『ありがとう』をキミに   作:ナイルダ

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サクサク投稿していきたいです。
でないと確実に失踪する…。


chapter0.5 サツエイ準備

ーー苗木視点ーー

 

江ノ島さん提案の映画の話がまとまって1週間。

ようやく台本を渡されたけど、ほとんどが白紙で『アドリブよろ』と書かれていた。

全員に渡された台本はそれぞれ内容が違っているようで、他の人の台本を見ることは禁止されている。なんでも臨場感が減ってしまうとか。

みんなの決まったセリフとかがなくて、その場その場でみんなのアドリブによって映画を作り上げていくみたいだ。

確かに、個性的なクラスメイトたちが決まったセリフを決まったタイミングで言うなんてできないよなぁと、失礼ながら思ってしまった。ドラマとかにも出演している舞園さんとかなら完璧にこなせるんだろうけど……

そんなこんなで着々と準備が進んでいき、77期生の先輩たちとも何度かミーティングを重ねていった。

愛娘の霧切さんが大役を貰ったとあって、滅茶苦茶張り切った学園長が希望ヶ峰学園OBたちにも話をして元超高校級の、いまでは角界でとても有名な人たちの協力も取り付けたとか……

はぁ、どんどん話が大きくなっていく。

江ノ島さんはここまで予期していたのかな?

 

 

***

 

 

ーー舞園視点ーー

 

江ノ島さんから台本を貰いました。

……なんですかこれは!

サスペンスものだとは聞いていましたけど、どうして私が第1の犠牲者になっているんですか!? 苗木くんが主役で、私がその助手をして事件を解決していくんじゃないんですか!?

みんなの台本は見れませんが、私の出演が1番短いことだけはハッキリとわかります! 自分で言うのもなんですが、私は〝超高校級のアイドル〟ですよ! 屈辱です!

……これは江ノ島さんに訴えなければなりませんね。

 

「江ノ島さん! お話があります!」

 

「あーあーやっぱりきたよ……」

 

わかっていたとばかりにうんざりとした様子で、江ノ島さんは気怠げに答えます。

 

「どうして私が第1の犠牲者になっているんですか!?」

 

「まー落ち着けって。私様と舞園は出番を少なくしてんだよ。理由は単純。私たちは現役のギャルとアイドル、要はお互い仕事をしながらここに通ってるわけ。そこに更に時間をかける勉学とは関係ない映画撮影。私様も舞園も仕事を減らすわけにはいかねーだろ? そんなことをしたら苗木に何言われるかわかったもんじゃない。詳しくは言えねーけど、私様も出番すくねーから」

 

ぐぬぬ、苗木くんの名前を出すとは卑怯な。

しかし、正論ではありますね…。

 

江ノ島さんもしっかりと私たちのことを考えて配役を決めていたようです。そうとは知らず私情に走ってしまいました…反省しないとですね…。

よしっ! 気合を入れ直して撮影を頑張りましょう!

仕事以外で空いた時間は私も裏方に回ればいいだけですし、苗木くんの活躍をこの目に焼き付けておきましょう!

 

 

***

 

 

ーー十神視点ーー

 

江ノ島の考えた妙なシナリオは、どうやらサスペンスものらしい。

設定としては、記憶の取られた俺たち78期生が出入り口を完全封鎖された密室の学園でコロシアイをするというものだ。

まったく、どんな思考回路をしているのやら。

俺の台本はほとんどがアドリブか。……ふっ、まぁいい。

やつらとのコロシアイで俺が生き残るのは自明の理。他の奴らがない頭でひねり出した殺人計画を見破ってやるのもまた一興か。

……ふふふっはっはっは!

 

 

***

 

 

ーー腐川視点ーー

 

あの派手な女に貰ったろくに文字の書いてない台本には、『あたしのもう1人の人格も出演させる』と書いてあった。

あたしはあいつと記憶を共有できないってのに、どうやって撮影に協力させるのよ!

あいつは絶対に撮影を滅茶苦茶にする! そうなれば白夜様の迷惑に…ムキーー!

これはあの派手女の罠よ! そうにきまってるわ! 白夜様とあたしの仲を引き裂くのが狙いね…、そして白夜様を誑かそうって訳ね! そうはさせないわッ! 絶対にッ!

