ガンダム00 マイスター始めてみました外伝 『絶望?何それ美味しいの?』 作:雑炊
詳しい内容の説明みたいな物は、3話のあとがきで『奴ら』が解説してくれますよ。
という訳で今回と次回はあとがきがありませんのでご了承ください。
では、本編をどうぞ
さいしょの外伝―――新年早々の絶望的な状況下でこそ自分らしく
初夢と聞いて、これを見ている皆はどんな事を思い出す?
やっぱり日本古来から言われる、一富士二鷹三なすび?
それとも普段通りの取りとめもない物?
それとも…?
ともかく、これから始まるお話は、この俺、アムロ・レイの今年の初夢の内容だ。
へ?本編如何したって?……作者曰く「ばあちゃん家に話の内容書いたUSB持ってくんの忘れちまったから、書こうにも書けねえだー!!!」…だそうな。
ま、つまりは『まだ掛かる』ってこった。ま、気長に待っててくれ。
……って、そういう事じゃないんだった。ともかく、俺の夢の話な。
まぁ、とはいっても、あまりにリアルすぎて本当に夢だったか怪しいが……ま、いいか。
んじゃ、始まり始まりー…っと。
「師匠。こんな感じで良いのかー?」
「GJ」
「って、今までの全部ナレーションだったんかい!!」
煩いぞ姉さん。んじゃ、ほんとに始まりでーす。
(…ん?何が起こった?)
むくりと起き上がって、周囲を見る。
見慣れたコックピットに、見慣れた相棒の姿。モニターは真っ暗だが、瞬時に此処が乗り慣れたOガンダムのコックピットにいるという事に気付いて安堵の息を漏らす。
(…いやいや、安堵しちゃ駄目だろう)
そう思い直して、漏らした安堵の息を吸い直す様に、俺は深呼吸を一つしてから、昨日の夜の出来事を思い出す。
(…え~……と…確か昨日は師匠が「全員で年越しじゃー!!」言って俺らを集めて、リアル『ガキの使い 笑ってはいけない熱血教師』やる羽目になったんだよな、DVDで。で、その途中で一月一日来ちゃったから、皆で年越し蕎麦(全部俺製)食って、そんでもってなんか皆段々と変なテンションになっていって、それから……)
・・・・・・アムロー!!サスガノアンタデモベッドノウエデモアタシニカテルトオモウナー!!!チョッ!!ネエサンナニイッテ・・・・ウェェェェェェェェェェ!!!!!??????シ、ショウタスケtガンバレーシ、シショオオオオオオオオ!!!!
………うん。何も無かった!!!!!!
無いよ!?無いったら無いからな!?R-18な展開なんぞ無いからな!?
あ、思い出した!そういやなんか途中で師匠がどっかから甘酒持ってきて、それを皆で飲んだんだった!それで確か姉さんが超大量にそれを飲んじゃって………うん!!悪いのは全部師匠と甘酒ごときで酔っぱらう姉さんだ!!!全て師匠と姉さんの仕業だ!!
ま、そんな風になってる場合じゃないわ。
「オイ、起きろ相棒」
「ムニョ…?」
俺から見て右側の専用台座にすっぽり嵌まっていた相棒を小突いて起こす。
って、いうか何が「ムニョ」だ何が。
お前一応機械なんだからそんな事言う必要ないだろ。
そんな事を考えながら、俺は相棒に指示を出した。
「相棒。機体の起動と同時に周囲をサーチ開始。何かめぼしい物があったら順次報告しろ。取り敢えず俺達は今何処のどこら辺に居るのか詳しく確認したい」
「OK!OK!」
「頼むぞ…」
そう言いながら機体を立ち上げる。
各モニターに火が灯り、正面のメインモニターに外の光景が浮かび上がる。
で、俺は固まった。珍しく相棒も固まった。
つーかぶっちゃけ目が覚めたら何処かの山の中だったとか勘弁してもらいたい。
さらに周囲を見渡せば――――――真っ赤で平ったくて胴体に歯を食いしばってるような口があって手があって……なんだか形容しづらい気持ち悪いの何十体単位で囲まれてる状況とか、特に。
「……」
「……」
「「……………………キメェ」」
即座に正面の一団を肩の大口径キャノンで吹き飛ばしてからブースト全開で特攻し、寄って来たのを腰のマウントラッチから取り出したGNナイフでソテーにしながら山を駆け上がる。
その後ろを、あのキモい奴の大群が追ってくる。
左腕のシールドの裏から機雷を放出して爆破。
数が減ったかどうかはわからない。
兎も角、今は走るしかない。
だって止まったら、絶対にロクなことにならないのだから。
「…うわあ」
