変なのに愛されて悪夢しか見れない   作:蒼穹難民

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BGM『暁の車』


ばんがいっ!そのよんっ!

インド国・ヴィシャーカパトナム市・ヤーアーダービーチ

 

 

 

 

そこには多くの戦艦・巡洋艦が橙色の岩巨人を囲み、いつでも主砲が撃てるようにしていた。

 

 

離れた海域には空母があり、岩巨人の上に幾つかのヘリや戦闘機が攻撃待機している。

 

地上には自走砲・自走式対空砲が待ち構え、戦車や装甲車、歩兵の姿があった。

 

 

巨人の両手足は海水に浸かり、今にも崩れそうな状態で前を向いていた。

 

 

一隻の巡洋艦が巨人に近づいており、艦橋から1人の人物が巨人と会話をしていた。ーー

 

 

 

 

「もう一度確認させて貰う、私の心の臓、お前達の言うコアを差し出せば大地に毒を蒔かぬのだな?」

 

 

 

「…ああそうだ。アジアの守護神よ。この様な卑怯な手を使い、私は恥ずかしく想う…」

 

 

 

 

アディラタは人類軍による大陸への生物兵器の撒布警告を出され、

住民達を守るために住民達の反対を押し切り、要請に応え此処に居る。

 

 

 

「アディラタァァ!!駄目だそんなこと!俺たちの代わりに貴方が死ぬなんて!」

 

 

「アディラタ様!お考え直して下さい!貴方様が死ねば我等はどうすれば…!」

 

「おじいちゃーん!しなないでー!いっしょにあそぶやくそくやぶっちゃだめなんだよー!」

 

「アディラタぁ…」「こんなこと許されるはずが…」「おぉぉ…神よ……」

 

「この畜生供がぁ!こんなことを続けてなんともないのかぁぁぁ!?」

 

 

地上からは今までアディラタが尽くしてきた住民達が人類軍に非難をぶつけていた。

 

 

乱闘までには至っていないが今にも人類軍に飛びかかり、すぐにでも始まりそうな状態だ。

 

 

それでも最後の理性を保ち、抑えて居るのはアディラタが赴く前の遺言があったからだ。

 

 

 

 

 

 

ーー未来ある子供達の為に私の命で済むのなら喜んで差し出そうーー

 

 

 

 

 

ーー私の様な異物ではなく、未来に生きるのは可能性の子供達だーー

 

 

 

 

 

 

人類軍に対しあわや戦争を起こそうとしていた大人達は自らを恥じた。

 

 

 

アディラタは戦争に巻き込まれる子供達をみたくはなく、そして自身の息子の様に死んで欲しくはなかった。

 

 

 

アディラタにとっては其処に住む全てが自分の子供達であった。

 

 

 

 

「聴こえているのだろう!この悪魔が!呪われるがいい!!

貴様等人類軍はブリテンの悲劇を省みず!まだ愚行を侵していると気づかぬか!!」

 

 

「呪われろ!!人の道を墜ちた外道供が!!その身はいつか地獄の業火で焼かれるであろう!!」

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

地上部隊からの攻撃が届くよう、そして命令を出す為に全ての無線は繋いでおり、

彼等人類軍は守るべき人類からその憎悪をただひたすらにその身に受けていた。

 

 

 

 

「私の命で済むのなら安いものだ。ただし、死にゆくものとして最期の条件がある。」

 

 

 

 

 

「…受けられるかどうかは解らない、守れるかどうかさえ定かではない…

 

それでもいいのなら話してくれ。」

 

 

 

 

 

 

 

「どうかもう2度とこのようなことはしないでくれ…

 

 

 

そして2度と、自らの心を自身で傷つけないでくれ…」

 

 

 

 

 

 

 

騒音が止み、時が止まったかの様な静寂が響いたーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・!!!!ぐぅぅぅ………ぁぁぁああああ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その言葉は正に引き金であった。

 

 

 

 

 

 

 

男性は己の心を鉄にしようとしたが、硝子の様に砕け散った。

 

 

 

守るべき人類からの憎悪、醜い己が行動、優しき巨人の言葉。

 

 

 

彼にはとても背負いきれず、親を見失った子供のように泣いた。

 

