休日出勤「わたしです」
早乙女「うわぁぁぁ‼︎」
モニターにはフェストゥムはゆうに50体は超えていた。
「無茶だ!君のラハムは戦闘力が低い!行っても死ぬだけだ!」
「予備のガンドレイクがあります。この区画を放棄するのなら武器は残さず、
戦力は全て出すのが得策です。命令を早乙女司令官。」
「しかしッ…‼︎民間人を出す訳には…!」
「真由っ!どうしたって言うんだ!」
「真由君…。」
「例え民間人であろうとL計画参加者、戦闘データは貴重な物であり、
最優先対象と判断し、出撃させ撤退をするのが最良と判断します。」
「それを言うのなら君の…
「ラハムはフェストゥムです。生成エネルギーは未知すぎる。
確実性がない物は切り捨てるべきです。貴方が背負うべき命令を。」…!」
「真由!勝手な事を言うな!」
「大丈夫です、
「まっ、真由……?」
「マユは、死ぬつもりはないよ?」
僚は一瞬、真由の姿が女性のものに見えた。
驚き、瞬きをしたら真由はいつもの姿だった。
(今のは…?一体…。)
「……出撃してくれ、1番機2番機は護衛、3番機4番機、
そして真由君は遊撃に移ってくれ…これは命令だ…。」「司令!?」
「必ず、全員で生きて竜宮島に帰るのだ。これを絶対とする。」
「!」
僚は真由が背負うべき命令、死ぬ気はないと言う台詞と、
早乙女司令の命令に気がついた。
(そうだ…!此処で死んだら元も子もない!みんなで竜宮島に帰るんだ!)
僚、祐未、惇と剛史は格納庫へと急いだ。
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(真由君…どうしちゃたんだろう…。)
興奮冷め切らぬ空気の中、祐未は不安を感じていた。
(見たかあの潜水艇!40人も乗れるんだ。
全員が生き残るのを考えていたんだよ!お前の父さん。)
「僚…。」
ファフナーに搭載されている
ジークフリード・システムによるクロッシング・システムでフェストゥムの電波妨害を気にせず通信出来た。
(ここまで生きたんだ、
絶対に生き残らなきゃダメだ。真由を連れて帰る為にも。)
「……!うん!絶対に帰ろう!」
それでも希望を前に進んでいた。
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(惇、何で出撃しようとしたんだ?)
「かわいい弟分を守ってやろうと思ってな…ここで何もしないと俺は絶対に後悔する、心残りは残したくなかった。まさか出るなんて言うとは思わなかったけどな。」(そうだな…驚いたよ。)
惇と剛史はお互い何故出撃するのかを話していた。
「剛史、お前は?」(俺も…そうだけど、お前のと俺の、アインとツヴァイって徹が名前付けてたろ?こいつらも竜宮島に帰さなきゃと思った。)
「そうだな…こいつらも俺達の仲間だ。」
惇は自分が搭乗しているファフナーに思いを馳せる。
「楽しかったな…この2ヶ月。」(ああ…楽しかった、心からそう思う。)
「誰も欠けずに帰るんだ、置いてってやるなよ?」(俺のセリフだそれは。)
2人はもう4機の頼もしい仲間に信頼を応えようとする。
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「ぐうっ!」(真由!左と斜め下から来てる!)
真由はガンドレイクを盾にしながら注意を惹き、潜水艇にフェストゥムが取り付かない様にし、
僚と祐未はその取り残しを倒していた。
『真由!もういい!フェンリルによる自爆が始まる!今すぐ離れるぞ‼』「‼」
拡張音声からそれを聞いた真由はL区画の上空に飛び立った。
『何してる速く離れろ!』『真由君急いで!』
(あなたはそこにいますか?)
「いるよ‼真由はここにいる‼」
全てのフェストゥムが真由の乗るラハムに襲いかかり、ラハムの全身が結晶に覆われた。
ワームスフィアが発生するようにそこに黒い太陽が浮かび上がった。
フェンリルの光と共にそれは黒い太陽の日の出のようであった。
黒い太陽は日が落ちるように海に沈んでいった。
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「真由!真由はどうした!?何をしたんだ真由!」
(僚!あれを見て!!)
僚は真由が同化し、フェストゥムがラハムと共に、ラハムが創り出した泥の太陽に呑み込まれていたのを見て、真由が死んでしまったのかと思ったところに祐未が悲鳴に似た大声をあげる。
ーーそんな…まさか…
そこには新陳代謝を習得し、海中でも活動が可能になったフェストゥムがいた。
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「くそっ!せっかくここまで来て!」
(ぐわぁ!脚がぁぁ!!)
潜水艇は無数のフェストゥムに取り囲まれ、剛史のファフナーは駆動系が壊れ、惇のファフナーは下半身を喪失していた。
ーーかっこつけておいてこの様か…
剛史はフェンリルを起動し剛史が死を覚悟した時にそれは起こった。
ーー海の中に黒い太陽……?
その黒い太陽からは泥が溢れ出し地底に少しだが積もり始めていた。
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ファフナーは元々フェストゥムのコアを搭載した人造フェストゥムのようなものであり、ファフナーのコアは真由のエネルギーを受けていた。
ファフナーはフェストゥム達からは器と呼ばれ、心がないと思われていた。
初めて心を持ったファフナーはこう思った。
ーーーこの善き人々に幸せをーーー
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「っ!?ツヴァイ!何をするんだ‼」
ツヴァイと呼ばれたファフナーは黒い太陽の泥を拾いあげ、同化し、小型の潜水艦のようなものを作り、剛史の意に反してもう1つの手で泥を掬い、そこから空気の膜を張り、コックピットの剛史を無理矢理取り出して艦に乗せた。
隣の惇のファフナーも同じ動きをしている。
「やめろっ!お前達だけを逝かせる気か!」
ファフナーは潜水艦を皆が乗っている潜水艇に送り、兄弟と目を合わせ、頷き合い。無数のフェストゥムの元へと向かった。
「やめろ…やめてくれ…」
剛史は涙を流した。
今までの思い出、悲しみ、そして
「ありがとう…ツヴァイ……
本当にありがとう………。」
ツヴァイとアインは光と共に消え、
剛史と惇は潜水艇に収容された。
「剛史ッ!無事かっ!?」
「何でファフナーが単独で…」
「剛史!惇!大丈夫!?」
「ツヴァイが…ツヴァイが俺を…」
「アインが…俺を助けてくれた…」
皆が呆然とする中、水中から友軍からの通信が届いた。
『ザ-ザ…ザザ聞こえますか?此方竜宮島所属ファフナー・マークツヴァイのパイロット、蔵前果林です。先輩達はそこにいますか?将陵先輩は、生駒先輩達はそこにいますか?』
それは運命の巡り合わせであった。
『応答して下さい!此方竜宮島所属!蔵前果林です!どうか応答して下さい!』
「此方L計画最高責任者の早乙女だ…L計画参加者全員はまだ存命している。」
『!?じゃあ先輩達もいるのですか!?』
「将陵僚並び生駒祐未は未だ戦闘中だ!今すぐ助けに向かってくれ!」
戦いは、まだ続いていた。
休日だって知っちゃったじゃない!
僕…休みたいよ…