箱庭出身転生者と猫姉妹   作:めざし

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遅くなって申し訳ない!リアルがお盆シーズンとかで忙しく執筆できなかったんです。
また今後も少々不定期更新となると思いますが温かい目で当作品を見守って下さると嬉しいです。

では本編をば

運動会は二回に分けまーす




第13話

「うぉぉぉぉぉ、大玉来るぞーーーー押せぇぇ!!」

 

「押した奴は座れ!!紅組より早く進めるんだ!!」

 

「白組に負けるな!押して押して押しまくるんだ!!」

 

「ああ、大玉が外側に!!」

 

 

第一種目大玉転がしが始まって、競技は実に荒れていた。

大玉転がしの練習は例年事前に一度しか練習を行なっていないため、今年も同様であり、低学年から前の方に並び学年順に後方へと並ぶ。そして高学年が後ろから指示を出すと言った感じになっている。下の学年から回って来る大玉は時折その中でも力自慢の生徒が混ざっているためか、大玉が大きく宙に飛び上がったりするため、なかなかに不安定な軌道を描き、中には外側に飛んだ大玉に吹き飛ばされる生徒さえいた。そんな中レイは・・・

 

 

「・・・よっと!」

 

 

4列に並んだ中でも外側に位置に並んでいたことが幸いし、列の外に飛び出ようとしていた大玉を上手く軌道修正を行なって列の中に再び戻し、そこへ・・・

 

 

「えいっ!」

 

「たぁっ!」

 

列の中央にいた白音が他の生徒に紛れて大きく大玉を押し出し、それによって大きく跳んだ大玉を黒歌が一気に列の最後尾まで押し飛ばす。

 

 

「・・・・・う、うおおおおおおっ!!?一気にリードしたぞぉ!!?」

 

「ああ、でも追いかけないと!!?」

 

 

大玉を最後尾から最前列まで運ぶために列の両端から離れたところに2人ずついた最高学年の生徒は大玉に並行して追いかけていたのだが、3人の圧倒的アシストによって大きく離されてしまっていたため、5年生の列から追いかけるハメになっていた。

そのまま大玉を追いついた彼らは列から少し離れたところにあるコーンの周りで大玉を3周程させた後、最前列まで運び始めた。・・・・この競技はこれを3回ほど繰り返し、最後に大玉を4人の並走していた生徒が持ち上げて終了するのだが、1周目の時点で紅組は大きくリードしてしまい、そのまま差を埋められるどころか繰り返すたびに大きく開いてしまったので圧勝してしまった。

 

 

「・・・圧勝だったねレイ君」

 

「・・・そうだね。

直前のリハーサルより大玉が荒れて、ついついフォローしちゃったからあの時よりすごい差がついちゃったね・・」

 

「・・・まぁいいんじゃない?勝負は時の運よ、2人とも」

 

「・・・いやこれは大人気ないというべきじゃないでしょうか姉様?」

 

「アザゼルさんたちも喜んでることだし、これに関してはこれでやめにしよう」

 

「・・・そうね、レイの言う通りよ白音・・・。

これ以上言っても仕方のないことだわ・・・」

 

「・・・・・・諸行無常とはこのことですね」

 

「こほん、このことは一旦置いといて。・・ほら姉さんたち、次の競技が始まっちゃうから戻ろうよ」

 

「「うん・・」」

 

 

と、こんな感じでレイたちは明らかに自分たちのせいで余りにも大人気なく勝ってしまったので申し訳なく感じつつ、次の競技が下の学年であるためグラウンドに用意された自分たちのクラスの席に戻ることにしたのだった。

 

 

「・・・・さて次の競技まで少し時間が空くからアザゼルさんたちのとこにでも行く?」

 

「そうだね、行こっか」

 

 

レイたちは席に戻ってからプログラムを見て、自分たちの学年の次の競技が少し後であることを確認したので応援席のアザゼルたちのところへ向かうことにした。

 

 

「よぉ、お前ら第一種目は圧勝だったな!ちゃんと映像に残したぜ」

 

「・・・いえ、圧勝しすぎて逆に申し訳ない気分です・・」

 

「あん?何だ元気ねぇな?勝ったんだからもっと喜んだらどうだ?」

 

「ベストを尽くすのはわかってるんですが、さすがにこれは大人気なかったというか・・・」

 

「っは!子供がなに生意気言ってやがんだ!!

