が重力を10倍にしてみる。10Gと表示された辺りで、青いボタンを押す。すると、とてつもない負荷かが身体にかかるのがわかる。

 

「10倍でこんなに動きづらくなるんですね。この分だと300倍だとどうなるんでしょうか」

 

「まあ、単純に体重が今の300倍になるってことよね。いきなり300倍とかしたら潰れるんじゃない?」

 

「それは怖いっすね。ゆっくり身体に慣らしていくのがちょうど良いって感じっすかね?」

 

「そうですね。とりあえずはまず10倍の重力に慣れることから始めましょう。今日はこのまま生活して、明日あたりから組手でもしますか」

 

全員がその提案に頷き、とりあえず今日は10倍の重力に身体を慣らす事にするのだった。

 




友人にキャラの台詞の所一行開けた方が読みやすくね?と言われたので試作的にやってみました。見にくいなどの感想がなければこのままいきたいと思います。

あと、アザゼルさんは原作で言うブルマ的なポジションにいます。彼女程ではないものの、並大抵のものは作ってくれます。

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