桃太郎
むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあにゃんが住んでいました。
子宝には恵まれなかったものの、概ね夫婦仲良く平穏で幸せな日々を過ごしておりました。
おじいさんは外で働き、おばあにゃんは家を守るという、昔ながらの家庭です。
今日も、いつも通りの日常は始まろうとしておりました。
おじいさんは印度へシヴァ狩りに。
シヴァ「人間が、破壊神たる
翔「いくら神様と言えど、あなたの暴挙は見過ごしておけないっ!!」
おばあにゃんは「ロ○ンシングサガ ミンスト○ルソング」へ選択しにいきました。
黒歌「『かっぱに用はねえ!!』って……。ププッ! この選択肢は何時見ても笑ってしまうにゃん」
一方そのころ、おじいさんとおばあにゃんが住んでいる家の近くにある大きな川では、それはそれは大きな桃が、どんぶらこ~、どんぶらこ~と流れていました。
その後もどんぶらこ~どんぶらこ~と流された桃は、そのまま大海原へと旅立っていきましたが、おばあにゃんは無事「最大まで強くなったサ○―イン」を退治することが出来ました。
めでたし、めでたし。
めでたし! めでたし!
シヴァ「我が神威受け切れるかっ?!!」
翔「耐えてみせる! 僕には帰るべき居場所があるんだっ!!」
◇◇◇◇◇◇
シンデレラ
むかしむかし、あるところに、それはそれは大層美しい4姉妹がおりました。
その美しさは国中に噂が流れ、一目見ようと人が集まってくるほどです。
紅髪が麗しく、黄金比に輝く肢体が一際人目を引く長女。
艶やかな黒髪と、柔和な笑みが男を魅了する次女。
その白髪と、小柄な体格が一部の特殊な男子に
そして、年がら年中引き篭もっている末っ子。
リアス「別にいいのよ。今回は何でもありの昔話パロディ回なんだし。ギャグ漫画に良く在るやつよ」
朱乃「全ては本編が先へと進まない遅筆な作者が悪いのよ」
小猫「……明日から本気だす、とか言って結局やらない典型的な駄目人間ですから」
上の姉から末っ子が苛められる、等と言うことも特になく、仲の良い姉妹のようです。
長女、次女、三女が何とか末っ子を外に出させようとするものの、重度の引き篭もりを拗らせた末っ子は部屋の隅で木箱に篭って頑として表に出ようとしません。
そんなある日、彼らの家に一通の手紙が届きました。
それは、彼女らの美しさを噂で聞いたこの国の王子様が、彼らを招待するために舞踏会を開くから是非来て欲しい、という旨の書かれた招待状でした。
長女と次女は王子様とやらを見て、気に入ったなら玉の輿を狙うため。
リアス「ふふ、どんないい男なのかしらね」
朱乃「あら、もしかしたらとんだド変態かもしれませんわよ?」
三女は舞踏会に出てくる食事を堪能するため。
小猫「松坂牛のステーキ……。本マグロの大トロ……ゴクリ」
末っ子は
ギャスパー「お、お外怖いですぅぅぅうう!!ぼ、僕は行きたくないですぅぅぅぅううう!!」
いつも通り引き篭もりを拗らせておりました。
リアス「本当に行かないの?」
ギャスパー「は、はいぃ。舞踏会ってことは人がいっぱいいるんですよね?な、なら僕は行きたくないですぅ」
小猫「……きっと美味しいものもいっぱい食べられる……ゴクリ」
ギャスパー「お、お姉さん達だけで楽しんできてくださぁい」
朱乃「ハァ。そうやっていっつも部屋の隅で木箱の中に引き篭もっているからシンデレラ(灰かむり)なんて呼ばれるのよ?」
ギャスパー「べ、別に灰かむりでもいいですぅ。お外に出るよりよっぽどマシですぅ」
リアス「はあ……。わかったわよ。でも、最近は物騒なんだから、気をつけて留守番するのよ?」
何度も何度も末っ子を舞踏会に誘っていた姉妹ですが、末っ子の意思が固いことを知ると最後には折れて自分達だけで行くことにしました。
1人だけとなり静まり返った家の中で末っ子はいつも通り木箱の中に篭っておりました。
