ハイスクールD×D~降臨せし黒き王~(更新停止) 作:エアーMk-2
≪……秋葉……≫
(誰だ……)
暗い闇の中、声が聞こえる。
誰かが私を呼ぶ声が。遠くの方で輝く光が。
≪……またすぐ会える。いずれまた話そう。なぁ、相棒?≫
私は遠ざかる光を掴もうと右腕を伸ばした。
(おい待てっ……!?)
私はその時気づいた。自分の右腕が赤い鱗に包まれていることに。
例えるならドラゴンの腕のような異形のものに変化していることに。
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「何だったのだ、あの夢は」
私は今朝見た夢を思い出していた。
私を呼ぶ何者かの声。異形のものに変化した自分の右腕。
自分の右腕に視線を移す。何の変哲もない普通の腕のままだ。
「それにあの声は『また会える』と言っていた……」
秋葉はあごに手を当て考え込む。
夢を見た後から感じるようになった体の違和感。
まるで自分の中に別の力が、誰かがいるような違和感。
秋葉はしばらく考え込み、そして頬を吊り上げ静かに笑った。
「フッ、ならば此方から行けばいいじゃないかっ!」
いい笑顔でそう言う。会いに来ないなら此方から行けばいい。
人外たる秋葉だからこそ出来る事だ。
問題は相手が何処にいるかだ。だが秋葉は大体の見当が付いていた。
(自分の身近にありながら気づくことが出来ない場所………即ち精神世界!)
秋葉は目をつぶり意識を集中させる。
「私に此処までさせたんだ。その対価は大きいぞ?」
そう言って秋葉は自身の精神世界へ意識を飛ばした。
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「此処か……?」
秋葉が辿り着いたのは炎が燃え盛る空間だった。
「ふむ……何もないな」
辺りを見回す。何もない。
『!?バカなっ?!』
背後から突如声が聞こえる。
「会いたかったぜ……」
後ろを振り向く。するとそこには赤い鱗を持つドラゴンがいた。
『此処には我から呼びかけなければ来れない筈だっ!どうやって此処に来た?!』
赤いドラゴンは酷く動揺している。それもそうだろう。普通なら来ることはおろか気づくことさえ出来ない精神世界なのだから。
「そんなの簡単だ。お前の反応を追ってきただけだ」
『何だと……?そんなことが出来るのか……?!』
やたら驚いているが此方は気にせず質問をする。
「それよりもお前誰?何故私の中にいる?」
『っく、仕方ない。我が名はドライグ。赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)またの名を赤龍帝だ。我が此処にいるのはお前が神器を宿しているからだ』
「神器?」
聞きなれない単語だ。
『そうだったな。まずそこから説明しよう』
ドライグは説明を始めた。
ドライグ曰く、神器とはつまり聖書の神が創った異能に力らしい。
その力は様々でチョッとした物から強力な物まであるらしい。
この世界の神はよっぽど暇人だったとみえる。
その中でも神滅具(ロンギヌス)と呼ばれる神器は神すら滅ぼせる力を持った特殊な物らしい。
現在確認されている数は13。ドライグもその一つで赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)と呼ばれる10秒ごとに力を倍化していくとの事。
「なるほど、この籠手の中にドライグの魂が宿っているから俺の中にいると」
『まあそう言う事だな……って何時の間に発動させた』
ドライグが見つめる私の右腕には赤い籠手が装着されていた。
ドラゴンの腕を模った複雑な形状の籠手で、手の甲の部分には緑色の宝玉が埋め込まれている。
「何時ってさっき」
『マジかよ……』
ドライグはもはや呆れ返っていた。元々人外な秋葉のやることだ。それも致し方ないだろう。
「あ、後こんなことも出来るぞ」
秋葉がそう言うと手の甲の宝玉が輝き秋葉の体全身に鎧が装着された。
『……まさか禁手化までするとは』
禁手化とは簡単に言うと神器の力をある程度まで高めた状態のことらしい。
これは「赤龍帝の鎧(ブーステッド・ギア・スケイルメイル)」と言い力を一気に増大させることが出来る。
『全く相棒はトコトン規格外だな』
「こんな程度で驚いていてはこの先持たないぞ?まぁこれから長い付き合いになる。よろしく相棒」
『ああ、此方こそだ相棒』
私とドライグは拳をあわせた。
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(それにしても龍の力か……)
現実世界に戻ってきた秋葉は内心笑っていた。
この世界には悪魔、堕天使、神の三つの勢力が存在するらしい。
ドラゴンの力は他を引き付ける。
(これから面白くなりそうだ)
今日も月が綺麗だった。
原作と違って籠手は右腕になってます。