ヌル・エアスト「「私達はあなた達の剣!」」
僚・祐未・真由「「「野獣には勝てなかったよ…」」」
──やっぱり僚先輩と祐未先輩鍛えてたんだなぁ…
蔵前果林は昨日の模擬戦データを取り入れたシミュレーションをしていた。
そしてシミュレーションをしながら昨日の1日を思い出していた。
昨日セクハラという名の身体検査を、バレない範囲で僚達にチェックをしたのだ。
そのセクハラの理由は確認の為、いや、果林が自身の敗北の納得の為だろう。
ファフナーの起動システムは接続機器と〈ニーベルングの指環〉でパイロットのファフナー起動イメージをファフナーに反映する事ができる。身体検査をしたところ、下心がない訳ではなかったが僚と祐未の身体は間違いなく鍛えられ、日常だけの日々を送らず、訓練してファフナーをより高度に、より精密なイメージ再現が可能な身体だ。
昨日の模擬戦のファフナーの動きは想定だが二人の鍛えられた身体なら早さはともかく動きは再現できるであろう、極めつけは最近新薬でこっそりドーピングして、身体の限界を引き出し追いかけっこをしたのに、僚達はアルヴィスの報告では同じ新薬を受動接種している。
しかし完全に取り入れた果林の方にアドバンテージがあるにも関わらず、二人はある程度逃げおおせたのだ。
流石に今まで何もしてないで逃げれたは通用しない、体だけでなく逃避の訓練、計算、予測、策定を勉強していたのは確定だ。それを走りながら綿密に逃走経路を模索、実行をして。
ファフナーの動きはより明確なイメージに反映される。
僚と祐未は島の子供達とリハビリを名目にスポーツに勤しんでいたのだ。
アルヴィスの訓練だけでなく、日々の日常の中でも鍛錬を。
今の二人なら自分が動ける事は全てファフナーでも動けるだろう。
つまり二人のファフナーのイメージは想像だけでなく想起でもある。
ただ考えただけの動きのイメージとと動いた事のあるイメージでは全く違う。
二人のファフナーは完全に二人自身の体の一部の延長線にしか過ぎなかった。
大概の事はそうだろう、料理でレシピを見て作るのとレシピを見て作った事がある。
その選択肢で言えばレシピを見て作った事がある方が料理の失敗はないはずだ。
その途轍もない鍛錬を想像して果林は思った。
(巫山戯すぎたけどこれではっきりした)
今の私じゃ足手まといにしかならない──…
(皆城くんは私の真意に気づいてたのに止めなかったのはわかってたからだよね…)
(私が、僚先輩達には、敵わない理由を再確認させるために)
(…自信なんて、微塵も残らないなぁ…)
二人がパイロットでなくても果林は勝てなかったと認識している。
果林は前のL計画パイロットと今のパイロットの身体つきが明らかに違う事、
全員が目立たないが高度な修学に励んでいる事、並ならぬ決意がある事を知った。
(まだ命をかけて島を守ってくれているんですね…先輩達は)
彼等の戦いは終わってはいなかったのだ。
世界が平和になる、その日まで。
(だからこそ遅れちゃいけない!先輩達に並ばなきゃ!)
(私だって、譲れないから命をかけるんだから!)
(この想いだけは譲りたくない!!)
(その為なら命だって惜しくはない!!)
(フェストゥムから島を守り抜いてみせる!頼もしい先輩達と一緒に!一緒に!)
【大事な事なので二回言いました】
(絶対に作る!絶対によ!!)
