一撃男の異世界旅行記   作:鉋なんか

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皆さんワンパンマン125話見ましたか?


なんと言いますか、すごいって感じですよね‼︎


ネタバレ含んでしまいますが、ムカデ長老がいつ死ぬかは気になってましたが、まさかこんな早くとはw



原作の方ではでなかったのであのサイズの化け物はサイタマしか倒せないとは思ってはいましたけど…。



この作品は一切サイタマを引き立てようとしていないのであまりいいとは思わない方がいらっしゃるかもしれませんがそこはご了承ください。
また、明らかにおかしいと思われる点、作者オリジナル設定とう複数ございますのであらかじめご了承ください。

誤字脱字等がございましたらご指摘のほどをお願いします。










拳をひく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダレイオ将軍は理解できずにいた

 

目の前の一般兵が銃を捨て男の元に走り出したのだ。

 

 

 

 

なぜだ、なぜ逃げない

 

 

 

 

なぜ自ら火の中に身を投じる

 

 

 

 

 

 

なぜ一歩前に踏み出すことができる

 

 

 

 

 

将軍である私ですら恐怖のあまり体が震えて動けないでいるのに、なぜ

 

 

 

 

命を投げ出したとしても、奴の攻撃を一撃受け、吹き飛ばされるだけなのに、なぜ

 

 

 

 

名も知らぬ一般兵は剣を抜き、大きく振りかぶる

 

 

 

 

 

 

決して届く事のないその剣をなぜ振りかぶる、将軍である私ですら男にかすり傷1つ負わせられないのに、なぜ

 

 

 

「お前だけ、カッコつけさせてたまるか‼︎」「おぉおおおおおおお」「帝国、万歳ッ‼︎」「ああああああ」「やってやるゼェ」「死なば諸共ダァ!!」「いけぇ」「たのしー」「おりゃああああ」「なのです‼︎」

 

 

 

先ほどの一般兵のとなりで銃を構えていたものが銃を捨てて走り出す。それを見て隣りにいたもの、後ろにいたもの、少し離れた所にいるものが走り出す。

 

 

 

 

獣のように声を荒げ

 

 

口々に雄叫びをあげ

 

 

銃を捨て剣をとる

 

 

 

 

 

 

 

 

なぜお前らは、立ち向かうことができるのだ

 

 

 

 

 

飛び出した兵士は次々と空を舞い、その数を増やす。

 

 

 

 

 

 

しかしその倍の数の兵士が今もなお走り出している。

 

 

 

 

 

 

その光景にダレイオ将軍は今がチャンスとばかりに逃げようと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダレイオ将軍の足は

 

一歩だけ前に進んでいた

 

 

 

 

 

 

 

そして理解する、自分の心を

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は失敗を出来るだけ避けて来た

 

 

そうすることが最も正しい判断であり

 

 

それが間違いであるとも思ってはいない。

 

 

 

 

だがしかし

 

 

 

 

名も知らぬ一兵卒が命をかけて立ち向かい、歴戦の猛者であるはずの将軍が尻尾を巻いて逃げるということは決してあってはならない‼︎

 

 

 

 

腰にある剣に自然と手が回る

 

自分が一兵卒だった時、帝国から貰った思い出の品

 

その剣を抜き、勢いよく突き上げる。

 

 

「皆の者ぉ!我に続けェ‼︎」

 

「「「うぉおおおおおおおおおおお‼︎」」」

 

 

 

将軍の盛大な雄叫びに釣られ、北の門にいた全ての兵が銃を捨て剣をとった。

 

 

最初に飛び出した兵士の無謀とも言える行動は恐怖に縛り付けられた大多数の人間の心を突き動かし

 

 

1人では到底不可能であった事を成し遂げた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

AM07:00 サイタマ北門を突破

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────

 

 

 

 

 

 

 

早朝、北門周辺で人が打ち上がる姿を多くの人々が目撃した。その数十秒後に緊急警報が発令され帝都警備隊の面々は非番のものも含めて北門周辺の市民の避難誘導を行っていた。

 

 

警備隊が北門周辺の市民を避難し終えた頃、サイタマは北門を後にし、帝都住民街にて集団暴徒化した学生の集団を相手にしていた。

 

