将来の夢はマダオ。   作:ら!

33 / 47
第三十話 夏休みあけも皆けっこう大人に見える

昨今のテレビ業界は氷河期と言ってもいいくらい苦戦を強いられている。昔は休日や平日問わずの夜のゴールデンタイムは誰もがテレビにかじりついていた。パソコン、ネットの普及によってじわじわと人気を奪われている。そこで、テレビ局は視聴者を取り戻すべく、特別番組を企画した。

 

 

 

その名は【エンタの仏様】である。

 

 

かつて視聴者を虜にした伝説的バラエティー番組だ。その人気は番組終了後も衰えず、たびたびスペシャル番組として復活している。旬の若手芸人から中堅、はたまたベテランまで豪華メンツだ。

 

 

「やっぱ、ドリフだよ、ドリフ。ピカ⚪の定理だの、はねるのトビ⚪だの、新時代の笑いって言っても結局は原点に戻るんだよ。古くさかろーが、観てて安心するから笑えるんだよ。おれは懐古主義だからな。

 

あ、この芸人最近見ないとおもったら、まだ消えてなかったんだな」

 

「だが、銀時よ。最近はご長寿番組の【笑角】でさえ、若者を意識して新しい風をふかせようとしている。それだけテレビ業界は苦しいってワケだ。

 

あ、この芸人、話題のグレーがかった白い人いじってる。」

 

「あっ!てめぇ、それはおれのいちごプリンだ、返せ!期間限定品なんだ!いますぐリバースしろ!」

 

「ふ!わるいが、一度口に入れたものは出さない主義でな。返品不可だ!」

 

 

春日と銀時はまんまとテレビ業界の戦略に引っかかり、テレビにかじりついていた。

 

--------------

 

 

夏休みがあけ、登校がはじまった。

 

 

「バラバラーンス!」

 

教室の教壇の前で、いま流行りのネタを真似する小学生はどこにでもいるだろう。聖夜学園も其に当てはまる。

 

「あはは、おまえそれ、ポーズ逆だろー?」

 

「ははっ!なにやってんのー!」

 

にぎやかな子どもたちの笑いで教室の空気は包まれていた。なごやかな雰囲気になっていた。

 

 

 

.........ただ、ひとりをのぞいて。

 

 

「はははっ!りま。あれ、りまが昨日やってた......」

 

あむが笑いながら、りまに話しかけると

 

「何あれ、全然ちがう。あんなのギャグじゃない」

 

ワナワナと手をふるわせるりまがそこにいた。

りまの様子に異変を感じたあむが止めようとするが、

 

 

「りま、せーの!」

 

りまのしゅごキャラのクスクスがりまに合図をする。ポンっと音をたて、りまの頬にピエロのようにメイクが浮かびあがる。

 

 

 

--------キャラチェンジ!

 

 

 

「バラバラーンス!!」

 

 

クールな女王さま系美少女の皮が剥がれ、ゆるみにゆるみまくった表情をしたりまがクスクスと共に流行りの一発芸をキメていた。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。