紅白の二人は魔法使い   作:ヴァニフィア

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いやー…前回から2ヶ月…これは怠慢なのでは…今回のように遅れることはあってもエタらないので気長にお待ち下さい…


飛行訓練

「…ねぇねぇアミリア…ホントにこの箒使うの?家にある私たちのやつを使うんじゃダメ?」

「規則だから流れ星で我慢するしかないだろう?そもそも家から送ってもらうのも間に合いはしないし。まあ心配するな、よっぽどなことがない限りは一応は飛ぶはずだ。…酷いのを掴んでいた場合は…いや、なんでもない。」

「それ落ちるよね?だってさ、流れ星なんだよ?」

「その時はなんとかして助けてやるから安心しろ。」

「安心…できるかなぁ…普段ならともかくアミリアの箒も流れ星だしなぁ…」

 

アミリアとラウラはそんなことを話しながら学校の中庭に立っていた。なんの話をしているかと言えばこれから始まる飛行訓練のことだ。箒で空を飛ぶのを学ぶ授業なのだが、この授業で使われる箒は俗に流れ星シューティングスターというオンボロ箒で、それにラウラは若干難色を示しているのだ。この箒は一昔前に量産された箒で、言ってはなんだが粗製乱造品とでもいうべき代物だ。まっすぐ飛ぶかすら箒次第である。そういうわけで、箒を個人で持っているラウラは少し文句を言っているのだった。

 

「アミリアは嫌じゃないの?」

「まあ、自由に飛べないのは残念だが、問題はないだろう。飛行訓練は少し浮かぶぐらいだと父上と母上が言っていたしな。」

「そう?うーん、そっかぁ…」

「皆さんおはようございます!」

 

ここで、飛行訓練の授業を担当するフーチ先生がこの場にいるグリフィンドール、スリザリンの両生徒たちの私語を遮り、授業の説明を始める。…と思ったらいきなり箒の横に立つように言われた。紹介自体は前にされているのですぐに授業に入るようだ。

 

「右手を箒の上に突き出して、上がれ!」

 

その声に生徒たちは一斉に上がれ、と箒に声をかけた。魔法使いは地面の箒はこうして浮かせてとる。

 

「上がれ。」

「上がって!」

 

アミリアは命令するように、ラウラは願うように足元の箒に声をかけると、それぞれパッと箒が浮き上がって手に収まった。二人は自分の箒を持っていることもありすんなりできたが、周りを見るとそれはごく一部で、他の授業で優秀な成績のハーマイオニーも苦戦していた。しばらくして全員が箒を手に持つと、先生がひとまず少し浮かんですぐ降りて来るように指示を出した。

 

「笛がなったらですよ!では、1、2の…」

 

そしてカウントを始め、もうそろそろかというところで一人、ふわりと浮かびそのまま空に浮かんで行ってしまう。

 

「ロングボトム!戻って来なさい!」

 

どんどん高度が高くなり、それとともにネビルの顔も青くなっていく。それを見てアミリアとラウラはその状況をすぐに把握する。

 

「アミリア、あれまずいよ…!箒が言うこと聞いてない!あれじゃ!」

「ああ、助けるぞ!」

 

2人ともがすぐに地面から足を離して空に浮かんでネビルの方に向かおうとする。下から先生が戻るように言うが、そんなことは知らないとばかりにスピードを上げた。

 

「ラウラ!昨日教えた魔法をネビルに!」

「どれ⁉︎あれ⁉︎」

「ビューン、ヒョイだ!」

「わかった!」

 

今なお暴れているネビルの箒にもう少しといったところでラウラは杖を取り出した。

 

ウィンガーディアム・レヴィオーサ(浮遊せよ)!」

 

その魔法によって、ネビルが箒から浮き上がり、箒は明後日の方向に飛んでいった。だが、浮遊呪文は元々そこまで強い効果があるものではないので少しずつネビルの高度が落ちて行く。

 