しかし、いつもなら寂しさを紛らわせてくれるその密閉空間も、この時だけは孤独を助長させるものでしかありません。
その寂しさに胸が一杯になった末っ子は、自身の情けなさに涙します。
ギャスパー「うぅ……。本当は行きたいのに……。そんな勇気も湧いてこないなんて……。……ぐすっ……ひぐっ」
末っ子は心の中で願いました。
「自分を変えることが出来るようになりたい」と。
神様はその願いを聞き届けたのでしょうか。
木箱に開いている覗き穴から見える部屋の中に、光が満ちていきました。
ギャスパー「ひ、ひいぃぃぃぃっ!? な、何これっ!?」
あまりの眩しさに末っ子は眼を閉じてしまいます。
そうして10数秒程が経ったでしょうか。
光が収まってきたので末っ子が眼を開けてみると、先ほどまでは自分しかいなかった筈の部屋に人影が見えます。
先ほどの現象と合わせることで、末っ子の脳裏にある可能性が過ぎりました。
ギャスパー「も、もしかして……。魔法使いさん?」
「願いを叶えてくれる」と村で噂になっているその存在かと思い、期待し、思わず呟いてしまっていました。
そして、その呟きに応える声がその人影から上がったのです。
???「そう! 僕はキミの願いを聞きつけてやってきた、魔法使いさ!!」
部屋に月明かりが差し込んで、その人影の全貌が顕わになります。
それは、噂で聞き及んでいた魔法使いの格好とは全然異なるものでした。
頭に三角帽子は無く、黒白のローブ姿ではなく、まるで格闘技者が身につけているような服装。手にしているのは杖ではなく、手甲です。
どうやらやってきたのは魔法使いではなく、魔法使い(物理)だったようです。
その魔法使い(物理)が末っ子に語りかけてきます。
その魔法使い(物理)の問いが自分の願いと完全に一致していたので、末っ子は見知らぬ人と対峙している恐怖を忘れて、完全に溺れるものが藁をも掴む気持ちで返事しました。
ギャスパー「は、はい! そうですっ!! 私は……いや、僕はっ! 変わりたい! こんな情けない自分からっ!!」
翔「そう……。なら、僕の魔法を受けるかい?」
ギャスパー「ハイっ!! 僕は、変わります!!」
この時のことを振り返って、末っ子は良くこう零すようになります。
「あの時の自分を殴りたいです。安易に話を受けた自分を無かったことにしたいです。……え?後悔しているかって? 後悔してるに決まってるじゃないですかっ!? あんなの後悔しない人は被虐趣味のド変態だけですよ!!」
と。
末っ子の威勢の良い返事を聞いた魔法使い(物理)は、その顔に良い表情を浮かべています。
翔「どうやら覚悟はいいみたいだね……。なら早速始めようか! 僕の魔法をッッ!!」
その声を聞いた末っ子は、木箱から出てきて希望を顔に宿らせていましたが……残念ながら見えていませんでした。
魔法使い(物理)の目から発せられている、魔法(物理)を発動する際に漏れ出る怪光線を。
家の外に出てきた魔法使い(物理)は、戸締りをしている末っ子の体にあるものを取り付けました。
翔「はい、じゃあこれを着けて」
ギャスパー「え? これって……ロープとタイヤ?」
翔「そう。僕の最初の魔法を受ける際に必要なのさ」
その言葉を聞いても理解が及ばないのか、末っ子は呆然としたままでした。
内心は混乱で一杯です。どんな魔法なのかと不安が広がっていきました。
ギャスパー「え? ……え?」
翔「それじゃあ、まずは村を軽く5週しようか!」
ギャスパー「え? ……エエエエェェェェェェ!?」
末っ子は魔法使い(物理)の言葉に驚愕の叫びを上げましたが、魔法使い(物理)は気にも留めません。
早く自分の魔法(物理)を受けさせるために、その手にいつの間にか持っていた鞭を振るって末っ子を打ち据えます。
翔「ほら、早く走る! 時間は有限で、どれほどあっても足りはしないんだからね!」
ギャスパー「う、うわああああぁぁぁぁぁんっ!!??」
その痛みに走り出した末っ子の目尻には、薄っすらと涙が浮かんできていました。
