「いいですねマスター。ではランスロット卿、話の続きを」
「グィネヴィアと(自主規制)して(放送禁止)して王がキレた」
「でもそこにアルトリアいるけどいいの? 」
「あっ」
今日のぐだ男と円卓: 光になった
<フランス・平原>
「毎度の事ながらどうしてレイシフトする時に場所が安定しないんだろうね」
「きゃあああ!! 先輩!! 先輩の頭が地面に突き刺さっています!! 」
とてつもない磁場と魔力行使を経て、僕らは無事にフランスの地を踏めることに成功した。まあ頭が突き刺さって普通の人間だと全然無事じゃないんだけど、そこはまあ僕なので問題ない。
既に顔がボロボロなのはさておき、先ほど召喚したサーヴァントたちをこの地に呼び寄せた。今回の編成はアストルフォ、小次郎、エミヤのパーティーでこの特異点を攻略する。
「すごーい! マスターって不思議な体してるんだね! 今度調べさせてよ! 」
「いいよアストルフォきゅん。特にこの股間を入念に調べてほしいかな」
「んー、それはまた今度! 」
最近男の娘もイケるようになってきたのでアストルフォきゅんはアウトよりむしろストライクゾーンへと寄っていた。レイシフト開始数秒でマシュの目が死んできているが、決して僕のせいだとは思いたくない。
「む、マスター。あそこに鎧の兵士たちがいるぞ。おそらくはどこかの部隊だろう」
「じゃあじゃんけんで負けた人があの人たちに全裸で突撃するってのはどう? 」
「ふふ、乗ったぞその勝負。何やら面白そうだ」
「ボクもやるー! 」
案外小次郎もアストルフォきゅんもノリが良い。マシュとエミヤは参加しないそうなのでとりあえず3人でジャンケンをする事に。
「まあこうなる事は分かってたよね。じゃあ行ってくるよ」
「マシュ。君は目を閉じていた方がいい」
「大丈夫です。フォウさんが私の視界を守ってくれてます。ああ……しゅごいモフモフ……しあわせぇ……」
「君もなんだか問題ありなんだが」
そんな二人を一瞥し、僕は生まれたままの姿で鎧の兵士たちに近づいた。これぞ究極の投降スタイルだ、まさにネイキッドぐだ男とは言い得て妙である。
「やあ兵士さんたち。僕はぐだ男。この通り武器は何も持ってないし危険な感じもしない。信用してくれ」
「へ、変態だ! 変態がいるぞぉーッ!! 敵襲! 敵襲ーッ!! 」
「そ、そんな馬鹿な! 究極の無武装スタイルだぞ!? 」
「やはり……何か兵士たちの様子がおかしいでござるな……」
「おかしいのは先輩たちですからね!? むしろあの兵士さんたちはまともですからね!? 」
続々と剣を抜く人たちに僕は唖然とする。しかしこのままでは僕は殺されてしまうだろう、ならばやる事は一つ!
「そちらが剣を抜くのなら僕もこの妖刀を抜くまで! さあ覚悟しろ! 」
「……まだ抜けてないな……」
よし決めた。この兵士たちは殺す。こいつのあられもない姿を写真で撮って全世界に拡散してやる。そんな僕を援護するかのように、背後にいた小次郎たちが僕を守るようにして部隊の前に立ちふさがった。
『やっほー、手が空いたから様子を……ってなんで周りを武装集団に囲まれてるんだい! 』
「全裸で近づいたらこうなった」
『んなの当たり前だろ馬鹿! もう少し考えろ! 』
普段の優しい口調はどこへやら、罵倒の数々が通信機を通して聞こえる。そんなこんなで僕たちは戦闘態勢に入り、兵士たちと対峙したマシュたちの一番後ろへ僕は移動した。
「エミヤ! まず前線に立っている剣士を倒してくれ! アストルフォは彼の援護、小次郎は弓兵へ遊撃だ! 」
「いいだろう」
「よぅし! 任せて! 」
「心得た」
白と黒の双剣で剣を持った兵士と渡り合うエミヤとアストルフォを横目に、小次郎が二人を狙っていた弓の兵士へと急速に接近していく。さすが稀代の剣豪と呼ばれただけはあるようで、瞬く間に小次郎の刀が放たれた弓を斬り落としていった。
「な、なんだこいつらは……! あの変態といい剣士といい化け物じみてやがる! 」
「撤退だー! 退け、退けーっ! 」
「あっ待てコラァ! 僕のマイサンを侮辱した罪はデカいぞォ!! 」
「怒るとこそっちなんですか!? というか完全に自業自得ですよね!? 」
ごめんマシュ、僕の頭の中に自業自得なんて言葉は無いんだ。服を着てボタンを留めずに乳首を晒していると、妖艶な笑みを浮かべながらアストルフォが近づいてくる。
「もう、マスターってば。ボタン留めないと風邪引いちゃうよ? それとも……ボクに留めてほしいの? 」
「ぐへへへっ、フヒヒヒッ。アストルフォきゅん……」
「なぁに? マスター? なんか笑い方が変だよ? 」
もう僕はアストルフォきゅんだけで生きていけるかもしれない。彼女……否、彼の蕩けるようなボイスに僕の脳内は既に侵されている。もう性別:アストルフォでいいんじゃないかな。
この時代の人間と接触を図る為、とりあえず僕たちは逃げていった兵士たちの後を追う事に。周囲に町の様子や手がかりも見つからないせいか、頼みの綱は彼らとなった。
「これは……なんて酷い状態に……」
「ほんとだねー……。外壁こそ無事だけど……」
『ここから見ると中はボロボロだ。砦とは呼べないぞ』