「よし…!なんとか間に合ったか…」

 

そこにアミリアが飛んできてネビルの手を掴んだ。ラウラの魔法の効果が切れた時、腕にかかる負担に一瞬顔を歪めたが、厄介なことになりたくないのですぐに元の表情に戻した。

 

「あまり下は見ない方がいい。まだかなりの高さがあるぞ。」

「う、うん…ありがとう、アミリア…」

 

それから少しずつ地上に降り、ネビルとアミリアの足が地面についた。そこに、かなり怒り気味のフーチ先生がやってきた。

 

「フラム、ブライトフォード、勝手に箒を飛ばしてはいけません!今回は皆さん無事だったから良かったですが、怪我でもしていたらどうするのですか!」

「しかし、先生。あのままだとネビルが…」

「それは分かっています。たしかにあなた方のおかげでロングボトムは助かりました。しかし、ミイラ取りがミイラになるかもしれないということも考えなさい。今回は厳重注意で留めておきますが、本来なら寮の減点もするところです。わかりましたね。」

「はい…」

 

そこで話は終わり、フーチ先生が生徒たちの方に向こうとしたところでラウラが声をかけた。

 

「あの、先生!」

「どうしましたか?」

「えっと…多分アミリア怪我してます。医務室に連れて行ってもいいですか?」

「怪我ですか?」

「ラウラ、何を…」

「腕痛いでしょ、アミリア。」

「いや、別にそんなことはなっあぁぁ⁉︎」

 

観念しないアミリアの腕の一部分をラウラが軽く抑えると、アミリアは変な悲鳴をあげた。

 

「…わかりました。医務室には私が連れて行きましょう。皆さんは地面に足をつけて待っていてください。少しでも浮かんだら、クィディッチのクを言う前に学校から出て行ってもらいますからね!」

 

こうなるのが嫌だったんだと、若干恨みがましい目でラウラを見つめるアミリアを連れて、フーチ先生は城の中へと入って行った。その後、ネビルにラウラは礼を言われたり、箒に乗れることについて少し聞かれたが、その話は手にネビルの思い出し玉を持ったドラコによって途切れた。

 

「やあロングボトム。君が思い出し玉で箒の乗り方を忘れてるのを思い出していればあいつも怪我しなかっただろうに。返して欲しいかい?」

「ぅ…」

「…ネビルに返すんだ、マルフォイ。」

 

答えあぐねるネビルの横からハリーが口を出した。

 

「お前には聞いてないだろう、ポッター?…まあいい。これは適当に取れるところにでも置いておくよ。」

 

ドラコは箒にまたがって浮かび始めた。

 

「屋根なんてどうだい?」

 

そう言って少しずつ離れていく。それを見てハリーも箒に乗ろうとするが、ハーマイオニーに一度止められる。

 

「行っちゃダメ!先生の話を聞いてなかったの?」

 

しかしそんな言葉は振り切ってハリーは空に浮かぶ。当然ハーマイオニーの機嫌は悪くなる。

 

「ま、まあまあハーマイオニー、落ち着いて…ちょ、私まで睨まないで!確かに最初に飛んだのはアミリアと私だけどネビルが大変なことになりそうだったし仕方ないよ!…ないよね?」

「それでもよ…助けるのは必要だったと思うけど、あまり先生の言うことを無視するのは良くないわ…」

「それはそうだけど…って、ハリーは…」

 

ラウラが空を見ると、ハリーがドラコの前までたどり着いていた。そして、少し2人が話すとドラコが思い出し玉を投げた。それをハリーがまっすぐ追いかけ、校舎の壁ギリギリでキャッチした。

 

「えぇ…ハリーって箒触るの初めてなんじゃなかったっけ?なんであんなに飛べてるの?」

「そんなにすごいこと?2人も飛んでたけど…」

「私とアミリアが飛べるのは家で乗ったことが何度もあるからで、初めてであんなに飛べるなんてすごいことなんだよ!」

 