いいんだよ、そんなの気にしなくても。お前たちはまだ子供なんだからよ!むしろもっとやれ」

 

「なに言ってるんですか総督!あんまり度がすぎたら白音ちゃんと黒歌ちゃんは目立ちすぎちゃって怖がられるかもしれないんですよ!!」

 

「お、おう・・どうしたシェムハザ?急に大声出すなよビックリするだろ・・・」

 

「総督はわかってませんね・・・。人は異質なものを排除する傾向にあることはご存知でしょう!!

2人がそれでいじめられでもしたら大変ですよ!」

 

「い、いやそりゃわかってけどよぉ・・・。万が一の時はちょっと記憶をいじってだなぁ・・・」

 

「そう言う問題じゃありません!まったく貴方は昔からーーー」

 

「わーストップストップ、シェムハザ様!!せっかくの黒歌ちゃんたちの運動会なんですから、こんなところで説教なんてしないで下さい!!」

 

「そうっすそうっす、それは帰ってからでお願いしますっす!!」

 

「・・・むぅ、それもそうですね。すみませんドーナシーク、ミッテルト、つい頭に血が上ってしまいました」

 

「ふぅ・・・助かったぜ2人とも・・」

 

「「い、いえ当然のことをしたまでです!!」」

 

「・・・アザゼル。残りは帰ってからみっちり話しましょう」

 

「うげっ!?」

 

「ははは、アザゼルもシェムハザには形無しだな」

 

「るっせぇぞ、バラキエル!親としちゃあ応援したくなるもんなんだよ!ってか、お前らだってこの気持ち解んだろうが」

 

「「当たり前だろ、だがそれとこれとは話が別だ」」

 

「・・・くそ、ハモりやがって」

 

「皆さん、楽しそうですね・・・。ところでアザゼルさん、今日はこれだけですか?」

 

「ん?ああ、本当は神の子を見張る者(グリゴリ)の全員で来たかったんだけどよぉ〜、シェムハザがなぁ・・・」

 

「何を言ってるんですか総督!!ここは一応悪魔の管轄してる土地なのですよ!!?総出で行ったら戦争を吹っ掛けに来たのかと勘違いされるかもしれないとあれ程言っているでしょ!!それに誰もいなくなった本拠地に攻められでもしたらどうするというのです!!」

 

「・・・・ってな感じでな!こういうこった、はっはっは」

 

「笑い事じゃないんですよぉ!!」

 

「悪かったって、だからそんな怒んなよシェムハザ。

んで、今回は悪魔側と交渉した結果、15人程でくることに決めたんだが・・・公表したら滅茶苦茶応募者が殺到してな・・・抽選の結果このメンツになったってこった」

 

「ふぅん、なるほどね・・・。シェムハザさんお疲れ様です、アザゼルさんが本当迷惑をおかけしたようで・・・。

肩でも揉みましょうか?」

 

「いえ、大丈夫ですよ、レイ君。アザゼルのこれはいつものことですから・・・。あと肩揉んで下さい」

 

「喜んで」

 

 

アザゼルたちがこの運動会に来るにあたり色々問題があったようだ。・・・・しかもその仕事はシェムハザにのしかかる形で・・・。そんな風にレイと白音が話している一方、黒歌は・・・

 

 

「へぇ、そんなことがあったんだ。良く抽選通ったわね?結構な倍率だったんでしょ?」

 

「そうっすね、かなり運が良かったっす!

いやぁアザゼル様やシェムハザ様、バラキエル様のような幹部の方々に御目通り叶う今回の機会をふいにしたくなかったのもそうなんすけど、アザゼル様の義息子さんや義娘さんにも会って話してみたかったんすよね!

レイナーレっていううちの上司も応募してたんすけど彼女は落ちちゃって、すごく悔しそうにしてたっすねー」

 

「・・・ふぅん?ってか私たちに会ってみたかったってどうして?」

 

「いやぁ貴方方は結構神の子を見張る者(グリゴリ)の末端の方まで伝わってましてね?会ってみたいなぁって思ってたんすよ!聞けばうちとそんな歳が変わらないとのことだったんで、是非お友達になりたいと思ったんすよ!!

