Crazy scenery 〜私が見た一つの憧れ〜   作:ポン酢 

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第6話 <<使命という名の約束>>

 

__勝利は、もっとも忍耐強い人にもたらされる。

ナポレオン・ボナパルト__

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『それでここにいるわけってことだね?』

 

 <そうだ。それに無駄な抵抗をすればこの娘の命はないと思え>

 

 

 ・・・命はない。

 だからと言って、ローランドさんをいいなりにさせるのは私が……嫌だ。

 

 許さない。許すわけがない。

 

 

 「ローランドさん!私のことはは構わず・・・」

 <黙れ!抵抗するならそれ相応の対応を取る>

 『業くん!あまり無茶はしないでくれるかな!』

 「・・・でも!」

 

 『・・・いいんだ。過去と完全に決別できていなかった私に責任があるのだからね』

 <決別などできるわけがないだろう。

  最初はこちらも死亡したものだとてっきり思っていたが・・・

  どうであれ、もう全て終いだ。我々にはほかにやらねばならないこともある>

 

 『やらねばならないこと。ねぇ・・・』

 <そうだ。それではさようならです。隊長>

 

 そう言い放ったその男は、腰にかけていた銃を手に取り、

 ローランドさんの顔に向けて狙いをつける。

 そして数秒の静寂の後・・・

 

 バン!

 と、ひとつの銃声が鳴り響き、私の目の前に見えた光景は__

 

 頭を撃ち抜かれ血を流し倒れているローランドさんだった。

 

 ・・・大丈夫、大丈夫と信じている。信じたかった。

なんせ彼が自分から言ったのだ。『自分は死なない体だ』と。

 

…だけれど彼はピクリともしない。

 

私は、ただただ唖然とした様子で彼を注視することしか出来なかった。

そして合わせたくない目の焦点は、私の意に反するかのように焦点を合わせ続ける。

目を背けたくとも、私の視線は彼から1ミリたりとも離そうとしない。

 

そこにある『現実』から目を背くことは出来なかった。

 

本当に彼が死んでしまったのではないか。と考えてしまう。

 

…嫌だ。嫌だ嫌だ。

──嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!!!!!

 

こんな非力な自分を守るために彼は無駄死にをしたというのだろうか。

私のせいで。こんな、私の…!!

 

心の中で自分を責め続けている中、ふと彼の言っていたことを思い出した。

 

──『私は"死なないからね"』

 

 彼の言葉を思い出した時、頭の中が一瞬だが真っ白になった。

そのおかげか、冷静になる余裕が生まれ、決心し改めて彼を見つめる。

 

         …私は、彼を信じる。

 

 彼を信じよう、そう思った。

 

 隊員の一人が彼の元へ向かっていき、脈を確認する。

確実に仕留めていたが、おそらく念のためであろう。

 

そして、隊員は彼の脈を確認し終えると

<…対象の死亡を確認。

  すぐに運搬の準備に取り掛かります>

 

 <<よし。では、運搬班は周囲に

   警戒を続けながらポイント地点へ来るように。俺達は先にポイントへ向かう>>

<了解>

 

 隊長と思わしき人物がそう指示をすると、

私の腕を掴んだまま私を連れてどこかへと向かっていった。

 

この通路の先は中央大広間となっている。大広間には光を遮る天井などはなく

まるで発電所のように天高く、そして大きく穴が開いている。

 

 無抵抗のままただただ彼らに連れて行かれながら中央大広間へと到着した。

広間に事前にいた隊員と私、そして"隊長"を合わせて7人がこの広間にいる。

そして彼らのものだろう。いくつか大きめの箱が設置されていた。

ひとつだけ箱が開いており、中身はシールドや近接武器の類などが入っていた。

 

時間は既に夜の時間帯からか、上の大きな穴のさらに上に月があり

月明かりが丁度、この大広間中を満面に照らしている。

 

 

広間の中央付近にまで移動すると隊長は動きを止め、先ほどの通路のドアの方を見つめる。

おそらく、運搬班を待っているのだろう・・・

 

