というか、この年末が差し迫る時期に、昔やったCOCのリプレイを動画化しようとか、とある身内が言ってきたり、チェンソーマンの続きが気になって、夜しか眠れなかったり、中々忙しいね。
COCに関しては、キャラシーロストしてる上に、ログも僅かにしか残ってないのに、どうやって動画化するつもりなのかと……。
因みに、その時の探索者
KP¦四脚屋
サブKP¦逆脚屋
探索者
浮脚屋¦警察
重二屋¦精神科医(医者)
軽二屋¦ストリーキング
中二屋¦露出魔
という内容です。
まったく、こんなありきたりな内容で、どうやって動画化するつもりなのやら。
まあ、そうそう変わるものでもないか。
熱田は、祭りに賑わう学園島の様子を眺めながら、柄にもなく懐かしんだ。
――ああ、この頃はよかった。よかったって話だ――
何せ、〝剣神〟である自分に、刃を届かせる連中ばかりだったのだ。本当にいい時代だったと、そう思える。
だが、今はどうだ?
「〝神〟に届く者は去って久しく、残るは〝神〟と、それに迎合する者達のみ、か……」
ああ、つまらねえ。
生徒主催の出店を横目に、熱田が懐から煙草を取り出すと、横からそれを摘まみ上げられる。鹿島だ。
普段とあまり変わらぬ格好の彼は、ありふれた銘柄の煙草を上着に仕舞うと、何時もと変わらぬ言葉を吐いた。
「お前はあれか? 昨今の禁煙ブーム逆らう私、マジ剣神とか考えたりしてたりするか?」
「ああ? どうした鹿島、頭打ったか?」
「ああ、それを判断出来るなら、まだ脳は無事か。少し安心したぞ。……これからダメになるんだろうが」
「こ、この野郎……!」
取り出したライターを仕舞い、熱田が抗議の声を挙げる。しかし、鹿島は軽く溜め息を吐くだけで、まったく動じない。
「あのな、ここは学園内で、喫煙所は無い。そうだな……、ココ、タバコダメ。ワカル?」
「何が、そうだな、だ! 神妙な顔して、何言ってやがる?!」
喚く熱田だが、当の鹿島はあまり聞く耳をもたず、適当にあしらっている。長い付き合いで、この女の話は半分程度に聞くのが一番だと、鹿島は理解している。
〝剣神〟熱田の呼び名の通りに、この女は〝神〟なのだ。しかも、特級の荒魂であり、気紛れにその権能を振り回す。
だから、今の様に気が立っている時は、適度に適当に返事をして、会話を続けて気が治まるのを待つしかない。
熱田が意味無く、周囲を威嚇するのを宥めながら、学園の整備課棟内にあった、整備課の生徒達の研究成果の展示場兼、企業説明会へと足を踏み入れた時だった。
「もし、まさか鹿島さんではありませんか?」
「え? ああ、そうですが何か御用ですか?」
「そして、そちらの方は、かの〝剣神〟熱田さんですね?」
「……だったら何だよ」
話し掛けてきたのは、白人の男だった。上等そうなスーツに、何らかの資料が入っているであろう、黒いビジネスバッグ。
差し出された名刺には、イタリアの会社〝エスパーダ社〟の名前が記されていた。
「我が国の〝風神〟と同じく、〝神〟の名を冠する貴女にお会い出来るとは……」
「ご託はいい。用件はなんだ?」
明らかに機嫌が悪くなっている。
鹿島は、内心で溜め息を吐きながら、男が続ける言葉を聞くには、どうやら熱田に、自社の製品のテスターをしてもらいたい。そういった内容だった。
鹿島は誰も見ていなかったら、盛大に頭を抱えていただろう。よりにもよって、エスパーダ社の新製品は
西洋に於ける剣ではなく、日本の刀のそれ。男の背後、企業の新製品展示ブースにあったそれを、熱田は一瞥した後、鹿島に向けて右手を出した。
「持ってんだろ。出せ」
「会話をする気あるのか。……まあ、あるにはあるが」
言って、鹿島が鞄から取り出した筆箱。そこから熱田は、一般的に使われている、何の変哲も無いカッターナイフを掴み出すと、男が示した機殻剣へ足を向ける。
「こちら、あの〝風神〟アリーシャ・ジョセフターフからもお墨付きを戴いた物でして……、熱田さん?」
気に入ってもらおうとしたのだろう。男が誰しもが知っている二代目ブリュンヒルデの名を出した。
