兵士達は今日も生きたい   作:よむなのだ

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7話

ラン・ケイの弟子になってから一週間が経った。

 

 

次々と向かってくる木刀を受け、躱し、隙をみてこちらから打ち込む

「おっとっと」

師匠は危なげなくそれを避ける

再び師匠の攻めが始まる

 

その攻防が10分程続いた

 

「ふむふむ。ネモ君は覚えがはやいねぇ。

もうついてこれるようになっちゃった。」

 

手を止めることなく話し掛けられる

 

「もう!このぐらいは!余裕です!」

 

体力がきれてきた。それでも男の意地というものがある。

 

「そうかそうか!よし!それじゃあ速さを一段階上げてみようか!」

 

「…………え?」

 

「ファイト♪」

 

ファイト♪じゃないです。かわいいです。

 

数秒後の自分に黙祷。

 

…残念ながらいつも通りの結果となった。

 

 

 

 

 

 

 

「ほーうそれでお師匠さんは今遠征中と」

 

「そ、自主練がんばってねーという言葉と死刑宣告していっちゃった。」

 

空いた時間に孤児院へ向かった俺は院長と話していた。

 

「おいおい。なんだ死刑宣告って」

 

「私が帰ってくるまで全力で走ってて。だとさ。」

 

師匠、俺、死んじゃう。

 

「……いやいや遠征って2週間は帰ってこねぇぜ?そんなの無理無「ぶっ倒れたら最高の医者、ラルフ・クレオスさんに一瞬で治される。俺、復活。走る。」

 

今だけ自由な時間をもらえたので孤児院に来ている。遺言、残しとかないとね。

帰ればラルフさんがつきっきりだそうで。サボらないかしっかり監視されるみたいです。徹底してるぅー

 

…なんつーか、うん。ファイト!」

 

本気で同情する声音で応援された。院長に罪はないがなんか腹立つ。

我、反抗期なり。

 

「あれ?飯とかはどーすんだそれ?」

 

「ラルフさんと同伴だとさ。風呂と睡眠は別みたいだけど。」

 

「…徹底してるぅー」

 

なんだかんだ話していたら30分程経っていた

 

「ありゃ、結構時間経っちまったな。そろそろいかねぇと。」

 

「?どこにいくんだ?」

 

「今週の配給だよ配給。これからいくって時にネモがきたからな。つい話し込んじまった。丁度いい、1人で運ぶのは大変なんだ手伝ってくれ。」

 

そうだったのか。50人分だからなそりゃ大変だわ………え?2人でも足りなくね?1週間分の芋が待ってるんだぜ?50人分の。

 

「手伝うのはいいけど2人じゃ足りなくない?」

 

「往復すりゃいいだけさ。なに今日は2人なんだ。陽が落ちる前には終わるよ。」

 

……嫌な予感がびんびんしてるぜ!

 

 

 

 

 

それは的中した。

 

 

ぜえ、ぜえ、はあ、はあ

 

「50、人の、1週間分の、芋、なめてた…」

 

俺、癒しを求めて孤児院にきたんだよな?あの元気すぎる子供達と遊んでやる!と意気込んできたんだよな?

なのに…あれれ、あれれー

 

「おいおい、もうばててんのか?まだ3周目だぜ?走れって言われてるのも納得だな。」

 

「いやこれはあんたがおかしい。

なんでさ。なんでこの量の芋持ちながら走れるのさ。なんで息切れ一つしてないのさ。」

 

配給を受け取る場所から孤児院まで大体8キロメートル以上はある。それを往復。

師匠に似た理不尽を感じる。

 

「元兵士だからな。兵士だったら普通だよ普通」

 

「普通ってなんだろう。」

 

院長は20年前までは兵士だったらしい。なにか理由があって引退したらしいが詳しくはわからない。

それが普通なら人類はここまで追い詰められることはなかったんじゃなかろうか。

それにしても……

院長に目を向ける

 

院長は片手で芋の入った箱を抱えている

両手に。

勿論自分は箱1つを両手で。

これ、1箱60キロあるんだぜ?

おかしくない?両手だぜ?両手にもってんだよあやつ。なんで院長なんかやってんのこの人。今年で60歳になるらしいがそれを一切感じさせない軽やかな足取りである。

自分はヘトヘトの足ガクブル。

 

 

 

……なんかに躓いて派手に転ばねえかな院長。(反抗期)

 

 

ゴゥン

 

下種いことを考えていたら唐突に遠くからなにかにぶつかるような音が聞こえた。

 

「はぁ、またやってんのか。次はどこの畑かね?」

 

院長はこの音の正体に当たりをつけていた

 

「あぁやっぱりあいつなんだ。」

 

師匠、あなた方の目的、ここにいますよー

 

 

 

半年前から昼夜問わず、どこかから響いていた謎の音。その正体が2ヶ月前に判明した。結界に向かって2足歩行のlv1と思われる魔物が体当たりをしているところを、第7結界の畑を担当していた兵士によって目撃された。その魔物は目撃した兵士を見た途端に消えたらしい。まるで最初からいなかったかのように。慌てて兵士はその魔物が体当たりをしていた所に駆けた。するとそこには、

ほんの少し、ほんの少しではあるが

罅が、入っていた。

lv1の魔物の体当たりによって

無敵と思われた結界に。

 

魔物は進化する。

もしそいつが進化したら?