一瞬チラッとバックモニターで後ろを確認するととんでもない量の土煙を上げながら、キモいのがさっきの比じゃないくらいの量で追いかけてきていた。
本当に勘弁して欲しい。
そう思いながら天へと顔を向けて、俺は吠えた。
おそらく、この状況の原因であろうとある人物へと向かって。
「~~~~~~~~~~おおおおおおおおお!!!???クソ師匠死ねえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!」
「ハロオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
返事など帰って来る筈も無かった。
…いや、来たら来たで怖いんだけどさ。
『僕だよ!!!』
ホントに何か聞こえたが幻聴だと思う。
1998年7月。
1967年1月25日のサクロボスコ事件、同年同月27日から1973年まで続いた第1次月面戦争。
終結と同年の1973年の中国新疆ウイグル自治区喀什市 へのH1…後にオリジナルハイブまたは喀什ハイブと呼ばれる事となる落着ユニットによる地球への進行以降、人類は【Beings of the Extre Terrestrial origin which is Adversary of human race】―――通称『BETA』と呼ばれる存在によって、衰退の一途を辿っていた。
そしてこの日、東方の島国である日本は、首都である京都へとBETAによる襲撃を受けていた。
大陸を制圧した大規模のBETA群は遂に九州に上陸。
さらに中国地方日本海沿岸に散発上陸したBETA群との挟撃を受け、本土防衛軍西部方面部隊が壊滅。
その後上陸から約一週間で九州及び中国地方を制圧され、西日本は完全にBETAの支配下に置かれる。
そこから更に一週間後、西日本から撤退していた日本帝国軍・在日米軍・国連軍はようやく体制を立て直し、BETAの本州中部への進行を阻止するべく、首都・京都前面に防衛線を構築した。
その防衛線の補給基地である嵐山補給基地では、12機の帝国斯衛軍の戦術機『瑞鶴』が防衛線を食い破ってきたBETA群を迎撃する為に出撃していた。
その中に、つい先日学徒動員で徴兵された『篁 唯衣』と、彼女と同時に徴兵された『甲斐 志摩子』『石見 安芸』『能登 和泉』『山城 上総』の5人の姿もあった。
彼女らのその殆どが若干16歳の少女だという事実は、現代の一部の人達が見ればとんでもないことだ、と言うかもしれない。
が、この世界のこの国では、それはもはや当たり前となった光景であった。
(余談ではあるが、この当時既に国土の半数以上をBETAに駆逐されていたソビエト社会主義連邦、中華民国といった、ユーラシア大陸に国土を持つ殆どの前線国家では、10歳前後、あるいはそれ以下の子供を戦術歩行戦闘機―――通称戦術機と呼ばれる二足歩行型兵器に乗せて前線へと送り出していたので、日本のこの光景はまだ“マシ”と言っても過言ではないレベルにある)
『篁の率いる第ニ小隊は突撃級の殲滅!』
斯衛部隊の赤を纏っている中隊長の82式戦術歩行戦闘機『瑞鶴』F型から、山吹色に塗装された篁の瑞鶴F型、そして彼女の下につく山城達の白い瑞鶴A型へと指示が飛ぶ。
「第二小隊、了解ッ!!」
彼女の声に負けないように、唯衣は声を張り上げた。
思ったよりも出たので内心驚くと共に薄らと顔を赤らめるが、中隊長は気にもとめず続けて指示を飛ばす。
『オレの率いる第一小隊は第三小隊を支援する!第三小隊は要撃級を各個撃破しつつ、光線級の殲滅を最優先とせよ!』
『第三小隊、了解ッ!!』
こちらも中隊長の声に負けじと声を張り上げていた。
それを見届けた中隊長が表情を変えずに『よし』とだけ呟く。
そこから数分後。全小隊は迎撃地点に到着していた。
目の前の山間の向こうで真っ赤に燃える炎が立ち上っていることから、向こうでは既に激戦の火蓋が切って落とされているのがありありとわかる。
その先からBETAが向かってくると予想される地点の正面。
待ち伏せるように12機の瑞鶴が迎撃体制で待機する。
その内11機の瑞鶴の衛士は唯衣も含め、殆どが満足な訓練期間を終えずに初陣を迎える者ばかり。
それぞれの愛機のコクピットの中で初の実戦に恐怖し、緊張しながらも深呼吸して自身を落ち着かせようとしていた。
そして網膜投影に映るBETAの熱源をレーダーが捕らえる。
「……来たッ!!」