心の中ではもう既に、「選択、やり直せないかなあ」などと思い後悔し始めています。
しかし、末っ子の苦悩はこれで終わりませんでした。
その後も次から次へと施される、魔法(物理)。
末っ子は泣き言を漏らしながらも、途中でやめることは許されなかったのでした。
その後、魔法使い(物理)の魔法を全て施された末っ子は、その国一番の魔法使い(物理)として名を馳せ、一躍シンデレラの異名は国を越えて広がっていきましたとさ。
めでたしめでたし。
翔「ほら、どうした! カイコガの幼虫の方がいくらか俊敏だぞ!!」
ギャスパー「うわあああぁぁぁぁん!! こんなの、魔法じゃなあああぁぁぁい!!」
◇◇◇◇◇◇
白雪姫
とてもとても美しいと評判のその国の后は、今日も日課としていることを行おうと鏡の前に立っていました。
鏡を前にして、いつも通りのその言葉を口にします
誰も応える筈の無いその声に、しかし答える声がありました。
それは鏡です。
后の前にある、后の身長の半分程の大きさの楕円系の鏡が震えて声を発していました。
その言葉に、国で一番美しいと持て囃されている后は怒り狂うかと思われましたが、そうではありませんでした。
セラフォルー「やっぱり? 鏡もそう思うわよねっ☆」
どうやら后は拗らせているようです。
グレイフィア「はい。后も美しいですが、それでも妹様には負けるかと(棒読み)」
その言葉に喜色満面となった后ですが、次第にその顔には憂いが浮かんできていました。
溜め息を吐いて愚痴を鏡に零します。
セラフォルー「はあ……★。でも、白雪姫ちゃんには嫌われていて会いに行ってもあってくれないのよね……★」
もう何度も聞かされたその愚痴に鏡は文句を言うでもなく、しかしもう聞かされるのはウンザリとしていたため解決策を授けることにしました。
グレイフィア「それなら、使いをやって向こうから会いにきていただけばどうでしょうか。大事な用事があると言えば来てくれるかもしれません」
その言葉に先ほどの憂鬱顔から一変し、またもやその顔には喜色に富んだ表情が浮かんでいました。
「流石鏡☆! そうね☆ じゃあ、狩人さんに行って貰いましょうか☆」
后の命令を受けて、狩人は白雪姫の下へと馳せ参じました。
白雪姫を城に連れていくことが狩人の仕事ですが、余りにも馬鹿らしかったため、狩人は事の詳細を説明してしまいます。
説明を受けた白雪姫は、頭痛がするのか額に手の平を置いて呆れ返っています。
もうそれで用事は済んだとばかりに狩人は帰路へと着きました。
ソーナ「いいのですか? あなたの仕事は私を連れて帰ることじゃないのですか?」
ジョージ「はっ。あほらしくてやってらんねぇよ。第一俺は狩人であって便利屋じゃねえ。后にはお前がどうしても会いたくないと言っていたとでも伝えておくさ」
そう言い残し、手をヒラヒラと振りながら狩人は歩き去っていきました。
狩人は城へと戻って、后へと白雪姫がどうしても来たくないという報告を行いました。
その報告を聞いて后はどうしたものかと困ってしまいます。
セラフォルー「う~ん★ これでも駄目ならどうしたら白雪姫ちゃんに会うことが出来るかしら★」
またいつも通り相談を受けた鏡は、何度も何度も妹に関することだけに相談を受けていたためにウンザリとしていました。
もうどうでもいいやとばかりに適当に助言を与えます。
グレイフィア「なら、后が后だとばれないように変装でもして会いに行ったらどうですか?」
その言葉に后は目から鱗とばかりに大きく眼を見開いて感心します。
セラフォルー「それは思いつかなかったわ☆ その手が有ったわね☆」
グレイフィア「絶対にばれないように、魔女などに変装してはどうでしょう?」
セラフォルー「そうね☆ よーし☆ 待っててね☆ 白雪姫ちゃん☆」
そうして后はいつも着ている漆黒の色をしていながらも、優美かつ妖艶なドレスから后が思う魔女の服装へと着替えていきます。