   (ローランドさん・・・)

 

 ふと、彼のことを考えてしまう。

いや。考えても当たり前なのかもしれない。

彼が蘇るのであれば、彼がこの状況を打破することのできる唯一の鍵なのだから。

 

そんな、あるのかわからない希望を抱きながら、同時に不安と恐怖を共に抱きながら。

抵抗する事すら出来ない自分の無力さを噛み締めながらその場で待っていると

 

 <隊長。このスタッフはどうしましょう?>

 

<<あの人が護衛対象としていた人間だ。つまり何かしらの理由があるのだろう。

  それに、ここのデータを事前に確認したところ彼女はとても優秀な研究員だ。

  ここについても詳しく知っているだろう。大変貴重な人材であることには変わらない。

  個人的には、職員としても人としても確保しておきたいのだがな・・・>>

 

 ”隊長”がそう言いながら私の方を見る。個人的な慈悲なのだろう。

彼らのそのような会話を聞いていると通路のドアから隊員が現れ、

二人掛りでローランドさんを担架で運んできた。

 

<<来たか。では今から本部に報告する。指示が有るまでは担架は持ったままを維持しろ>>

<了解しました>

 

 そう”隊長゛が言うと、ヘルメットに装着されている通信機があるのか

指でヘルメットの側面にある膨らんだ部分を押し込みながら誰かに話し始めた。

 

<<こちら████████、当任務のターゲットを殺害、回収しました。

  ・・・それと、ターゲットが護衛を担当していた人物を現在保護しております。

  出撃前に確認した資料の中から参照すると、

  「天宮 業」という元研究員現Dクラス研究員の職員です。

  この施設に詳しい人間であり、当ターゲットの護衛対象だったことを考えると

  何かしらの事情があるかと思われます。

  ・・・はい。しかし、能力面を考えるとめったに居ない逸材とも言える有能な人材です。

  個人的意見を挙げるなら、ぜひとも新たな財団職員として

  迎え入れたいのですが・・・どう処理しましょう?>>

 

 

話し相手はおそらく上層部か司令部だろう。彼は返答を待っている様子に見えた。

こういう時聞き取れでもすればなにかしら打開策ができるのでは。

と、ありもしない希望を抱いていると男が声を荒らげた。

 

<<ですが!・・・はい。承知しました>>

彼がそう言うと、私の方を向いた。・・・まさか

<<・・・残念だが、上の命令だ。許してくれ。君も巻き込みたくはなかったのだがな>>

と言いながら腰のホルスターから黒い自動拳銃を取り出し、銃口を私の額へ向ける。

 

「っ・・・!」

 

 向けられた瞬間、私は目を見開いた。

そして”現実”というものがひしひしと背中を伝っていくのを感じた。

”恐怖゛だ。今から自分は死ぬという。死に対する”恐怖”だった。

 

手は小さく震え始め、終いには冷や汗まで出てきた。

私は、ただただその銃口を見つめることしかできなかった。

 

<<こんなことになってしまい、すまない。

  だが、恨むのなら変わり果てた今のクソッタレな世界を恨んでくれ>>

 

”隊長”がそう言うと、トリガーに指をかけた。

 

         ・・・もうだめだ。

 

私はそう思い、最後に情けなく両目を閉じた。

 

 

           __そして__

 

 

 

 バン!と、とても大きい銃声が大広間に鳴り響いた。

・・・私は、撃たれたのだろうか。

いや、撃たれたのであれば衝撃や痛みが来るはず。なのに、それらは一切なかった。

 

<ぐっあぁっ!!>

誰かが叫ぶ。その叫び声に反応したのか、”隊長”は驚いた声で

 

<<なんだ!?>>

と叫んだ

 

ふと、”隊長゛の声を合図にして私は咄嗟に目を開ける。

目の前に映ったのは・・・

 

 脚を痛めたのか手を脚に沿えてしゃがみ込む担架運搬を担当していた隊員だった。

何事だ・・・?と思った。彼の近くをよく見てみると、

担架から転がり落ちたかのようにして倒れているローランドさんだった。

 

