『ありがとう』をキミに   作:ナイルダ

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今回の前書きは少しお付き合いください。
本編にて原作と完全に異なる設定が出てきますので、脳内補完の際にはご注意ください。

・江ノ島(戦刃)の死亡原因。

これが異なります。原作では槍によって殺されちゃいましたね。
それと、

・苗木がかなり錯乱している。

これはご都合主義ということで…。
深く考えちゃダメです!
捜査パートは全面カットで…それでは本編です。



chapter1 イキキルⅢ

ーー苗木視点ーー

 

苗木は目を覚ますと、そこには広い天井が広がっていた。

 

(ここは…?体育館…、それにみんなもいる…。)

 

辺りを見渡す苗木。

次々と心配そうに声をかける生徒達。

そして苗木は、先程何があったのかを思い出す……

 

舞園さやかの変わり果てた姿

 

……を。

自らの頬を抓り、痛みが走ることを確認する苗木。

 

「夢…、じゃ…ない…。あれは、夢じゃないの…?」

 

現実逃避をする苗木に、十神は無慈悲にも言い放つ。

 

「現実だ。…舞園さやかは…死んだ。」

 

苗木が舞園の所まで走りだそうとするのを止める十神。

 

「どこへ行く…。」

 

「そんなの決まってるッ!舞園さんを…早く助けなくちゃッ!!」

 

「もう諦めろ…。さんざん確かめた。間違いなく死んでいたんだ。」

 

もはや冷静でいられない苗木は、舞園の元に行くことを主張し続ける。

しかし、霧切がそれを遮る。

 

「落ち着いて…。モノクマがここにいるように言ってきたのよ…。」

 

他の生徒達もこれに賛同し、苗木も事実であると認識する。

そして、落ち着きを取り戻していく。

 

「なんであんなやつの言うことなんかを…。舞園さんを殺したのだってアイツに決まってる…!」

 

苗木は先程見たあまりに酷い光景に、虚構と現実が入り混じってしまっていた。

先日の大和田のように、もはや冷静では無い。

これが映画撮影であることを忘れてしまう程には…。

そして、そこにモノクマが現れる。

 

「いやだなぁ…、ボクは殺してないって。校則違反をしない限りは手を出さないってばッ!」

 

「じゃあ、誰が舞園さんを…。」

 

「…うぷぷ…、わかてるクセにさぁ…。オマエラの中の誰かに決まってんじゃーーんッ!!」

 

モノクマが言い放つ言葉に押し黙る生徒達。

 

「ここからどうしても出たい誰かが、〝卒業〟するために殺したんだよッ!それがルールだからね!」

 

そんなことはないと反論する苗木。

 

「本当だってば…。まあ、本人が一番よく知ってるよね…うぷぷ。」

 

その言葉にみんながお互いの顔を見回す。混乱と疑惑がその場を支配する。

しかし沈黙は、十神の言葉によって破られる。

 

「…それで、舞園を殺した犯人はここから〝卒業〟出来るんだろ…。」

 

モノクマは十神の言葉に笑いをもって応える。

 

「うぷぷ…うぷぷぷぷ…ぶひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ!!甘い、甘すぎるよっ!人を殺しただけでここから出られるとでも…?むしろ本番はこれからだっていうのにさッ!!」

 

そう言うと、モノクマは〝卒業〟の補足説明を始める。

 

「ただ殺すだけなんて、誰にだってできる…。だから校則にある通り誰にもばれずに殺人を実行しなくちゃいけないんだ!で、その条件を満たしているかどうかを判断するシステムとして…殺人が起きた一定時間後に『学級裁判』を開催します!!」

 

そしてモノクマは淡々と学級裁判の詳細を説明していく。

それは、簡単に言ってしまえば犯人当てであった。

犯人を当てた場合は犯人が、当てられなかった場合は犯人以外の全員が〝おしおき〟されるという内容である。

 

「それと、校則も追加しといたからさ。ちゃんと確認しておくんだよ!」

 

しかし、モノクマの一方的な言葉に噛み付く人物がいた。

それは、江ノ島を装っている戦刃であった。

 

「ちょっと待てって!アンタの言ってること、無茶苦茶なんですけどッ!あたし、そんなモンに参加するのヤだからね…!」

 

「学級裁判に参加しないと…罰が下るかもよッ!」

 

「うるせーんだよッ!あたしは絶対に参加しねーからッ!」

 

「そんな、身勝手な!だ、だけどなぁ…、そんなに参加したくないなら…ボクを倒してみろーーーッ!!」

 

大声をあげたモノクマは、江ノ島に向かいテトテトと突進する。

が…、あっけなく江ノ島に踏み倒されてしまう。

 

「これで満足?」

 

「そっちこそ…。学園長への暴力は校則違反だよ…。助けて!タルタロスの穴ッ!!」

 

モノクマがそう叫ぶと突然、ーー江ノ島がいた場所の床が消えたーー。

落下していき、次第に姿が見えなくなる江ノ島。

完全に姿が消えたすぐ後、江ノ島のものと思われる短い悲鳴が体育館に響く。

あまりに突拍子の無い出来事にその場を動けない生徒達だが、悲鳴を聞きとっさに穴の開いた場所まで駆け寄る。そこには……

 