 

頭に龍をイメージしたようなヘルメットをつけ、剣や弓、斧、槍などを血走った目で振るってくる危険な暴徒である。

 

 

 

 

 

 

 

もちろん彼らはサイタマが思っている凶暴な学生集団などではない。

 

帝国の繁栄を脅かす反乱の芽を摘み取るために設立された暗殺部隊。

 

 

 

言うなれば帝国の刺客である。

 

 

 

 

 

暗殺者として純粋培養された彼らは、帝国に仇なす者を殺す事を正義と信じ、死すら恐れない戦士でもある。

 

 

国のために仲間を犠牲にし、自分の身体を犠牲にし、どんな強大な敵をも打ち倒してきた彼らだが、今回は相手が悪かった。

 

 

 

 

 

 

1人の少年の剣がまたサイタマの首があった所を横切る。

 

 

 

 

「くそっ、なんであたらない」

 

 

十代であるはずの少年の髪は年老いた老人のように白く細い。顔の至る所にシワやシミが見受けられ縁側で日向ぼっこをしながらお茶をすすっている方が絵になるだろう。

 

しかし、片手に持っている剣があまりにもしっくりきすぎているせいか、まったくもって違和感を感じさせない。

 

 

暗殺部隊の現隊長であるカイリは何度目かの悪態を漏らす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「帝国の未来を脅かす凶悪な賊が帝都に潜伏している可能性がある、帝国の栄えある未来のために全力で殺せ」

 

 

いつものと同じような命令をいつもと同じように受け

 

 

 

いつもと同じように命をかけて始末する

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、いなかった。

 

 

 

 

 

 

 

代わりに出てきたのは帝国の腐った貴族たち

 

 

帝国が可笑しくなっているのはうすうす感づいていた。

しかし帝国を裏切ることは悪いことだ。きっと誰かが何とかしてくれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だから俺は帝国の敵を殺す。

 

誰かが帝国を何とかしてくれるその日まで

 

 

 

 

 

 

 

 

 

北門付近にいるという対象に向かい走りだす。

 

始末する対象を見つけ、投薬し

毒を武器の刃に塗る。

 

屋根から飛び降り、腰にある刀を鞘から抜く。空気すらを断ち切る速度をもって、刀を標的の首に伸ばす。

 

 

投薬し異常なまでに強化されたその一撃は今まで数多くの命を奪ってきた。背後からの不意打ち、それでいてこの距離。

 

 

 

(取った)

 

 

 

その時はそう確信した。

 

 

 

斬撃が硬い何かにあたる。

自らの絶対の一撃が塞がれる。

 

 

 

 

 

たびたびあった自分よりも格上の存在との戦い。

今回は標的は一味違うのだと納得がいく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし

目の前の標的はそれを摘んだのである。

 

左手の親指と人差し指で軽くポテチを摘むかのように

 

一瞬目をそのあっけない動作に目を奪われてしまう。しかしそのままじっとしているカイリではない。すぐさま体制を立て直そうと剣を力いっぱい引く。

 

しかしその剣はピクリとも動かない。

投薬して極限まで強化されたカイリの力を持ってしても標的の指から剣をとり戻せる事は出来ないでいた

 

 

カイリはすぐに持っていた剣を手離し距離をとる。そして部隊の皆に命令を下す

 

 

 

「超強化薬服用‼︎」

 

 

彼らは一瞬その言葉に驚いたはものの直ぐに懐からラムネのような粒状の薬を取り出し、のみこむ

 

先ほど飲んだ薬よりも強力な力を得る代わりに

 

寿命を大幅に縮め、脳に異常なほどの負担をかけ

 

体の臓器があちらこちらで悲鳴をあげ

 

精神すらを崩壊させる。

 

 

 

 

そんなことは彼らも知っている

しかし、彼らに迷いなどない

 

帝国こそ彼らの全てなのだから。

 

 

 

 

 

 

AM 07:30 サイタマ帝都 住民街を移動中

 

 

 

 

 

 

 