もちろん打算抜きで、っす!!」

 

「・・・・なるほどね。うんじゃあお互い自己紹介から始めましょうか、私は黒歌、葉桜 黒歌よ。貴方は?」

 

「うちはミッテルトっす!よろしくっす、黒歌!!」

 

「よろしくねミッテルト。じゃあ妹と弟も紹介するわ」

 

「是非お願いするっす!!」

 

 

と、黒歌は同年代の堕天使との邂逅があったという。そして・・・

 

 

「白音ー、レイー!!」

 

「姉様?」

 

「黒歌姉さん?あ、さっきいた子だ」

 

「おはようございますっす!君がレイ君っすか?」

 

「うん、そうだけど君は?」

 

「おっと、これは失礼!うちはミッテルトって言うっす!先ほど黒歌とお友達になったんすよ」

 

「へぇ、なるほどね。じゃあ姉さんから聞いて知ってると思うけど改めまして、僕は葉桜 レイです。よろしくねミッテルト」

 

「じゃあ私も。黒歌姉様の妹でレイ君の姉の白音です。よろしくミッテルト」

 

「よろしくっすレイ、白音!

・・・・それでさっきから気になってるんすが、なんでレイはシェムハザ様の肩を揉んでるんすか?」

 

「・・・日頃、お疲れのシェムハザさんを癒してあげたいなぁって思ったんだよ」

 

「? まぁ幹部っすもんね、うちら一端の堕天使じゃ解らないものがあるんすよね」

 

「・・・・あぁ、そうなんだ。わかってくれるかい、お嬢さん。

主に上司の無茶振りに振り回されて大変なんだ・・・」

 

「ほへぇ、お疲れ様っす、シェムハザ様。なんでしたらうちも腰などをお揉みしますっす!」

 

「・・・・あぁ、頼むよ」

 

「・・・・・・今後はお前にできるだけ苦労かけないようにしとくよ。うん」

 

「・・・なんか変な空気になってしまいましたね、姉様」

 

「・・・・これは主にアザゼルさんがいけないのよ、白音」

 

「・・・・そうだな、黒歌嬢の言う通りだな。気をつけるんだぞアザゼル。

シェムハザに倒れられようものなら仕事が回らなくなるんだぞ」

 

「うぐ、痛いとこ突くじゃねぇかバラキエル」

 

「「「「事実だ(です)」」」」

 

「・・・・・善処します」

 

 

何故かシェムハザの慰労会な感じになってしまいアザゼルはたじたじになるのだった。

 

 

「・・・おっと、いつのまにかプログラムも進んだな・・次は黒歌の学年の番じゃねぇか?リレーか」

 

「あ、ほんとだ。私二回走るんだー。しかもアンカーも務めることになってるの!」

 

「へぇ、まぁ流石だわな。頑張れよ!」

 

「うん!応援よろしくね!」

 

「「「「「任せろ(っす)!」」」」」

 

「じゃあ行ってきまーす!」

 

「頑張ってねー、黒歌姉さん!」「頑張ってください姉様!」

 

 

黒歌は手を振りながら控えの方へと向かって行った。

それから少しして6年生のリレーが始まり、紅組、白組2人ずつの計4人のリレーだったが最初は黒歌のクラスの紅組がバトンミスを起こしてしまい2つの白組が1位2位独占だった。が、1回目の黒歌がごぼう抜きにし一気に最下位から1位に躍り出たままバトンパスに成功し一気に乱戦にもつれ込んだ。その後紅組が2位3位となってアンカーの黒歌にバトンが渡り、3位だった黒歌のクラスはまたしても追い上げ、そのまま1位となった。

 

 

「いぇーい、見た見た!!?頑張ったでしょ私!!」

 

「うん、見てたよ黒歌姉さん!最初の追い上げが特に凄かったね!半周も差があったのにごぼう抜きとは恐れ入ったよ」

 

「ふふん、そうでしょそうでしょ!!」

 

「最後の追い上げもすごかったっすね。さすがにアンカーを任せられるだけのことはあるっす」

 

「はい、しかも姉様のクラスが1位になったおかげで紅組の点数は更に伸びましたね」

 

「これは紅組の優勝間違い無いんじゃないか?」

 

「いえいえアザゼル、まだ始まったばかりですよ。何が起こるかまだわかりません。

3人とも油断はしてはいけませんよ。ベストを尽くすのですよ?」

 

