変なのに愛されて悪夢しか見れない   作:蒼穹難民

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前回のあらすじ


「ハーレム女王に!!!私はなるっ!!!」ドン!!
「(被害が)大きすぎる…修正が必要だ…」


にじゅうくにちめっ!

『差が開き過ぎている!ペースを変えるな!』

 

「そんな事言ったって!」

 

 

私は今、僚先輩と模擬戦をしている。

 

 

前回のように奇をてらったり、勝ちに急ぐ戦い方じゃなくて姿を隠してワザと姿を現して攻撃し、また隠れて逃げるヒットアンドアウェイのゲリラ戦をしている。

 

皆城くんに先輩の居場所と現在位置のナビゲートをして貰いながら作戦を立て、

時折ワイヤーで足止めしたりマインブレードの機雷を仕掛けて後ろから攻撃したりするが、

うまくいく様子はない。

 

ワイヤーには絡まらないが動きを止めれたし、

機雷は放置すれば私が機雷までぶつけて使えるし壊したら目眩しになり隙ができる。

ここまでの作戦で僚先輩を倒す目論みだった。

 

けれどワイヤーで足を止めたら先に銃口を向けられ、隠れざるを得ず、

僚先輩は機雷を破壊して目眩しになったが周りの岩を削って砂嵐をおこし、逃げられてしまった。

(皆城くんは場所を特定できるから問題ないけど)

 

『今度は近すぎだ!作戦が悟られる前に堕とされるぞ!』

 

「僚先輩の動きが上手すぎるのよ!そっちじゃわからないと思うけど、

近ずいてるんじゃなくて追われてるの!今は罠を仕掛けてなんとか逃げれてる。

少し離れておかないと直ぐ追いつかれる!最悪誘導してるのはあっちかもしれないの!」

 

『…なるほど、参考になる』

 

「感心してないで座標を教えて!急いで死角に隠れないと!」

 

ゴポォ…

 

『見つけたぞ果林!』「やばっ!見つかっちゃった!」

 

岩陰から先を越された…!

回り道をしながら追いついたというの!?

 

「先輩、ノーカウントです!ノーカウント!!」

『ふふふ、そんなものはない。大人気ないが一昨日の憂さを晴らさせてもらう!』

 

やっぱり一昨日の事を怒ってらっしゃる!?

そんな事言われても…

「あんなモフモフで誘惑する先輩が悪いんですよ!」

 

『責任転嫁するな!あれから足腰が立たなくて大変だったんだぞ!』

 

「足腰が立たなくなった…?じゅるり」フンスッ!

ゾゾゾッ!『ひっ…!?と、とにかくこれで終わりだ!!』

 

!ロックオン中のアラートが鳴ってる!

このままじゃ完全に撃墜判定を受けちゃう!

 

『蔵前!予定位置に着いてる!』「!!」

 

これなら勝てるかも!勝利の美酒に先輩をモフり倒すんだ、私!!

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

(果林…一昨日よりさらに強くなったな)

 

俺はマークツヴァイの位置を特定し、岩陰を回りこみ、先回りしていた。

 

一昨日の模擬戦では果林の作戦はそう悪いものではなかった。

 

一方通行の見通しの悪い洞窟で潜伏し、ワイヤーを仕掛けられれば、

初見で大抵の相手なら討ち取る事ができただろう、模擬戦とはいえ初戦にしては上出来だ。

 

あくまで()()()()()かつ()()にしては、が頭につくが。

 

実際の戦闘ではどこから敵が出てくるかわからない。

位置がわかるのなら場所が重複したら上からか下からか来るかわからない。

 

逆にナビの良さが命取りとなる。

果林は気付いてきてはいるが総士は気付いてないだろう。

 

前回と違って果林は予測した隠れ場ではなくランダムで隠れている。

 

でも俺は細かな所にも目をつけてワイヤーがある、岩場の小さな削れた跡すら見逃さない。

 

ゲリラの白兵戦では目のつけどころで勝敗が決まる。

 

動き自体も良い、武器の扱いも心得ている。

だが動きが綺麗過ぎて予測しやすい。

武器もマニュアル通りの角張った使い方をしている。

 

俺は後輩の成長に嬉しい反面、どうしてあの様な淫獣になったか、

残念でならなかった。

 

(マインブレードの機雷、悪くはないが熱源が大き過ぎて見え見えだ)

 

マインブレードは相手に突き刺して柄に折って起爆する炸薬式の短刀だ。

しかし急造の仕掛けで機雷として機能するが、熱源を放出してる残念仕様になっている。

 

(もう少し捻れば熱も放出しないだろう、ここまで成長するなんてな)

 

それでも一昨日のセクハラは別だ、絶対に許さん。

 

あの動きだとそろそろ次の角で果林と合流するだろう。

 

ゴポォ…!

 

「見つけたぞ果林!」『やばっ!見つかっちゃった!』

 

予想通りの動きで果林を先回りして銃口を向ける、

少し距離があるからレーザーサイトは役に立たない、ロックオンを使うべきだな。

 

『先輩、ノーカウントです!ノーカウント!!』

「ふふふ、そんなものはない。大人気ないが一昨日の憂さを晴らさせてもらう!」

 

これで少しは反省するんだな!

 

『あんなモフモフで誘惑する先輩が悪いんですよ!』

 

「責任転嫁するな!あれから足腰が立たなくて大変だったんだぞ!」

 

この後に及んでまだそんな事を…!

 

「足腰が立たなくなった…?じゅるり」フンスッ!

ゾゾゾッ!『ひっ…!?と、とにかくこれで終わりだ!!』

 

全身の毛が逆立って鳥肌と冷や汗が止まらない…!