ハリーは思い出し玉を手に、少しずつ生徒たちがいるところまで降りて来た。歓声に迎えられてしばらくはグリフィンドール生は騒いでいたが、そこにマクゴナガル先生が現れてハリーを呼んで連れて行った。

 

「だから空を飛んじゃいけないって…ハリー、大丈夫かしら?」

「どうだろ…注意されるならむこうにいるスリザリンの人もだけど。思い出し玉を投げた後すぐ降りて来てたから見つからなかったのかな…?…さすがにそのまま退学とかないよね?」

「大丈夫だとは思うけど…」

 

軽く顔を合わせた程度の関係ではあるが、同じ寮生としてハーマイオニーも心配なようだ。

 

 

「それで、ハリーが連れていかれたのか?」

「うん。マグゴナガル先生がだけど。」

 

授業が少し早めに終わった後、ラウラは保健室ですっかり怪我が治ったアミリアと合流して寮に帰る途中にさっきまでの話をしていた。

 

「まあ…よっぽどなことがなければ退学なんてならないはずだ。そうでなければ、母上は何度退学になってたか…」

「ああ…そういえば。」

 

今ではお淑やか風だが、母のアリシアは昔は暴れまわっていたとか何とか、父のダールトが言っていたのを二人は思い出した。

 

「あのダールトさんが震えてたもんね…話が出た瞬間横にいたお父さんは水を吹き出してたし。」

「一体何をしたらああなるのだろうな?まあ、そういうことだから…」

「ミス・フラム、ミス・ブライトフォード。ここにいましたか。」

 

寮へ帰るために階段を上がろうとしたところで後ろからマグゴナガル先生が二人に声をかけて来た。

 

「…アミリア、私たち何かしたっけ?」

「…いや…飛んでしまったがあれは先生がいたしもう話は終わった。あと考えられるのは…」

「いえ、注意のために声をかけたわけではありません。会わせたい人がいるのです。付いて来なさい。」

 

断るわけにもいかないので二人はついていく。たどり着いたのは闇の魔術に対する防衛術の教室前。中からのニンニクの臭いにラウラは少し顔を歪めた。授業がちょうど終わったところなので、生徒が少しずつ出てくる。少しして一人の生徒を見つけると、マグゴナガル先生が声をかけた。

 

「ウッド、ポッターが言っていた二人です。」

「彼女たちが?話が確かなら是非ともチームに欲しいですけど…」

「先生、結局私たちはなぜ呼ばれたのですか?ウッドさんが言うチームというのは…?」

 

隣でラウラもそれに同意して頷く。

 

「それについてはウッドが説明します。よろしいですね?」

「はい先生。」

 

この後用事があるのか、マグゴナガル先生はそれでその場から離れて行った。

 

「グリフィンドールのクィディッチチームのキャプテンのオリバー・ウッドだ。ハリーから君達が箒に乗るのが上手いって聞いてね。チームに入って欲しくて呼んだんだ。」

「私たちが?」

「上級生の人たちはチームにいないの?」

「ああ、去年でシーカーとチェイサーが3人ともまとめて卒業したんだ。今のチームには俺とウィーズリー兄弟しかいない。このままじゃ試合もできないところで困っているんだ。君たちが入ってくれてもまだ人数は足りないけど、試合はできるから…」

 

本当に残念でならないようで、悔しそうにそう説明する。それを聞いて、アミリアは一旦ラウラの方を向く。

 

「…ラウラ、どうしたい?」

「え?うーん…私にできるなら助けたいとは思うけど…アミリア、一緒にやってくれる?」

「ああ、もちろんだ。」

「ありがとう、二人とも…!じゃあ、次の休みの日の10時ごろに中庭に来てくれ。ハリーと一緒に色々と説明するよ。」

「わかりました、ウッドさん。」




チェイサーの3人のファンの方には残念かもしれませんが、せっかくならクィディッチにも参加させてみたいんです。
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