そしてその直後・・・

 

ローランドさんは何事もなかったかのように立ち上がった。

 

<<なっ!?>>

「あぁっ・・・!」

 

つい、声が出てしまった。なんせ驚いてしまったのだから。

目の前に、あの人がまた息をして立っている。

あの呑気にしているような、まるで寝起きのような顔をしながら、近くに落ちていた

自分の自動拳銃を手に取って

 

『やぁおはよう!』

と呑気な返事を私達に返した。

 

私はそんな彼に呆れた。だが同時に…安心した。あの人が生きている。

それだけでどれほど嬉しいのか…

 

「ローランドさん…!」と、安心からか声を明るげにあげてしまう。

 

そして、いつもはすることの無い笑みをついこぼしてしまう。

内心恥ずかしい限りだ。でも、それほど嬉しかったのだ。

 

<<なっ…なぜ生きている!?>>

『いやぁ…ここに来てから私はどうやら、"彼ら"と同じ仲間になっちゃったみたいでね?

 資料を見たのなら記載されていなかったのかい?

 私が不死身、いわゆる不老不死だということをさ』

 

<<そんなことが有り得るか!?>>

『いやぁ…君達の所属だって、人の事は言えないだろう?

 この世界なんだ。何が起きてもおかしくはないって言うハナシだよ?』

 

<<くっ…奴を無力化しろ!!>>

 

 そう"隊長"が言うと、彼の周りの隊員達が一斉に自動小銃を構えた。

 

 …だが、ローランドさんは構えるのを見てから素早くホルスターに

もう1つ仕込んでいた拳銃を取り出し、高速で弾丸2発を隊員2名に向けて撃ち込んだ。

 

そして、彼の銃からした発砲音は先程響き渡った銃声と同じものだった。

つまりあの時点で…いや、あれよりも少し前に蘇ったということになる。

…彼は…好機を狙っていたのだろうか…?

 

そんなことを考えている中、一瞬の間ではあるのもも…彼の放った弾丸は綺麗に2人の頭を射抜き、

2人はバタりと倒れた。

 

<なっ…!>

<<落ち着け!奴をよく狙え!>>

 

私は彼らの慌てている姿を間近で見ることしか出来ない。

拘束されているせいで思うように身動きが取れない。

そんな中で無理に動こうとすれば恐らく反撃を受けるだろう。

 

どうすれば…と考えている時、ローランドさんが両手を上げこう言い放った。

 

『銃はやっぱり卑怯でしょ?やるなら迅速且つ適切な方法…

 白兵戦が手っ取り早いんじゃあないかい?』

 

と言いながら手を下ろし、ホルスターに銃をしまった。

 

そして、彼らに対して

『さぁ、私は逃げも隠れもしないさ。どちらかが死に、

 どちらかが生き残る。ただそれだけの事じゃないか!』

と、ノリノリになった様子で彼らを見つめる

 

 

そんなローランドさんを見たからか、数名が武器を切り替えた。

1人は武器箱の中から盾と武器を取り出し、

また1人は手持ちのナイフを取り出し、それ以外の者は銃を構えたままだった。

 

ローランドさんは彼らを見て少し嬉しいような不満げなような顔をしながら

『ん〜…まぁ!いいかな!極力私は銃を使わない戦い方をさせてもらうさ!

なんせ元隊長なんだからねぇ。ハンデという物だよ!』

 

<舐めた真似を…!>

一人の隊員がそう言うと、手持ちのナイフを持ち彼へと勢いよく突撃していく。

そして、ローランドさんは向かってきた隊員の攻撃を避けに避け続けていた。

 

そんな様子を見たからなのか、銃を持った隊員達が一斉に狙う構えを取り始めた。

それを合図にしたかのようにローランドさんは隊員のナイフの振りを避け、それを見届けた直後

腕を勢いよく掴んだ。その反動からなのか隊員がもっていたナイフはそのまま宙を舞った。

 