ヒラヒラとしたフリルの大量についた膝上のスカートに、リボンの取り付けられた胴衣。そして肘くらいまでの長さの指貫グローブを着けて、その手には星と翼の装飾の成されたステッキを持っています。
魔女へと変装した后は、その出来を鏡へと確かめます。
セラフォルー「じゃん☆ 鏡よ鏡よ☆ これ、似合ってるかな☆」
もうどうしようもないと悟った鏡は、適当に答えました。
グレイフィア「ええ、とてもお似合いになっていますよ(棒読み)」
その言葉に機嫌を良くした后は、意気揚々と白雪姫へと会いに行きます。
その手に持ったその国最高級のリンゴを白雪姫が食べた時の笑顔を想像して、その顔はデレデレと緩んでいます。
民からの「ああ、またか」という注目をまったく気にしないで白雪姫の下へと辿りついた魔女に扮した后は、その手に持つリンゴを白雪姫へと渡そうとします。
セラフォルー「そこの人☆ このとてもとても美味しいリンゴはいらないかしら☆」
ソーナ「……何やっているの? お姉さま」
しかし、その変装は一発でばれてしまいました。
そのことに后は大層驚いてしまいます。
セラフォルー「ええ!? 変装しているのにどうしてわかったの?」
ソーナ「……顔が隠れていないじゃないですか。姉妹の顔を忘れる程私は薄情じゃないつもりです」
白雪姫の口から出た「姉妹」という言葉に、当初の目的をすっかり忘れて喜びます。
その手に持つリンゴを笑顔で白雪姫へと手渡したのでした。
セラフォルー「えへへ☆ じゃあ、白雪姫ちゃん☆ このリンゴ、食べてくれる?」
ソーナ「……ええ、ありがとうございます」
そうして白雪姫が受け取ったリンゴをシャクリ、シャクリと食べていくのを、后はニコニコと笑みを浮かべて眺めているのでした。
白雪姫も、その顔を照れによって赤くしながらも、口元には喜びから浮かぶ笑みがありました。
どうやら、何だかんだ言いつつも白雪姫も姉のことを嫌ってはいなかったようです。
こうして、良好な仲の姉妹を持った王国は、王家のお家騒動などが起こることもなく、ときたまドタバタとした騒ぎを起こしつつもいつまでも平和でいることが出来たのでしたとさ
めでたし、めでたし。
◇◇◇◇◇◇
裸の王様
むかしむかし、あるところに、いつも裸でいるという王様がいました。
余りにも変態すぎた王様がいたその国は国民が耐えることが出来ず、遂にはクーデターが起こってしまいます。
裸の王様は捕まり、服を着させられた上で牢屋へと幽閉されてしまうのでした。
チチオ「こ、今度は放置プレイかぁ。こ、これはこれでイイ。……あっ」
どうやらどこに居ても王様の変態はもう手遅れだったようでした。
その後、裸の王様から王権を捥ぎ取った裸じゃない王様は、きちんとその国を栄えさせることが出来ましたとさ。
めでたし、めでたし。
◇◇◇◇◇◇
桃太郎②
むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
大層仲の良かったおじいさんとおばあさんですが、唯一子宝には恵まれませんでした。
それでも文句を言うこともなく、いつも通りに2人は過ごしていきます。
おじいさんは山へ芝刈りに。
おばあさんは川へ洗濯に行きました。
おばあさん「ふう。いつもいつもお布団を洗うのはしんどいわねぇ」
と、そんな風におばあさんが洗濯をしていると、川上から桃がどんぶらこ~、どんぶらこ~と流されてきます。
それを見たおばあさんは思いました。
ヴェネラナ「大層美味しそうな桃だこと。家に持ち帰っておじいさんと一緒に食べましょう」
その桃を取ったおばあさんは、洗濯を終えて家へと帰ってきました。
芝刈りを終えて帰ってきたおじいさんと一緒の夕食を終えたおばあさんは、川から以って帰ってきた桃をおじいさんと一緒に食べようと思い、果皮を綺麗に剥き、食べやすい大きさに切っていきました。
黄金のように果肉は輝き、その身からは芳醇な香りを放つ果汁をしとどに滴らせています。その様子は口に含んでもいないのにその口の端から唾液が垂れてきそうな程に美味しそうです。