「「「もちろん!」」」

 

「・・・おぅ、さすがにこれから親になろうってだけのことはあるな・・・。俺よかよっぽど父親っぽいぞ・・・・」

 

「いやアザゼルさんも僕たちにとっては父のように思ってるよ、だからそんなこと言わないでくれ」

 

「そうです。血は繋がってないですし、短い時間しか経っていませんが、アザゼルさんの愛情はしっかり伝わっていますよ!」

 

「2人の言う通りよ、だから・・・・そんな悲しいこと言わないでよ」

 

「・・・お前ら・・・。すまねぇ、ひどいこと言っちまったな・・・・。

あぁ、そうだ、俺はお前たちの父親だ!もうこんなことは言わねえ!お前ら次の競技も勝ってこい!!」

 

「「「うん!!」」」

 

 

4人の親子は改めて自身らが家族なのだと認識し、アザゼルの強い発破を受けた3人はその後も破竹の勢いで紅組に勝利をもたらして午前の部を終えた。そしてレイたちは今回来た堕天使の女性陣が作った弁当や3姉弟が一緒に作った合作弁当を広げて昼食を摂るのだった。その際、レイたちは自身らが学校で初めてできた友人をアザゼルたちに紹介したり、これまでの学校生活で起こった思い出話に花を咲かせた。

そして・・・・

 

 

「・・・・っと、そろそろ演奏行進の時間じゃねえか?」

 

「あ!危ない危ない。もうこんなに時間経ってたか。まさかアツシに指摘されるとは・・・」

 

「・・・おい、そりゃどういう意味だ?」

 

「2人とも喧嘩してないで行きますよ。じゃあ姉様、アザゼルさん、皆さん、行ってきますね」

 

「行ってらっしゃい!落ち着くのよ白音、シホ!」

 

「・・うん、がんばり、ます!お姉さん!!」

 

「応援してるぜ!頑張れよ、落ち着いてやりゃできるぜ!」

 

「頑張るっすー!」

 

「頑張ってください!練習通りにやれば大丈夫ですよ」

 

 

レイたちはアザゼルたちから激励をもらうと、控えへと向かった。

が・・・

 

 

「・・・ん?あ、待つっすレイ」

 

「ほい?」

 

「んー、やっぱそうっすね。なんか魔力出てるっすよ、微量に。はは、緊張でもしてきたんすか?」

 

「・・・・・。あー、そうみたいだね、ありがとうミッテルト」

 

「いやいや大丈夫っすよ。でも気をつけたほうがいいっすよ。ごく微量とはいえ、ここは悪魔の管轄池なんすから。

見つかったら悪魔になんか言われるかもっす、喧嘩売ったーとかで」

 

「そうだね、気をつけるよ。・・・じゃ、行ってくるね」

 

「ん、行ってらっしゃいっすー」

 

 

ミッテルトはレイを呼び止め、彼にだけ聞こえるように耳元でそう伝えて別れた。

 

 

(・・・・・・。霊格が少し上がった、か・・・いや、馴染んできたのか・・・。

いやそれよりもだ・・・このままだとまずいな、指輪の出力を上げるか増やさないとな。

まぁ、帰ったらでいいか)

 

 

レイの思っている通り、レイの霊格は現在の体が元々持っていた霊格と前世の霊格が溶け合って馴染んできたことによって、霊格の大きさが前世のそれに少しだけ近づいていたのだ。それによりレイが身につけている10の指輪のうちの4つ隠匿の指輪では、レイの身より溢れ出る魔力が抑えきれなくなってきていた。

だが、その出る魔力は極々微量であり、アザゼルやバラキエルのような実力のある堕天使では自身が大きな力を持ちすぎているが故に阻害されて感知できないほどだった。しかし、逆にミッテルトやその他のそこまで力の大きくない堕天使は気づくことができた・・・・が、ミッテルトを除く運動会に来ていた他の下級から中級の堕天使はそもそもレイたちにさして興味があったわけではなく、どちらかと言うとアザゼルやシェムハザ、バラキエルといった幹部と出会えるためのイベント、という程度にしか考えていなく、レイが魔力を垂れ流しにしていることにたとえ感知出来ていたとしても気にもしていなかったのだ。結局彼らにとってレイたちはアザゼルが気紛れに養子として迎えた程度の存在でしかなく、その中でも所詮普通の人間の子供にしか感じられないレイよりはまだ妖怪の猫姉妹にしか目が行かないのだ。

