爆死したところとかね。
自分は藤丸装花という。
よくわからないまま人類を救うべく戦いに放り出された、ただの人間だ。
そう。本当によくわからないままである。今だってよくわからないけどデミサーヴァントになったマシュとレイシフトして、よくわからない土地を走り回っているのだ。
だがそれも少しくたびれた。それに所長も息が荒い。
ロマ二の案に従い、召喚サークルの設置も兼ねて休息する事にしたのだ。
「いい?この聖晶石を糧として、召喚サークルは稼働するの。縁のあるサーヴァントが応えてくれたら契約成功よ。強力なサーヴァントを呼びなさい、必ずよ!?」
そう言われても、自分はただの一般人。魔術師としても素人。サーヴァントなんかと縁なんてない。
しかし半泣きで頼み込む所長に無理ですとも言えないので、頑張りますとだけ言う。
頑張るのは本当だ。結果が伴うかは別として。
「先輩なら大丈夫です!頑張って!」
マシュの応援も心なしか期待に上ずっているような気がする。
頑張ってみるよ、と微笑んで頭を撫でる。ついでにフォウ君も撫でておく。中身はともかくもふもふで可愛い。
元気を貰い、ヨシっと気合をいれ召喚サークルを稼働させる。
青白い光が瞬き、それはやがて金色を放ちつつ、一筋の輪を描く。
強い力を感じる。それは正義の味方を目指す過程であらゆる苦難に傷つけられて死にかけた。それでもなお人を救いたいと願う意思だ。
金色の光に手を伸ばす。
届けーーーー
そして光は弾け
「概念礼装じゃないーー!!!!!」
サーヴァントではなく、
ーーーーーーーー
あれから所長が貯めてた聖晶石を全て使ったが、結局サーヴァントが現れることは無かった。
「もうダメよ…お仕舞いだわ……」
所長は完全に
「その、先輩…気を落とさないで下さい!」
いや自分は特に残念に思っているわけでもないのだが……
多分、座にいるサーヴァントも様子見してるんじゃないだろうか?
ならこの戦力で頑張るしかないのだ。
「確かに私が装備すれば戦力は強化されますが、1つしか装備できないので、そんなにたくさんあっても仕方ないと思うのですが……」
カード状になった概念礼装の山を抱える自分を見てマシュがぼやく。
だがいいのだ。使い道はある。
そんな風にしていると、ロマ二が慌てて警告する。
「不味い!敵サーヴァントが近づいてくる!これは……さっきのアーチャーだ!!」
「迎撃します。先輩、指示を!」
よし、ならマシュは所長を守るんだ。
アーチャーは自分が相手をする。
「りょうか、え?!先輩何を言っているんですか!?サーヴァントでもないのに対抗できる訳がありません!!」
確かに。サーヴァントも連れず、魔術師としても未熟。
されど我が身は世界を救うために奔走する身だ。退くという選択肢はない。
「なら私も一緒に!!」
大丈夫。マシュは所長を守っていてほしい。
「そんな!先輩を見殺しなんて出来ません!!」
相手をするといったけど
「え?」
別に倒してしまっても構わんのだろう?
懐からあるものを取り出す。
目をパチクリさせるマシュを尻目に、自分はそれを腰に巻きつけ装備する。
standing by.....と響く機械音が心地いい。
「先輩…?それは一体……?」
変身ベルト
「変身ベルト」
変身ベルト
「変身ベルト」
「変身ベルト?」
変身ベルトである。
変身ベルトである。