おじいさんとおばあさんはまるで飢餓寸前まで餓えていた旅人が久しぶりに食べた食事のようにペロリと桃を全て食べ終えました。
するとどうでしょう。
その桃に滋養強壮の効果でもあったのか、おじいさんは体の底から元気が漲り、おばあさんはまるで赤子の湯上り卵肌のようにモチモチとした張りをその肌に蘇らせています。
グレモリー郷「今日のお前は一段と美しいな……」
ヴェネラナ「あなたこそ、今日は一段と逞しく見えます……」
その後一夜を過ごした日から十月十日後、おばあさんのその大きな桃から玉のような赤子が出てきました。
これもあの桃のおかげだと思ったおじいさんとおばあさんは、その赤子に「桃太郎」と名付けました。
桃太郎と名付けられた赤子は、すくすくと大きく育っていきます。
そうして桃太郎が大きく育った頃、おじいさんとおばあさん、そして桃太郎が住んでいる村にある1つの噂が届きました。
それは「鬼が島に住んでいるという鬼が、付近の村に住んでいるものを苦しめている」というものです。
その噂を耳にした桃太郎は、許せないとばかりに義憤を燃やし、ある1つの決意をおじいさんとおばあさんに打ち明けるのでした。
その桃太郎の決意が固いことを悟ったおじいさんとおばあさんは、せめて桃太郎の役に立つようにと、桃太郎に剣や鎧などの装備を与えます。
その装備で身を整えた桃太郎は、気合を入れて鬼退治へと出立しました。
リアス「とはいえ、私1人では鬼退治するのは無理でしょうね。……どこかに味方となってくれるものは居ないかしら?」
そう思いながら桃太郎が鬼が島への道程を歩んでいくと、とある1つの影がその眼に映りました。
それは、鬼などモノともしないだろう風格を漂わせている犬でした。
彼なら或いは、と思ったリアスは彼を仲間とするべく話しかけました。
リアス「ねえ、私と一緒について来てくれないかしら?」
その胸に付いている大きな吉備団子を強調しながら桃太郎はそう持ちかけましたが、しかし犬は興味なさげに一瞥しただけでした。
その言葉に秘かに自分の吉備団子に自信の有った桃太郎は落ち込んでしまいます。
しかし、諦めることなく犬を引き続き勧誘をするのでした。
リアス「ほら、大きな吉備団子をちょっとだけ分け与えてもいいのよ?」
そう顔を赤くしながらも、何とか余裕そうな表情を取り繕って犬へと話しかける桃太郎でしたが、犬はどうでもいいとその視線で言いながらもそっけなく断ります。
ヴァーリ「すまないが、興味が無いんでね。話はそれだけかな? じゃあ失礼させてもらうよ」
そう言われた桃太郎は羞恥で耳まで真っ赤にしながらも、背を向けて歩いていく犬へと一縷の望みを懸けて話しかけました。
リアス「待って! 巷を騒がせている鬼と戦うにはあなたの力が必要なの!」
その言葉にピクリ、と反応した犬は、持ったいぶって振り返りながらも、しかしその顔には獰猛な餓狼のような笑みが張り付いています。
ヴァーリ「そうか……。なら、仕方ないから同行しようか」
その顔はどうみても「鬼と戦うのが楽しみです」と書いていましたが、桃太郎はそれにはツッコミませんでした。
犬を仲間にした桃太郎は釈然としない気持ちを抱えながらも引き続き鬼が島への道程を進んでいきます。
仲間が犬だけでは心もとない。何者か居ないかしらと、頭を悩ませていた桃太郎でしたが、都合が良い事に、道の側に生えている木の枝に腰掛けている猿を見つけます。
中華鎧を着込んだ猿は、見た目からしてもう歴戦の猛者といった風情です。
その猿を仲間にしようと桃太郎は話しかけます。
リアス「ねえ、私と一緒に来てくれないかしら?」
その胸に付いている大きな吉備団子を強調しながらの桃太郎の言葉に、しかし猿は眠そうに欠伸をして返しました。
その言葉に自分の容姿への自信が揺らぎそうになりながらも、しかし桃太郎は諦めず猿へと話し続けます。
