元(もと)元帥候補だったエクソシスト   作:ミスターサー

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神父

「・・・王手(チェック)」

 

「ぬ?なら」

 

「ですが」

 

コトリ

 

「両王手(ダブルチェックメイト)ですよ。」

 

「・・・むう」

 

一人の金髪青年と一人の老人が向かい合い、椅子に座りながらチェスをしていた。

金髪の青年は神父が着る司祭の服、老人は黒の無地で銀が編まれている服を着ていた。

勝負は金髪の青年の勝ちだ。

 

「しかしイエーガー先生、やはりお強いですね。」

 

「いや、私などまだまだ。」

 

「いやいやご謙遜を、今回は運が良かっただけです。」

 

「運、か・・・話は変わるが、エドル」

 

「はい?」

 

「私の跡を継いでくれぬか?」

 

金髪の青年エドルは、イエーガーと呼ばれた老人に言われた。

 

「これは唐突なお話ですね、先生。」

 

「・・・」

 

「いつもながら言いますがお断りします。」

 

「そうか」

 

「えぇ。」

 

エドルは椅子から立ち上がり、窓により戸を開ける。

窓から土の匂いの風が流れた。

 

「私は一人の神父として先生として導き手として、この村から出られないのです」

 

「・・・」

 

「この田舎の村には私が来る以前に医者も勉学を教える人も居なかった。私が消えれば、この村はどうなるんですか?それだけじゃない、周辺の村だってあります。」

 

「だが、いや・・・すまなかった」

 

「いえ、本当に申し訳ありません。先生」

 

イエーガーはエドルの謝罪の言葉を聞き、無言で部屋を出て行った。

 

「・・・」

 

エドルは自身の部屋に行き、洋服棚の戸を開け、イエーガーと同じ服を取り出て暖炉の中に入れた。

 

「主よ、お許しください。我が冒涜の行為をお許しください。」

 

そして火をつけて、服を燃やした。

 

「私は弱き者を救うために戦い。AKUMAを倒し、迷える子羊達をアナタの元に送りました。

しかし私は今、小さな村々を救うため定住いたします。大きい者より小さき者を優先しました。

その罪をお許しくださいませ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「良いのですか、イエーガー元帥。」

 

「・・・」

 

イエーガーは白フードを被り、無線機を背負った男に話しかけられた。しかしイエーガーは無言を貫き、馬車に乗り込む。

 

「イエーガー元帥!」

 

「・・・いいのだ。確かに彼の言うとおり、この村に必要とされる人材なのだ。

彼は十数年戦い続け、やっと暴力で解決しない方法を見つけたのだ・・・邪魔してはいけない」

 

「しかしエクソシストです!大勢の人々を救える選ばれた人間なのですよ!」

 

「・・・私はな、何人の弟子を戦わせているのだ。最後の一人だけは、あの子だけは幸せになってほしいのだよ」

 

「そんな!それは!」

 

「イエクソシスト以前に私も彼も一人の人間なのだよ。乗りたまえ、通信員君。この話は終わりだ」

 

「っ!」

 

イエーガーは無理やり会話を終わらせて目を瞑り、通信員と呼ばれた白フードの男は馬車の前座席に乗り、馬に鞭を振って走らせた。

 

イエーガーは馬車の中で教会から上がる煙を見ていた。

 

 

 

 

 

 

「燃えましたね・・・。さようならイエーガー先生。」

 

「さようなら、最後の生徒よ」

 

「「もう会うことも無いだろう(でしょう)」」

 

 

公開できる情報

エドルは寄生型イノセンスの三種持っている。

脳、両手に宿っている。

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