ハイスクールD×D~降臨せし黒き王~(更新停止)   作:エアーMk-2

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今回はあのキャラがついに登場です。


迷子のシスター

次の日。

 

表向きの部活が終わり私は帰路についていた。

 

ここ最近どこから噂を聞きつけたか私に対する依頼が増えている。

 

それも一度契約した相手が再度契約したいなどが半数以上ある。

 

部長が喜んでくれるのでそれはそれでいいのだが

 

「さすがに呼ばれすぎじゃねぇか……?」

 

『いや、さすがに相棒がやりすぎだろ』

 

ドライグがつっこむ。

 

「そ、そんな事は……」

 

『いや人一人の存在を書き換えた時点でアウトだと思うぞ』

 

ドライグが言っているのはミルたんの事である。

 

単刀直入に魔法少女になりたいと言われたので寿命五年と引き換えに体を作り変えたのだ。

 

「……」ダラダラ

 

『……汗でてんぞ』

 

くっ!私としたことが……!!

 

「はわう!」

 

「ん?」

 

後方から突然の声。同時にボスンと何かが倒れる音がする。

 

振り向くと手を大きく広げ、顔面から地面に突っ伏しているシスターがいた。

 

「大丈夫か?」

 

転んだシスターに手を差し出す。

 

「あうぅ。何で転んでしまうんでしょうか……ああ、ありがとうございますぅぅ」

 

声からして同年代だろうか。

 

手を引いて起き上がらせる。その時

 

ふわっ……

 

風が吹きシスターのヴェールが飛んだ。

 

同時にヴェールの中で束ねられていたであろう金色の長髪がこぼれ、露になる。

 

グリーン色の双眸を持つ美少女だ。

 

私はヴェールをキャッチしシスターへと差し出す。

 

「旅行かい?」

 

私の質問に対しシスターは首を横に振る。

 

「いえ、違うんです。実はこの町の教会に今日赴任することとなりまして……あなたもこの町の方なのですよね。これからよろしくお願いします」

 

そう言って彼女はペコリと頭を下げた。

 

教会に赴任ねぇ。

 

(ん……?この町の教会って数年前に閉鎖されたんじゃなかったか?)

 

「この町に来てから困っていたんです。その……私って、日本語うまくしゃべれないので……道に迷ったんですけど、道行く人皆さん言葉が通じなくて……」

 

困惑顔のシスターは胸元で手を合わせる。

 

つまりこのシスターは日本語がしゃべれないようだ。

 

なのに何故私と言葉が通じるのか。

 

それは悪魔に転生した特典のひとつ『言語』があるからだ。

 

『言語』は簡単に言うと文字通り言語を自動で翻訳してくれるもので、相手の言葉は自分の聴きなれた言語に、自分の言葉は相手が聞きなれた言語に翻訳される。

 

でも私は元からいろんな国の言葉を話せるため半ば無用の長物になっている。

 

「教会なら知ってるよ」

 

「ほ、本当ですか!あ、ありがとうございますぅぅ!これも主のお導きのおかげですね!」

 

涙を浮かべながら私に微笑むシスター。うむ、かわいい子じゃないか。

 

こうして私はシスターを引き連れ、教会に案内することにした。

 

 

 -----------------

 

 

教会へ向かう途中、公園の前を横切った。

 

「うわぁぁぁぁぁん」

 

それと同時に子供の泣き声が聞こえてきた。

 

「だいじょうぶ、よしくん」

 

どうやら親子連れのようだ。

 

すると私の後ろを歩いていたシスターが泣いている子供の傍へ近寄っていった。

 

私もそれに続く。

 

「大丈夫?男の子がこれぐらいのケガで泣いてはだめですよ」

 

シスターは子供の頭を優しくなでる。言葉は通じていないだろうけどその表情はやさしさに満ち溢れていた。

 

シスターは自身の手のひらを子供がケガした部分に当てた。

 

すると手のひらから淡い緑色の光が発せられケガが見る見るうちに消えていった。

 

(神器(セイクリッド・ギア)か……)

 

『ああ、それも回復タイプのやつだ』

 

見ると子供の傷は塞がりケガの跡すら残っていなかった。

 

「はい、傷はなくなりましたよ。もう大丈夫」

 

シスターは子供の頭をひとなですると、私のほうに顔を向け

 

「すみません。つい」

 

舌を出して小さく笑った。

 

きょとんとしていた子供の母親は頭を垂れると子供をつれてそそくさと去っていった。

 

「ありがとう!お姉ちゃん!」

 

子供が感謝の言葉を述べた。

 

「ありがとう、お姉ちゃん。だってさ」

 

私が通訳するとシスターはうれしそうに微笑んだ。

 

「その力は………」

 

「はい。治癒の力です。神様から頂いた素敵なものなんですよ」

 

そう彼女は微笑むが、どこかその顔は寂しげで影が少しだけ見えた。

 

過去に何かあったのかもしれない。

 

特殊な力は何かしら暗い過去が付きまとうものだから。

 

再び教会の方へ足を運ぶ。

 

公園から数分行った先に目的の教会はあった。

 

概観は古ぼけていて何年か前に閉鎖されたはずだが建物には明かりが灯り、人はいるようだ。

 

そして体に感じる敵意と殺意。教会は悪魔にとって敵地だ。

 

「あ、ここです!良かったぁ」

 

地図の書かれたメモと照らし合わせシスターが安堵の息を吐いた。

 

長居は無用か。

 

「じゃあ私はこれで」

 

「待ってください!」

 

別れを告げその場を去ろうとするとシスターに呼び止められた。

 

「私をここまで連れてきてもらったお礼を教会で」

 

「すまない、何分急いでいる身でね」

 

「……でも、それでは」

 

困った顔をする彼女。

 

フム、仕方ない。

 

「私は兵藤秋葉。秋葉と呼んでくれ。キミの名は?」

 

私が名乗るとシスターは笑顔で答えた。

 

「私はアーシア・アルジェントと言います!アーシアと呼んでください!」

 

「ではシスター・アーシア。また会えたらいいね」

 

「はい!秋葉さん、必ずまたお会いしましょう!」

 

ペコリとアーシアは頭を下げ、私は手を振って別れを告げた。

 

いい子だった。人生どんな出会いがあるか分からないものだな。

 

 

 




次回「はぐれ悪魔」
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