唯衣のその一言が切っ掛けになったわけではない。
しかし実際に大地を揺るがす音を立てながら、最大で時速170kmに達する突撃級がまるで闘牛の如くに突進してくるのが見え、全小隊にこれまで以上の緊張が走る。
『ギリギリまで引き寄せるっ!!戦術高度は100メートル以内!!』
戦術高度―――訓練校で徹底的に叩き込まれた事だ。
この高度を超えてしまった戦術機は、よっぽどの幸運か、あるいは人外レベルの技量持ちでない限り、光線級の見様によってはチャーミングな瞳から放たれるレーザーによって例外なく蒸発させられる。
以前教官に万が一レーザー照射を受けた際はどうすれば良いかを教わった時、「神に祈れ」と普通に言われた事を彼女は思い出した。
『了解ッ!!』
中隊長の指示に全小隊が答え、自機に突撃砲を構えさせる。
その正面。立ち塞がるビルや民家を破壊しつつ、夥しい数の突撃級が猛然と土煙を巻き上げながら京都の街を駆け抜けてくる。
『迎撃シフト、
中隊長の指示に第二小隊を先頭に敵群突入用の突破力を重視した陣形で駆け出して行く戦術機達。
しかしその目の前に容赦なく迫ってくるは、戦術機よりも少し大きなサイズを誇る突撃級の群れ。
そんな大群を前に、実戦経験の無い学徒兵達が恐怖を感じない訳はなかった。
甲斐志摩子は、その典型例であった。
初の実戦による恐怖を感じたのか、志摩子の乗る瑞鶴が訓練通りに攻撃するのではなく、突撃級のよりにも寄って強固な前面装甲殻のある“正面から”87式突撃砲の36mm弾を連射して攻撃する。
しかし、大方の予想通りに突撃級の前面装甲殻に簡単に全て弾かれる。
「志摩子ッ!!」
咄嗟に、唯衣は叫んだ。
『はっ!?」
「訓練を思い出して!突撃級は!?」
『わっ、分かってる!!』
それまで無駄に攻撃を続けていた志摩子に唯衣は怒鳴る。
訓練で覚えた突撃級の対処法を思い出させるために。
彼女に一喝され我に返った志摩子は攻撃を中止。すかさず他の瑞鶴と同時に突撃級を飛び越えるように跳躍ユニットを噴射。機体を浮かせてやり過ごす。
唯衣と他の機体は姿勢を空中で反転させ、可動兵装担架システムを作動。手にマウントする事無く、後ろ向きのままオート射撃で突撃級の弱点である装甲殻のない部分に36mm弾をお見舞いして撃破する。
『やった!』
断末魔の声を上げて倒れた突撃級の姿に撃破できた事に安堵する志摩子。
しかしその気の緩みか他の機体より高度を上げてしまった。
結果データリンクによって唯衣の乗る機体から光線級のレーザー警報が鳴り響き、中隊長からも『レーザーに注意しろ!』という怒鳴り声が聞こえる。
間髪入れず、唯衣は志摩子に向かって叫んだ。
「っ!?志摩子!高すぎるっ!!」
『えっ?』
その声に志摩子は呆然とした声を上げ後ろに振り返ろうとした。
しかし時既に遅く、遥か後方からの光線級のレーザーが志摩子の瑞鶴を撃ち抜こうと迫る。
そして一瞬の後、唯衣機の頭上で爆発音がした瞬間、志摩子は光線級の餌食になったと小隊の誰もが思った。
『ああっ!!』
「志摩子ォォォッ!!」
それはまるでスローモーションのように唯衣の目に焼き付けられる。
レーザーが
志摩子の瑞鶴に
迫り、
その
瑞鶴の
足に
“ワイヤー”の様な物が
絡みつき、
【グンッ】
『ふぇ?』
瑞鶴が
下へと
引き下ろされ、
代わりに
其処へ、
『ぎええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!???????』
等という情けない声を上げながら、
白い、トリコロールの箱と見間違えそうな戦術機がすっ飛んできた。
へ?、と思わず唯衣はこんな状況にも拘らず目を点にする。
いや、きっとその場にいた全員がそうしていた。そう確信できる。
突っ込んできたその箱は即座に空中で……おそらくスラスターを全力噴射したのだろう。
シールドを構えながら機敏な動きでレーザーを躱す―――とはいえ完全には無理だったのか、そのシールドの表面が少し焦げている―――と、そのまま出処と思われる所へ今度は逆に桜色の光線をその右腕から放った。
その光景に、さらに目が点になる。
光学兵器。
現行の戦術機では(あの米軍の機体でさえも)実用化できてなどいないテクノロジー。
レーザーを避けただけでも驚くべき事なのに、それを今、目の前の箱モドキは悠々と使ってみせたのだ。
―――あれは、何?いったい、なんなの?