だからこそレイを含めて仲良くなりたいと考えていたミッテルトだけは気付くことが出来たとも言えるのだが・・・。

 

 

(・・・んー、アザゼルさんたちは全く気づいてなさそうだし良かったな。

どうしても無意識に溢れちゃう魔力を隠すために指輪を着けてたけど、これももう効きづらくなったかぁ・・・。

指輪で誤魔化し続けるのもそろそろ厳しいしどうしようかなぁ・・・)

 

 

と、レイはそんなことを考えながら白音たちと一緒に控えに着き、準備を整えるのだった。

 

 

 

Side アザゼル

 

「よーし、シェムハザはこれを持ってここでレイを撮れ!バラキエルはこれで白音だ!!んで他の奴らはこれとこれであそことそこからーーー」

 

「ちょ、ちょっと待ちなさいアザゼル!貴方は一体いくつビデオカメラを持って来てるんですか!?」

 

「あん?そりゃあらゆる角度の良い画を取るためにちゃんと15個分持って来てる決まってんだろ!!」

 

「・・・・・・。その熱意を少しでも良いから趣味だけじゃなく仕事にも向けてくださいよ・・・」

 

「おらぁ!!お前ら、絶対にベストショットを見逃すんじゃねぇぞ!!散開!!」

 

『はっ』

 

「・・・・はぁ」

 

 

(シェムハザがなんかボソボソ言ってた気がするが今はそんな事に構ってる場合じゃねぇ!俺はいち早く全体を撮影できるあの中央の激戦区に陣取らなきゃならねぇんだ!

帰ったら映像を編集して最高の動画に仕立てなきゃな、へへへ。

っと、さてさて、ここなら良い具合に撮れそうだな)

 

 

アザゼルは激戦区であった中央に体良く場所を確保することが出来たので、三脚を広げビデオカメラを固定し、全体が映るように調整した。それからしばらくすると、レイたち5年生による演奏行進の演目が始まった。

 

 

(お、来た来た!2人はまだか・・・・お、いたいた。レイは・・・いつも通りって感じだが白音はちと固いな・・・。・・・・おお、入場門から入って大きく回ったら、そこで2つにグループを分けるのか

!!?なに!?そこで列をぶつからないように交差させるだとぉっ!!?

こいつぁ嘗めてたぜ!小学生のだからってなぁ!!)

 

 

とかとか我らの堕天使の総督アザゼルさんは愛しい子供達の晴れ姿に1人興奮しながら撮影していた。

 

 

「・・・・もし?そこのちょい悪のおじさま?」

 

「・・・・・!!」・:*+.\(( ◾️ω° ))/.:+ ←アザゼルさん、娘が中央で目立ってるのを発見し興奮しながら撮影中

 

「・・・・・・。あ、あの、もし?」

 

「・・・・・///」( ◾️ˊ̱˂˃ˋ̱ ) ←アザゼルさん、娘が不安そうにしていたところを突破したのか娘の晴れやかな顔を視認しほっこり中

 

「・・・・もしもーし」

 

「・・・・・・!?」∑(◾️Д゚) ←アザゼルさん、息子が先頭に立ち、列を率いているのを見てビックリしながら撮影中

 

「・・・・・」(・ω・`) ←謎の人、無視されてしょんぼり

 

「・・・・・!」(◾️ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ ←アザゼルさん、娘が何か間違えたのか焦った表情を浮かべているので応援しながら撮影中

 

「す・み・ま・せ・ん!!」

 

「・・・・・んあ?んだよ、さっきからうるせぇなぁ」

 

「・・・はぁ、やっと気付いてくれましたか・・・・」

 

 

アザゼルが撮影中自分の近くで何やらうるさいのがいたのは気付いていたが、子供たちの晴れ姿を撮影することの方が最優先事項だったためシカトしていたが、とうとう袖を掴んで自分の存在を主張して来てしまったため続けることもできず、肩越しに振り返ってみると、そこには赤い服を着た長い黒髪の女性が涙目でアザゼルを睨んでいた。

 

 

