あ、あんまりアレク不機嫌じゃないかな?まあそのあたりのエピソードも近いうちに入れます。
ま、まあそんなことよりどうぞ!
「さて、ご主人さま、この状況の説明をお願いしますニャ」
「え、えーと…」
リオレウスとの激戦を繰り広げた夜が明け、今は朝の9時頃。俺はアレクの前で正座をしている。
その原因は俺の横で椅子に座っている銀髪の少女だ。目の前に広がる光景を不思議そうに眺めている。
話は昨夜まで遡る――――――――――
「……………え?」
俺は目の前で起こった光景を理解できず、頭がフリーズしてしまっていた。それもそうだろう、いきなり自分の命を狙っていたモンスターが眩い光に包まれたと思ったら女の子になっていたのだ。全く、訳がわからないよ( ◕ ‿‿ ◕ )
…脳内が混乱してしまっているようだ。こんな時にネタを言ってしまうとは…!
「とりあえずこのままはマズイよな…アレクも早く治療しなきゃならん…!」
自分の体を確認すると防具が意味を成さないほどに攻撃を受け、ボロボロになった体。さらに毒の効果と『鬼化』の副作用が相まって歩くどころか立つのも辛い。だがアレクの状態は俺よりひどいはずだ。いつまでも木の陰に居させるのはまずい。とりあえずダイヤ剣を回収して2人に近づく。
「しゃあない。この子はおぶっていこう。アレクを抱き抱えて…グッ!!」
流石にこの限界を超えた体で二人(?)を抱き抱えるのはまずいようだ。体中が悲鳴を上げている。しかしどちらもこの夜中の外に放り出しておくのは危険なので、こうするしか方法はない。が…ッ!!!
「グオオオオオォォォォォ…キツい…!!!」
結局来た時の倍ほど時間をかけて家に帰ってきた。とにかく2人をそれぞれソファに寝かし、アレクの治療を始める…といってもアレクが薬草だと言って採取してきた葉を練り潰したペースト状の薬を塗って羊毛の包帯を巻きつけただけなのだが。
それでも効き目は知っており、今も怪我から出ていた血があっという間に収まった。まあゲームの世界だからだろう。俺も軽く薬を塗り、椅子に座り込む。
「ハアァ…無事に帰って来れた。アレクも無事で良かった…」
その後、戦闘の疲れと張り詰めていた気が緩んだため、俺の意識は闇に堕ちていった…。
そして夜が明けてアレクが目覚め、見知らぬ人物が居ることに困惑。
とりあえず俺を起こして理由を聞く
↓
寝ぼけてしゃべるのが億劫な俺は「連れて帰ってきた」とだけ説明
↓
誘拐したと勘違いしたアレクが俺を叩き起こし、俺に正座を命じる
↓
ただならぬ雰囲気に目が覚め、慌てて正座をする。その騒ぎでクリーパー(仮)が起きる
↓
反論や弁明を許してもらえず説教開始←今ここ
というわけだ。さっきから俺の言うことを聞いてくれない。っていうかアイルーに人道を諭される俺って…ていうかなんかたまに話がずれてるし…。
「…っとまあ説教はこれぐらいにして、詳しい状況の説明をお願いします」
「(ホッ。やっと終わった…)えっとまずあの後…」
ようやくアレクの説教が終わり、正座を解いたところであの後アレクが気を失った後の経緯を説明する。
「…で、たまたまバッグに入っていた杖で殴ったらクリーパーがそこにいる女の子になったんですかニャ?」
「ああ、これがその杖だ」
「…………!」
昨夜からバッグに入れっぱなしの杖を取り出すと、クリーパー(仮)も興味を惹かれたのか、こっちに寄ってくる。っていうかコイツ全然喋んねえな。喋れないのか喋らないだけか…
「その杖は私は見たことがありませんが…いつから持ってたんですかニャ?」
「この世界に来た時に近くにあったチェストからだ。でも使い道が分からねえからチェストに入れたまんまだったのを忘れてたんだ。なんであの時俺のバッグに入ってたのかわかんねぇ。入れた覚えもないし…」
「……ん」
…うん?こいつ今喋ったよな?俺はアレクと顔を見合わせて椅子に腰掛けている少女に問いかける。
「喋れんのかお前?」
「……(コクリ)」
「…あまり進んで喋る性格ではないみたいですニャ。でも今はとりあえずこの子にも様子を聞きましょうニャ」
「そうだな…なあ、クリーパー…あー今じゃない姿だった時の記憶はあるか?」
「……(ブンブン)」
どうやら無いようだ。まあその気になったら今俺らを殺しにかかってきてるはずだしな。
「フム…んじゃあ俺らに敵対することはないと思っていいな?」
「……(コク)」
「それじゃあここに住むか?どこか行くあてもないだろ…ってその原因を作ったのは俺だったな…すまん」
「……(ブンブン)……構わない。いいの?」
「大丈夫だ。部屋も余ってるし飯の貯蔵もまだ余裕が有る」
「ええ、大丈夫ですニャ!」
「……ありがとう」
そういってクリーパー(仮)は頭を下げる。…っていうか
「お前の名前も決めなきゃな。いつまでもクリーパーとかじゃまずいし」
「付けて」
うおう、急に目つきが変わりやがった。名前付けられるのがそんなに嬉しいか。まあいつまでも名無しの権兵衛だったら嫌にもなるか?