やっぱり最近のこいつ怖い!一体全体どうしたというんだ!?

 

(すぐに終わらせて果林から離れよう…)

 

もう少しでロックオンの撃墜判定が出そうな時、それは起こった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「でりゃああぁぁーー!!」

 

『またレージングカッターか!?往生際が悪いぞ!』

 

 

私はまたワイヤーで先輩の機体を囲った、だけど目的はそれだけじゃない!

 

『なっ!?ワイヤーにマインブレードを!?熱源があったのはこの為か!』

 

「手抜き作業だと思いました?残念!罠でした!」

 

ロックオンは目先のワイヤーに絡めたマインブレードに集中している。

熱源が大きい方にロックオンが向かうからヌルの方に隙ができる!

 

『だが甘い!回りこんでレーザーサイトを当てれば!』

 

「なんで全方向からのワイヤーのオールレンジ攻撃を避けられるんですか!?

やだーー!!」

 

まるですり抜ける様にこっちに向かって来る!?ええい、まだまだぁ!

 

『蔵前!今だ!!』

 

「っ!了解!!」

 

(ここまで先輩を誘惑したのは機雷のブラフだけじゃない!)

 

皆城くんの合図を聞いて、私はワイヤーを思いっきり引っ張った。

 

 

『これくらい…っ!?ワイヤーに括り付いた岩が!?』

 

「まだ距離がありますよね!行っけぇぇ!!」

 

ワイヤーに岩を括り付け先輩にぶつける!

岩に当たったらよろめいて隙が出来る!避けたらワイヤーが絡まる!

これこそが前門の虎、後門の狼よ!

 

『甘いと言っている!』ガシィッ!

 

「ああーーっ!?掴まないで下さいよー!?」

 

ワイヤーを掴まれた!?まずっ…!!

 

『危ないだろ!少しは反省しろぉーー!!』

ドカァッ!「ふぎゃあぁぁぁぁああ!?」バババッッ!!

 

 

ワイヤーに引っ張られ、猛スピードで向かって来る岩の盾にされ、

それに連鎖して絡まったマインブレードが爆破、凄い衝撃を受けた。

 

色気のない悲鳴とともに、私の意識は沈んでいった……

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーー『アルヴィス・水中展望室』ーー

 

「お疲れ様、僚」

 

「ほんとに疲れた…真由は眠ったのか?」

「さっきまで興奮してお魚見てたんだけどね、はしゃぎ疲れて眠っちゃったみたい」

 

 

展望室の長椅子に座っていた私は、真由の頭を膝に乗せて僚の帰りを待っていた。

 

 

「果林が気絶したから模擬戦は中止になった、起きたら総士も含めて説教だな」

「さっき私のところにも連絡があったわ、今日はもう帰っていいって」

 

僚が私の隣に座って真由の頭を撫でる、心なしか真由が嬉しそうに笑っている。

 

「あのやり方は度肝を抜いたよ、戦い方は徹にそっくりだ」

「うん、模擬戦なのにあれじゃあ怪我するよ、果林さんは大丈夫だったの?」

 

あの光景だと不安しかないんだけど…

 

「心配しなくていい、マインブレードの火薬は少なめにしてあるし、

果林は目を回していただけだったよ。全く世話の焼ける…」

「ふふふ」

 

以前の僚とは思えない面倒見の良さに私は笑い(嬉しさ)を隠せなかった。

 

「わざわざ見に行ってあげたんだ?」

「ほっとけなかったし、半分俺のせいだからな」

 

「ねえ僚、気付いてる?今の顔、真由に勉強教えてた時と同じ顔してるんだよ?」

「?そうか?」

 

「それに私達、いつの間にか蔵前さんじゃなくて果林さんって呼んでるし」

「!?気づかなかった…いつの間に呼び方を変えたんだろう…」

 

本気で気づかなかった僚に、私はおかしくて笑いが止まらなかった。

 

「うふふふ…」

「笑わないでくれ、自分で言うのもなんだけど、これでいいと思ってる」

 

「それでいいんだよ、仲良くなるのに気づくのは、後でもいいんだもの」

「…本当だ、親しいみんなはいつの間にか仲良くなってたな」

 

そのいつの間にかの中に、真由がいたのを私達は知っている。

 

「果林は死なせない…絶対に俺達が守る」

「水陸両用で良かった…必ず果林さんを守ろう」

 

(あの光景の様に果林さんは殺させはしない…)

 

私達がそう決意していると、膝のくすぐったさから真由が起きたのに気が付いた。

 

「んむぅ…おにいちゃん…」

「起きたのか真由。さあ、うちに帰ろう真由、祐未」

「ほら抱っこするからこっちにおいで?真由」

「あい…」ギュゥ…

 

 

20kgもない真由が、今はとても重いと感じた。

 

 

この命の重さと温もりが、とても心地よく感じられた。

 

 

僚と手を繋ぎ、私達は帰路についた。

 

 

「うぅ〜まだ目がまわるよ…あっ!せんぱーい!」ブンブン!

 

 

「祐未!真由!逃げるぞ!相手は手負いだ!!」シッポピーンッ!

「真由!?しっかり掴まって!!」「あわわわ…」ガシィッ…!

 

私達はエレベーターに駆け込んだ。果林さん?見てないけど…

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ーーそのひ、わたしはでんしゃにのっていて、とちゅうでこわれちゃうあくむをみました。ーー

 

 

 

どこにもにげれなくて、とってもこわいの…




真由の体重
(前)40.1kg〜(現)18.6kg

久しぶりの戦闘描写、滅茶苦茶むずい…

総士もこの頃はまだ未熟です。
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