ハイスクールD×D~降臨せし黒き王~(更新停止)   作:エアーMk-2

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外道神父

はぐれ悪魔バイザーを討伐した次の日の深夜。

 

私はいつものように仕事のため依頼者のもとへ飛んだ。しかし……

 

「ん?何故玄関前に?」

 

通常、召喚されれば依頼者の前、つまり部屋の中に召喚される。

 

しかし今召喚されたのは依頼者の家の玄関前。

 

「おかしい……人の気配が無い……」

 

家の中から気配が感じ取れない。何かが邪魔しているようだ。

 

「開いてる……」

 

それにドアも開いていた。

 

『気おつけろ相棒。こりゃあ何かあるぜ』

 

「分かっている」

 

ドアを開け中に入る。

 

廊下に灯りはついていない。階段も同じようだ。

 

「……。」

 

一階の奥の部屋。そこだけ淡い光が灯っているのが見える。

 

「いくぞ」

 

『おう』

 

廊下を進み奥の部屋へと入る。淡い光の正体はロウソクのようだ。

 

視線を動かし辺りを見回す。どうやらこの部屋はリビングのようだ。

 

そして私はある一点を見て止まった。

 

『こいつは……っ!』

 

死体だ。この家の住人と思わしき男性。

 

壁に逆十時に貼り付けられているその体は無残にも切り刻まれ傷口から臓物らしきものが出ていた。

 

「ひどいな……」

 

ご丁寧にも両手のひら、足、胴体の中心を大きい釘で打ちつけていた。

 

これをやった奴は間違いなく普通じゃないな。

 

壁には血で文字が書かれていた。

 

「これは……」

 

「『悪いことする人はおしおきよー』って、聖なるお方の言葉を借りたものさ」

 

突然、私の後方から若い男の声が聞こえた。

 

私はとっさに声の方向に振り返りつつ距離をとった。

 

-外国人と思わしき十代くらいの白髪の男。

 

格好からして神父か。神父はこちらを見てニンマリと笑った。

 

「んーんー。これはこれは悪魔くんではあーりませんかー」

 

実にうれしそうだな。まったく目障りだ。今のうちに神器を用意しておくか。

 

「俺は神父♪少年神父~♪デビルな輩をぶった斬り~、ニヒルな俺が嘲笑う~♪おまえら悪魔の首刎ねて~♪俺はおまんま貰うのさ~♪」

 

突然歌いだした神父。

 

「俺の名前はフリード・セルゼン。とある悪魔祓い組織に所属している末端で「せいっ!」おわぁッ!?何しやがる!」

 

「っち!避けたか」

 

不意打ちで出した拳を避けやがった。なかなかやる。

 

「いきなりとかマジ死ね!そして死ね!」

 

神父は懐から拳銃と刀の柄を取り出した。

 

「死んでちょ~だい!」

 

神父が拳銃を撃った。発射音はなくどうやら光で出来た弾丸らしい。

 

私は弾丸を避けると神父のいる場所まで瞬時に距離を詰めその顔面に拳を叩き込んだ。

 

「あがぁぁっ!!?」

 

さすがに音速は反応しきれなかったようで神父は壁まで吹っ飛んで激突した。

 

「こんのくそ悪魔がぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

神父は立ち上がると柄だけの刀のスイッチを押した。

 

ブゥン。すると柄から光の刀身が現れた。そして私に向かって斬撃を繰り出す。

 

対する私は「赤龍帝の籠手」の手の甲の部分から刃を出現させそれを受け止める。

 

「ちぃっ!」

 

剣を止められた神父は再び拳銃を構えようとする。

 

しかし私は神父の剣を上に跳ね上げ無防備となったそのどてっ腹に回し蹴りを叩き込んだ。

 

「ぎゃはぁぁっ!?」

 

再び派手に吹っ飛ぶ神父。

 

「このくそがぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

「……意外とタフだなっ!」

 

今度は拳銃を乱射してきた。そんな馬鹿の一つ覚えな攻撃!

 

「きゃあああああああ!」

 

「!?」

 

突然背後から聞き覚えのある声が聞こえた。後ろを振り向くと先日教会に送ってあげた金髪のシスター、アーシアがいた。

 

「アーシア何故ここに?!「すきアリっ!」グッ!!」

 

一瞬アーシアに気を取られ左腕に一発貰ってしまった。

 

「どうよ!光の弾丸を放つエクソシスト特性の祓魔弾は!達してしまいそうな快感が俺とキミを襲うだろ?」

 

光は悪魔にとって毒だ。しかし私は特殊な存在であるため光は効果がない。この程度のダメージすぐに回復する。

 

「死ねくそ悪魔ぁ!」

 

神父が次なる攻撃を加えようとしてくる。しかし

 

「やめてください!」

 

アーシアが神父の前に立ちふさがった。

 

「……おいおい。マジですかー。アーシアたんキミ、自分が何をしているのかわかっているのでしょうかぁ?」

 

「……はい。フリード神父お願いです。この方を許してください。見逃してください」

 

アーシア……。

 

「何々?キミら知り合い?わーぉ、これは驚き大革命。悪魔とシスターの許されざる恋とかそう言うの?マジ?マジ?」

 

私とアーシアを面白おかしそうに交互に見る神父。

 

「秋葉さんが……悪魔……?」

 

「そうそうこいつはくそ悪魔くんだよぉ?悪魔と人間は相容れませんよぉぉ?!悪魔はクソ、教会でそう習ったでしょう?」

 