──────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

サイタマも先程は相手が子供だけあって、手が出しにくかった。それに子供は生意気であまり好きではない。

何度も『武器を下ろせ、やめろ、暴れるな』と忠告したにも関わらず襲いかかってくるので、首にそっとチョップお見舞いした。

 

全員を動けなくした後、1人だけいたお爺ちゃんみたいな奴がいかにも危なげな液体の入った瓶を持っていた。近くにあった植物にそれをあげると枯れてしまったので恐らく毒だろう。

 

サイタマは全員の武器を粉微塵にする。先ほどのよりも数が少なく、楽だったが学生諸君の身ぐるみを剥ぐのは少し罪悪感に苛まれたが、別に学生相手にいやらしい気を起こすなどサイタマには毛頭無かった。

 

 

 

 

 

 

「ん?ガムあった、ラッキー」

 

ポケットに入れっぱなしだった風船ガムを口に含み噛みしめる。

 

 

くっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃくっちゃ

 

 

現在サイタマが歩いているのは帝都 貴族街

 

 

 

帝都の貴族はこの1週間でその数を半分以下に減らしていた。皇帝の命令で、強制家宅捜索が行われ自分たちの人に見せられないような趣味が露見しその多くが捕まったからだ。

 

 

捕まった者たちの多くは貴族位を剥奪され牢獄にぶち込まれた、そのため多くの貴族たちが同じ部屋で鮨詰め状態の生活を今もなお送っている。

 

 

主人が居なくなった屋敷は住処のない者たちが住み着き、荒れ果てしまった。今は避難警報が発令されているため住処のない者たちも強制的に追い出されてしまったため荒れ果てた屋敷はもはや廃墟と化していた。

 

 

そんな廃墟とした貴族街をガムを噛みながら悠々と歩くサイタマの姿を遠目で見ているものが4人いた。

 

 

覆面に拘束具、長身で筋肉質という明らかに不気味な出で立ちのもの。先ほどサイタマが倒した暗殺部隊の者たちと同じような服の少女。建物に背中を預け葉巻を吸うサングラスをかけたおっさん。羽の髪飾りをつけた中性的な顔立ちをした青年。

 

 

 

4人は事前に打ち合わせをした通りに行動をする。

 

 

 

彼らの打ち合わせはこうだ

まず青年、ランが男の目の前に行き話しかけ、男を青年に集中させる。男が青年に集中している間に少女、クロメの帝具とおっさん、ホリマカの帝具で召喚した者たちを近くに寄せ、男が召喚した者たちに気付く前に覆面拘束具、ボルスの帝具で近くの建物ごと男の周囲を燃やす。ランは炎が男の周囲を隙間なく燃やすのを確認したら空に飛び上がり空中から様子を見て指示を出す。

 

最終的には少女のとっておきを使いトドメを刺す。

 

 

 

 

4人の内の1人であるボルスは緊張のあまり自分の帝具を握る手が汗でにじむのがわかる。

 

帝国の軍人であるボルスは今まで焼却部隊として数えきれないほど焼き払ってきた。

 

しかし、1人の人間を相手にするのは今回が初めてだった。

 

 

ボルスの帝具、煉獄招致“ルビカンテ”は文字通り地獄の業火を放つ火炎放射器の帝具だ。

 

銃型のノズルから噴出される業火は水で鎮火することもできず、放った対象を焼き尽くすまで決して消えることはない。

 

1対多の状況下でこそ、これは有用性を発揮する。

今回の仕事は、囮役であるランを燃やさないように気を遣い尚且1人の人間を逃げられないようにする環境作りである。小心者であるボルスはそれが成し遂げられるか心配で心配で仕方がなかった。

 

(いや、ダメ、くよくよしてたら囮役を引き受けてくれたラン君を心配させちゃう。ここは1番の年長者として自信をもって行かなくちゃ)

 

そう覚悟を決めたボルスにはもう迷いは無かった、ランはその様子を見て男に話しかけに行った

 

 

 

 

 

 

ランが話しかけてから数秒後、クロメとホリカマから準備ができたという合図をもらいボルスは走り出す。

 

何人かの影が男のもとに走り出す。

 

 

ゴウウウウウウウウウウ

 

 

