少しおかしなマインクラフトの中に!?   作:ペペロンテ

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…すいません。大学ナメてましたわ。こんなに休みが少ないのかと。片道二時間がさらにそれを助長してますね。お待たせしてしまって誠に申し訳ないです…。
ではどうぞ!


見えない霞龍

オオナズチは俺に向かって猛然と突進してくると前足を使って引っ掻いてくる。しかし如何せん透明なその体はあたりの木によって日の光が遮られ薄暗いこの場所ではその影をとらえにくい。さらに辺りに広がる霧によって視界も悪く、なんとなく見える輪郭のようなもので判断しているに過ぎないので回避行動をとりずらいのだ。

 

「チッ…確かオオナズチは角と尻尾でこの透明化をコントロールしてるんだったか…?モンハンではウザすぎて相手するのが嫌だったから放置してたんだよな…なんであの時の俺はテオばっか狩ってたんだよ!」

 

この世界に来る前の俺を殴り飛ばしたい気分になるが、ボヤいて目の前のオオナズチがどうにかなるわけがないので頭を切り替えて目の前の敵に集中する。オオナズチの透明化は攻撃時の一瞬だけ解除される。おそらく複雑で激しい動きには対応できないのだろう。その一瞬で何をしてくるか、そしてどう回避行動をとるかを考えなければならない。

 

「シャアッ!!!」

 

「…………ッ!!」

 

ステルスを解除して目の前に姿を現したオオナズチはその長い舌を目の前で振って俺を狙ってくる。扇状に振るってくるその舌は範囲が大きく、剣を使って何とかしのいだ。この舌を使った攻撃に当たると道具を盗まれるのだが今回は何もなかったようだ。まあ口に入れられそうなのがランポスの生肉だけだしなぁ…。

もちろん防ぐだけでは勝てないので舌を振り切った状態になったオオナズチに向かって切りかかる。

しかし、あまり固そうに見えないその皮膚は思ったより固く、鈍い音を立てて剣は弾き返されて胴体に薄く切り口を作っただけにとどまった。

 

「固ってぇ…!切りかかった俺の手が痺れてるってのはどういうこった!?」

 

オオナズチは鼻と尻尾以外クシャやテオより柔らかいというイメージがあったのだがそれは間違いだった。まるで石を切りつけているような感覚だったのだ。

 

「オオナズチでこれならほかの古龍とかグラビモスとかどうなるんだろうなぁ…。ま、とりあえず他のとこ狙うしかないか」

 

まだしびれが残る手に力を入れ、再びステルスモードに入ったオオナズチの気配を追う。ただ姿を消しているだけなのでいるとわかれば息や足音で追うことはできる。

 

「……………」

 

森に静寂が訪れる。オオナズチもいったん離れて様子を見ているのか、物音がしない。しかしオオナズチの攻撃は離れたところには届かない技ばかりなので接近するはず。その時の足音を頼りに耳を澄ませる。

そして何秒か経った時、俺の後ろのほうでジャリッという地面を踏みしめる音が聞こえた。

 

「…そこか!」

 

勢いよく後ろを振り返って音のもとに向かって横薙ぎに剣を振る。が、

 

「んなっ!?」

 

そこには何もなく、ただ剣が空を切っただけだった。なぜと思ったその瞬間左側から強烈な衝撃が走る。まるで車に引かれたような衝撃に宙に浮いたような、否、本当に飛んだのだ。

そのまま飛ばされた俺は地面に何度かバウンドし、近くの木に勢いよく叩き付けられてしまった。叩き付けられたと同時に左腕からこの世界に来て何度か体感した骨の折れる音が響く。恐らく木に当たる直前に咄嗟に体をひねって利き手である右手を左手でかばいながら木に叩き付けられたからだろう。

 

「カッ…」

 

意識が飛びそうになるのを必死に抑え、もう一度構えてあたりを見回す。またステルス状態になったのかオオナズチはその姿をくらませていた。

襲ってこない今のうちに自分の今の状態を確認する。左手でかばったため右手は無事だが左腕はあらぬ方向を向いており、素人目でも折れているのが丸分かりだ。胸にも痛みがあるため罅か骨折かはしているだろう。足は擦り傷以外は問題はないようでまだ動けるが、連戦に加えて見えない敵というのもあって、精神的にも身体的にも疲れの色が濃い。