 

 

***

 

 

ーー葉隠視点ーー

 

なんか知らないうちに本格的な映画撮影になってたべ!

撮影が上手くいけば公式に映像化されて収益が俺のもとに…。舞園っちや江ノ島っちも出演するなら売れること間違いなし! これは映画制作に賛成して正解だったべ!

しっかし貰った台本はなんだべ?

『適当に参加しとけ』ってどういう意味だべ?

それしか書いてないんだが…。

うーむ…、まぁなんとかなるべッ!!

 

 

***

 

 

ーー朝日奈視点ーー

 

いいよね! この文化祭の準備期間みたいな盛り上がり!

取り仕切ってる江ノ島ちゃんと苗木は凄く忙しそうだけど楽しそう!

でもちゃんとお芝居できるか心配だなー。さくらちゃんに話したらそのまんまでも大丈夫だって言ってくれたけど…。まぁ、先のことを悩んでも仕方ないよね!

よーし、撮影に向けて栄養補給だ! ドーナツ食べに行こう!

 

注:朝比奈の台本は葉隠と同じ程度しか書かれていません。

 

 

***

 

 

ーー大神視点ーー

 

我にも台本が渡されたが…、ふむ、我は内通者役か。

この手のものには必ずいる役回りになるとは。

むぅ、演技とはいえ朝日奈を騙すことになるとは…、すまぬ朝日奈よ。

しかし、ある程度経ったら『内通者の設定を残しつつ自らの意思で動いていい』とはどういうことだ?

江ノ島の真意はわからぬが、我は我の為すべきことを為すまでだ。

 

 

***

 

 

ーーセレス視点ーー

 

わたくしが希望していたシナリオとは違いますが、コロシアイ、騙し合いのバトルロワイアルとは……。まぁ、及第点といったところでしょうか。なかなか面白そうですわね。

台本によれば基本的に自由。

つまりは自分で計画を立て、そして誰にもバレずに完遂すればよいということ。

それに江ノ島さんによれば、アドリブの内でコロシアイに成功すれば可能な限り1つだけ願いを叶えてくれるとか…。

ほんのお遊びのつもりでしたが、これは本気でヤるしかないようですわね。成功した暁には、わたくしの夢も……、ふふっ。

今から楽しみですわ。

 

 

***

 

 

ーー山田視点ーー

 

江ノ島盾子殿の提案で始まった計画ですが、ここまで大事になるとは思っても見ませんでしたぞ!

しかしなかなかに物騒な内容の映画ですなー。何名かは乗り気で、何名かは能天気で…、誰もこの内容に疑問を抱かないのですかな?

っと、映画の話も重要ですが、原稿の締め切りを忘れてましたぞー! 急がねば!

 

 

***

 

 

ーー桑田視点ーー

 

おいコラッ!! どうしてオレが舞園ちゃんを殺す役なんだよ! ありえねーだろッ!

確か配役を決めたのは江ノ島だったか…、こりゃ直談判しかねーな。そうと決まれば行くしかねぇッ!

 

「おい! 江ノ島!」

 

「んだよ、アゴヒゲか」

 

「失礼な事言ってんじゃねーよ! まぁ、今はそんな事はどうでもいい! どうしてオレがこんな役回りになってんだよ!」

 

「はぁ…、そりゃ舞園の誘いに1番ホイホイ乗りそうなのがアンタだったからだよ。それに舞園は仕事の関係で早々に出演終了すっから、アンタの配役は1番舞園と一緒にいられると思うけど?(大嘘) まーそれでも不満なら考え直そうか?」

 

「なんだよー! そういう事だったのかよ! そうならそうと初めから言えよな! じゃあなー! ありがとよー」

 

ったく、そうならそうと言っといてくれよな-。

しかし江ノ島のやつ、意味ありげな視線をオレに……

ひょっとしてワンチャンあるか…?

 

注:憐れみの視線です。

 

 

***

 

 

ーー石丸視点ーー

 

まさか江ノ島君がこのようなことを言いだしてくれるとはッ! 今…、僕はとても感動している!