そんな唯衣の疑問など知った事ではない箱モドキは直後に体勢を立て直し、まるで落ちるかのように急降下。
そのまま着地点にいた突撃級を、その堅牢過ぎるにも程がある前面装甲殻越しに柔らかい本体の部分を踏み潰した。
踏み潰して、しまった。
その光景に更に唖然となる。
『っ!唯衣!!』
「っぁあ!?」
和泉の悲鳴にも取れる警告に、寸前の所で回避行動を取る。
しかし目の前に迫る、突撃級の巨体。
もしあと一瞬動くのが早ければ、これから起こるであろう惨劇―――彼女の体が瑞鶴ごとひき潰される事は無かっただろう。
その事に気づいた唯衣が青褪めるのと、聞き覚えの無い声が再度聞こえて、同時に目の前を桜色の光の奔流が通り過ぎたのは、ほぼ同時だった。
「固まってんじゃねえぞ!!トウシロがぁ!!」
吠えるよりも早く体が動く。
肩部のキャノンを咄嗟にビームモードにして出力リミッターを60%までカット。
それによりできた余剰分のエネルギーを全てレールの発電部に回して、黄色い機体に突っ込もうとしていた緑で斑模様の虫の様な見た目の奴を通常よりも加速された砲弾で吹き飛ばす。
それに巻き込まれてその背後にいたのも殆ど吹っ飛ばしてしまったが…あまり問題ないだろう。
『す、すみませ「謝ってる暇があったら動けやぁ!!」は、はい!!』
そう言って再度戦闘に移る黄色い機体。
パイロットは声からして女の子かな。
しかし、動きからして新兵だし、声質からして俺よか少し年下か同じ位か?
…って事は行って13~17歳ぐらいか…碌でも無いなぁ…
…え?自分の事棚に上げて何言ってんだって?…ごもっともで…
そんな事を考えている間にもあのキモイ生物の群れは増え続けている。
と、そんな光景を見ながら現実逃避も兼ねて、ここで溜息吐きつつ何故こうなったと自問自答してみた。
先程遭遇したあの赤いのの一団は、機雷やGNフェザーとフィールドを応用したGNバーストを駆使して何とかほぼ全部汚いミンチに変えられた。
が、今度はさっきから戦ってるあの緑色に追いかけられ始めたのだ。
流石にあの巨体に一斉に襲い掛かられると生きた心地がしなかったのでケツ捲って全力で逃げ始めたのだが、暫く低空で飛んでいると相棒が通信を傍受。
はてなんだべと聞いていると、どうやら1機が高度を高く取り過ぎて狙撃されるっぽい事が聞こえた。
と、その瞬間俺の脳内で急速に回転し始める打算回路。
思いついたのは、此処でその狙撃される寸前の機体を助ければ不審には思われるだろうが情報収集の足掛かりにくらいはなろう、という考え。
この状況下だ。例えこっちがガンダムでもある程度は見逃してくれるだろう。
というわけで思い立ったが吉日と言わんばかりに胸部追加装甲からワイヤーを射出。
比較的高く飛んでいる件の機体であろう白いのに狙いを定めて発射。
上手い事足に絡みついたのでそのまま引き吊り…下ろそうと、した。
が。
「っ!?意外と重…って、ぎええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!???????」
完璧に自分の機体がGN粒子によって軽量化されているのを忘れてた上に、下ろそうとした機体が意外と重かったこと。
加えてOガンダムが立っていたことが山の斜面だったという事もありその結果…
まあ、ぶっちゃけた話逆に吊り上げられてしまったのだ。HAHAHAHAHAHA……って、笑いごとじゃねぇ!!
