「ここは竜宮島だよ!私は乙姫、この辺は私の縄張りなの!」
「これが絶望か…」
「皆集まったか、それでは会議に入る。」
アルヴィスのミーティングルームには近況報告会で集められた幹部がいた。
「今回の近況報告会はデータが多すぎるラハムについてだ。
あのフェストゥムのデータは非常に有益だ、早い事に越したことはない。
出来るだけ纏め上げ[
アーカディアン・プロジェクト、それは日本にいた生き残った人々が、
平和と文化を次世代に残す事を目的とした日本独自の楽園計画。
竜宮島は擬装鏡面とヴェル・シールドに守られ、
擬装鏡面は霧状の反射物質を島に球状に包み込み、
電磁波妨害を可能にし、人類軍とフェストゥムから隠れる事が出来る。
ヴェル・シールドは外部からの侵入、攻撃を防護する2重のエネルギーシールドを展開する。
この2つが竜宮島を守り、アルヴィス存続を可能にしてはいるが、
擬装鏡面は攻撃に弱く、ヴェル・シールドと併用出来ないのでヴァッフェ・ラーデンという
防御壁が各所に設置されている。その間にフェストゥムに対しファフナーで迎撃するのだ。
しかしフェストゥムの対抗手段であるファフナーはパイロットのリスクが多く、
長時間の使用は最悪パイロットの死に繋がるので使用は避けたかったが、
ラハムの泥の同化抑制能力と身体活性化能力には目を見張るものがある。
「泥の効能には現在同化抑制、アンチエイジング、微力ですが精神安定と鎮痛作用、
その他に身体活性化、病と怪我等に対する治癒効果も確認されています。」
「千鶴くん、理不尽って言葉知ってる?」
医療担当の報告から公蔵の心は折れかけた。
「ふむ…食べてからどうも調子がいいのはそのせいかい。」
「西尾先生何やってるんですか⁉︎」
「慣れろ、真壁。」
史彦も折れそうだった。
西尾 行美は過去にファフナーの事故で娘夫婦が死に一線を退いていたが、
フェストゥムの協力という前代未聞の出来事にアドバイザーとして召還した。
よく見るとシワが減り肌にツヤがもどり、猫背気味だった背も直立している。
「あー…驚いてるとこ悪いんだが、対象から新たに要求が来ている。」
「何っ?それは本当か?」
監視担当の
「なんでも幽霊を見たから収容場所を変えて欲しいんだと。」
「はっ?幽霊だと?」
まさか突拍子もなく幽霊という言葉に公蔵は疑問の声を出した。
「あいつが言うには長い黒髪の12.3歳位の赤い半透明の女の子が話しかけてくるらしい。」
「……………………。」
「皆城、気持ちは解るが間違いないだろう。」
全員に心当たりがあった、それはアルヴィスのコアとして眠っているはずの、
ワルキューレの岩戸にいるはずの皆城乙姫の特徴とぴったり一致しているからだ。
「CDCからソロモンの応答は無いのか?」
「…ありました、
「マジかよ。」
「気をしっかり保て公蔵!」
高蔵がキャラ崩壊し、史彦が公蔵を名前呼びする程の衝撃だった。
総合管制室・CDC『パーシバル・ルーム』にはブリュンヒルデ・システムにより、
自立AI『ソロモン』の予測、観測データを得る事が出来る、つまりは島の意思そのもので、
皆城乙姫とシステムを介して意思疏通も図ることが出来る。乙姫から一方的にだが。
「…仕方があるまい、島の意思だ。本島地下に移すぞ。」
「ラハムの承諾はどうする?協力を取りやめるかもしれん。」
「そこは交渉しかあるまい、仕事詰めになっているが早乙女君、
今の事務を真壁に委託してラハムと交渉してくれ。真壁、頼むぞ。」
「本当ですか⁉︎是非やらせて下さい!真壁代理、後はお願いします!」
「皆城貴様ぁっ!?」「
ラハムは柄鎖の事が気に入ってるので交渉は容易と判断し、
柄鎖の事務代わりの仕事が出来るのは司令代理の史彦だけだった。
そして元から多忙だった史彦は息子にする帰りが遅い言い訳と仕事地獄による苦悩が待っている。
「話しを移すが何故ラハムにはソロモンは反応しないのだ?それに乙姫の正体も解らないとは。」
「以前報告しましたが、ラハムの読心能力と同化能力は退化しており、
直接でなければ意思疏通が出来ないのでしょう、この島の空気にも反応しませんでしたし。」
「島の空気…我々の島のミール……。」
「皆城…。」
公蔵の妻、皆城鞘がいなくなった原因でもあり、乙姫がコア型のフェストゥムになった原因の、
フェストゥムの知識集合体ミールは島の大気と同化し、島とその住民を守っている。
