将来の夢はマダオ。   作:ら!

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第三十四話 犬の肉球はこうばしい匂いがする

世間はもう寒空。そろそろ冬服の支度をした方がいいかもしれない。そんなことを考えながら春日は近所の公園に足を運んでいた。おじいちゃんみたく、散歩に出かけていた。別段、いつもとかわりない。

 

 

 

「あるよなー。二期始まったと思ったら急な作画崩壊したり、世界観ぐちゃっと壊したりしてるアニメ。大人の事情だか、なんだかしらねーが、久しぶりだな、コノヤロー」

 

「誰と話してんだ?銀時」

 

 

ふたりでぺちゃくちゃ悪態をつく。

 

ついてるはずだった。

 

「おねぇちゃん、どこぉ~」

 

......目の前にふたつに髪を結んだ女の子があらわれるまでは。

 

 

--------------

 

迷子の迷子のこねこちゃん。あなたのおうちは何処ですか。

 

「あみ、わかんない。」

 

「......だよなー、迷子だもんな。それがわかってんなら迷子になんねーよな」

 

おうちを聞いてもわからない。

 

「お嬢ちゃん名前は?」

 

「...しらない人に名前教えちゃダメって、ママが」

 

「しっかりしてんなオイ」

 

 

名前を聞いてもわからない。

 

「仕方ない、銀時。こういうときは犬のお巡りさんになりきってこの迷子を救うしかあるまい。」

 

キリッとした顔で警官の服に身を包んだ春日がいた。

 

「イヤイヤ、なにいっちゃってんのお前ェェエ!!ドヤァって腹立つ、オイ!......ちょっと待てよ、この展開。やっぱ、お前ヅラじゃねーの!!?」

 

「さぁ、特別にお前の衣装も用意したから着ろ。」

 

春日の手元には警官の衣装があった。

 

「取り調べごっこ?わ~い!あみも!あみも!」

 

「......『あみ』ちゃんだそうだ。」

 

「あ。しゃべちゃった」

 

女の子、あみが口もとに手をあててふさいだ。

 

-------------

 

「はけぇぇーーい!」

 

「......わー、あみちゃんノリノリだなー」

 

普段から目が死んでいると言われる春日だが、今日はいつも以上に目が輝きを失っていた。

 

「銀時、後は任せた」

 

「あっ、逃げんなテメー!......ブフォ!おれの天パが悲鳴を!!」

 

あみが「しゅごいキャラ~」と喜びながら、銀時の後頭部を掴んでいる。

 

「こういうときはカラスやらスズメやら聞きこみが大事なんだ。犬のお巡りさんだってそうしてたし。」

 

「お前、警察をなんだと思ってんのぉぉぉ!」

 

「税金ドロボー」

 

銀時と春日がギャアギャア騒いでいると、一人の少年が近づいた。

 

「迷子かな?君たち」

 

「「ちげぇよっ!」」

 

「おねぇちゃんどこぉ~」

 

困った顔をした少年はあみの手を引く。

 

「髪の長いお兄ちゃん、おねぇちゃんのいるところ知ってるの?」

 

「まあね。心当たりなら。それに君も行くよ、ほら、」

 

春日はしばらく少年を無表情にみていたが、やれやれと言った様子であみの反対の手を握った。

 

 

 

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