EX-AID・A・LIVE ~SPIRITS LOVERS~ 作:エルミン
十香と栞が来禅高校の生徒になってから数日後。
学校が終わった放課後。
士道、折紙、栞、十香の四人で下校をしている途中だった。
「十香さん、学校には慣れたですか?」
「勉強はまだ難しいが皆のお陰で問題なく過ごせているぞ!」
「何か困った事があったら迷わず相談してくれよ」
「うむ、ありがとうシドー!」
「そうだ、この先に美味しいクレープ屋があるから、皆で行かない?」
「それは本当か!?是非とも行かねば!」
「いっぱい食べる十香さんは何で太らないのですか?羨ましいのです・・・」
「ぬ?・・・私にもよくわからないな」
「あんなにたくさん食べても大丈夫って・・・運動とかしてるの?」
「いや、シドーと一緒に散歩をしたりしているが、激しい運動などはしていないぞ」
「「羨ましい・・・」」
「何がだ?」
女子三人が話に花を咲かせ、士道は若干後ろを歩く。
すると、少し離れた所から十香達とは違う声が聞こえる。声からして男性のようだ。
「おい!大丈夫か?しっかりしろ!」
ただ事ではないと感じとり、皆で声のする方へと向かう。
そこでは、倒れて苦しむ女性と女性に声をかけ続ける男性の二人がいた。
「大丈夫ですか!?何があったんですか?」
「か、彼女が突然倒れて・・・」
「救急車は呼びましたか?」
「あ、あぁ!もちろん」
折紙が鞄からゲームスコープを取り出して、スキャンするとウィルスのマークが表示される。
「やっぱり、ゲーム病に感染してる」
折紙の呟きを証明するように、女性の体にオレンジ色のノイズが走る。
そして、士道達の背後から急にバグスターが飛び出した。しかも、そのバグスターにガシャットが刺さっており、体に装甲が追加されている。
ゲキトツロボッツの時と同じ、コラボスバグスターだ。
「イエーイ!」
DJのようにノリノリで動く。士道は刺さったガシャットを特定した。
「あれは"ドレミファビート"。ゲキトツロボッツと同じく、ガシャットのデータを取り込んでる」
「ドレミファビート、美九さんに感染してるバグスターと同じ・・・」
「とにかく、あいつをやっつけるのですよ!」
「あぁ。十香、二人を安全な所まで」
「うむ、わかったぞ!さぁ、こっちへ」
「お、おい!なんだよあれ!?」
「とにかく今は逃げるのだ!」
十香は女性を背負って走る。男性も慌てて追いかけた。
「おし、行くぞお前ら!」
士道がSの人格になり、ゲーマドライバーを装着。
折紙と栞もゲーマドライバーを装着してガシャットを起動。
《マイティアクションX!》
《タドルクエスト!》
《爆走バイク!》
「「「変身!」」」
エグゼイド、ブレイブ、レーザーに変身した士道、折紙、栞。
すると、コラボスバグスターが肩から音楽が流れだし、しかも音符がたくさん出てくる。
「えっと、攻撃?」
「違うな。ドレミファビートは、音楽に合わせて踊ったりボタンを押すリズムゲーム。つまり俺達もあれに合わせて踊れって事だ!」
「合点了解なのです!」
「え、えと、やってみる」
栞は自信満々に、逆に折紙は戸惑っているように返事をした。
そして、三人のダンスはスタート。しかし、ここで一つの問題が発覚した。
「いよっ、ほっ、はいっと」
「イエイ、イエーイ、キラッ☆」
士道と栞はリズムに合わせてちゃんと踊れており、士道は全てGREAT、栞はGOODの方が多いがGREATも出している。しかし・・・。
「えっと、ここで、こう?」
MISS、MISS、MISS
「あれれ!?」
折紙は全く踊れず、MISSを連発してしまう。そう、折紙はダンスが不得意なのだ。
そして、メロディが終わり全て躍り終わった所で、士道と栞は大丈夫だったが折紙はミスばかりで失敗したためダメージを受けてしまう。
「鳶一!?」
「ご、ごめんなさい・・・私、踊るの上手く出来なくて・・・」
「意外な弱点発覚です!?」
コラボスバグスターは満足そうに笑いながら去っていった。
追いかけようとしたが完全に消えてしまい、追いかけることが出来なかった。そのため、皆はCRへ向かうことにした。
ーーーーーーーーーー
戦闘を終えた士道達はCRへ向かった。
士道に加えて栞と折紙、更にCRから許可を貰った十香もCRへ。
そこに着いてから、まず仮面ライダーに変身する三人はCRの制服に着替える。医者の着る白衣をイメージして作られた白い制服だ。
Yシャツに白衣をイメージした上着を着て、男子はズボン、女子はスカートとなっている。学校の制服のような感じだ。
医師免許を持っていない士道達が医者の使う白衣をそのまま着るのは、流石に医者達に悪いだろう、という事で作られた制服である。
患者が搬送された部屋に入る士道達。十香は上の階で待っているが、窓から様子は見える。