 

「ふぅ…(あんまり長引くとこっちが圧倒的不利だな。どうにかしなくちゃならないんだが…)」

 

精神と身体の消耗からくる焦りをおさめ、深呼吸をしながら次の策を考える。

もう一度同じ作戦で挑む、一旦退く、自分も物陰に隠れながらステルスで行く、etcetc…

この場を打開するための対策を色々と考えるがどれも確実ではなく、オオナズチ相手には実行が難しいものばかりだった。

その間にもさらに体力を削るつもりなのか、ザクッザクッと小刻みに足音を立てて気を引いてくる。

 

「…………俺の戦ってる相手はほんとにドラゴンか?チンパンジーとかじゃねぇんだよな…?」

 

あまりの攻撃の考えられように一瞬相手の存在を疑う。確かにオオナズチはモンハンの世界では搦手が得意だがこれは得意とかそういう次元じゃないような気がするんだが…?

周りに気を張るがあらゆる方向から足音がするため方向がつかめない。名前の如く、本当に霞を相手にしているような気分だ。

 

「あーくそ…めちゃくちゃめんどくせぇ…ここら辺一帯を薙ぎ払えたりとかしたらいいのにな…」

 

もちろんそんなものはあるわけなく、その間もオオナズチによる挑発は続く。

オオナズチが攻めてこないその間に方法を考える。

 

「(えーっと、オオナズチの攻略法は…毒を食らわせる、煙玉を投げる…以上。)…少なくね!?」

 

ゲームではあまりオオナズチと戦っていなかった上に古龍種は最終的に力押しで攻めていた部分があるので攻略と言えるような物は思いつかない…というより思いつけない。やはり一番の攻略法は角と尻尾を破壊することなのだ。

しかしここまで搦手を徹底されるとそれどころではない。現に角や尻尾を破壊するどころか掠り傷をつけることすら厳しい今の現状では夢のまた夢だ。

 

「…思うと結構詰んでねこの状況?逆にこっちが手傷負わされてるし…」

 

毒っぽいものは見かけたことがないし、煙玉なんてものが作れるわけがない。…ん?

 

「(煙玉は無理でもそれの代わり、例えば砂埃とかでも場所ぐらいは掴めるんじゃないか?なら…)」

 

案を一つ思い付き、ある程度開けたところまで走る。背後からの足音から察するに少し離れたところで追いかけているらしく、足音がかなり小さい。正直このサバイバル生活をしていなかったら聞こえていなかっただろう。

少し走ったところで森の少し開けたところに出た。周りからもオオナズチ以外の気配はなさそうで、戦うにはうってつけのところだ。

 

「うし、バッグに入れておいた砂を…っと、おし、来やがれ!!!」

 

その瞬間足音が前で止まり、またさっきと同じ行動をとろうとしていたのだろうが…させん!!!

 

「おらぁっ!」

 

持っていた砂を目の前にぶちまけた。砂は空中を漂って何もない空間に止まった。まるでそこに何かがいるように。

 

「よし!」

 

なぜブロックの世界であるマインクラフトでこのようなことができたか、それはこの世界の変わった法則のためだ。ブロックはどんなものでも地面に隣接していると1メートル四方のブロックになる。この状態になると隣接しているブロックを取り除いても砂などの一部のブロック以外は空中にとどまり続ける。しかしアイテム状態のままで空中に放り投げると空中を漂っている時だけブロックではなく普通の物体になるらしい。そしてそれは一粒でも地面に触れていなければその物質のまま留まり続けるらしいのだ。

つまり投げた砂はオオナズチの皮膚についている全てが地面に落ちない限り『砂』のままなのだ。さらにこの砂には水をつけておいた。

 

「よっぽど激しい動きをしねえと落ちねぇぞ?そんだけ動けば場所をばらしちまうがな!」

 

水のついた砂は摩擦によってなかなか取れなくなる。それを利用して砂を肌にこびりつかせた。どうやら当たったのは左足らしく、その形に砂がこびりついているため丸見えだ。

 

「もういっちょ喰らえ!」

 