 彼の腕を掴んだローランドさんは達人のように早く的確な手捌きで優勢を取り、

体術と思われる動かし方で膝を付かせ

そのまま勢いよく背負い投げをし、隊員達へと向けて投げつけた。

 

『そぉらっ!』

<なぁっ!?>

 

<<<ぐああぁっ!!!>>>

 

 と、その時

<えぇい!!>

と、近くにいたもう一人の隊員が盾と警棒を持って襲いかかる。

・・・が、隊員のひと振りを避け、さっきと同じように掴み、

武器を取り上げて即座に警棒を背中に通し一気に引き寄せて

その勢いのまま顔面を殴り、勢いよく倒す。

 

そして素早くホルスターから拳銃を取り出し顔面に撃ち込み射殺し、

倒れた隊員を見て突撃したもうひとりの隊員に対しても素早く頭部に弾丸を撃ち込む。

 

 それからの流れは目を疑うほどに素早く、一瞬に見えるようだった。

ローランドさんは、先ほど投げ飛ばした隊員達に向かっていった際

迎撃射撃をされていたが全てギリギリで回避するかのような

行動をとりながらスピーディーに間合いを詰めた。

 

体術で無力化させ、首をひねり確実に倒していく姿は”化物”以外の何者でもなかった。

だが、私からすると当たり前に見えてしまったようだ。それが彼なんだと。

 

そう思っているうちに彼は"隊長"以外の全ての敵を倒していた。

そしてひと仕事した後のような声で

『さぁ、業くんを返してもらおうか』

<<…くっ!>>

 

"隊長"が悔しいような声を放つと…

私は彼に拘束され、人質とされた。

 

「っ!?」

 

<<動くな!大事な人物なのだろう!?

  なら、今持っているその銃を落とせ!>>

 

そう彼が叫ぶと、私の右側頭部に銃を突きつける。

そんな姿を見たからなのか、ローランドさんは哀しげな顔をしながら

『…わかったよ。今手放すよ。でも…』

と言いながら両手を上げ、持っていた銃を手から離すと、案の定銃は下へと落ちていく。

 

両手を上げて、手から離そうとする辺りから

私をきつく掴んでいた"隊長"の腕の力は緩み、微かに間が出来ていた。

 

その時、ローランドさんは下へと落ちゆくであろう銃を素早く拾い掴み、

"隊長"へと発砲すると、弾は見事に彼の肩を撃ち貫く。

 

<<ぐっ!?>>

勢いが強かったからなのか、彼はその場に倒れこむ。

その隙に私はローランドさんの方へと逃げる。

ローランドさんは”隊長”に向かって銃を突きつける。

 

『チェックメイトだよ。残念だけどね』

 

<<くっ・・・なぜだ!なぜ貴方は財団から抜け出したのです!?>>

『理由かい?まぁこう言ってしまってはあれなのだけれども・・・”飽きてしまった”んだよね』

<<飽きた・・・とは・・・>>

『言葉通りさ。”飽きた”んだ。”彼ら”を管理するのも、扱うのも。

 何も価値がなかった私自身が決めたことだった。また一人になって、

 静かに息絶えようと・・・でも色々あって私はここに居座り続けている。

 それもこれも、私に価値を与えてくれた”親友”のおかげでね。

 だから、私は戻る気は無いしここに居続けるつもりだよ。君達や幹部殿のO5が何を言おうとね』

 

<<今の世界は崩壊を始めている!それでもそんなことが言い続けられるのですか!>>

 

 世界の崩壊・・・?一体どういうことだ?

 

『世界の崩壊・・・あぁ、大抵検討は付いたよ。それも含めて

 ここを襲撃しに来て私を捉えようとしていたんだね?でも、君も彼らと同じでここで息絶える。

 いや、むしろこの先にある世界の崩壊に対しての絶望を

 見届け受け止めることをさせないのも元隊長なりの、君達に対する善意の介錯だと思うよ』

 

<<・・・大規模収容違反が起き始めているこの世界を生き抜くつもりなのですか>>

『あぁ、もちろんだよ?