士道は、患者と話すのは初めてであるため緊張しながらも声をかける。
患者は大学生位の若い女性だ。となりに彼氏の姿もある。
「こんにちわ。あなたの担当をする事になった五河という者です」
「同じく、鳶一です」
「風鳴です」
女性は担当するのが若い人であることに少し驚いたが、すぐに返事をした。
「は、はい。宇佐美 智子と申します」
「佐藤 剛士だ。その、ここの医師から事情は聞いた。智子の為にありがとう」
「いえ、こちらこそすぐに倒すことが出来ず、長引かせてしまってすみませんでした」
頭を下げる士道達。宇佐美と佐藤は士道達を怒ったりなどはしておらず、むしろ若いのに頑張ってくれている彼らに感謝していていた。
頭を上げた士道達は二人から事情を伺う。
簡単に纏めると、二人でデートをしていた時に突然宇佐美の方にオレンジ色の粉が降り注ぎ、それを吸ってしまった宇佐美が体からノイズを走らせて倒れた。
更に、オレンジ色の光となって分離して何処かへ飛び去っていった。
そして佐藤が声をかけていた所で士道達がやって来たのだ。
おそらく、バグスターに付けられたガシャットは、バグスターが出た後に付けられた物だろう。
「よし、早くあのバグスターを見つけて倒さないとな」
「はいです」
三人は一旦出て十香と合流。これからはバグスターを探し出すことにするが、その前に折紙が士道にお願いをした。
「五河君、お願い!私にリズムゲームのやり方を・・・上手な躍り方を教えて!」
「鳶一・・・」
「私、二人の足手まといになりたくない、患者さんを救いたい!その為に出来るようになりたい!」
頭を下げる折紙。本気である事を感じ取った士道は・・・。
「あぁ、わかった!」
「私も協力するのです!」
「シドー、私にも協力出来ることはあるか?」
「もちろんだ!十香も協力してくれるのは心強い」
「うむ!」
「さて、そうなるとあいつにも頼むか」
士道はスマホである人物に連絡を取る。
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その後、士道達はある場所に来ていた。そこは、天宮市の大型ゲームセンターだ。
目的はゲームセンター内の中にある、ドレミファビートの大型筐体ゲーム機だ。
ドレミファビートは、家庭で遊ぶタイプはリズムに合わせてコントローラーのボタンを押す。
対して筐体のはボタンを押すタイプの他にも床に敷いてあるマットの矢印マークを踏んで遊ぶタイプがある。
士道達が来たのは床マットのほうだ。
「えっと、これで・・・?」
「あぁ。ドレミファビートを攻略するなら、ドレミファビートで練習した方がいい。それに、教師はもう一人いる」
すると、筐体のそばにいた人物が士道達と合流した。被っていた帽子を外すと、その人物は・・・。
「美九さん!?」
「はーい、誘宵 美九ですよぉ!だーりんから事情は聞きました。折紙さんがしっかり踊れるようにレッスンします!」
美九だった。士道は現役アイドルであり歌も躍りも上手い美九に協力を要請したのだ。
「ありがとうな、美九。急なお願いなのに聞いてくれて」
「大丈夫ですよー。さぁ折紙さん、私に任せてくださいねぇ、手取り足取り・・・触れあいながら・・・・・・フフフフフ」
「やめんか!」
「ミカンッ!」
士道が暴走しかけていた美九にチョップをくらわせて止めた。
「なるほど、美九さんなら適任かもしれないです!」
「もちろん、俺も教えるぜ。美九と一緒にな」
「シドー、私は何をすればいいのだ?」
「十香は、美九が鳶一にいやらしい事をしようとしたら止める係だ。栞も同じように頼むな」
「つまり、折紙を守る係ということだな。任せてくれ!」
「合点了解なのです!」
「あぁん、だーりんひどいですぅ。私はダンスを教えるついでに折紙さんと触れあって美少女成分を補給したいだけですよー」
「さぁ。患者さんの為に早く済ませるぞ。ウィルス進行の関係上、長い時間は取れない。短時間で、最低限でも踊れるようになってもらうからな」
「大丈夫、絶対覚えてみせるから!」
「スルーですかぁ!?」
「ノーコンティニューで、踊ります!」
折紙は決意するが、問題は練習時間だ。
バグスターの存在があるため長時間の練習は出来ない。練習出来る時間が僅かしかない中、折紙は上手にダンスを踊れるようになるだろうか?
次回予告
ダンスの特訓をする折紙。僅かな時間でリズムゲームを攻略出来るのか。そして、バグスターを倒して患者を救えるか?
第七話 ブレイブのDancing!(後編)
「私のリズムを刻む!」
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折紙はダンスが苦手、というのはオリジナル設定です。
次回は特訓とバトルです。