紅白の二人は魔法使い   作:ヴァニフィア

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最近他の人の作品ばかり見てたりゲームにハマったりで自分の小説の進みが遅い…失踪はしないので安心はしてほしい…


わからないこと

「朝食も食べやすくていいな…」

「…アミリア、太るよ?」

「頭を使って、適度に運動してれば太らないぞ。」

「…まあ、そりゃそうなのかもしれないんだけどさ…どこに入ってくのその量…」

 

寮周辺の探検らしきものを終えた翌日、アミリアとラウラは早めに食堂で朝食を食べていた。

 

「ところで、こんなに早くここに来る必要あったの?まだ授業始まるまで一時間半はあるけど。」

「昨日少し見て回ってこの学校での移動は大変だってわかったろ?階段だって動いていたりして歩きにくかったし。」

「まあ、余裕は持てるだろうけど…」

「あら、ずいぶん早いわね?」

 

二人が声をした方を向くと昨日汽車で会ったハーマイオニーがいた。

 

「あ、ハーマイオニー。おはよー。」

「そういうハーマイオニーもかなり早いと思うが、何かあるのか?」

「初めて魔法の授業を受けるのが楽しみだったからつい目が覚めちゃったの。アミリアたちは?」

「教室に行くのが時間かかるかもしれないからだって。」

「昨日学校を少し歩いて移動が大変そうだと思ったからな。初回の授業から遅刻というのもいい気分じゃない。まあ、先生もその辺りは考えてるだろうから罰はないと思うがな。」

 

昨日抜け出したことをそのまま話しているのでは、とラウラは少し焦った。

 

(ラウラ、知らなければパーティーの後の寮への移動のことだと思われるから大丈夫だ。)

(あ、そっか。)

 

その様子を察したアミリアがラウラにアイコンタクトと少しの手の動きでそう伝えた。無駄に高度な技術だが、二人が知り合ってから早数年、ほとんどの時間離れることもなく過ごしてきたのもあって、ラウラもそれを読み取ることも使うこともできる。発案者はアミリアだったりする。

 

「まあ、そういう訳だから早めに朝食を食べにきたんだよ。落ち着いて食べたいし。」

「アミリアはたぶんそっちの方がメインなんだろうけどね…信じられる?このトーストで五枚目だよ…?」

「それは…す、すごいわね…?」

「ハーマイオニーもそう思うのか?…ラウラが少食なだけで私は普通だと思っていたのだが…」

 

アミリアは新しいトーストを手に取りながら…

 

「ま、まだ食べるの?」

「ん…そのつもりだったんだが…まあいいか。腹八分目とか言うしな。」

 

食べようと思ったがそろそろハーマイオニーに引かれつつあるのでやめることにした。

 

「八分目ねぇ…どうせ倍は食べれるんだろうけど…とりあえずそろそろ一度部屋に戻ろうかな。教科書取りに行かないと…」

「ああ、ちょっと待ってくれ。ラウラの分も持ってきてる。」

 

アミリアはそう言いながらローブの裏から教科書を出した。

 

「えっと…アミリア、どこに持ってたの?下に置いてたとかじゃないわよね?」

「アミリアのローブの中は異次元空間だから…」

「いや、流石にそんなことはないぞ…ほら、ちゃんとタネも仕掛けもある。」

 

そう言いながらアミリアはローブの裏を見せる。そこにはいくつかのポケットが縫い付けられていた。

 

「ポケットに入れてたの?……あれ?でもローブに何か入ってる感じなかったと思うけど…」

「縫い方を工夫してあるからな。」

「そうなの?…たしかに見たことない縫い方だけれど…」

「アミリアはすごく器用なんだ。縫い物だけじゃなくて、ちょっとした工作とかも得意なんだよ。」

「工作といっても私がやるのは机の修理ぐらいだぞ?」

「いやー…あれは改修の間違いじゃないかな…」

「どちらも似たようなことだろ。…さて、部屋に戻る必要も無いしまっすぐ向かうか。じゃあ、ハーマイオニー、また後でな。」

「ええ、また。」

 

 

いくら移動が大変とは言え学校内、ギリギリに行動したわけでもないのでそこまで時間が厳しくなることもなく、むしろ余りすぎたぐらいだ。暇を持て余しているラウラをよそにアミリアは新聞を読んで暇つぶしをしていた。隣でそんなことをされれば気になるのが当たり前、ラウラはアミリアに面白そうなことがないか尋ねた。

 

「何か面白そうな記事あった?」

「…いや、ないな。いつも通り私たちには関係のないくだらない話ばかりさ。」

「じゃあなんで読んでるの?」

「情報を知るのは大切だぞ。いつ、どんな時にそれが必要になるかわからないからな。野菜やらが値上がりした、とか言うなんのこともないような情報だけでも、読み取れることは少なくない。」