 

 

「私は此処で死ぬ…故郷インドであり母の海で、我が身を明かそう…

 

 

しかしもう、子供が泣いている姿は見たくない…どうか自愛してくれ。」

 

 

 

 

「あああああああああああああああああぁぁぁぁぁ…………!!」

 

 

 

アディラタの親愛をその身に受け、叱られる子供の様に泣き叫び、

 

その姿は誰が見ても無様と言える見苦しいものであった。

 

 

 

 

 

ーーしかしそれは人間である証明の尊い心の表明でもあった。

 

 

 

 

「ふぐぅぅ…うぐっ…了"承"じだ…ズズッ…我等が父よ…

 

太陽…神…全ての人類…そして貴方(父さん)に必ず誓う……!!」

 

 

 

 

 

 

子は親に叱られ、子は反省し前に進む。

 

 

 

 

 

 

「不甲斐ない親ですまん…人類の未来を我が子供達に託そうーー!!」

 

 

 

 

 

 

それは正に神話の光景そのものであった。

 

 

 

巨人()は心の臓を自身で顕にして子供に晒した。

 

 

 

まるでもうひとつの太陽が耀き、生命全ての『祝祭(フェストゥム)』の様に。

 

 

 

太陽は浮き続け、身体は崩れ落ち、

 

 

薄れ逝く意識の中、最初の息子を思い描いた。

 

 

 

 

(…ああそうだ…私はお前の様に無欲にはなれなかった…

 

 

 

私は全てを棄てられない『強欲』であったのだから…)

 

 

 

 

 

 

 

ーーーその日、彼は息子達が手を取り合い、困難に立ち向かう夢を見た。ーーー

 

 

 

 

 

ーーああ…ーーこれはーー良い夢だ。ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『人類軍・指揮艦 艦橋』

 

 

 

 

「よろしいのですか。あの様な約束を。」

 

 

 

 

 

「ああ…リオウ、私はもう2度と間違わない。」

 

 

 

艦橋には日本海での事件、ブリテン崩壊により上官が殉職した事により、

 

出世した黒人の()()()()()()()の青年が迷いを捨てた顔をしていた。

 

 

「今の人類軍は間違っている、このままでは人は人で無くなってしまう。」

 

 

それはへスター・ギャロップ、ケイト・ピクトジンへの戦う意志であった。

 

 

 

「人間の素晴らしさは勇気だ。

 

人間が高潔である人間賛歌、私がそれを証明してみせようーー…!!」

 

 

彼ですら知らなかったがパーンダヴァの末裔、

 

リチャード・マサラはそう決心した。

 

 

「私がまだ人間であるなら、それができるはずだ…!」

 

 

 

 

人類の夜明けは近い。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

砂漠のピラミッド付近にて

 

 

(今日も貴方は起きてはくださらないのですね……。)

 

 

ネフェルタリは今日もピラミッドに祈りを捧げつつ、

 

花を添え、未だ俗世に戻らぬ夫を待ち続けた。

 

 

ーーやはりこの身が人ではないからでしょうね…。

 

 

 

ネフェルタリは夫は迎えには来ないと思った時にそれは起こった。

 

 

(ーーー!あれは!!)

 

 

なんとピラミッドから人影が見え、其処に立っている姿が見えた。

 

 

(まさか本当に迎えに来てくれたのですかラーメス…!!)

 

 

妻は涙を流し愛する夫と思われる影に近づいた。

 

 

 

その時不思議な事が起こった!!

 

 

(はっ……?)

 

 

其処に居たのは生前罪を犯した胸に穴が空いた、

罪人の布を巻いている罪人のミイラであった。

 

 

 

(いやーーーーー!?助けてラーメスーーーー!!)

 

 

 

女の巨人が泣きながらミイラと鬼ごっこをし、ミイラ動かなくなったのを見て、

疲れて寝てしまったコントの様な光景であった。

 

 

 

ーーーその日、彼女はホルスの化身が冥界の亡霊を逃してしまう悪夢を見た。ーーー

 

 

(貴女の仕業ですかニトクリスーー!?)

 

 




太陽王の嫁の涙目が見たい。
ハッ!殺気ッ!
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