(・ワ・)おぼえていてくれるにんげんさんがいるとたすかるです
京都の一角に巨大な鳥居を讃える神社『
石段を少し行くと赤い鳥居の列が参列者を出迎えてくれる
しかし今日はその鳥居には『立入禁止』の看板が置かれていた
「あれー立ち入り禁止…他を探さないと…」
そんな場所に埼玉麻帆良学園から修学旅行で来ていた少女――宮崎のどかがいた
修学旅行3日目の自由行動、彼女は嵐山・嵯峨野まで自身の班と担任『ネギ・スプリングフィールド』と行動していた
その途中ネギと神楽坂明日菜の2人がどこかへ向かうのを見て、そのあとをついてきたのだ
そして今立ち入り禁止の看板を見て別の場所に向かおうとしていた
(助けてーっ)
「…?ネギ先生…?」
かすかに担任の声が聞こえた気がして辺りを見渡すがどこにもいない
すると手に持っていた本が仄かに光る
その本を開くと――
(また…これって…ネギ先生の今の気持ちー…?た…た、大変っ…)
ネギと明日菜の2人が助けを求めている絵と文字が現れていた
それを見たのどかは大急ぎで鳥居をくぐり、ネギと明日菜の下へと向かった
――――――――――――――――――――
しばらく走り続けるが行けども行けどもネギたちに追いつかないのどか
(どうしよう、どうしよう…ネギ先生(とアスナさん)が困って助けを求めています)
明日菜をついでみたいに扱いながら道を急ぐ
「でもあの二人はどこに…そ、そうだまたこの本で」
抱えていた本を再び使う
「名前を呼べば今のネギ先生の気持ちが…ネ、ネギ先生…」
すると本は新しい絵と文字を浮かび上がらせ――
(あああ!?何だかスゴイのが出てきてさらに大変なコトに――!?)
巨大なクモを操る少年に襲われている場面だった
のどかはさらに本を読み進めていく
ネギは少年を、明日菜は巨大グモを相手取り戦い始める
明日菜はクモをワンパンで行動不能にしハリセン(のような何か)でクモを斬りつける
するとクモは煙のように消えてしまう
2対1、状況は有利になったかと思われたが――
「ああっ、ネ…ネギ先生が――っ」
なんと少年の攻撃でピンチに追い込まれてしまう、読み進めているのどかも涙目になる
――問題があるとすれば、肝心のネギたちがすぐ後ろで戦っているのに気が付かず読書に耽っているところだろうか
『いやいくら何でも音とかで気が付くだろ普通by千雨』
そう思っているかは定かではないが彼女の言葉が届くはずもなくのどかは本の内容に没頭している
「そこっ!あっ惜しい、止められちゃった…ネギ先生後ろっ後ろです――っ…え?」
ようやく気が付くが肝心のネギたちは劣勢を悟り、直後どこかへ逃げてしまった
「ああよかった…逃げれたみたい…」
本を開きながらのどかもネギたちを探す
するとネギの考えていることが浮かんでくる、どうやらあの少年に勝つ算段が付いたようだ
「ええっ…!あの強い男の子に勝つ勝算が…!?スゴイ…ああ続きが気になります――」
何の目的でここまで来たのか忘れていろうなのどかの背後で物音がする
のどかは慌てて本を仕舞う、その直後――
「見っけたで――っ…ってあら――??」
――犬のような耳の生えた少年がのどか目掛けて突っ込んできた
なぜかスカートの中に――
すったもんだしたが少年はのどかとこの直前にゲームセンターで出会ったことを覚えていた
素直に謝る少年に若干困惑したのどかだが、少年の「今この辺でケンカ中やねん」「あとでワナ解いてこっそりお姉ちゃんだけ出したるわ」というセリフからこの少年がネギと戦っていた相手だということに気が付く
千載一遇のチャンス、のどかはカードから出てきた本の力を使うためにある策を思いつく
「あのっ…私…私…宮崎のどかです。あなたのお名前は…?」
「小太郎や、犬上小太郎!」
少年は笑顔でそう答えた
――――――――――――――――――――
「や、やったーネギ!」
それは一瞬の事だった
少年――犬上小太郎の攻撃に為すすべもなくボロボロになっていたネギはカウンターとして
のどかの見た勝機とはこのことだったのだ
あとはここから脱出するだけ――そのはずだった
「――だが…まだや、まだ終わらへんで!!」
