黒い容疑者「やばいと思ったが自分を抑え切れなかった。」
ーー『アルヴィス・とある会議室』ーー
「ラハムの様子はどうかね?」
「交渉は成立しました。ただ戦闘力がファフナーに劣る為、
本格的に戦闘には参加せず、サポートする立場なら引き受けるとの事です。」
会議室には研究者達とアルヴィスの幹部格が報告を含む会議をしていた。
フェストゥム研究員の[
会議の参加者には小型端末が渡され、スクリーンのデータが共有して映されている。
「それくらいならしょうがないだろう。サポートだけでも御の字だ。
それでラハムの研究についてはどうなっている?」
「早速、研究に取り掛かり、ラハムについてのデータを纏め上げました。」
スクリーンにはラハムの解析した情報である映像が映し出されており、
全長、体重、成分、内部構造など細かく描写され、渡された小型端末にも映し出される。
「ラハムは通常のフェストゥムと少し違い、珪素(シリコン)の他に多量の炭素が含まれていました。」
「これまでのフェストゥムとは違うとは思っていたが炭素だと?」
「やはり新陳代謝を習得したのと関係があるのでしょうか?」
「ラハムの証言によると、人類軍の核による燃焼が原因との事です。」
「なにっ!?」「なんですって!?」
参加者の大半に動揺が走った。当然であろう、いくら協力的とはいえ、
放射能汚染されているのであれば、更に慎重に解析をしなければならないのに交渉も含め、
僅か1日でこれほどのデータが入手出来たのだから参加者達は驚きを隠せないでいた。
「ですが検査してみた所、放射能は検出されず、問い質した情報によると、
鈴木真由との接触したおりにワームスフィア生成能力が変質し、
未知のエネルギーを秘めている泥が生成可能となり、30年かけ除染したそうです。」
「被爆した内部を除染出来たのか・・・」
通常、核の自然除去には30年かかるが被爆した生物はそうはならない。
何故なら生物には放射能が残留し自然の様に除去する事は出来ず、
ましてや飲食をして排出する事が出来ないフェストゥムでは奇跡に等しい。
いつかの未来ではフェストゥムに放射能除去する力があるがこれは余談だろう。
「ラハムの能力自体には通常のフェストゥムより劣っており、
L計画では話してはいませんでしたが、読心能力が劣化し、
直接による情報供給、同調した相手との感覚共有が可能との事です。」
ーーやはり隠していたか…。
早乙女柄鎖はラハムは何か隠していると考え、情報を規制し、
ラハムの前では余り情報を吐露しなかったが、真由の前ではしていた為、
まさか筒抜けだった事に、一介の歯痒さを感じていた。
「放射能の変質で得た能力かね?」
「いえ、放射能は細胞を変質させるとされ、フェストゥムは該当されない為、
鈴木真由との接触で得た、劣化されたと考えられます。
ラハム本人も証言した為、確証は高いでしょう。」
「問題はこの泥によるエネルギーです。放射能を除去し、人体に好影響を施し、
フェストゥムを沈静化させ、ファフナーに単独行動を可能にさせたのですから。」
これが今回の会議の内容と言っても過言ではないだろう。
よくよく考えれば余りにもズルすぎる。今までの人類の研究とはなんだったのか。
「泥の生成について、同調者がいない場合に生成出来る量は少なく、
昨日では1時間で10
「ファフナーとやはり似ているな…同調者で差がでるのは。
まるでシナジェティック・コードだな。」
ファフナーの同調にはシナジェティック・コードと呼ばれる、
[ある種の脳の状態]と言われるがこれはパイロットの積極的な、
強い自己否定から生まれるものであり、パイロットが未成年なのも起因している。
「ファフナーのパイロットに同調させ、量を増やす事は出来ないのですか?」
「いえ…それが…その…」
質問された彩乃が言い澱み、代わりに弓子が答える。
「ラハムとの同調はシナジェティック・コードでは無い為、
パイロットの同調は不可能で、鈴木真由本人以外は出来ないと思われます…。」
「何故でしょうか?」
「先程申しました様に直接同調した相手との感覚共有…
そして同調する相手との同調が直接なので…。」
「?そう言えば情報供給も直接と仰られましたが直接とは?会話では無いのですか?」
参加者の1人が疑問に思い、他の参加者達もその意見に賛同する。
「ラハムとの同調…それは相手の生きた経歴全てを脳で直接共有…
いえ、ラハムにのみ導入する事です。鈴木真由には13年かかったそうです…。」
「「「「!!!???」」」」「「「……………」」」
参加者の何人かは驚愕で衝撃が走り、皆城公蔵はその年数に、
司令代理の[
真由はファフナーの様にラハムを操作していると思えたが実際は真由の考え、癖、
操作時のみの感覚共有(真由もこの時はわかるがラハム主体、
しかも常時ラハムがしてるのは知らない)と、
「そしてラハムの同調、操作する際に、脳の直結は必要不可欠だそうです…。」
「彩乃さん…」「ごめんなさい、もう大丈夫だから。」
そう、真由はラハムを操作している時は触手を脳に繋いでいたのだ。
ーー……………。
早乙女柄鎖は「あっ、これ実はしなくてもいいな」と思った。
柄鎖はラハムの性格を考えて、感情が豊かになる前は安全策として、
今は純粋(?)な依存として繋げていると理解した。
ラハムは繋げなくても操作出来るが繋げた時の性能は比べようも無い。
ただの
ラハムが何するか堪ったもんじゃない為黙っておいた。
今頃学校の入学準備をしている頃だろうか?子供達は休暇を楽しんでいるだろうか?