ボルスは男が思っていた以上にランに集中していたため炎を当てることなく目標を達成することができた。

 

「後は任せて」

 

クロメはボルスにそう告げると、自分のとっておきを出す。

 

 

クロメのとっておき、巨大な地響きと共にソレは地中から這い出てきた。

 

 

 

 

 

 

──────────────

 

 

 

 

 

 

 

ランは周囲が火の海になり炎の中から脱出できる隙間が無いことを確認すると、自らの帝具万里飛翔“マスティマ”で一気に空に飛び立った。

 

 

万里飛翔“マスティマ”、は羽の帝具だ。

円盤状のパーツにある一対の翼がついており、背中に装着する事で空を自由自在に飛び回ることができ、高速での飛行も可能だが、長時間にわたる使用はできない。

 

 

 

ランは炎が届かないギリギリのところから炎の中を見る、先ほどした手相の話を信じて一生懸命自分の手相を見ている男がいた。

 

 

 

炎の中で9つの影に囲まれているのにも気がつかずに。

 

 

9つの内6つの影はクロメの帝具、“死者行軍”八房により操られた者たちである。残る3つはホリマカの帝具“奇々怪々”アダユスにより呼び出された強者である。

 

 

“死者行軍”八房

殺した者を呪いで自分の意のままに操ることのできる帝具、殺した者たちは生前のままのスペックで操ることができる。

 

“奇々怪々”アダユス

本来は自分の体に帝国の土地で死んだ強者の魂を憑依させる事でその力を一時的にではあるが使用することができる。奥の手は自分の近くにある帝具の数だけ強者の魂を具現化し意のままに操ることが出来る。そして近くにある帝具の数が多けれは多いほど自分よりも強い魂を呼び出すことが出来る。

 

 

 

 

炎の中で最初に動き出したのは巨大なカエルだった、男の背後の地面から這い出るとその大きな口をもって男を一息にパクリと頭から丸呑みにした。

 

これで終わり?かと思っていたら突然カエルの腹が爆発し、男が姿を見せた。カエルの腹から完全に男が脱出する前に巨大なゴリラが男の背後に回り込みその巨大な腕でもって羽交い締めにした。

しかし男に振り払われ坊主頭で巨大な盾を持った男を巻き込みながら数十メートルふっとび炎の中に消えていった。

 

ゴリラを振り払った時、男は足下にあったカエルの死体でバランスを崩した。その瞬間、目にも止まらぬ速さで男の足首に鞭が巻きつけられた。あごひげを生やした赤髪の中年男性がバランスを崩した隙をつき自慢の鞭でもって足をとり、そのまま男を炎の中に叩きつけようとする。

 

 

しかし男はそれをもう片方の足だけで踏ん張り炎の中に入るのを防いだ。そして足に巻きついた鞭を掴むとギュゥンという音と共におっさんから奪い取り、そのままおっさんを空の旅へと誘った。

 

 

男は鞭を奪い取った方とは逆の手で背後に回り込んできた暗器使いの真っ赤な仮面でマント男の顔面に拳を入れる。

 

男の拳は暗器使いの持っていたナイフを砕きながら仮面の中央に決まり、暗器使いは仮面の破片を飛ばしながら炎の中に消えていった。

 

男が暗器使いが炎の中に消えていくのを眺めている間も無く横から飛んできた2つの弾丸をなんの苦もなくそれを避ける。そして弾丸を撃ってきた金髪ロングの女保安官(?)に狙いを定める。

 

女保安官は男が近づいて来る前に後ろに大きく後退しながら引き金を引こうとするが目にも止まらぬ速さで急接近した男に銃の先端をバキリと潰されてしまう。

 

 

そして男は持っていた鞭を使い、手馴れた動作で女を簀巻きにする。その動作はまさに閃光の如しでどこぞの蜘蛛女が見たら膝を折って弟子入りを志願するほどだ、だが生憎その蜘蛛女はこの世界にはいない。

 

 

たった数秒の出来事で炎の中で立っている影は残り3つとなった。

 

 

しかし3つの影はどれも先ほどの6つとは比べものにならないほどのオーラを発していた

 

 

 