「…………………(何かライバルが増えそうな予感がするニャ…)」
「フム…どんな名前にしようか?アレクはどういうのがいいと思う?」
「…え?あ、ああ…そうですニャ…んー…」
アレクと一緒に考えること10分、俺はいい名前を思いついた。
「…クゥ、なんてどうだ?クリーパーの頭の文字から取ったんだが…なかなか良くないか?」
「……!!!(コクッコクッ」
どうやら気に入ってくれたようでものっすごい勢いで首を上下に振ってる。心なしか蒼い目もキラキラと輝いているように見える。
「はははっ喜んでくれて何よりだ(ナデナデ」
「……んっ///」
「…ニャァ…いいなぁ…」
その後しばらく撫でているとアレクも撫でて欲しそうにしていたので撫でてやった。クゥのサラサラの髪の毛も気持ちいいがアレクの毛もよく手入れされているのか獣特有のモフモフの感触がたまらない。
「はぁ~~~癒される~~~(ナデナデ」
「ニャア/////」
「……/////」
この癒しの空間は昼前まで続いた。とまあそんなこんなでクリーパーっ娘改めクゥが仲間になった。
「どうぞ、今日の昼食はトマトとバジルを使ったマルゲリータですニャ!」
ナデナデタイムが終わって今は昼飯の時間だ。っていうかナデナデで2時間以上潰しちまった…まだ作りたいものいっぱいあるんだがなぁ…まあ癒されたしいっか!
目の前に鎮座するのはイタリアで出るような本格的なマルゲリータだった。ピザ特有の香ばしい香りが辺りに漂い、俺は口から溢れ出る涎を止めることができない。クゥもピザを見る目が輝いている。
「「いただきまーす(ニャ)!」」
「……いただき…ます…」
食材への感謝を済ませて俺たちはピザを口の中に放り込んでいく。チーズのトロッっとした感触が舌を滑っていく。そして口の中にトマトの酸味とバジルの香ばしさが絶妙にマッチしている。
「ハフッハフッ…うめぇ~!さっすがアレクだなぁ。いつもながら絶品だぜ。クゥも…っていい食いっぷりだなオイ」
横を見るとクゥはすごいスピードでピザを頬張っていた。っていうか食ってる音がもきゅもきゅって聞こえるのは俺だけか?ハムスターみたいに頬っぺたパンパンだし。
「クゥさん、そんなに慌てなくてもお代わりもありますので無くなりませんニャ!」
「……!!!(モキュモキュ」
結局クゥはその後ピザを2枚平らげた。あの小さな体にどんだけ容量があるのだか調べてみたいものである。俺とアレクは2人で半分に分けた。流石に1つは無理だったよ…。そしてまた一人、アレクの料理の魅力にとりつかれた者が誕生した。
「さてと、昼からの行動についてなんだが…」
昼食を食べ終わった俺たちはこれから何をするか決めることにした。といっても作りたいものは決めてあるのだが…
「とりあえず風呂を作りたい!」
「お風呂…ですかニャ?」
「……?」
「ああ、流石にいつまでも水浴びだけは嫌なんだよ。風呂に入ってゆっくりしたいってのもある」
そう、この家、まだ風呂がないのである。
理由はそこまで資材がまわらなかった事が上げられる。しかし早急に作らなければならない施設はもうないので風呂場を作る余裕も出てきていたのだ。
「冷たい水じゃなくてあったかいお湯につかりたいし…疲れも取れるしな?」
それにお湯につかるのは日本人として当たり前のことであり、そろそろ湯船につかりたいと考え出し始めていた。
「いいですニャ!私も賛成ですニャ!」
「よし!クゥも手伝ってもらうが、いいな?」
「(コクッ)」
ということで風呂場建築計画がスタートした。目指すは木の湯船に露天風呂だ!!!
というわけで一番票が多かった「クゥ」に決定いたしました!(ドンドンパフパフ
いやー無口ボクっ娘は難しいですね!セリフ簡単ですけど。
garcia様、ohtkhr様、mkkskmki様、rokia様、void0様、さばかん様、大犬様、感想ありがとうございます!そしてアンケートに参加してくださった皆様、ご協力ありがとうございました!これからもこの小説をよろしくお願いします!
次回、待ちに待った風呂場建設!どんな風呂場が出来上がるのか!?
『風呂に吠える』お楽しみに~!
前回のサブタイのネタは機動戦士ガンダム00より、「天使再臨」です。