何人かは特別手当として有給を貰えてたなぁ…と中間管理職の自分立場を、
今はただ呪う事しか出来ないのであった。休み欲しい…。
「泥の調査は現段階では何も解りませんが、有用価値があるのは間違いないでしょう。」
「では研究を続けてくれ、会議は以上とする。」
早乙女柄鎖は会議が終わってすぐに、今では常服している胃薬を飲んだ。
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ーー『鏑木家』ーー
「悪いなお邪魔しちゃって。」「いいよ、弟にも会わせたかったし、約束もあるしね。」
「ありがとう、早苗。真由?大人しくしてなきゃダメよ?」「うん!真由おとなしくする!」
僚達は入学準備での備品を揃えに買い物に出掛け、夕飯の買い物をしてる早苗と出会い、
せっかくだからと夕飯に誘われたのだ。
「約束ってことは今夜はカレーか?」「そうっ!余りの美味しさにビックリしないでよ!」
「早苗張りきってるね。」「そりゃもちろん、
早苗の家は美容師で、父は駐在の為共働きな両親に代わり、
早苗が家事をしていて弟の面倒も見ていた。
「おかえりー…その人たちは?」
「学校の友達とその弟くん、ほら2学期から編入する子。」
「お姉ちゃん、からかってるの?その子女の子でしょ?弟じゃないよ?」
「お姉ちゃん、自分の弟の信頼のなさに泣きそうなんだけど。」
「ははは…仕方ないよ。」「真由おとこのこだよ?」
「真由、今度髪型変えてみるか?」「やー!」
確かに今の真由は髪が長く、性別の判断が難しかった。
今の髪型を気に入ってるらしく、しばらくは変えないだろう。
「うぅ…ごはんの用意してくるから仲良くしてあげてね、先輩くん。」
「うん、ちゃんと先輩として面倒見るから。」
「弟が頼もしくてお姉ちゃん、鼻が高いよ。」
「真面目な子だな、姉とは大違いだ。」
「おい、私に何かあるなら聞こうじゃないか。」
僚と祐未は夕飯の支度を手伝いに台所に向かい、
真由は早苗の弟の
「僕、鏑木彗5年生。君は何年生になるの?」「真由はね、1ねんせい。」
「竜宮島の外から来たんだよね?町の事とか知りたい事は何でも聞いて。」
「ありがとう!おにいちゃん!」
「お兄ちゃん…」
彗は自分より下の子にお兄ちゃんと呼ばれる事に理由はわからないが嬉しかった。
姉がいる弟だったので新鮮で感動したのだ。
ちびっ子2人が竜宮島の事を話していると、
僚と祐未が食器と付け合わせであろうサラダを持って来た。
「わかるなぁ…俺も真由が来た時はあんな感じだった。」
「僚が先輩らしい先輩してたもんね。」「言うなよ、仕方ないだろ?」
僚は肝臓病だった為人付き合いが苦手で、真由により治った為、
先輩として真由を教育していた頃を思い出した。
「まさかこんな小さくなるなんてな…。」
「うん…でも、真由には違いないよ。」
イタズラ好きでトラブルメーカーの時の真由を2人は思い出していた。
「お待たせー!鉄板カレーナポリタン!」
「「ドライカレーじゃなくて!?」」「「?」」
流石に早苗は影響を受け過ぎではなかろうか。
僚は早苗のL計画とその前のギャップに戸惑いを隠せなかった。
ーーーそのひ、わたしはすいおにいちゃんが
こわいかおをしているあくむをみました。ーーー
彗君登場。
それよりちびっ子なオリ主。