「熱源超高速接近!!熱源超高速接近!!」
うわーい!!
そんな声すら出せずに心は慄くが体はほぼ反射的に機体を動かして“ソレ”を回避した。
少しシールドにそれが当たるも、表面にコーティングされていたGN粒子と、反射的に相棒が展開してくれたピンポイントのGNフィールドのおかげで表面がほんのちょっぴり焦げる位で何とかなった。
が、一拍置く間もなく目の前を文字通りに光が通過する。
一瞬で懐中電灯のライトをON,OFFしたようにパッと消えたので、ビームというよりもどうやらレーザーのようだ。
これはマズいと頭の中で冷静な部分が呟く。
まあ、ぶっちゃけた話GN粒子コーティングである程度ビーム耐性の付いているPF装備でも耐えきれるか分からなかったのだ。
理論上大気圏突入をGNフィールド無しでもできるようにはしてあるらしいが、あまり過信すべきではない。
まあ、弾速自体は……早すぎるな。光だし。ぶっちゃけ相棒居ないと避けれる気がしない。てか、今も危なかったし。
と、いう事は、今の状況は非常に、マズイ。
ブッ放して来た元凶へとダブルライフルを手加減無しの狙撃モードで発射。望遠モードで命中したか確認する。
「あれ?」
と思ったら命中もクソも元凶と思わしき陰嚢に足と眼球とっ付けた物体の近く一帯の似たような物殆ど薙ぎ払えちゃったぞ?
サイズ比較すると意外と小っちゃかったからそれが幸いしたかな?
「っと。危ない危ない」
とか思ってたら生き残りの十数体に一斉に狙われましたよこんちくしょう。
なんかターゲットする為なのか超低威力の先行照射があるからビーム兵器よりもナンボか良心的ですねコノヤロウ。
「しかしむざむざ当たってはやれん」
スラスター使って急降下余裕でした。
一瞬の後に上がピカっと光りましたが師匠と戦った時よりも怖くなかったです。
ただ、着地点にあの緑色の何かが居たんでちょっと質力軽減効果反転使ったら落ちる加速度上がった事の方が怖かったです。
だって半ば反射的にやっちゃったから、踏みつぶせるかどうか分からなかったし。…甲殻は兎も角、身は潰せたからいいけど。
「ム」
直後視界の隅に危険に気づいてないであろうド派手な黄色の機体の姿。
ぶっちゃけ、他の真っ白だの真っ赤だのといったのも大概だが、こいつは輪を掛けて頭イカレてるんじゃないかと思えるような見た目である。
……ガンダムとかはどうなんだって?いや、まだマシだろ。
だって基本全身一色というわけじゃないし……というか、デザイナーは一体何だってこんなカラーリングに……?
全身のセンサーみたいな部分も紫色にビカビカ光ってるし……
でもまあ、そんな風に内心グチグチ言っていても打算回路全開な俺は即座に突っ込もうとしていた緑色の菱形をダブルライフルで吹き飛ばしつつ、通信回線開けて怒鳴る。
そして今に至るのだ。
そして始まる罵声祭り。…主に俺が原因だが。
「もっと動けスカポンタンがぁ!!何ですか?ただの案山子ですか?ただの案山子なんですかぁ!?言われたくなかったら死なないように動けやボケェ!!」『は、はいぃぃぃぃ…』(; ;)「言う前に動く!!」(`Δ´)カッ!
「キルレート低いんじゃアホがあ!!!もっとしっかり狙ってから撃たんか!!細々ぶちまけても効果無いなんて事とっくに分かってんだろ?分かってんなら何故改善しようとせんかぁ?!」『ご、ごめんなさい!!』(> <; )「謝るくらいなら最初からやれぇ!!!」(゚Д゚)ノガー
「高く飛びすぎて死にかけたアホが今さっき出てんだから高く飛ぶなダァホォ!!アンカーで引きずり倒してハンマーにしてやろうか!?あぁ!?」『そ、そんなぁ……それだけは……』(;_;)「嫌なら低く飛べぇ!!」ヽ(`Д´)ノウガー
「長物振るのにスキがデカ過ぎるんじゃオタンコナスゥ!!もっと手首を使って振り回せや!!手首をォ!!…何?やった事がない?実地で覚えろ甘えてんじゃねえよトーシローがぁぁぁぁぁぁ!!!!」『は、はい!申し訳ありませんでした!!』(>_<;)「んじゃやれ!!そんなはっきりと言えるのならさっさとやれェ!!!」(>皿<)ムキー !!