リアス「着いてくれば大きな吉備団子を少し分け与えてもいいわよ?」
やはり羞恥から顔を赤くしている桃太郎でしたが、猿はその顔を歪めて桃太郎へと答えました。
美猴「下品な女は好みじゃないねぃ。話はそれだけかい? 俺っちは今から昼寝さしてもらうぜぃ」
そう言って猿は本当に眼を閉じました。
それを見た桃太郎は額に青筋を浮かべて、俯きながらぼそっと呟きます。
リアス「着いて来たら鬼と戦えるわよ……?」
その言葉にピクッと反応した猿は、眼を開けてその顔に猛獣のような笑みを浮かべています。
美猴「仕方ないねぃ。着いていってやるよ」
そう言っていますが、その言葉の前には絶対に「鬼と戦いたくて」と付いているだろうと桃太郎はツッコミたくなりましたが、何とか抑えてツッコミませんでした。
そうして犬に加えて猿も仲間として鬼が島へと出発した桃太郎でしたが、後1人くらい仲間が欲しいなと思っていました。
そう思っていた桃太郎の前に、その腰に神聖な雰囲気を醸し出す剣を佩いている雉が現れます。
もう絶対強いだろこれと、その剣で証明している雉を仲間にするべく桃太郎は話しかけました。
リアス「鬼退治にいくからいいから私に着いてきなさい」
もう今までのパターンからこの雉の性格をある程度推測していた桃太郎は、その胸に付いている吉備団子を強調することなくそう言いました。
その言葉に雉はその顔に猛禽のような笑みを浮かべて答えます。
そう言っている雉ですが、その笑みはもう「今日の俺は鬼の血に餓えている」と宣言しているも同然で、桃太郎は思わずツッコミたくなりました。
ついでにこの雉が小さな吉備団子派だと分かったので、桃太郎はもう自分の吉備団子への自信が木っ端微塵となって砕け散りました。
「おかしいのはこの犬と猿と雉なのよ。そうよ、絶対にそう」と自身に言い聞かせながら鬼が島へと歩いていきます。
鬼が島に程近い漁村へと辿りついた桃太郎一行は、その漁村で一泊した後、小船を借りて鬼が島へと旅立ちました。
櫂を漕いで進んでいっていると、桃太郎たちの眼に鬼が島が見えてきました。
上陸するまでも無く威圧感を放っているその威容に、桃太郎はごくりと生唾を飲み込み、犬、猿、雉は笑みを深めます。
何とか冷や汗を押さえながらも船を進めて、桃太郎は鬼が島へと上陸しました。
そして、威勢良く名乗り上げて鬼へと宣戦布告します。
リアス「我こそは巷を騒がす鬼を退治しようとやってきた桃太郎よ! この私と真っ向から立ち向かおうという鬼は居ないのか!?」
その言葉に島の奥から続々と鬼が姿を表します。
鬼が島から出てきたその鬼たちの見た目から感じ取れる戦力に、桃太郎は青褪め、犬、猿、雉は色めき立ちました。
ヴァーリ「これは着いてきた甲斐も有ったと言うものだ!!」
美猴「まったくもってその通りだねぃ!!」
アーサー「ふふ! これは血湧き肉踊りますね!!」
リアス「ちょっ、おまっ」
そうして桃太郎一行と鬼たちが激突します!
犬、猿、雉と鬼たちが激闘を繰り広げている横では、桃太郎が鬼の攻撃に吹き飛ばされ宙を舞っていました。
リアス「こんなの、鬼退治なんて無理に決まってるじゃなーーーい!!」
桃太郎が敗れた後も健闘していた犬、猿、雉ですが、しかし鬼達の強大な力に敗れ去ってしまいます。
しかし、鬼達と意気投合した犬、猿、雉は、いつでも鬼と戦えるということで鬼が島へと残ることへとなり、そして彼らの保護者扱いをされた桃太郎も鬼が島に残ることになりました。
その後、桃太郎一行を戦力に加えた鬼が島は、数々の勢力を飲み込み、併合し、一大国家を築き上げることになります。
めでたし、めでたし。
リアス「こらーーっ!! そこっ!! 暴れて家とかを壊さない!! うぅ……なんでこんなことに……。胃が……、胃が痛い……」
元ネタ……昔話です。
作中でも言ってるようにギャグ漫画に良くある昔話のパロディです。シンデレラが思いついたので、他の話も作り上げてしまいましたので投稿しますた。