転生4回目の男が行くバカテス(ただし、ヤンデレからは逃げられない) 作:KeI77777
モテない。
それは、男として屈辱極まりない状態である。
ルックスに恵まれず、大したコミュ力もなかった俺は、
モテなかった。
最新のファッションに身を包み、流行の話題についていき、
なのに、なのにだ。
どうあがいてもモテなかった。
知り合いたちには彼女がいた。
俺にはいなかった。
知り合いたちと一緒に合コンに行き、
俺以外の全員が、お持ち帰りする。
それでも、俺は自分にもいつか
女の子と付き合える時が来ると信じて、
自分を磨き続けた。
大学4年生の時に、惚れていた子が
イケメンと学内で○○しているのを
見てしまったとき、何かが終わった。
そこで、俺の中で何かのあきらめが付いた。
就活して、適当な会社に入って、
女っ気のない職場で淡々と仕事をして、
子孫を残せずに死ぬ。
それが、俺の人生のリザルトだとわかった。
◆
おかしな奴らにあってしまった。
それが、一回目の世界で艦娘たちと
戦い、深海棲艦たちと決着をつけてから
彼女たち艦娘に抱いた気持ちだった。
「あなたの傷は私の傷。」
「あなたの悲しみは私の悲しみ。」
「あなたへの愛は、尽きることなく。」
「あなたが死ぬ時が、私が死ぬ時です。
提督。」
・・・・・は?
一体何の冗談だ、と飲んでいたグレープ
ジュースが入ったコップを落としそうになり、
あわててキャッチする。
上官からもらったいいやつだ。
こぼすなんてもったいないことはできない。
執務室に集まった、数十人の艦娘たち。
深海棲艦たちとの戦いは一応の決着を見た。
ーーーーー揺るかな殺し合いを続けるという状態で。
だが、以前より圧倒的にマシになったので、
それでいい、と気を取り直してジュースを飲む。
喉を甘くて、酸味のある液体が通っていった。
心地いい。
「・・・・・提督。」
彼女たちの言葉を受け流し、
誤魔化していたら、加賀と赤城がいつの間にか
イスの横に立っていて、俺の顔を覗き込んでいた。
だめだ。
信じるな。
俺は、女と縁がない男だ。
前世でそうだったのだから、今世だってそうだ。
・・・・・美人局?
猜疑心からそうつぶやいてしまった。
ぴしり、と空気が張り詰めていき、
肌がひりつくほどのプレッシャーを感じる。
何かを間違えたことはわかる。
だが、それが何だか分からない。
握り拳を作る二人。
手がぶるぶると震えている。
殴られるのか。
そう思ってみていると、
彼女たちに抱き着かれた。
「・・・・どうして。」
前髪が乱れ、顔が見えない二人が
顔を挙げるとそこには、
見たこともない黒色の瞳があった。
ここで、俺は選択肢を間違えた、
と後に何十回も後悔することになる。
◆
寝苦しさで目が覚める。
・・・・・・・・。
ぼーっとする頭のまま、
いつも毎朝見ている天井をぼけっと眺める。
ふああ、とあくびをしながら体をのそり、と
起き上がらせる。
体がとてつもなく重い。
ダルいという言葉が軽く思えるほどに、
体のあちこちが痛んでいた。
今日は休日であることを思い出して、
二度寝するか、と寝転ぶと、
柔らかなものに手が当たる。
むにゅり、という柔らかな感触が
手に伝わってきて、あまりの触り心地の良さに
そのまま何分も触っていた。
「・・・・うっ♡・・・ひうっ・・・・♥」
時折聞こえる何かを押し殺すような声。
一体なんだと思いもう一度目を開けると、
俺の手が、隣で裸にシーツ一枚の姿で寝ていた
赤城の胸を揉みしだいていた。
・・・・・・・あー。
どうりで、最高の感触だったわけだ。
寝ぼけた頭のまま、赤城のたわわな果実を揉み続けていると、
背中から誰かの手が伸びてきて、俺の顔をぐりんと後ろ向きに
曲げてきた。
っつ・・・!