「そういうものなの?」

「そういうものだ。…暇ならパズルでも解くか?父上に頼んで送ってもらっているマグルの新聞に偶然付いていたぞ?」

「…パズル?…ん〜…これは難しそうだしいいや…」

「そうか。じゃあ飴でも舐めるか?」

「…子供扱いしてない?まあ、もらうけどさぁ。」

「ラウラを子供扱いはしているつもりはないさ。ただ飴が余っていただけだ。」

 

そう言いながらアミリアは腕を軽く振って袖から数個の飴玉を出した。

 

「どうせ飴だけじゃなくてチョコやらも入ってるんだろうけどね…」

「チョコはそう簡単にはやらないぞ。いいか、私はチョコが大好きなんだ。」

「いや、そんな改めて言われなくても知ってるけどね…」

 

そんな雑談をしているうちに時間は経って、少しずつ生徒が教室に入ってくる。まだそこまでグループはできていないようだが、時々仲が良さそうに話をしている生徒もいる。アミリアとラウラのようにもともと知り合いだったか、趣味か何かが合ったのだろう。そして授業を待つのも、楽しみで眠れなかったのか、少しうとうとしている人もいれば、緊張しているような面持ちで教科書を眺める人など様々だ。そして席が三分の二ほど埋まったぐらいで始業時間となり、とても背の低い先生が教室に入ってきた。

 

「あれ?ちゃんと席埋まってないね?」

「ギリギリに朝食を食べた生徒だろうな。こういうのはおかしいかもしれないが、ホグワーツは素直じゃないというのは昨日でわかっただろう?」

「…まあ、初見じゃ通れそうにないようなところもあるしね…学校としてどうなのって感じではあるけど…」

「…まあ、珍しくていいんじゃないか?うん。」

 

教師のフリットウィックも初回授業には遅刻者が出やすいのは分かっているので、これからどのような魔法を勉強していくのか、などのガイダンスから話していく。その話が始まって10分ほど経った頃に、最後にハリーとロンが息を切らせながら入ってきた。

 

「すいません、その、僕たち…」

「大丈夫です、そっちに空いてる席があるから座りなさい。」

 

先生が指差した先はアミリアとラウラの隣だった。

 

「おはよう、二人とも災難だったな。」

「わかるのかい?」

「階段とか扉とかに引っかかってたんでしょ?予想つくよ。」

「うん…間に合うと思ったんだけど、階段が言うこと聞いてくれなくて。」

「もし遅れたとしても急いでても焦らないようにした方がいい。長いホグワーツの歴史の中には、階段から落ちて大怪我をした人もいるらしいからな。」

「…わかった、気をつけるよ。」

「あれ?その話って…」

「うん?どうしたラウラ?」

「………ううん、なんでもない…あ、でも最近は落ちてもちゃんと魔法で浮くんだって。私のお父さんが言ってたよ。」

 

ラウラが何かを言いそうになるが、アミリアが先にそれを制した。事実はさらにショッキングな事件だったのだが、それをわざわざ詳しく知らない二人に言う必要はないという判断によるものだ。そのあたりで先生が改めて話を始めたので、四人は前を向いた。

 

……………

 

(アミリア、ちゃんと授業聞きなよ…!)

(退屈なんだ。わかってることだし別にいいだろう?それにちゃんと聞いている。)

(目線は前向いてるけどずっと手元で編み物してるよね⁉︎)

 

1回目の妖精の魔法の授業はほとんど先生の魔法の実演だったので、アミリアは暇になってしまい、ローブに新しいポケットをつけようとしていた。

 

 

妖精の魔法のフリットウィックとは打って変わり、その次の変身学の先生、マクゴナガルはかなり厳しい。真面目に授業を受けない者は二度と教室に入れないと言うまでの徹底ぶりだ。自身が受け持つグリフィンドール寮生であってもそれは変わりはないようだ。マグゴナガルらしばらく難しそうな理論を黒板に書いた後、チョークを置く。

 

「では、実習の時間にします。全員マッチ棒は手元に行きましたね?それを針に変えてください。時間は授業の終わりまでです。相談はしても構いませんが、関係のない話はしないように。」

 

「んー…ふぅ、疲れた…変身学って難しいんだね…ノートもたくさん書くし…」

「まあ、仕方ないな。変身学は危険なものだ。付け焼き刃では酷い目にあう。」

「そうなの?」

「あまり事例はないが…酷いのだと個人で動物もどきの練習をして完全には戻れなくなった人がいたとかなんとか…少しの間保健所で過ごす羽目になったらしいぞ。」

「…ちゃんと頑張ろう…」

「ああ、それがいい。…それで、できそうか?」

「…どうだろ…正直、理論的なことはさっぱりなんだよね。やってみたら意外となんとかなるかも…?」

「それならやってみればいいじゃないか。そんなことを考えるなんてあまりラウラらしくないぞ。」

「それって私は普段何も考えてないって言いたいの?」

「違うのか?」

「そんなことないよ⁉︎」

「冗談だよ。そんなに怒るな。ほら、とりあえず魔法をかけてみるといい。」

「むー…」

 

