捻くれ者と強すぎる艦娘。   作:ラバラペイン

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設定はあまり細かく詰めてません。八幡が艦娘と過ごすとこを書きたいのです。


提督になるまで1

『人生、何が起こるか分からない』

 

 この数年ほどこの言葉を実感した事は無いだろう。いやホントに。

 まずことの発端は3年前、大学受験に落ちた。俺が。由比ヶ浜じゃなく俺が。

 一応点数には自信があったんだが、まぁ俺より優秀だった奴がその年は特別多かったのだろう。しかしすぐにその現実を受け入れられる訳もなく、ふらふらとあてども無く歩き、気がついたら浜辺に居たのを覚えている。

 別に自殺しようとかそういうのでは無く、単純に一人になりたかった。

 夕日の見える浜辺に座り込み、何故か周囲に現れた小さな小人達と戯れながらぼんやりしていたら――

 

 海軍に捕まりました。

 

 いきなり軍服の人間が現れて「君ちょっと良いかな」と言われ海軍基地に連れ込まれた時には正直ちびるかと思ったが、どうやら悪いことをしたから捕まった訳ではなく、俺には特別な才能があるから是非海軍で役立てて欲しいということらしい。

 なんでも浜辺で現れた小人は妖精というらしく、それが見える人間は非常に貴重らしい。受験に落ちた俺が現実逃避で幻視した幻覚じゃなかったのか。

 しかも俺は特別好かれているらしい。人間には好かれないのにね! あれ、前が霞んで見えねえ。

 

 しかし、しかしだ。俺の将来の夢は専業主夫。そうやすやすと不労の夢は捨てられない。

 という訳でそのこと含め色々と脚色付けてダメ人間ぶりをアピールしてみたが、『軍人相手にそんなことを言える胆力が素晴らしい』『出会いならある』『仕事はそんなに難しくない』『衣食住も保証される』などと一向に諦める気配を見せない。というか最後それ帰れないってことじゃねえか。

 

 難色を示す俺に痺れを切らしたのか、なんか偉いっぽい人が持ち出してきたのは一枚の紙。なんでも俺になって欲しい役職である『提督』の最低給与その他が記されているらしい。提督って一定の地位が無きゃなれないんじゃとか思いながら紙を見たのが運のつき。

 気がついたら提督になると約束していた。

 いや、毎月新車が軽く買えるレベルの額を提示されたらねぇ。

 

 まぁ数日後軍学校に入れられ早くも後悔することになった。

 うまい話には裏があるに決まっているのだから。

 

 結論を言おう。それから色々あり3年後である現在、俺は提督をやっている。

 

 太平洋にある絶海の孤島で――金がほとんど役に立たない――

 

 やたら強い艦娘に囲まれ――出会いっていうか多分嫌われてる――

 

 楽な書類仕事をしつつ――書類仕事以外が死ぬほど面倒臭い――

 

 衣食住を保証された生活――だが小町に会えない――

 

 を送っている。

 自分が悪いんだけど、こう言わざるを得ない。

 

 騙された!




曙は出す。他は未定。いや色々考えてるけど、出す順番が未定。

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