 私には最初で最後の大切な絶対的な任務があるからね。それは、業くんを守ることさ』

 

ローランドさんは彼に対して諭すように話しかけ続けていると、”隊長”の声が徐々に

少し温かみのある声になっていくのがわかった。

 

『長話は無用だろう?このままだと君は失血死で苦しむ事になるからね。それに君は強いけど、

 この先の世界は未知の領域。いくら財団の部隊とは言え生き残れるかと

 言われたら難しい話だからね』

 

<<・・・今となっては敵のである

 貴方に言うべき言葉ではないとはわかっています・・・ですが言わせてください。>>

 

『なんだい?』

<<・・・この世界を、頼みます>>

 

そう言うと、”隊長”は視線を落としたのか顔を少し下へと向けた。

『・・・あぁ、任せてもらって構わないよ!私は、昔とは変わったからね!』

と、ローランドさんはいつもの調子のような声で”隊長”に答える。

 

<<ハハッ・・・本当に変わりましたね。貴方は>>

『あぁ、昔の私とはもう縁を切ったからね!』

 

<<でも、貴方は貴方です。”龍崎隊長”。あとは・・・頼みました>>

『・・・うん、お疲れ様。そして、また会えるなら向こうで会おう』

そうローランドさんは”隊長”の願いに応えるかのように言うと、バンバンッ!!と

彼の頭部と首に銃弾を1発ずつ撃ち込んだ。

 

 

・・・そして、”隊長”だったものは静かに動かなくなった。

「・・・これで、本当に良かったのでしょうか・・・」

『それは私にもわからないさ。現時点での最善手は介錯しかなかった。

 死ぬ苦しみを分かっているからこそ、私は的確かつ

 あまり苦しまないやり方で彼らを葬っただけだよ。』

「それに・・・世界の崩壊や、彼らについて詳しいようですが、一体過去に何が?」

 

私がそう質問すると、ローランドさんは少し申し訳なさそうな顔をして私に答えた。

『ん~・・・話したいのは山々だけれど、今はここから脱出することを優先しようか。

 落ち着いた時に、いろいろ話してあげるからさ!』

 

そう答えると、笑顔で私の方に顔を向けてきた。

 

「全く・・・貴方と来たらいつもそうです!

 ・・・深刻な状況なのなら、後でちゃんと話してもらいますからね!」

『あぁ勿論さ!それは約束しよう!私は約束は破らないからね!』

 

 ローランドさんはそう答えた後、

部隊が持ってきたであろう武器箱から利用できそうなものを拝借していた。

『・・・リュックと、包帯や鎮痛剤、精神安定剤に・・・医療キット。よし!

 彼らの思いを無駄にしないためにも、私も頑張らないといけないね!』

と呑気な様子で言いながらリュックの中に医療品や、何かしらの治療に使えるであろう

医療資材などをある程度中にしまいこんだ。

 

『さ、行こうか!業くん』

「はい!」

 

 自分がぶら下げていたバッグの中に、彼と同じように箱の中から

必要そうな保存食や医療品を入れられる量を入れ、

いざ行こうとした時にはローランドさんは既に次の通路につながるドアの前にいた。

 

距離で言えば大体数十メートル。少し歩けばすぐなものだ。

私は、彼のもとへと歩を進めようとした・・・

 

 

          __その時だった__

 

    上層階の大広間展望室付近が急な大爆発を起こし、

   その爆発で崩落した物が私の真上へと落下してきた。

 

「っ!?」

私は目を見開いた。逃げようと思ったが、急なことだったからか私はその場から動けずに

ただただ落ちてくる”ソレ”を見つめ続けるだけだった。

 

そんな時、ローランドさんが私に対して叫んだ

『業くんっ!!』

彼はそう叫んだ。明らかにこちらへと向かってきているのがわかった。

だが超人的な彼の身体能力を持ってしても、急な状況変化と落下物の落下速度を

合わせると間に合わないのは明らかだった。

 

 

そして、気が付けば私の目の前に広がったのは・・・

 

 

 

__あたり一面に物すら存在しない、ただただ暗闇が続く世界だけだった__

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