痛みに顔をしかめながらこんなことをした人間の顔を
確かめてやろうと憤りながら見てみたら
光のない目で、俺と目を鼻と鼻がくっつくほどの
至近距離でじっと見つめてきている加賀の姿だった。
絶叫が、部屋に響き渡る。
◆
この世界に来てから16年。
FクラスがAクラスとの戦いに敗れて1日後。
俺は、自分のボロアパートに所狭しと
座っている女たちを見ながら考えていた。
なんで、こいつらは俺に執着するのだろう。
男として、女から好意的に見られることが
なかっただけに、わからない。
両腕を組み、首をひねって考えていると
目の前のちゃぶ台に今日の朝食が置かれる。
「・・・・・あなたの妻の朝食です。」
あ、ああ・・・。アリガトウ。
否定すると、またとんでもないことに
なりそうだったのでとりあえずお礼だけ
言って、朝食を頂くことにする。
思い思いに遊んでいたウィッチや、戦車道の子たちも
加賀と赤城に朝食を作ってくれ、とねだるが、
二人から「自分で作れ。」とマジトーンで拒否される。
みそ汁をすすりながら、
今日の昼食はどうしようか、呑気に考えるのだった。
◆
怒涛の朝の時間が終わり、登校。
普段なら一人で気楽に学校まで来ていた。
しかし、今日は違った。
先日Sクラスに入ってきた女子達が、
俺の周りを取り囲む。
姦しい、やかましいことこの上ない
通学時間。
そして、美少女ばかりの中に、
俺みたいなさえない見た目の男が
いることが納得できないのか
嫉妬の目線を向けてくる男子達。
俺だって、なぜこうなっているのか
わからない。
半分諦めながら歩いていると、
両腕をがっちりと西住姉妹に
組まれる。
「んふふ・・・♥しあわせ~♥」
「・・・・♥」
ますます周りの男子達から
睨まれるようになった気がする。
◆
「さて、言い訳を聞こうか。」
そういって、俺の前にあるちゃぶ台の近くに座り、
両隣にFFF団の者を立たせて聞いてくる須川。
この学園を、彼女たちと歩いているだけで、
彼女たちとの関係を聴かれる。
中には、紹介してくれ、と鬼気迫る様子で
俺に縋り付いてくるものもいたほどだ。
・・・・後日、その男子はなぜか転校していたが。
言い訳も何も、俺とあいつらは知り合いだ。
堂々とした態度でそういう。
こういうやつはなるべく刺激せずに、
穏便にことを終わらせた方がいい。
だから、穏便な言葉を選んだつもりだったが、
それが返っていけなかったのか、
教室内にいた男子達から抗議の声が上がり始める。
「ただの知り合いが、わざわざ試召戦争で、
お前を奪いに来るのか?」
「ギルティ。」
「これはちょっと許せんね。」
「死か、死か、死か。選べ。」
・・・・・・・俺って、モテてるように見えるのか?
それが原因でこいつらは怒っているのか。
・・・・・だったら、あいつらと距離を置くか。
須川が何か言おうとしたとき、
ガラガラっと教室のドアが開く。
「あ、いました。」
「全く。なぜ、提督がこんなところに・・・。」
宮藤と、加賀がFクラスに入ってくる。
で、座っていた俺を立たせてきて、
両腕を組んで、どこかに連れて行こうとする。
男子達が何か言うと思っていたが、
加賀と宮藤の体からあふれ出る黒い
オーラに気圧されたのか、動けずにいる。
「・・・・ボソッ」
加賀が近くにいたFクラスの生徒に何かをつぶやくと、
体をびくんっと離させる生徒。
Fクラスの教室を出て、廊下に出てから
加賀にそれとなく聞いてみる。
・・・一体、何て言ったんだ?