「ビビってんじゃねえよ邪魔なんだよ!!せめて弾除けか壁にでもなれよ!!それすら出来ないんなら帰れぇ!!」『ひ、非道い…』(´;ω;`)「うるせえ!!!口答えしてんじゃねえ!!!」(#゚Д゚)ガオー
「8分ンンンンンン!?たった8分でそんな浮かれてんの!?馬鹿なの!?死ぬの!?つーか今死にかけましたよねぇ!?今俺助けんかったらどうなってた!?」『し、死んでました…』(((゜_゜;lll)))「だねぇ?死んでたねぇ?……次やったら俺が殺したるかんな!!覚悟しとけやノータリン!!!」(♯゚盆゚)コォォォォォォォ
等々…
気づいた頃には周りの味方全員から落ち込んでいるような負のオーラが全開である。
鬱陶しい事この上ないので再度怒鳴ってシャキっとさせる。
「鬱陶しいんじゃシャキっとせんかいこんボケナスどもォ!!!気が散るんじゃあいつらじゃのうて貴様らぶちまけたろかあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」凸(゚Д゚#)ウガー!!『は、はいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!!!』。゚(゚´Д`゚)゚。ウェェェン
というか、おそらく見ず知らずの味方に対してここまで傍若無人に怒鳴り散らすのって、後にも先にも俺だけだろうなぁ……ま、動きが稚拙なこいつらが悪いっと……
「ほい吹っ飛べ~」
言いつつ蠍っぽい歯を食いしばっているような変な尻尾を持ったのをダブルライフルで吹き飛ばす。
そのまま後ろに行った何体かも吹き飛ばす。
………うん。楽ちん過ぎるな。
流石にこんだけ密集してると誤射が怖いが、それ以上に敵が一気に消えて無くなってくれるという事の方が爽快感とインパクトでかいわ。うん。
と、そんな時である。
『―い―――――――この所属不明機、聞こえるか?』
「ん?」
少しノイズ混じりの音声になんぞと思うとこれまた自己主張激しい真っ赤な機体が目に映った。どうやら通信してきたのはこの機体らしい。
系統違うからなんなのかは知らないが、パイロットの顔が見れないのが残念だ。
声を聞く限りでは自分より年上の女性っぽいが……ま、いいか。兎も角反応を返さねば失礼である。
「戦闘中に通信を入れてくるとは余裕だな。余程自信があると見える」
『生憎それは貴様も同じの筈だ。…と、それはどうでも良い。まずは先程部下の命を救ってくれただけでなく、サポートに回ってくれたこと、感謝する』
「される謂れはない。こちらが好き勝手に罵倒したり暴れていただけだ」
『それでもだ。あの雛共を纏める人間として、な』
「ではありがたく受け取っておこう。美人からの賛辞など、今まで生きてきてあまり貰った覚えが無いのでな」
……本当にな。
姉さん?あれは姉さんという固有の生き物だ。美人ではない。
『フン。世辞が上手いな』
「何処かの誰かさんのお蔭でな」
『口も達者だ……まあ兎も角。貴様はどこの所属だ?国連か?それとも米軍か?少なくともその機体、帝国の物ではあるまい』
「……ん?何?」
えー…米軍?帝国?何それ?国連はギリギリわかるけど……というか、所属…所属か…フム……
「……あー……悪いが禁則事項だ。特殊部隊、というやつだ。Need know to no 。分かるか?」
念のために誤魔化しが効きそうなのでそれで押し通してみる。
私設武装組織って言っても、要はCBってテロ集団だからなぁ……結構規模がデカいけど…
『…そうか……では、これだけ聞かせろ。…貴様は何の為に此処にいる?』
「そう来たか」
さて、弱ったな……ぶっちゃけ気付いたら此処に居たを地で行く存在だし、まさか師匠にハメられてここに放置されてる、なんて確信無いから言えないし……
………うん。いっそこう言ってしまうか。
「……少なくとも、君達と同じ筈だ。私も―――――この国の人間、だからな」
『―――――そう、か。わかった。疑って済まなかったな』
おし!なんだか無理矢理感はあるが誤魔化せた!ご都合主義!?実際にあるとマジ助かります!!良し!あとはこのまま行くのみ!!押せ押せGOGOってな!
