もう、あいつ一人でいいんじゃないかな?
一夏に再開する為に、力任せな戦法で、並み居る相手を捩じ伏せてきた。
龍砲? 双天牙月?
そんな途中で壊れる物は要らない。殴り倒して握り潰して、蹴り飛ばして踏み潰して、最後に立ってりゃ勝ち。
そんなセカンド幼馴染みの為に、甲龍は強度、耐久力、剛性靭性、壊れない為の性能とついでに安定性と低燃費を追究した設計に……
見た目は、新装版の扉絵の機体の手足をゴツくした感じ
織斑・一夏
そんなに鈍感じゃないどころか、鈴の酢豚発言を曲解する事無くストレート理解、彼女の告白を受け入れている。
進路が決まって卒業した後に、籍を入れる話にまで進んでいる。
他ヒロインズ? 良き友人です!
更識・簪
どうしてこうなった?
物臭、自堕落、食欲全開、こんなかんちゃん見た事無い。
二人目が食堂でちょっかいかけてきて、頼んだ唐揚げに黙ってレモン掛けたので傭平巻き込んで戦争になった。
因みに、二人目はすぐに謝って、代わりの唐揚げ(三人前)をくれたので許した。どうやら、悪気は無かったようだ。
仙波・傭平
影が薄い。
滑舌は良いのに声が聞き取り辛い。
四組は技術者志望が多い為、機体はラファールの改造機〝ラファールEXTRA -04〟
大破寸前だったラファールの装甲類を、放置気味だった打鉄の予備装甲に張り換えたり、中抜きして軽量化を計ったりして、耐弾性や機動性が僅かにUPしたぞい。
見た目は新装版のラファールを、EZ-8っぽくした感じ。
「んで、打鉄弐式はどうなの?」
「ん~、どうなんですかネェ」
鈴が整備棟の仮眠室前ロビーにて、鈴が役目を終えた紙皿をゴミ袋へ入れながら傭平に聞いた。
「どうなんですかねぇって、あんたね」
「いや、俺、ボスみたいに機体に詳しい訳じゃないんでスヨ? だから、はっきりした事はボスに聞いてくださイナ」
傭平は鈴に肩を竦めながら、ほんの少しだけ聞き取り辛いガラガラ声で答えた。
事実、打鉄弐式の設計開発は、簪が倉持技研から引き継いで行っているものであり、傭平はその作業のサポートをしているに過ぎない。
「それもそうね」
傭平の答えに納得した鈴は、紙皿や割り箸を詰めたゴミ袋の口を縛り、ダストシュートへと放り込んだ。
鈴の見立てでは、打鉄弐式の完成はそう遠くないと思う。しかしそれは、外装のみの見立てであり、内装が今どうなっているのか、鈴は知らない。
知らないが、順調に進んでいるとは考えていない。
鈴の機体〝甲龍〟も、専門の技師やシステムエンジニア達が集まり造ったのだ。
それをただの一学生が、形が出来ていたとは言え、短期間で完成させられるとは考えられない。
簪も傭平も気付いている筈だ。所詮は学生、卒業までに完成させられたら御の字だと。
「おーい、ジュース買ってきたぞー」
シャワー帰りの一夏が四人分のジュースを抱えて戻ってきた。
「サンキュ、一夏」
「いやぁ、ありがとうございまス。織斑クン」
「ええんやでっと、簪は?」
「簪なら、持ってきた回鍋肉も青椒肉絲も米も全部平らげてシャワー行ったわ」
「あんな細いのに、何処に入るんだろな?」
「さあ? ボスは昔からよく食べるカラ」
青椒肉絲、回鍋肉、白米、簪だけが食べた分をざっと見積もると、合計で約四人前は平らげている。
鈴も食べ盛りの男子二人分は多く見積もって作って、休みである明日の昼食や夕食にでもと思っていたのだが、簪の食欲を失念していた。
男子二人に女子二人、合計四人が食べても余る計算が簪一人に狂わされた。しかし、鈴の顔には嫌な色は浮かんでいない。
「ま、米粒野菜クズ一つ残さず食べてもらえたら、作った方としては嬉しいわね」
