将来の夢はマダオ。 作:ら!
【はじめてのおつかい】のようにてくてく進んでいく。
だーれにもー、なーいしょでー、......
春日の頭にはそんなメロディーが流れている。
「きょうはノートと、部の材料も、ちとそろえねーとな。」
「おぅよ。こちとら糖分足りなくて頭パッカーンなりそうだ。パッカーンて!」
「いや、お前の頭はパッカーンっていうより、くるくるパーじゃねえか?見た目も中身も。」
「ああ?なんだと!?どうせ黒髪ストレートにおれの苦労はわからねぇさ!毎日アイロンでブローしてケープかけまくってもくるくるな天パの苦労はな!おれがモテないのは天パのせいだぁぁぁぁ!!」
銀時を軽くいなそうとしたとき。
『そんなあなたに朗報です!この【すとれーとくりーむ】にかかれば、どんなものでもまっすぐに!
このしつこいくるくるパーにすとれーとくりーむをぬれば......
ほら、あっという間に艶のあるなめらかなスタイルの出来上がりです』
大型テレビで通販が始まった。
「おー!すげーな!買ってくれよ春日ィ」
「ふ!笑止!ぼくがそんなものにつられるか」
『ちょっとお待ちください!これだけじゃぁ、ありません!!【すとれーとぱんち】もついてきます。みてください!このすとれーとぱんちは、天パを馬鹿にする野郎の頭をぱんちパーマにかえることができます!勿論、ご自身にお使いになってもかまいません!
メーカー希望小売価格が13000円のところ、今ならたったの6900円! 限定数は100です!』
「何ィ!おまけだと!?銀時ィ!携帯用意しろおおお!」
「へーい」
『ぜろいちにーぜろー、ぜろぜろの、にーにーにーにー、にーほん髪ふえったー
お電話お待ちしてまーす』
その一連の様子をみていた黒猫がにやりと笑う。
「イクト~、あいつらバカにゃあ」
「何だ?つか、おまえだれ?」
猫耳がはえたしゅごキャラに銀時は気づいた。しっぽで器用にバランスをとっている。
「おれは猫だ。名前はある!にゃー」
「へー、そう、で、そちらさんは?」
もう一人、猫というか猫人間のような影があった。
「おれの持ち主のイクトにゃ。ぷぷ。おまえの頭くるくるパーだにゃー」
ニヤニヤした顔つきで、銀時をみる。
「あぁ!?んだと、猫コラァ!!くるくるパーじゃなくて天パだ、コノヤロー!!」
「......ヨル。それくらいにしておけ。それと、久我春日......だったか?」
春日に近づくイクト。気ままな猫のような雰囲気だ。背は春日より若干高いが、見た目は高校生のようにみえた。
「ん?そうだが。ぼくって有名人なのか?やべ、サイン考えなきゃな......」
だらだらとゆるく話す春日をイクトは見据える。
「おまえがおこちゃまガーディアンにつくのかしらないが、せいぜいイースターには気をつけるんだな。......いくぞ、ヨル。」
ヨルとキャラチェンジしたイクトはそのまま去っていく。......木に登って。
「.........なんだぁ?あいつ」
首をかしげる春日に足音が聞こえる。
「...久我くん!ここにどろぼう猫、いや、だれか来なかった?」
「よぉ辺里。
んや、だれも通ってねぇよ」
「おかしいな、こっちに逃げたと思ったんだけどな」
しれっと流す春日。無表情のため、唯世はそれに気づかない。
「いけない!日奈森さんを置いてきてしまった。またね、久我くん!」
-------------
春日の家には段ボールが届いていた。無断で注文したため、祖父の雷が落ちそうになったが、咄嗟に育毛剤と偽り、ごまかした。
銀時の髪はくるくるパーのままだが、祖父の髪はフサフサのストレートになった。
「......やっぱり、お前のそのねじまがった根性だけはまっすぐになおせねーみてーだな」
鼻で笑った春日に銀時のすとれーとぱんちが繰り出された。