みんなで一丸となり、この映画撮影を成功させようではないかッ!

 

注:詳しい話の内容は知らされていない。コロシアイなんて絶対に反対するから。

台本には『風紀委員としての行動をしていればよい』と書かれており、深くは考えていない模様。

 

 

***

 

 

ーー大和田視点ーー

 

何だか面倒な事になって来やがったなー。

こんな内容なのに兄弟は妙にノリノリだしよぉ…。不二咲のやつも心配だな、あいつはこんなことできねーだろうし…。

しっかしやっぱりおっかねー奴だな、江ノ島は。暴走族の俺でもこんな内容考えねーぞ。

兄弟がこんな状態じゃ、あいつを監視するのは俺の仕事か……。苗木のヤロー、しっかりとあいつの手綱を握ってんだろ〜な〜!

 

 

***

 

 

ーー不二咲視点ーー

 

む、無理だよぉーこんな内容。コロシアイなんて、ボクにできるわけがない…。もっと可愛い内容の映画を考えていたのになぁ…。

みんな乗り気だから反対するにできないし……

うぅ、苗木君に言えば、今からでも何とかならないかなぁ。

 

注:早期離脱が望ましい為、第2のターゲットに決定しました。

 

 

***

 

 

ーー霧切視点ーー

 

江ノ島盾子。〝超高校級の絶望〟であり、あのテロ事件の首謀者として暗躍していた存在。

あのテロ自体は江ノ島さんに洗脳された奴らが勝手に引き起こしたもので、彼女が直接指示した計画ではなかったらしいけど…。それでも注意を払う必要があるわね。

あの時、苗木君がいなかったら今の世界はとっくに滅びているかも知れない。

それほどに、悍ましい計画だった…。

苗木君は今回のことで江ノ島さんの成長を喜んでいるようだけれど、私だけでも目を光らせておかないといけないわね…。

さて、これからどうなることやら。

お父さんも勝手に張り切ってるみたいだし…。

はぁ…、本当にどうなることやら。

 

 

***

 

 

ーー戦刃視点ーー

 

盾子ちゃんがなにやら計画を立てていたけれど、この映画撮影のことだったのかな? 少し違う気がするのは、きっと私の気のせいではないはず。

盾子ちゃん、私は何があろうと盾子ちゃんの味方だけど…私は姉として、盾子ちゃんの幸せを願わずにはいられない…。

でも、その幸せは真っ黒な〝絶望〟の中じゃなくて、みんながいる暖かな光の中で見つけて欲しいんだよ……

 

 

***

 

 

ーー江ノ島視点ーー

 

あの時のアタシの計画にはもともと若干の綻びがあった。自分でも失敗する可能性があるとわかってはいたが、敢えて直さなかった。

心の何処かで、苗木がアタシのことを止めてくれるだろうと期待していたのかもしれない。

 

あの〝絶望的な日々〟の中で苗木に貰った小さな光。

 

今も尚アタシの中で光り続ける小さな〝希望〟。

 

しかし、アタシが〝絶望〟であることに揺らぎはない。

 

さあ苗木、決着をつけよう……。あの日の、いや…、もっと前ーーアタシ達が本当に出会ったあの日、あの時の続きを始めようじゃないか!!

 

 

 

 

 

様々な想いが交錯する中、絶望の映画撮影は始まろうとしていた。

果たして彼らが辿り着く場所はどこなのか。

2人の少年少女が真の決着を付ける舞台は、静かに動き始めた。

 

 

 

 

 




ーーウサミよりーー

ミナサン!こんにちはでちゅ!
今回の本編では所々に今後の伏線がありまちたね!でも今日はウサミファイルは使わないでちゅよ。その代わりにあちしの必殺技を披露いたちまちゅ!

『ご都合主義』(テッテレー

希望ヶ峰学園のミナサンやミライ機関のミナサンが、江ノ島さんの怪しい発案を拒否しなかったり、最初は否定的だったミナサンがノリノリになっているのはあちしの力のせいなんでちゅよ!あちしはミナサンの先生ですからね!
今後もたびたび天の声さんにお願いされるかもちれませんね。
ということで、ミナサン!また今度もあちしに会いに来てくだちゃいね!
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