小太郎の体が突如獣のように毛で覆われ始め、手足も犬のそれへと変化する
獣化――それが小太郎の切り札だった
ネギは再び小太郎を迎え撃とうとするがその直後小太郎の姿が消える
あまりの高速移動に目で追えなくなってしまったネギ、直感で右からくると思ったその時――
「左です先生――!!」
咄嗟にその声――追い付いたのどかの声に合わせて左からくる小太郎の迎撃に成功する
その後ものどかのアーティファクトのおかげで攻撃をかわしていくネギ、しかし――
「やべぇ、兄貴のダメージが大きすぎる!このまま張り合うのは危険だぜ!」
先の戦いで重症を負っていたネギにこれ以上の戦いは無理だった
「あのっ…カカカモさん、私大体何が起きているか理解してます――とにかくここから出れればいいんですよね?」
涙目になりながらのどかはカモに話しかける
そして小太郎に向けて声を掛けようとして――
「――時間切れだぞネギ・スプリングフィールド」
――氷結の暴力が結界を揺らした
一体何が――今までのものとは比べ物にならない衝撃を浴びながら小太郎がそう思った
いくつもの氷の柱が降り注ぎあたり一面を凍らせていく
すぐに理解した、これは西洋魔法だと
だが一体誰が?これほど大規模な魔法を展開できる魔法使いなんて――
「躾のなっていない犬相手にいつまで手間取っている?この私を待たせるとはいい度胸だな?」
倒れ伏しながらも降りかかってくる氷と同じくらい冷たい声を聴く
「そんな…嘘やろ…!」
長い金髪をたなびかせながら見下すような笑みを浮かべる少女のような存在
「まぁいい、それだけボロボロになりながら諦めなかった気概だけは認めてやろう――
「え、エヴァンジェリンさん…」
「マ、マクダウェルさん~!?」
「エヴァちゃん?!なんでここに?!」
「……今度その名で呼んだら氷漬けにしてやるからな神楽坂明日菜」
「親愛を感じる良き呼び名だと思いますマスター」
「何が親愛だ!!仲良しごっこをやりに来たわけじゃないんだぞ!!」
「15年間マトモナ友達イナカッタ御主人ニ、ソレハイキナリ難易度高イゼ妹ヨ」
「やかましいぞ貴様ら!!」
いつの間にか近くにいた従者――絡繰茶々丸、チャチャゼロと若干締まりのないやり取りの後、エヴァは小太郎を一瞥しすぐにネギに向き直る
「予定が変わった、厄介なことになる前にお前たちを詠春――呪術協会の本山に連れていく」
「厄介なこと…っすか?」
びくびくしながらカモはエヴァに聞き返す
「あぁ、話はあとだ――そいつは一応縛っておけよ」
こっそり回復しようとしていた小太郎に氷の塊を飛ばして気絶させながらエヴァはつまらなそうにそう言った
とりあえず近くの木に小太郎を縛り付けた一行は目的地である「関西呪術協会本山」を目指す
「え、えーっと、その…」
突然クラスメートの2人(としゃべる人形)がやってきたと思ったら、氷を出したり先頭で誘導し始めたりしたことにのどかは理解が追い付いていなかった
「――大方、坊やの後を追って巻き込まれた口だろう?好奇心は猫を殺すものだぞ宮崎のどか?」
「はう…」
のどかにしてみれば、先日突然襲い掛かってきた相手であるのでさらに委縮してしまった
エヴァはエヴァでそれを分かった上で、のどかに話しかけているので質が悪かった
「それで?宮崎のどかにはきちんと説明したのか坊や?」
「あ、いえ…色々あってまだです…」
「じゃあ今のうちに説明しておけ、本山についてからあれこれ言ってては時間が足りん」
そう言うと再び黙ってしまうエヴァに少し困惑しながらも、ネギはのどかと話を始める
「え、えーっと、宮崎さん…そう言うことですので…」
「あ、えっと、はい…」
ネギと話ができる状況に戸惑いながらも、本の中のような世界に触れられる好奇心から戸惑う様子ののどか
しかしどうやら――
(うぅ…ど、どうしようこの子…)
――彼女の心配事はそれだけではなかったようで
(われわれ…でんぱにはめっぽうよわいので…)
彼女の右ポケットにいる小さな存在の悲痛な思いは届くことはなかった
(・ワ・)ぜんかいのおわりとちょっとちがいますがきにしないきにしない
(・ワ・)『いりゅうぶつこーなー』はおやすみなのです