島のミールは元々、瀬戸内海のミールであり、日本人の受胎能力を奪ったものだが、
そのミールと汚染された日本人を脅威と判断して新国連の人類軍は日本に核を撃ち、
日本の北海道の半分と沖縄含む小島以外は消滅し、ミールはバラバラになった。
そのミールの欠片を研究中の暴走事故で鞘はミールと同化し、お腹の中にいた乙姫から、
有機生命体の「誕生」について理解しようと、大気に溶けて同化せずに人間を観察している。
「本当に不思議なものだ、ミールに属さず、ミールさえ感知出来ないフェストゥムとは。」
「…そうだな、不思議なものだ。
島のミールに生かされている人間がいて、ミールを知らないフェストゥムがいるとは。」
フェストゥムの知識集合体が人間と共存し、フェストゥムが出来ない皮肉に皆沈黙した。
「…兵器・ファフナー開発と資源・生産プラントにも泥が使えるか試してくれ、
たとえフェストゥムと言えども、使えるものは使っておいて損はないのだから。」
「…違いない…。」
人類軍の核の被曝を島のミールに助けられている史彦は何も言えなかった。
「あっ、真壁代理、後でメディカルルームへ、放射能のワクチンを投与しましょう。」
「遠見君空気を読んでくれっ!?皆城が凄い目で睨んでくるから!」<●><●>…
ラハムの泥で様々な病の万能薬が作られた。
島の観察が目的とはいえラハム万能に島のミールも涙目であろう。
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ーー『アルヴィス・即席格納庫』ーー
ガタガタッ!「ヒイィィッッ!?なんか荷物が揺れてるっ!」
((島のミールが怒ってるみたい、活躍返せって。))
「そんなこと言われても〜〜っ!」
((不思議だね、フェストゥムなのに、ミールとお話し出来ないなんて。))
「騙されないぞっ!そうやってあの世に引きずり込む気だろう!」
((ラハムさんって怖がりなんだね、もっと私とお話ししよう?))
「いやあぁぁぁぁぁぁっっ!?」
何気に珍しく乙姫が他人を敬称で呼び、
ラハムはミールと乙姫に弄られるのであった。
「助けて真由ーーー!!」
((あなたの真由っていうお友達ともお話ししたいな…。))
「来ないで真由ーーー!?」
ラハム に 自己犠牲 の 精神 が生まれた!!
「もういやあぁぁぁぁ…!!」
((ふふっ、そんなに怖がらないで?仲良くしよう?))
ラハムさんの運命はいかに!?キィィ…バタンッ! フッ…
「ああっ!?扉がひとりでに閉まって照明が消えたっ!?」
((扉は全部自動ドアだよ?照明はなんでだろうね?))
ネクストラハムズヒント!「節電」!
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ーー『将陵家』ーー
prrr…ガチャッ
「はい、将陵です。…あっ、佐喜さん?…うん…わかった。
じゃあ明日、そっちに祐未と真由を連れてくよ。…うん、ありがとう。」
ガチャッ
「僚?今の電話佐喜さんから?」
「ああ、なんでも上層部が忙しくて情報を纏める人がいないから、
情報官の仕事が休みのうちに会いたいって、祐未と真由の挨拶もしないとな。」
僚の叔母にあたる
ラハムの情報統制で戦闘情報を今、収集すると混乱するので休暇が出た。
僚は電話では伝えたが、佐喜が職業柄ゆえにL計画が終わっても会いに行けず、
婚約した祐未と養子にした真由を紹介するのにちょうどよかった。
「おにいちゃん、さきさんってだれ?」
「俺たちの叔母さんだよ、目の前で言っちゃダメだけどな。」
「おばさん?」
「叔母さんっていうのは俺…俺たちの父さん母さんの姉か妹の人の事だよ。」
「僚、どうせなら明日は堂馬食堂でご飯にしよっか?」
「そうだな、佐喜さんも喜ぶだろ、久しぶりの休みなんだし。」
「あしたおそとでごはん⁉︎」
「真由、佐喜さんはお姉さんって言うんだぞ?」
「はーい!」
「お外のご飯楽しみね、真由?」
「うんっ!」
大概将陵家は誰かが不幸になると幸せになる。
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ーーーそのひ、わたしはおんなのひとが
おんなのこと、そのおかあさんにいじめられてるあくむをみました。ーーー
よわいものいじめはだめなんだよ?
初めて出会う親戚たち、ぶっちゃけ他人にしか思えない。
アニメでの佐喜さんの出番の少なさは不憫だと思うの。