「・・・・私の、提督に手を出したら殺す。・・・
そうFクラスの皆さんに伝えてくださいね、
と言っただけです。」
愛が重い。
宮藤もウン、ウン、と頷いて
同意しているし。
・・・ところで、どこに行くんだ。
「まだ、お昼は取っていませんよね?」
え?ああ・・・・。
宮藤の問いにそう答える。
と、いうことは・・・。
歩き続けてやってきたのは食堂。
・・・・・・え?
ここで、食べるの?
彼女たち二人の方を見るとコクコク、
と頷いている。
そして、俺たちに向かって手を振ってくる
顔見知りの姿。
「おーい。席をとっておきましたよー。」
赤城が、めちゃくちゃ笑顔で
俺たちの方に手を振ってきている。
西住姉妹も一緒だ。
一緒に食べるのはマズイ、
と思いつつも食べなければ、
もっとまずいことになる予感がする。
葛藤しながら立ちすくんでいると
宮藤と加賀に赤城たちが座っている
席まで連れていかれ、座らせられる。
集まってくる視線。
特に、男たちからは殺気が飛んでくる。
落ち着かない。
俺は、あっち側の男だったはず。
なぜ、俺が女に囲まれて、
羨ましそうな視線を浴びているのだろうか。
そわそわしながら、彼女たちが作ってきていた
弁当を食べた。
◆
放課後。
教室を出て、廊下を歩いて下駄箱まで向かう。
その途中、見たことのないガラの悪そうな
男子生徒たちに絡まれる。
「ちょーっとお願いがあるんだけど、さ。」
「ここじゃなんだから、校舎裏、行こうか。」
面倒だ。
全員が倒したら倒したで、停学になりそうだし。
黙っていると、しびれを切らした
男子生徒に胸倉をつかまれて凄まれる。
「無視してんじゃねーよ!!」
ここで騒ぎを起こせば面倒なことになるというのに、
そのことさえ頭から抜け落ちてしまっているのか。
殴り掛かられそうになったその時、
その男子生徒の体が吹き飛ぶ。
絶句する俺と男子生徒たち。
後を見ると、拳を突き出した構えの
赤城と、他の子たちが。
「提督になに、手を出そうとしているのですか?
死にたいのですか?あ、それだったらいい
死に方を教えて差し上げましょうか?」
一目散に逃げていく。
蜘蛛の子を散らすように、という表現通り、
あっちいう間に消えていった。
「お掃除が終わりました。・・・・・ちょっと、
校内のチェックが必要ですね。」
怖い顔をしながらそんなことを言い出す赤城。
・・・・・やっぱり分からない。
◆
「ほらっ♡もっと私たちに、私に溺れてください。」
赤城と加賀に前と後ろを挟まれながら横になって
寝る俺。
一体全体、どうしてこうなったのか。
・・・・昨日、肉体関係をもつようになってからか。
やはりわからない。
俺よりも性格がよく、ルックスも収入も
上の男はこの世の中にいる。
事実としてそうだ。
赤城、加賀、宮藤、西住姉妹は美少女だ。
それも、超が付く。
恋愛経験のなさが、俺に引け目を感じさせていた。
「・・・・なんで、自分がこんなに好かれているのだろう。」
「そんな顔をしていましたよ。」
指摘され、ハッとなる。
「あなたがいいのです。あなたじゃなければ嫌なのです。
他の男に体を触れられるのも、見られるのも。」
「あなた以外の男に興味はありません。・・・・
もし、それでもまだ不安だというのなら。」
一緒に死にましょう。
震える手を加賀の胸に回し、
今日も彼女たちに溺れていく。
「ああっ♡もっと♡もっと溺れてっ♡」
「私たちがっ♡死ぬまでっ♡死んでも傍におりますからぁっ♡」
夜が明けるまで、部屋中に嬌声が響いた。
田中「無償の好意が怖い(震え声)」
ヒロインたち「もっと体を重ねて彼の不安を取り除かなくちゃ(使命感)」
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