だんだん怒りがあらわになってくる神父。

 

「悪魔にだって良い人はいます!」

 

神父に対し反論するアーシア。

 

「いねぇよ、バァァァァァカ!」

 

神父は拳銃を持った手をアーシアに向かって振り上げる。

 

「アーシア!」

 

「あばぁ!」

 

私は瞬時に加速。神父の顔面にとび蹴りを喰らわせ吹っ飛ばした。

 

吹っ飛んだ神父は窓を突き破って落下していった。

 

「大丈夫かアーシア?!」

 

「は、はい」

 

アーシアは無事だな。

 

その時床が青く光り魔方陣が現れた。

 

「っ!来たか!」

 

魔方陣の光の中から部長たちが現れた。

 

「秋葉大丈夫?!」

 

部長が心配そうに声をかけてきた。

 

「あらあら大変ですわね」

 

「怪我がなくてよかったよ秋葉くん」

 

それを皮切りに続々と魔法陣から出てくるメンバー。

 

「秋葉ごめんなさい。まさかこの依頼主の元に『はぐれ悪魔祓い』の者が訪れるなんて計算外だったの」

 

申し訳なさそうに私に謝罪する部長。

 

「良いですよ別に怪我となく無事ですし」

 

「そういってくれると気持ちが楽になるわ」

 

私に向かって微笑みを浮かべる部長。うむ、やはり部長は笑顔が似合う。

 

「!部長、この家に堕天使らしき者たちが複数近づいていますわこのままではこちらが不利になります」

 

奴ら異変に気づきやがったかっ!

 

「朱乃、このまま秋葉を回収して本拠地に戻るわ」

 

「はい」

 

どうやらこのまま転移で部室に戻るようだ。だったら……

 

「部長!アーシアも一緒に!」

 

「秋葉さん!?」

 

「……無理よ。この魔方陣で移動できるのは私の眷属しか出来ないわ」

 

っち!仕方ないか……

 

「部長たちは先に戻ってください。私はアーシアと共に戻ります」

 

「ちょ、ちょっと秋葉!」

 

「強制転移!」

 

部長たちを部室へと強制転移させアーシアへと向き直る。

 

「アーシア。キミはこれからどうしたい?」

 

アーシアに問う。

 

「わ、私はもうあそこへは戻りたくありません!秋葉さんと一緒に行きたいです!」

 

私の目を見てはっきり答えるアーシア。

 

「了解した。一緒に行こうアーシア」

 

「はい!」

 

私はアーシアを抱きかかえると天井へ魔力弾放ち空へと飛翔した。

 

空に上がるとそこには四人の堕天使と数十人の悪魔祓いがいた。

 

「どこに行く気かしら」

 

「レイナーレ様……」

 

堕天使のリーダー格、夕麻ちゃんことレイナーレが話しかけてきた。

 

左手はすでにくっついていた。アーシアの神器のおかげかな?

 

「やぁ夕麻ちゃん、いやレイナーレと呼ぶべきかな?」

 

「っく、貴様ぁ!」

 

こちらを睨むレイナーレ。

 

「ふん、まあ良いわ。その子を渡してちょうだい。そうすれば命だけは見逃してあげるわ」

 

強気でそう言う。

 

「あっはっは寝言は寝て言え堕天使ども」

 

「っ!殺せ!」

 

堕天使と悪魔祓いたちが一斉に撃ってくる。

 

「無駄だよ」

 

しかしその攻撃は秋葉に命中することなく見えない壁に阻まれ跳ね返される。

 

「今度はこっちの番だ」

 

秋葉は背後に二枚の魔方陣を展開。そこから大量の魔力弾を弾幕のように撃ち出した。

 

「っく、このぉ!」

 

堕天使たちはそれを避けるが下の悪魔祓いたちには次々直撃していった。

 

「これでチェックメイトだ」

 

私は右手に魔力を収束させバスケットボールサイズの魔力弾を生み出しそれを撃った。

 

撃ち出された魔力弾は相手に飛んでいくのでなく途中で大爆発を起こした。

 

それに呼応するかのように他の魔力弾も次々と爆発した。

 

「あばよ」

 

私はその隙にアーシアを連れ部室へと転移した。

 

 

  ------------

 

部室へと転移した私は部長にこっぴどく怒られた。まあ心配かけたし仕方ないか。

 

そして私は何故アーシアが堕天使側にいたのかを聞いた。

 

その話はとてもひどいものだった。

 

自分たちで聖女と持ち上げておきながら悪魔一人治療したとたん魔女だと?ふざけるんじゃない!

 

この時私はこの世界に来て初めて怒りを覚えた。

 

アーシアは自分の信仰が足りなかったとこれは神の試練なのだと言った。

 

目にいっぱいの涙をため今にも泣きそうな顔で。

 

私はアーシアを抱きしめながら言った。

 

「私が友達になってあげる」と

 

それだけではない。祐斗も、小猫ちゃんも、朱乃先輩も、そして部長もみんなアーシアの友達になると言ってくれた。

 

アーシアは私の胸の内で泣いた。泣きながらも笑ってくれた。うん、やっぱり女の子は笑顔が一番だ。

 

そして私は内心堕天使や教会に怒りを向けるのであった。

 

 

 

 

 

 

 




あと一話位で一巻の内容が終わると思います。

次回「決着」
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