この事態を重く見た軍は全ての結界に序列上位の兵士を監視につけ、見つけ次第即座に殺せ。と命令を下した。

……1度だけ序列1位のアシャタに監視をさせたくらいだ。

今尚その監視は交代で行われている。

更には遠征も行い、探している。

それでも殺すことができないでいる。

もし、このまま件の魔物が討伐することができなかったら?

 

…考えるだけで恐ろしい。

 

ちなみにこの話は軍によって情報の規制がされている。知らされているのは兵士のみだ。

そのはずなのだがなぜか院長は当たり前の様に知っていた。ほんとになぜだ。

 

6回ほど続いていた音が止む。

どうやら終わったらしい。

死んだか、消えたか。

前者であることを願う。

 

「…あの魔物が死んだことを祈ろう。さぁ充分休憩したろ?いくぞ。陽が暮れちまう」

 

「もうちょい休ませてお願い!」

 

 

 

 

「なぁなぁあそぼーぜーねーーもーー!」

 

「「「「あそぼーーーーー!!!」」」」

 

「ごめん無理。そのつもりだったけど無理。もう無理動けないしんじゃう。だから髪引っ張んないで。ほぉひっはんないへ。みひひっばんはいで。みみもほでさけばないへ。

ちょ誰だ!ズボン下ろしてるやつ!!」

 

どさくさに紛れて俺の尻を揉んだ奴もいなかったか!?

 

「きゃーーー!ねもがおこったあーー!」

 

「「「きゃーーー!にげろおおーー!」」」

 

キャハハハと楽しそうに子供達は逃げていった。

 

追いかけようとはした。だが

 

うわーこれ本格的な奴だ。一切動けん。

下ろされたズボン上げるくらいしかできん。

 

「クッハッハッハッハ!相変わらず子供に人気だなネモは。あいつら相当はしゃいでるぞ?」

 

「え?なついてるのこれ?ってくらいボロボロにされたんだけど?」

 

「ハッハッハッ」

 

笑って誤魔化すな

俺知ってるからな

あの惨状をみながらニヤニヤしてたの。

見てたからな!

 

「まぁなんだ。とりあえずおつかれさん。

ありがとうよ。本当に助かった。」

 

「…どういたしまして。」

 

…感謝してるのは俺の方なのに。

まだ全然返せてない。

 

だが、院長に感謝されると。

うん。悪い気分ではないな。

 

さて

 

「院長」

 

「ん?どうした?」

 

「俺を寝室まで運んで」

 

いっぼもうごげまぜん

 

院長は苦笑しながら自分を脇に抱えた

 

 

 

…俺、芋と扱い一緒なんすね。




今回ちょっと、というか大分ある説明不足なとこを話したいと思います。長いです。(結界について以外)そんなに物語に関係ないので読み飛ばしても大丈夫です。
この世界の生き物は大抵強靭です。芋は水を与えなくても耕した畑に種芋を植えれば勝手に成長します。水(ギフトを使って)を与えればさらに成長します。水を与えず成長したものが、じゃがいもみたいな芋(300g)
水を与えたものが、さつまいもみたいな芋(600g)
これを1個ずつ朝昼晩と大人子供関係なく食べます。
兵士はこれにパンがつきます。これだけ食べても太りません。そんなの絶対おかしいと思うの。
そして馬もおり、時速90kmで走れます。しかもぶっ続けで10時間は走れます。化け物ですね。それを魔物は瞬殺できちゃいます。化け物ですね。貴重なので壁の中でしか乗れませんが、馬専用の道がつくられています。
そして、その街を囲っている壁ですが、半径1000kmあります。日本囲えますね。高さは100mほど。街もですがどうやって作ったんだよ!って感じですね。それは後々でてくるキャラのおじいさんが頑張りました。1人で。
中はどんな構造かというとど真ん中に城があり、その下に街が広がっていて人々が暮らしています。ほとんどの男が暮らしている兵舎は壁際にあります。兵士達の生活についてですが、昔は強い魔物が溢れておりそいつらを倒そうと奮起し戦い死んで死んで死にまくってたわけですが今現在は落ち着いており、主な仕事は外の結界内の畑の管理になってます。平和って素晴らしい。土地確保についてはもう充分に土地があるため新兵を魔物と対面させることが主な目的になりました。現在の結界の数は大小合わせて80程あります。結界についてですが、結界は重ねて配置してしまうと壊れてしまいます。両方とも。そして結界は使用者が死ぬと消えます。なので次の世代が引き継いで結界を展開し直す必要があります。
続いてカラン族について。結界というギフトは完全にカラン族のみにしか使うことができません。
ギフトはほとんどの場合自分の子にも引き継がれますが、カラン族が、カラン族以外と子を成した場合、一切引き継がれることはありません。何度も試したようですが、結果は変わりませんでした。ですがカラン族は短命です。
早く子供をつくらねばなりません。
でないと人類があぶない。
つまり、


近親相姦ばっちこいな、すごい、すごーい一族です。

結界を展開する速度ですが、通常、半径2kmの結界を完成させるのに1時間かかります。
それをレイは5分で終わらせます。幼女すごい。
ちなみに一番最初に半径1000kmもの都市を結界で囲った人は1週間で完成させました。規格外。
あと壁の外の村についてですがそこは壁の中で罪を犯した者が暮らすことになります。毎日殺意増し増しな魔物さんに見られながら寝て起きて仕事します。血走りまくった目で見られながら。
以上です。長々と失礼しました。
いつ本題に入れるんですかねこの作品は。
いつ面白くなるんですかねこの作品は。
………頑張ります。
こんな作品を見て下さって本当にありがとうございます。お気に入り、すごく嬉しいです。
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