「・・・んあー?どちらさん?俺は今忙しいんだけど?出来れば後にしてくれないかねぇ」

 

「・・・・わかっていながら散々無視しといてその言い草ですか・・・。いいですけどね、別に・・・」

 

「用向きは急ぎじゃないのか?なら後にしてくれや」

 

「・・・・・・まぁ、特に何か用があって話しかけた訳じゃないですけどね」

 

「・・・あっそ。なら話しかけてくんなよな、忙しいんだよ」

 

「気になっただけですよ。・・・どうして堕天使の、それも総督がここにいるのか、ね」

 

「・・・なに?」

 

 

アザゼルは女性が急ぎの用が自分にないとわかるとすぐに顔を戻していたが、背後の女性が自身の正体を指摘した事に警戒心を抱いた。・・・・まぁ顔はそのままにしながらだが・・・。

 

 

「別にあなた達聖書の勢力が何してようが構わないですが・・・トップの者が人の子たちの催し物を見物、それも機材を使って撮影までしているのか、気になったのですよ」

 

「・・・・別に大した事じゃねえよ。俺の子供たちがこの学校で運動会で頑張っている。親の俺がそれを撮影してちゃ変なのか?」

 

「・・・子供ですか?・・・・ふむ、あの白い妖怪がそうなのです?・・・あー、あそこに座っている黒い妖怪の子も?」

 

「そうだぜ。あともう1人いるがな、そこで小さな円を作ってくるくる回ってる長い黒髪の男の子だ」

 

「ほう。ずいぶん可愛らしい顔立ちですが男の子なのですか?・・・・!?!?」

 

「そうそう。男なのに随分可愛らしいやつだろう?ある意味将来が心配だぜ、へへ。・・・・って、んあ?

どうしたよ?」

 

 

アザゼルは後ろの女性が何か空気が変わった気配を感じ取り、振り向いて尋ねた。

 

 

「・・・・いえ。なんでも、ありませんよ」

 

「そうかい?随分顔色悪いが?

・・・・ってか、あんたは・・・」

 

「・・・あぁ、自己紹介していませんでしたね。私は天鈿女命(アメノウズメノミコト)。日本神話に名を連ねる者です」

 

「・・・・・・アメノウズメって言えば芸能を司る神だったか?そんなやつがどうしてここにいる?」

 

「ここに来たのはたまたまね。仕事が行き詰まってたから散歩がてらに出てみたら、こーんな楽しそうなことをしてるじゃない?だから見物しに降りて来たのよ」

 

「・・・なるほど?ちなみにその身体は分体か?やけに神格が小さいが」

 

「ええ、そうよ。まぁ近くの社に祀られていた御神体を依り代にするためにちょーっと拝借して来たのだけどね」

 

「・・・おいおい」

 

「ま、ま、そんなことはどうでもいいじゃない!

・・・それよりいくつか聞いてもいいかな?」

 

「んだよ、さっきのおかしな雰囲気となんか関係あんのか?」

 

「・・・・・うん。まず1つ目はなんで堕天使のあなたが妖怪のあの子たちを引き取ったのか聞いても?」

 

「・・・・いいんだが、聞いても気を悪くしないでくれ、これは俺もどうにかしたいと考えてるんだ。

事の発端は聖書勢力の問題だ、それも悪魔の、な。」

 

 

アザゼルは彼の隣に立ったアメノウズメに黒歌と白音の経緯を説明した。

 

 

「ーーーってわけなんだ。ちなみにさっきの男の子はレイって言うんだが、あれも同じように悪魔にさらわれたようでな。一緒に来たんだ。あいつら曰く途中で合流してそのまま意気投合、で姉弟になったそうだ。

それから堕天使領に逃げ込んだあいつらはそのまま神の子を見張る者(グリゴリ)で保護って流れだな」

 

「・・・・ふーん。なるほどね。

・・・・アザゼルさん、日本神話を代表してお礼申し上げます。我が国の子供たちを助けていただき感謝します」

 

「気にするな。さっきも言ったが、これは俺たち聖書勢力の起こした問題だ。むしろこっちは謝らなきゃいけない立場だ」

 

「・・・それでも助けてくれたことは変わりありませんよ。

・・・・・そしてそのレイ君についてなのですが・・・」

 

「ん?レイがどうかしたか?」

 

「彼は()()ですか?」

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