これはだめかもわからんね。
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ーー『R区画・ブリーフィングルーム』ーー
「ありがとうございます早乙女さん、みんなを集めていただいて」
「我々L計画参加者と真由君に関する事だと聞いた。彼に関係するなら無下にはできんよ、君達全員にも返しきれない恩があるからね」
俺は早乙女さんに頼んでL計画に参加したメンバーを秘密裏に集めてもらった。
祭りのあの日、真由の兄からこの世界の
この事をL計画参加者に知らせ、アルヴィス内の独立した、信頼できる仲間を集めるのが目的だ。
──…そう…
その為に俺は祐未と相談し、全てを打ち明けることにした。
俺の、絶対に信用できる、
「皆聞いてくれ、俺達二人は先日、島に侵入したフェストゥムと接触した!」
「「「「「「!?」」」」」
「なんだと!!」
「そんなバカな!?」「ソロモンの予言は作動しなかったのか!?」
「どういう事なんだ!僚!祐未!!」
皆が愕然とし、早乙女さんの絶叫から伝播する不安の声が上がった。
幸弘の質問をおもむろに祐未が答えた。
「本当の事よ、私もその場に居合わせて、フェストゥムの姿を見たもの」
「本当なのか…」「それはいつの出来事なんだ?」
「U計画の終盤…花火が上がる前に、真由がフェストゥムにひとり山まで呼び出されて
話しを区切り、俺はもう一度全員に確認を取る。
「話しはここからだ。皆には知る権利があるが、同時に何よりも残酷な真実が待っている、それを踏まえて覚悟のある人だけ聴いて欲しい。今なら今日の事を忘れて普段の生活に戻れる。皆よく考えてくれ
──だが俺は誰にも残って欲しくはない…」
自分勝手が過ぎるだろう、それでも俺は仲間が絶望するのを見たくはなかった。
けれど誰かに残って欲しいと矛盾した願いもあった…
「何を言ってるんだ僚君」
「早乙女さん…」
「我々の覚悟はL計画当初に済ませている、恐れる事は何もない」
誰一人として…部屋を出る者はいなかった。
(…っ!だからこそ…俺はあなた達だけは信用できるっ…!)
胸に嬉しさ、安心が、勇気が込み上がる。
共に闘ってくれる仲間がいる事に、不安なんてどこにもなかった。
俺は皆の覚悟を再確認し、一言入れた。
「これからクロッシングを行う。気分が悪くなるだろうが耐えてくれ」
「クロッシングだって?」「機材も無いのにどうやって…」
俺はクロッシングで皆に地獄の光景を見せた。
ヴォン…
「ウソ…なんで…」「あり得るのかこんな事が!?」
「嫌っ…!いやああああぁぁぁぁ!?」
「ヅゥアアアァァァ!?腕がぁっ!?俺の!俺の腕があああぁぁあ!?」
「暗いよ…怖いよ…お母さんっ…!」
──こうなるとわかっていた…
あの光景を見た俺だからわかる。
自分が経験した
無論、自分が死んだ光景を…
しばらくして、俺は本題を口にした。
「みんな……俺達は一度死んでいる…!!」
誰も口を挟まずに、静観して俺を見ている。
「俺が見たフェストゥムは別のアルヴィスの末路…グレゴリ型と未来で呼ばれるものだ」
アルヴィスの同型艦は三隻…竜宮島を除く2隻は、クロッシングでは壊滅していた。
一隻はフェストゥムに、もう一隻は、同じ人類であるはずの人類軍に…
生存者は誰一人としていなかった。
皆が体験した事を敢えて口で話し、再認識させる。
「だがイレギュラーが起こっている、オルフェノク型の存在、そして真由の事だ」
「何故真由の兄が未来を知っていたのか?何故真由は未来に存在しなかったのか?」
「未来に起こる、この悲劇を回避するには真由を守るしかない」
「人間と殺し合う…人類軍とも戦うだろう」
「みんな…!命を真由にやってくれ!竜宮島だけじゃない、世界の為に!!」
「例え、国が滅び、多くの人が死に、自分が化け物になっても…」
「希望の光を消さない為に………!!」
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「キナ臭くなってきたじゃないの」
僚達とは離れて会談を聴いていた久保は独りごちた。
「まさか、お前さんの息子がこうも中心になるとはねぇ」
久保の手には学生服で久保と写っている4人の写真があった。
「ん〜、お前はいい男だったが、息子を一人きりなんてナンセンスだぜ?
写真には真由の両親である父『
「少年とあったのは赤ん坊の頃だからなぁ、俺の事覚えてなくて久保さんショック」
やれやれ、と大げさに首を振りお手上げのジェスチャーをした。
「まっ、子供達とお前の尻拭いぐらいはしてやるよ。できればモノホンがいいんだけどね」
僚の演説に賛同する人数が増えていく中、久保はその場からCoolに去った。
「ファラオや神様達にも頼まれちまったからな、燃えるじゃないの」
久保の懐には、◯バQのような全身衣装が顔を覗かせていた…
「スクール時代のよしみだ、少年がいい男になるか、見守らせてもらうよ」
人類軍、アルヴィス、反乱軍に所属している久保、本名『
トリプルクロスの彼は未来を知りながらも、自由に生きていく。
(結局は自分の思うとうりにするのが一番なんだぜ?将陵少年)
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ーーそのひ、わたしはぬのをかぶった
こわいおじさんがみつめてくるあくむをみました。ーー
こわいけど、どこかであったのかな…?
良い男、参戦
僚君、独立派閥を創る、そしてグレゴリさん正体明かされる
果林ちゃんも頑張ってるんやで…