将来の夢はマダオ。   作:ら!

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第二十七話 ジジィになってもあだ名で呼び合える友達を作れ

日奈森あむは聖夜学園小のガーディアン、ジョーカーだ。ガーディアンのなかでキャラなりと×たまの浄化ができ、しゅごたまを3つ持つという、ビッグダディならぬビッグマミーなキャラ持ちである。

 

六年生の春、あむのもとに新たなしゅごたまがうまれた。正確にいうと、まだ誕生していないが、黄色のダイヤ模様のしゅごたまがあった。あむにとって、春は新しく環境が変わるため不安な季節だったが、楽しいことが起こりそうな予感がした。

 

ところが、そんなあむの期待は裏切られた。親友のなでしこの突然の留学。空海が卒業したばかりなのに直接お別れを告げられることなく、なでしこからの手紙でそのことを知った。

 

それでもあむは新しいクラスに馴染もうと気持ちを奮い起たせた。自分のクラス、六年星組は、あこがれの辺里唯世、何気に四年から同じクラスだった久我春日がいた。それに四年のときにできた友達もいっしょだった。

 

担任の先生は二階堂で複雑な気分だったが、スゥがなついているようなのでとやかくは言わない。その二階堂に連れてこられたのは転校生だった。名前は真城りま。ちっちゃくてふわふわしていて、正真正銘の美少女だった。

 

自分の隣の席に座ったりまをみて、あむは早速声をかけた。

 

「あたし、日奈森あむ。よろしくね。もしよかったら学校案内とか......」

 

あむのファーストコンタクトに対するりまの返しは冷たかった。あむのライフは半分削られた。それからどういうわけか、六年星組は男子と女子が対立し、久我春日は保健室登校ならぬ部室登校するようになった。そのお迎えに毎回自分を指名する二階堂に一度じゃんけんで決めるように提案したが、見事に負けた。

 

それから数日後の放課後、ロイヤルガーデンに行くと、新しく入ったJチェア、三条海里そのしゅごキャラ、ムサシとQチェア、真城りまそのしゅごキャラ、クスクスの自己紹介がおこなわれた。

 

三条海里曰く、自分はジョーカー失格だとのこと。×たまの出現とその浄化が間に合っておらず、心が空っぽのこどもたちが増えている。その場のご指摘をいただいた。そこで、Jの×たま狩り改善案に基づき、ジョーカーとそのサポート役で×たまを浄化することになった。

 

そして、真城りまと共に×たま狩りをすることになったのだが.........

 

この美少女、真城りまはなかなかの強烈なキャラだった。

 

りまを引っ張って、走ったら、りまは呼吸を乱している。走ることは苦手なようだ。空海との×たま狩りのようなクセで柄にもなく熱血に走ってしまった。

 

ミキがりまに嫌味を言ったが、りまはどこふくかぜというようにさらりと【めしつかい】を召喚しようとした。あわててりまの携帯をとりあげると、泣き出してしまった。あむがりまの涙をみてアワアワしていると

 

「単純。ウソ泣きもわかんないの?女の子なら涙腺のコントロールくらいできて当然だと思うけど」

 

なんて言われてしまう始末である。ショックを受けているあむとそのしゅごキャラたちのなかでいち早く正気に戻ったあむが尋ねた。

 

 

「真城さんのキャラチェンジってどんなの?」

 

「キャラチェンジなんかどうでもいい。

...クスクス」

 

 

 

-------キャラなり クラウンドロップ

 

 

 

「みせてあげる......!!」

 

 

りまの視線には×たまがいた。

 

 

-------ジャグリングパーティー

 

 

りまの攻撃によって、×たまは浄化ではなく、破壊されてしまった。

 

「動くこともできないなんて、バカみたい。

 

 

ジョーカーなんかやめちゃえば?」

 

あむはりまになにも言い返すことができず、その場に座り込んでしまった。

 

 

あむのライフはゼロである。

 

 

--------------

 

どのくらいの間地面に座り込んでいたのだろう。マイナス思考に陥ってしまい、新しい4つ目のしゅごたまに×がついてしまった。自分はジョーカーで、×たま狩りをするのに、ますます失格に思える。

 

思えば、この間から良いことがない。新しいガーディアンには馴染めないし、友達だってあまりできなかった。楽しみにしていた分、余計に落ち込んだ。

 

夕焼けがさしかかる。正面から人影がみえた。顔をあげると、久我春日がいた。肩に鞄をかけている様子から下校途中のようだ。

 

 

「立って歩け。

 

前に進め。

 

あんたには立派な足がついているじゃないか」

 

すれ違うとき、春日は一度あむの顔をみて言った。そのまま何事もなかったかのようにスタスタと歩いて去っていく。その春日の言葉はたしかにあむの耳に届いた。あむの心にじんと響いた。気づくとあむの頬に一筋の涙が流れていた。

 

 

 

「どこの錬金術師だ、オイ!!春日、それ実写に便乗してんじゃねーか!それならこの銀の玉もお得意の錬金術で10倍にしてくださいッ!」

 

 

「それ、パチンコ玉だろ、銀時。いい歳したしゅごキャラが土下座するなよ。みっともない」

 

あむの背後の数メートル先では、春日と銀時が言い合いをしているようだ。教室にいる無表情の春日とは信じられないくらい銀時とギャーギャー騒いでいる。

 

春日の噂にびくびくしていた自分がおかしく思う。銀時と春日をみて、あむは思った。

 

「......いつか、あたしもあんな風に真城さんと話せたらいいな......」

 

あんなに冷たい態度をとられたが、あむはりまを放っておけなかった。理由は、はっきりと言葉に表せない。だけど、りまはどこか自分と似ているような気がした。かわいくない性格。意地っ張りなところ。

 

まずは明日おはようから始めようか。

 

りまとあむの距離が近づくまでもう少し。

 

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