ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィに釣られて人理継続保障機関に飛び込んだ結果最終的にろくでなしをぶん殴るお話 作:邪ンヌ復刻待ちマスター
―――――――僕はね、邪ンヌが欲しかったんだ――――――
先ほど召喚したエミヤと名乗る弓使いらしいサーヴァントに自己紹介を兼ねて今までの経緯を表す一言を述べると露骨にため息をついてやれやれと言わんばかりに首を横に振られた。
なんだよ悪いかよ。こちとら思春期の男の子なんだぞコノヤロー。隣に立つ女の子の可愛さにやられてうっかり世界を救っちゃうなんてどこにでもあるお話だろ。
え?君に世界を救えるような力など無いだろうって?知ってた。
こちとら日ノ本の国に生まれてからというものの現代の平和な日常に身体の芯まで漬かってた一般人だからネ!
そんな俺が何をどうしたら核だか何だかわからんがとりあえず炎につつまれた街で召喚とか漫画の世界のような状況に陥ってるのかを語る必要があるだろう――――――
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
事は数日前、いつもと変わらぬ平穏で平凡な日常を送っていた時だ。
その日も何か面白いゲームでもないかなーと考えながらネットサーフィンをしているととあるゲームを発見する。
「Fate/Grand Order」
ちまたで話題になっているらしいゲームで実際その名前を聞いたときは少しばかり興味を持っていた。
しかしながら先陣を切っていたプレイヤー達からの悪評を聞くたびに尻込んで結局今の今までプレイをしていなかった。
楽しむためにゲームをしているのに苦しみしかないゲームなんて真っ平ごめんだったのだ。
一度でも躊躇うとその後もやはり同じ流れになってしまうようで、新しいキャラが出るたびにこの人かっこいいなー、この子かわいいなー、始めようかなどうしようかなーとなるが結局触ることが出来ずじまいだったのである。
どうせ今回も同じように始められないんだろうなーと思いつつも新キャラのグラフィックを眺めはじめ――――――
その時、俺に電流走る――――――――
ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィ。
いわく、オルレアンの聖女ジャンヌ・ダルクの
とにかく、俺は彼女に見惚れた。体は小さいのに心は大人ぶってふふんとでも言いたげな得意げな顔で小難しい理屈をこねようとしているその姿、その在りよう。
これは守護りたい、守護るべき、守護らねば三段活用。
将来こんな娘を持ってすこやかに育てて生きたい人生だったと悟ってしまうほどに魅力的なキャラクターであった。
元々最初にFGOを始めたいなーと思うきっかけがこの娘の基(?)であるジャンヌ・ダルク・オルタだったことで魅了率は倍率ドンだったのだ。
しかしそこまで魅了されようとどうやら起源が「ヘタレ」らしい自分はどうにも一歩を踏み出せず、うんうん唸ってもやもやを抱えて無駄に日数を重ねてついにはイベント最終日の前日。
俺は匿名性の高いインターネット掲示板に書き込んだ。
「邪ンヌが欲しくて復刻されるまで始めたくはないんですけど
返ってきた回答には迷いが完全に断ち切られてしまったんだから参ったね。
「邪ンヌは復刻されたことあるけどイベント配布は次復刻されるか分からないよ?」だってさ。
復刻がバンバン続く今から思えばまったく見当違いの回答だったんだけどそのおかげでFGOキメてる民になれたんだから最高に感謝しているとも。ありがとう名も知らぬ人。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
で、現在に至る。
「まさかFGOがリアルだったとか考慮しとらんよ……!」
頭を抱える。ゲームは遊びじゃないんだよ、という言葉は本当だったんだ……!余り知りたくなかった事柄ではあるがいまさら何を言っても仕方がない。
カルデアでは先輩であるはずなのに「先輩、先輩」と生まれたての雛のように懐く後輩系マシュマロサーヴァントや一見皮肉っぽい雰囲気からにじみ出る苦労人臭と面倒見の良さを感じさせる立ち振る舞いの弓使いのサーヴァントとともに人理救ってやんよ。
小生藤丸立香、これより先は勢いに任せるだけの人生を送ることにします。
ひとまず期間限定加入まで進めよう―――――――――
私はロリコンではない。いいね?