ロマニの説明によれば、今僕らがいる年は1431年。百年戦争が休止中の年なのに、この負傷兵の数は異常だ。多くの屈強な兵士たちが着ていた鎧から血を流し、傷の痛みに呻き声を上げている。
「あっ! さっきの変態男! 何しに来た! 」
「何度も言っている様だけど落ち着いてほしい、ボンボヤージュ」
「先輩、フランス語の挨拶はボンジュールです」
「うるさい! わざとだわざと! 」
100歩譲っても僕は自分が馬鹿だと認めたくない。アホだけど。
「敵では……ないらしいな……」
「そういえば、負傷している兵士の数が多い気がするが……この時代は休戦協定を結んでいるのでは? 」
「その筈です。1431年と言えば、フランスのシャルル7世がイギリスのフィリップ3世と休戦条約を結んだはずですが……」
兵士の一人は訝し気な視線を僕たちに贈る。どうやら最初の異変をもう既に僕たちは見つけてしまったらしい。戦争が起こりえない時間に勃発している戦争。特異点という名に相応しい出来事だ。
「シャルル王か……王なら死んでしまったよ。魔女の炎に焼かれてな」
「マジで!? この時代に魔女っているの!? おっぱいでかい!? 」
「俺の見た所では……たぶんDはあるぞ」
僕だけをぶん殴るなんて理不尽だと思うんだ、マシュ。話していた兵士も咳ばらいをしながら話を続ける。
「"ジャンヌ・ダルク"だ。あの方は"竜の魔女"なって蘇ったのさ」
「な、なんですって……? 」
「俺たちも最初戸惑ってたが、あの姿は紛れもなくジャンヌ・ダルクだった。イングランドの軍勢も撤退して、俺たちだけが残されたが……もうどうしようもないんだ」
むぅ。安息できる自分の故郷で危険に脅かされるなんて思ってもいなかっただろう。ここはひとつ、この僕が一肌脱ごうじゃないか。ほぼ全裸だけど。
「落ち着いてくれ、兵士さん。一先ず今は休みながらこの本を読んでほしい」
「ん? 何々……ほほう、これは……」
「中々いい本だろう? 著者は黒髭というんだ、もし生き残ったらこの世界にこの本を普及してほしい」
無論のこと僕が渡したのは同人誌である。いくら兵士と言えど娯楽が無いとしんどいもんね。
この兵士と仲良くエロ本を読んでいるその時であった。獣のような大きな咆哮が聞こえ、その場にいた全員が身を凍り付かせる。
「ああ畜生っ!また奴らだ! 全員、戦闘態勢に入れ! 」
「わ、ワイバーンだって……? 」
「……ふむ。この時代にいない某が唯一言えるのは、この時代には似つかない妖がいるという事よなぁ」
「今更そんな事言ってもしょうがないって! マスター、ボクたちに指示ちょうだい! 」
「任せろ! 」
砦の内部にいよいよワイバーンの群れが襲い掛かって来ると身構えたその時。紺色の鎧と身に纏い、金色の三つ編みを揺らしながら大きな旗を掲げる一人の少女が僕たちの間を駆け抜けた。何より目を惹くのはそのおっぱい。デカい、フランスの大地とはこうも偉大なのか。
「戦える者は私に続いて! 皆、武器を取るのです! 」
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<フランス・砦>
砦に残留していた兵士、それに突如現れた巨乳金髪美少女と共にワイバーンの群れを撃退すると周りにいた兵士たちは気の抜けたように地面に座り込んでいる。まさか小次郎に竜殺しの才能があるだなんて思いもよらなかった。燕返しで竜を三枚に卸した時なんて歓声ものだった。
『ようし! よくやってくれた! 手に汗と抹茶羊羹握りながら見入っちゃったよ! 』
「ドクター。抹茶ニストと呼ばれる私の前でもしゃもしゃ食べるのは止めてください」
「ロマン殿。某も後で頂きたいでござる」
『いいよー』
戦闘を終えたというのになんだこの緩い会話は。それに早くあの金髪碧眼美少女と接触しないと逃げてしまうと思った僕は、真っ先に彼女の元へ近づいた。
「先ほどは加勢ありがとうございましたマドモアゼル。僕はぐだ男。人は僕の事を愛の探求者と呼びます」
「い、いえ。こちらこそ……」
「貴女の名を伺っても? 」
「ルーラー。私のサーヴァントクラスはルーラーです。真名を"ジャンヌ・ダルク"と申します」
瞬間、僕の全身から血の気が引いていくのを感じる。えっ? 今手を握ったら可愛く顔を赤くしているのがあのオルレアンの乙女と名高いジャンヌ・ダルク? 噓でしょ?
「じ、ジャンヌ・ダルク様……? い、いや……! この人は竜の魔女だ! 逃げろー! 逃げるんだァー! 」
「あっ待つんだアホ兵士どもめ! こんなかわいい子が竜の魔女な訳ないだろ! あ、でもそれはそれで」
「何納得してるんですか変態」
ちぇっ、ジャンヌとの逢引きの最中だったのに。マシュは最悪のタイミングとも呼べる状況で僕の所に戻ってきた。
「とりあえず、状況の説明と折り入って話があるので……その。こちらに来て頂けませんか? 」
「勿論ですとも、マドモアゼル。というかそのままベッドインでオーケー? 」
「OK(ズドン)」
了承の旨を言いながら腹に一発ぶち込むのはダメだと思う。普通の人間なら死んでるよこれ。そんなこんなで僕はあのフランスの聖女と名高いジャンヌ・ダルクと合流し、森の奥底へと消えていった。
すいません。今日も所長反省部屋できません。
最初期からのユーザーなので小次郎は外せませんでした。