将来の夢はマダオ。 作:ら!
新学期。いつみても、ひな鳥のようにそわそわと動くこどもはかまいたくなるものだ。かわいらしく、初々しい新入生がまぶしすぎて、「目が!目がぁ!」とム⚪カのごとく目を手で覆う。
「六年星組、久我春日くん。いますぐ、職員室へ来なさい。」
新学期早々、春日は呼びだしをくらった。
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「久我くん、これは、どういうことだい?」
口もとをひつかせながら、マダオこと、二階堂は春日と向かい合い、問いかけた。
「......どうって、みりゃわかるだろ。
新入生勧誘してんだよ」
「じゃあ、このポスターはどういうことだいぃぃ?」
二階堂は歯を【い】のかたちにして、さらに問いかけた。その手にはポスターが握られていた。
〔月は東に 日は西に 聖夜の鐘が鳴る
あの町この町日が暮れて 今来たこの道 夜の底
悪人どもの目が光る 上下左右に前後ろ
次から次とあきれるほどに 浮かんで消える 毒の華
真っ赤な華を咲かせましょう
サルカニ合戦銀太郎 勧善懲悪 夢物語
あきらめるのはおよし
この世に悪がある限り
あなたのそばに仕事人
きっと 恨みを晴らしてみせます〕
しばらく、春日はそのポスターをみつめた。
「......何か問題でも?」
「問題大有りだろうがぁぁぁぁぁぁ!!!
きみは、何をしているの?!これ、部活案内だよね?恨みとか、悪人とか、物騒なワードとびでてるんだけどおおおぉぉぉ!!!」
「......あぁ。
こっちは、裏家業の方だった。勧誘のはこれ。」
そう言って、春日は1枚のポスターを二階堂に手渡した。
「待って!!いま、幻聴が聞こえたような......裏家業って......?」
「もちろん、あんさ」
「ん?ぼくの聞き間違いかな?もう一回言ってくれるかな?」
「もちろん、あんさ」
「その続きは、【つ】じゃないよね??【つ】だったら、ぼく、発狂するよ?それこそ、ム ⚪カみたく、発狂するよ?」
「もちろん、あんさ」
「言わせないよおおおおぉぉぉ!!?
...............やっぱりぼくはなにも聞いてない、聞いてない、聞いてない、聞いてない、聞いてない.........」
二階堂は目をつぶって、暗示のように繰り返した。落ち着いて、春日から手渡されたポスターを目でおう。
〔一掛け二掛け三掛けて
仕掛けて殺して日が暮れて
聖夜の門をくぐり 遥か向こうを眺むれば
この世はつらい事ばかりだねぇ
片手に線香 花を持ち
ちょいちょい 坊や 何処行くの
私は必殺仕事人・久我春日と申します〕
「アウトおおおおおおおおおぉぉぉ!!!」
その日、二階堂の絶叫が学校中に響き渡った。