「気にするな――――――私も、同じ立場ならそうした」
言いながらキャノンで前方の集団を根刮ぎ焼き尽くす。
撃ち漏らしたのはダブルライフルで着実に吹き飛ばす。
うーん爽快。不謹慎だが無双ゲームやってる気分だ。
普通MS戦じゃ装甲の所為で威力減退引き起こしてここまでスカッと行かないからな。
あのキモい集団が見た目通りの脆さで助かった。
……まあ、一部のヤツは腕だけとか、外郭だけ残ってるって感じだけど。
『……分かった。では、貴様はこれから――――――っ!!なんだ!?』
突然、腹に来るような振動が周囲を襲った。
反射的に、俺から見て右の方の山を見れば、そこに居たのはあの緑色の四足歩行のナマモノ。しかも超大量。ああ、キモイ。あれが草団子だったら良かったのにな。カビが生えてても中は食えるかもしれんし……
『え!?新手!?』
『どうなっている……?
「本来なら報告が来ているんだろう?それが来ていないということは……まあ、そういう事なのだろう」
『っ……!』
淡々と事実だけを言えば、スピーカーの向こうから悔しがるようなに息を吐く音。
きっと、そのCPの人達を悼んでいるのだろう。
……ただ、それは今やるべき事ではない。
「……ヒヨッコ共を連れて撤退しろ。ケツは任された。弾薬のスペアに推進剤の残量……これ以上の戦闘が可能だと言えるか?」
『…分かった。どの道此処に留まれば全滅するからな。悪いが、殿は任せる』
「殿、とはいえんな。お前達をケツから追いつつ援護してやらねばならんし……置き土産をバラ撒く時間を含めて、約30秒しか抑えきれん」
『十分だ。苦労をかける……よし!!全小隊に告ぐ!直ちにこの戦域を離脱!至急第8防衛ラインまで後退せよ!!』
『了解!!』
それを皮切りに、まず隊長機の赤い機体が。ついで他の機体が次々と腰部の………多分、ブースターなんであろう物に火を付けて飛んでいく。
それを横目で見つつ、後ろ向きにゆっくりと後退しながら俺は左腕のシールド裏に残った機雷を全て射出、設置すると、ダメ押しにキャノンで突っ込んでくるナマモノを薙ぎ払った。
後続も一気に吹っ飛んでいくが、それでも数の暴力の方が勢いは強いらしい。
吹き飛んだ仲間の死骸を踏み付け避けて、更に後続の軍団が突っ込んでくる。
(これじゃいつまで撃っても無駄だな)
瞬時にそう判断すると、最後にもう一度ダブルライフルとキャノンを斉射して踵を返し、先ほどの友軍の後を追い始めた。
一応30秒とは言っておいたが……
「…相棒。今何秒かけた?」
「ギリギリ31秒ダナ」
「そうかい」
なら義理は果たせてるな。文句は言われまい。言われても言い返せるし。
そう思いつつ、機体を飛ばす。
(…まあ、31秒もかけてるんだ。あの速度なら、もう結構後退できているんだろうな)
そう、口の中で呟きながら。
………しかし、この予想がこれよりたったの20秒後に裏切られるとは、誰が思ったのであろうか。
「アムロ」
「……何かな相棒?俺は今すっごくその言葉を聞きたくないんだが。というか見えとるからね?」
「前方ニサッキノ機体ガ数機擱座シテルゾ」
………ふ、ふふ、ふふふふふふふふふふふふふふふふ………
「………何でそうなってんのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!?????」
特にそこの赤い隊長機!!あんた一番落ちちゃあかんだろうが!!何のんびりと田んぼに嵌ってんの!?
いや、さっき瞳ちゃん(あのレーザー撃ってくる個体のこと)の一団を纏めて吹き飛ばしたあたりで薄々予想してたけどな!?
ええ、結局全機纏めてビームサーベルでダルマにしたあとアンカーで背負い込みましたよ!!全員生きてて良かったねぇ!?運が良かったねぇ!?俺は機体のバランスがエライ事になって大変だけどな!!
まるでアメリカンクラッカーのように振り回されてるけど吐いても恨むんじゃないよ!?
『フン、舐めるな。この程度戦闘機動に比べればなんとも………うぶっ』
「強がり言う前に既に吐きかけてるではないか!?」
ダメダメ過ぎない!?ねぇ!?