長い黒髪に白銀の鎧、刃渡りの1メートルほどの槍に凍土でも滑らない靴を履き白いマントをたなびかせている青年。

鎧や槍ベルト、靴そして額当てにも十字の印があり、それが彼の生前のトレードマークだと容易に想像ができる。

 

 

先ほどの青年よりも長く伸びた黒髪に肩のあたりから左右に1つずつ腰のあたりまである髪が前に垂れ下がり、それだけでなく獣の耳のような髪が立っていた。老人ではあるがその鍛え抜かれた肉体は老いを感じさせない。

顎のヒゲは長く、首に巻きつけている青いスカーフの辺りにまでかかっていた。左手には天秤を模した杖を持っていて耳には年齢にそぐわない金ピカのピアスをいくつもつけていた。

 

 

 

最後の1人は長袖のワイシャツにジーパン首には赤いマフラーをつけ、長い金髪をボサボサに伸ばしたおっさん。

それだけで済めば一目瞭然なダメおやじであったが3人の中で1番危険なオーラを放ち、尚且つ鋭い視線で男の動きを確認し腰にある刀の柄を握りいつでも抜ける準備をしていた

 

 

 

 

 

3人の中で一番最初に動いたのは槍を持った青年だった、青年は男に真正面から突っ込んでいきその勢いで男の腹部に槍を突き刺す。男はその槍の先端部分を使って止めるがここで初めて男に攻撃が当たった。青年は掴まれた槍の上を歩き男の頭を両手で掴み膝蹴りを食らわせる

 

 

男が青年の攻撃をくらい怯んだ隙に残りの2人男との距離を詰める

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3人をサイタマが倒しきる前に、周りを囲んでいた炎の壁が巨大な力によって吹き飛ばされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

廃墟と化した貴族街を包んでいた業火をいとも容易く吹き飛ばしたのはクロメのとっておきであるドラゴン型の超級危険種、デスタグールによるものだった。ドラゴン特有のブレス攻撃により前方数キロをルビカンテの炎もろとも吹き飛ばした。

 

その威力は凄まじく、巨大な貴族の邸宅や頑丈な大理石でできた時計塔などを跡形もなく、大地はスプーンですくい取られたアイスのようにえぐられていた。先ほどまであった地獄の炎は全て消え静寂と砂埃のみが周囲を包んでいた。

 

 

「やったね流石、クロメちゃん」

 

「さすが超級危険種ですね」

 

「うん、私のとっておきだもん」

 

少し遠くて見ていたボルスと上空で炎の中を確認していたランがクロメに声をかける。

 

クロメは自分のとっておきが褒められたことが嬉しいのか笑顔を見せる。思っていた以上にデスタグールのブレスが強力だったのを見てかなり上機嫌だ。

 

「ところで炎の中ではどうなってたの?」

 

ボルスは少し気になっていたことをランに尋ねる。

 

ランは少し考えるそぶりをして炎の中での戦闘をありのまま2人に話すことにした。

 

クロメの死体人形の殆どが一撃でやられこと

 

ホリカマの操っていた者たちもあまり決定打を与えられていなかったこと

 

自分が指示を出すまでもなく一方的だったということ

 

デスタグールの攻撃を男は回避できていなかったということ

 

 

「それが本当だったら私たちが束になっても叶わなかったんじゃ…」

 

「おそらくそうでしょう、上から見ていたのですが私たちでは束になっても勝てなかったかもしれません」

 

「…ポリポリポリ」

 

男の強さに驚愕するボルスとラン、今回の件で帝国が自分たちを強制的に招集をかけた理由がわかったからか。今回の件の深刻さを改めて痛感したからだろう、顔がけわしくなる。

 

クロメは2人との会話を中断し仕事終わりのお菓子を食べる。

 

 

クロメの様子を見てけわしい顔をしていたボルスとランは少しだけ笑顔をこぼす。

 

 

 

 

 

 

ドッゴオオオオン

 

 

 

 

 

 

3人の背後で巨大ななにかが倒れる音がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 








あと何話くらいになるだろう…。

エスデス将軍の戦闘のみで1話いってしまう。


できれば今年中にアカメが斬るを終わらせたいが…




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