鈴も、今は諸事情あって休業中ではあるが、定食屋の娘である。自分が作った料理を残さず食べてくれたら、嬉しいに決まっている。
「鈴の飯は旨いし、残す奴はそう居ないって」
「たまに量がスゴいのが出てきまスケドネ」
「男子なら、あれぐらい食べるでしょ?」
鈴の料理は旨い。生徒の中には態々金を出して作ってもらおうとする者も居る。
居るが、そんな事をせずとも、空腹抱えて鈴の周りを彷徨けば、問答無用で口に何か食べ物を捩じ込まれる。
ダイエット中だろうがなんだろうが関係無い。
『腹ペコでなにか出来ると思ってんの?』
〝学園二位〟〝小暴龍〟〝一年二組のカーちゃん〟の名は伊達ではない。
抵抗は無意味だ。単純な力のみで専用機を獲得し、技術もなにも無いただの力尽くで並み居る相手を捩じ伏せ、学園最強の生徒会長にあと一歩まで迫った実績がある。
そんな鈴相手に抵抗しても、あっという間に制圧されて腹が張るまで食べさせられる。
「傭平」
「あれ? ボス、どうしたんでス?」
「私のパンツ知らない?」
談笑をしていた三人の前に、バスタオル一枚で簪がシャワー室からパンツ知らないかと、平然とした様子で出てきて当たり前の様に聞いてきた。
知っているとは言え、あまりの光景に一夏と鈴は固まった。
だが、聞かれた傭平は当たり前の様に平然と答えた。
「ボス、自分で持っていったんジャ?」
「でも無い」
「着替え入れの籠見ましタ?」
「……見てない」
「そこじゃないですカネェ?」
「それよりも早く着替えなさい!」
あられもない姿のままで居る簪に、とうとう鈴カーちゃんが再起動。バスタオル一枚の簪をシャワー室に押し込み、叱りつけながら着替えさせていくのが聞こえる。
「傭平、お前よく平気だな?」
「いや、あれですヨ? 幼稚園児の頃から一緒に住んでるんですヨ? 今更、何がどうなるって話デス」
仙波・傭平は幼少の頃に、更識家に引き取られ住んでいる。〝例の姉〟がかなり面倒くさいが、恵まれた環境で実の弟妹も当然に育ったのだ。今更、バスタオル一枚で現れても、動じる訳が無い。
「ボス、酷い時はパン一タオル一枚で出てきて、アイスかじりながらアニメ見始めますヨ」
「傭平、やっぱ、それ色々アウトじゃね?」
「アウトに決まってるでしょ!」
頭にたんこぶを作った簪を軽々と脇に抱えた鈴が、眉間に皺を寄せて戻ってきた。
「はい、簪もしゃんとしなさい!」
「あぁ~、頭が回るんじゃぁ~」
簪を軽く持ち上げ、ソファーへと座らせる。簪も細いが、鈴だって体格はそう変わらない。なのに、あのパワーは何処から出ているのか。
〝鈴カーちゃんの超パワーの源〟
実は学園七不思議の一つだったりする。
「傭平、次に簪がバカやったら、私を呼びなさい」
「え?」
「い・い・わ・ね!」
「アイアイマム!」
軽く押さえられた筈の傭平の肩から、骨が軋む音が聞こえる。
その音に怯えたという訳ではないが、傭平は即座に了承の意を示した。
そこに簪の意思は反映されない。反映したら、自堕落一直線だからだ。
「私の人権……」
「簪、これを機会に少しはしゃんとしなさい」
「うぇ~い」
試合や整備ではしゃんとしている反面、それ以外ではどうにも自堕落。
それが更識・簪だ。
「傭平もよ」
「アイアイマム」
そして、その更識・簪の相棒が三人目の男性パイロットの仙波・傭平。
この二人、そんなに強くないけど何してくるか解らないコンビ、〝
二人がこのIS学園で何を成すのか?
これは、そんなお話。
EZ-8のプラモ買ったからね。
ハイゴッグも欲しい……
ああ、グフカスタム……
あ、今回から感想返信を開始します。
宜しければ、どしどし感想を……!