だが、鹿島を含め、この場に居る熱田や、他の〝神〟を知る者達は、それが最悪の発言だと知っている。
「はっ、んだよ、とんだなまくらじゃねえか」
機殻剣を一瞥した熱田が、鼻で笑い、スタンドに乗せられたそれに向けて、右手のカッターナイフを無造作に振り下ろす。
「ちょっ……!」
いたずらに傷でも付けられたら、堪ったものではないと、男が声を挙げるが、その声が続く事は無かった。
「アリーシャが認めた? このなまくらをか?」
カッターナイフを鹿島に返し、興味を失った熱田は男に背を向ける。
熱田が振り下ろしたカッターナイフは、撫でる様に機殻剣の腹を通り抜け、頑健な
熱田や千冬、アリーシャクラスならば、専用機が無くとも、その力の一部を振るえる。理由はいまだに解明されていないが、しかしそれ故に、第一世代は埒外の存在として、人の身で人から外れた者として、世界にその名を馳せているのだ。
その機殻剣が床に転がる、金属特有の落下音を背に、熱田は欠伸をして、整備課棟から外へと向かう。
ああ、ダメだ。完全にやる気が失せた。鹿島が何か言っているが、ダメなものはダメなのだ。
今日を少しばかり楽しみにしていたが、蓋を開けてみれば、倉持から監視役の様な連中が、試合のメンバーとして派遣され、楽しみに水を差された上に、今のこれだ。
――帰るか――
千冬の気配も感じない。また、深い所にまでズレて、学園内を徘徊でもしているのだろう。探してもいいが、途中で飽きそうだ。
というか、あの機殻剣だ。あの風吹き女の事だ。どうせ、碌に見もせずに、
「いいヨいいヨー、いいと思うヨー。よく斬れるんじゃないカナー」
とか、適当に言ったに違いない。今度会ったら、頭から割ってやろう。
さて、帰るか。帰りに山田でも居たら、ちょっとちょっかいかけてみるのも、暇潰しになるかもしれない。
熱田が整備課棟の扉を抜けて、祭囃子の中へと消えようとした時、一つ彼女を呼び止める声があった。
「〝剣神〟熱田さんですね」
「……んだよ」
「私IS学園一年五組代表の京極・すみれと申します。宜しければ時間まで学園内の案内等は如何でしょう」
見た目、特にこれといった特徴の無い一般生徒だが、やけに言葉が一気に来る。止まらず、一息に言葉が続くあたり、肺活量に関してはかなりのものがあるのだろう。
「ああ、いいや。私は萎えた。帰る」
「あらそれは勿体無いかと」
「あ?」
これでも機嫌は最悪の状態である熱田が、軽く睨み付けるが、京極は平然とした様子で、笑みを崩さず言葉を続ける。
「これから学園一年主力総出での奉納祭が御座います。それも〝剣神〟に捧げる喧嘩祭です」
「あ? 私に届くのが居るってのか?」
「はい居ます。私共には〝神〟に届く〝龍〟が」
さて、熱田は考える。千冬は気配を感じず、山田にちょっかいかけても、結局は面白くなさそうだ。
己に届く者が居るとも考え難いのも事実。しかし、このまま帰っても、つまらない仕事にどうでもいい連中の相手。なら、その喧嘩祭とやらに乗ってみるのも悪くはなさそうだ。
「いいぜ。案内してみろよ」
「ではまずは……」
である¦『同志諸君、我らが同志京極が、見事〝剣神〟をインターセプトしたよ』
御曹司¦『あ、あぶねえ、まさかここまで気紛れだとは、想定外にも程がある……』
セシー¦『故に〝神〟といったところでしょうか』
あめり¦『というかあれ、ちょっと人格破綻してないかしら?』
Oまり ¦『アメリアアメリア、はっきり言い過ぎだって』
侍娘 ¦『で、これからどうする? 私達、喧嘩祭組は動けん。つまり、実質五組主導となるぞ』
である¦『それなら任せ給え。我らが同志京極、纏まりという言葉とは無縁の我々を、見事纏め上げた才女であるよ。ほら、今にも吉報が届いたよ』
マルファが届いたメールを開くと
〝たすけろください〟
簡潔にそう書かれていた。
そして、そのメールに対しマルファは
である¦『はっはっは、何やら誤報が届いた様であるね。まったく茶目っ気のある同志である』
約全員¦『お前それピンチじゃねえか……!』
いやしかし、参ったねこれは……。