右足があるだろう場所にもう一回砂をぶちまける。見事に当たったようで足の形が浮かび上がる。オオナズチも何とか砂を落とそうとしているがザラザラの皮膚にこびりついた砂は中々落ちない。

これ以上隠れて攻撃しても無駄だと判断したのか、完全ステルスを切り、半透明になったオオナズチが何やら口をモゴモゴさせている。

 

「シュー…」

 

「ちぃ!毒霧か!」

 

一旦後ろに下がり距離をとる。その瞬間オオナズチの口から紫色をした霧状のブレスを吐き出した。

ブレスは毒があり、万が一触れた場合この世界ではどうなってしまうかわからない。状態以上で済ませられるのかもしれないし現実世界のようにとどまり続けるのかもしれない。後者だと厄介この上ないので当たる訳にはいかない。

そう考えて後ろに思いっきり跳んだのだがそれが悪かったのか腹部に強烈な衝撃が走った。

 

「ぐあっ!?」

 

あまりにいきなりなことにその場にうずくまってしまった。毒霧の向こうから舌を伸ばして攻撃してきたらしい。本当に頭の回る竜だ。しかしこれはマズイ。せっかく勝てるかもしれないのに今のダメージで完全に動けねぇ…!

元々肋骨と左腕をやられていっぱいいっぱいだったのにその上このダメージだ。

 

「こりゃ…やばい、かもな…いわゆるピンチですね、なんて言ってる状況じゃないか…」

 

腹を押さえてふらふらと立ち上がるがそれだけだ。今まで蓄積されたダメージのせいで足が動かない。

 

「シャアアァァァァァ!!!」

 

勝利を確信したのか、オオナズチがこっちに向かって突進してくる。妙にスローに見えるのは死にかけているからなのだろうか?とがった角が俺を串刺しにしようと迫ってくる。

 

「ここまでか…アレク、クゥ…すまない」

 

そう言って目を閉じる。もうちょっと生きたかったが、帰りたいがゆえに焦りすぎたな…

 

 

 

 

 

 

 

「ハァ!!!!」

 

「シュアアアアアア!?!?!?!?」

 

死を覚悟した俺だったが、それは免れた。ドゴッ!!!というもの凄い音とともにオオナズチの悲鳴が響き渡る。いきなり何が起こったのかと目を開けると俺の目の前には茶色の髪をなびかせた少女…アレクが立っていた。

 

「ア…アレク…?」

 

「……アレクだけじゃない、ボクもいる」

 

その声とともに後ろから飛んできた一本の矢が寸分違わずオオナズチの目に刺さった。

 

「シャアアァァァァ!?!?」

 

いきなり自分の目の片方がなくなったことにより混乱の極みに陥ったのか、倒れこむように後ろに下がる。そして後ろから緑のパーカーを羽織った女の子…クゥが出てくる。

 

「ご主人さま大丈夫ですかニャ!?このようなお姿になってしまって…私が駆けつけるのが遅れてしまったばかりに…!」

 

「……大丈夫?」

 

オオナズチが後ろに下がったことを確認すると2人は俺のほうに駆け寄って俺を心配してくれている。そうだ、こいつらのためにも死んじゃいけんわな…。

 

「俺より先にあいつだ。あいつをどうにかするぞ」

 

「「了解(ですニャ)!!」」

 

さっきまで立つのが精いっぱいだったのが嘘のように体が軽い。今なら…!

 

「シュアアアァァァァァ!!!」

 

最終ラウンドだ!!!

 

 

 




う、打ちきりじゃないですよ?書ききりますよ?まとめがうまくできなかっただけなんです。だから「打ちきりか、んじゃあ読むのやめよう」とかならないでくださいお願いですから(汗)
しかし次話はアレクの廃坑探索で、クゥのラングロトラ戦を入れてからこの後になります。それまでお楽しみにしておいてください!
garcia様、えだまミィカン様、RPG大好き様、猫猫様、kami2015様、感想ありがとうございます!これからもこの小説をよろしくお願いします!そして感想、評価、訂正、意見等なにとぞお願いします!
次回、オオナズチとの決戦に挑んだ一縷。その時アレクは廃坑で…?
『立ちはだかる廃坑』お楽しみに~!








前回のサブタイのネタは機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争より、「虹の果てには?」です
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