いたずらっぽく笑うアミリアにラウラは少し不機嫌になるが、関係のない話になってきているのでひとまず先生からも言われた通りマッチ棒を針に変えようと魔法をかけた。

 

「…うーん?できた…かな?」

「これはまた…微妙な…見た目は完璧だが、材質がそのままだな。」

「…どこがどう悪かったのかわからないや。」

「そうだな…さっき黒板に書いてたことから考えると教科書で言うこの辺りが間違っているんだろうが…わからないと言ってたよな?」

「う…うん…」

「なら…そうだな…感覚的に言うならもう少しこう…力を入れる?感じか?」

「う、うーん…?ややこしいなぁ…」

「なら、なんとなくでもわかるかもしれないし私のを見るか?」

「アミリアがやってみるの?じゃあ、はい。」

「いや、それを渡されなくてもちゃんと私にもマッチは配られてるからな?」

 

アミリアは手渡されたラウラの針のようなマッチをさりげなく元に戻しつつ、自分のマッチに魔法をかけた。ラウラと同じく、まず見た目は針そのものだ。そしてその材質も硬い、金属に変化していた。

 

「…ふむ…こんなものか。」

「おー…」

「まあ、父上の杖を借りて何度かやったことはあるからな。」

「借りて…?」

「後で返したからな。」

「無断だからなぁ…あれは借りたって言えるのかな…」

「書類仕事をしていて使ってない時だから問題ない。それで、なんとなくでも感覚は掴めそうか?」

「いや、全然。自分でやったわけじゃないから杖の動きぐらいしか…」

「それもそうか。まあ、そこまで深く悩むこともないだろう。ラウラなら感覚を掴めばできるようになる。」

「そうかな。」

「まあそれまでは練習あるのみだな。もしよろしければ夜にでも教えて差し上げますわよってな。」

「あ、なんかアミリアの似非お嬢様口調久しぶりに聞いた気がする。」

「まあ、気取ってるようであまり好きじゃないし、今のところ、これが必要になることなんてなかったからな。あと似非とか言わないでくれ。」

「いやー、だって私からすれば違和感すごいし、いつだったかに気まぐれでアミリアがそれの練習してる時なんて笑いそうで大変だったんだから。というかなんでいきなりそれで言ったの?」

「なんとなくだ。さて、とりあえずラウラ、成功するまでやってみたらいいと思うぞ。案ずるより産むが易し、というやつだ。実際一度できれば後は簡単だから悩むだけ無駄だ。理論が理解できないのなら練習で補うんだ。」

「まあ、それしかないかぁ。」

 

その後、ラウラは何回か試してみたが、色がそのままだったりで上手く針に変えられなかった。とはいえ、上手くできたのはアミリアとハーマイオニーぐらいだったので仕方がないかなと思った。

 

 

そんな日常を過ごす二人だが、ラウラにはどうしても受けたくない授業があった。その授業がある日の朝、珍しくラウラはベッドからなかなか出てこなかった。

 

「ラウラ、遅刻するぞ。」

「うー…防衛術は嫌なんだよね…」

「別に習うこと自体は嫌ではないんだろう?教室の臭いがきついのか?」

 

闇の魔術に対する防衛術の教室は吸血鬼に襲われた過去がある教師のクィレルによってニンニクの臭いが充満している。しかしそこではないようでラウラはかけ布団から頭だけ出して首を横に振った。

 

「なら何故だ?」

「分かんない…ただ、先生が…苦手とも違うんだけど…」

「クィレル先生か?」

「うん…なんだか…特別逆らっちゃいけないって言うか…怖いって言うか…」

「怖い?…先生としてなら、マグゴナガル先生やスネイプ先生の方がよっぽど怖いと思うが…」

「ホントによくわからないんだよ……まあ、言っても仕方ないからそろそろ準備するよ…」

「ん、その方がいいだろう。…よっと…ほらラウラ、服を着て顔を洗ってこい。」

「あ、うん…いや、私はいいんだけど人のトランク勝手に開けるのは良くないよ?」

「今更だろう?ラウラがどんな服を持ってるのかとか全部知ってるし、なんなら、風呂にも一緒に入ったりするから下着とかもな。」

「…アミリア、デリカシーないとか言われないようにした方がいいと思うよ…」

「こんなことを言うのはラウラの前だけだから問題ない。」

 

私が気になるんだけど、とラウラは言いたくなったが、基本的にアミリアは自分が問題ないと思っていることは変えたりしない傾向があるため説得するのも無駄か、と諦めて渡された服を着て授業の用意をした。

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