 

『剣山に体の至る所を貫かれ血に染まる江ノ島盾子』と、同じく腹を貫かれ火花を散らせるモノクマ

 

 

……がいた。

薄暗い穴の底から目を離せない一同。

すると、モノクマが再び現れ言い放つ。

 

「やっぱり見せしめは必要だよね!でも、これでオマエラもわかっただろ…。ルールを破る生徒には容赦しないからねッ!」

 

ただでさえ冷静とはいえない苗木に襲い来る絶望の連鎖。

モノクマは、そんなことお構いなしに言葉を続ける。

 

「うぷぷ…。人が死ぬなんて当たり前のことなんだよ…。

遅いか早いか…、偶然か必然か。

たったそれだけのことなんだよッ!…これが現実なのさ…!

そうそう…。捜査を始める前にオマエラにはこれを配っておかないとね!」

 

そう言うとモノクマは黒いファイルを配り始める。

 

「それはモノクマファイル。

捜査に役立ちそうな情報をまとめてあるから、有用に使ってクロを見つけ出してねッ!

次に会うときは、〝学級裁判〟で!それじゃあ、頑張ってね!!」

 

そしてモノクマはどこかへ消えていった。

取り残される生徒達は、一部を除き混乱しているように見えた。

しばらくの静寂が辺りを包むも、それは霧切によって破られる。

 

「落ち込んでいる場合じゃないわ…。今は協力して犯人を突き止めるのが先よ…。」

 

その言葉に次々と反応を示す生徒達。

現場の保全を大和田と大神に任せた一同が捜査に向かおうとしたそのとき、セレスが唐突に声を上げる。

 

「あら…、うふふ…気付いてしまいましたわ…。

このモノクマファイルによれば、舞園さやかの死亡現場は〝苗木誠の個室〟となっていますわね。」

 

それを聞き、生徒達は一斉にモノクマファイルを見始める。

 

「ほ、本当だ…!」

 

「…じゃあ…、もしかしてッ!」

 

全員の視線が苗木に集中する。

苗木は弁明するも、聞き入ってはもらえない。

険悪な雰囲気の中、生徒達は霧切をはじめとして次々と体育館を去って行く。

 

(ボクは犯人じゃない…!それは舞園さんと、ボク自身が一番知っている!このままだとみんなが…!)

 

苗木は完全に映画撮影であることを忘れ、舞園を殺した犯人を突き止めるべく決意を新たに歩き始める。

 

 

***

 

 

(まずは、モノクマファイルを確認しよう。)

 

モノクマファイルには被害者、推定死亡時刻、発見現場、凶器などが書かれていた。

 

(これを元に、捜査していけってことか…。)

 

苗木は死体発見現場へと歩みを進める。そして、発見現場に着いた苗木は捜査を始める。

 

 

***

 

 

(舞園さん…本当に死んでしまったんだ…。)

 

部屋での捜査を終えた苗木は、舞園のことを想う。

 

(どうしてこんなことに…。いや…、弱気になっちゃダメだッ!舞園さんのためにも真相を暴くんだッ!)

 

その後も捜査を続けていく苗木。

苗木と舞園の部屋のネームプレートが入れ替わっていたなど、些細な証拠も集めつつ、トラッシュルーム、食堂などを捜査して回る。

 

 

***

 

 

(部屋の状況、ドアノブの破損、死体の状態、ダイイングメッセージ、トラッシュルームの様子、朝日奈さんの証言………。調べられるだけは調べたかな…。あとはこれを…。)

 

苗木は視聴覚室に足を運び、舞園の部屋で見つけた彼女の名前が書いてあるDVDを再生する。

そこには舞園が所属しているアイドルグループが解散し、舞園の〝帰る場所〟がなくなったことを告げる映像が流れていた。

 

(体育館前のホールで舞園さんに聞いたあの話…。舞園さんはアイドルとして活動することに強い意志を持っていた。なのに…こんなことになって…。)

 

 

キーン、コーン…カーン、コーン

 

 

苗木が思考にふけっていると、唐突にチャイムが鳴り響く。

それはモノクマによるものであった。

 

「そろそろ飽きたから始めちゃおうか…!お待ちかねの…学級裁判をっ!!」

「それでは、学校エリア1階にある赤い扉にお入りください。」

「じゃあ、また後でねーーっ!」

 

放送を聞き終わった苗木は、暫く目をつぶる。

 

(この裁判にはみんなの命がかかってるんだっ!なんとしてでもクロを見つけて舞園さんの死の真相を…。)

 

そうして苗木は指定された場所へと向かう。

 

 

 

中に入ると全員が既に集合していた。

気まずい雰囲気の中、生徒達は次々と奥にあるエレベーターへ乗り込んでいく。

全員が乗り終えると、ゆっくりと地下へと向けて動き出す。

そしてエレベーターが止まり扉が開かれる。

 

「やっと来たね!それじゃあ、自分の名前が書かれた席に着いてくださいな。」

 

待ち構えていたモノクマに従い移動する一同。

 

全員を見渡せるよう円の形に配置された席。

 

鋭い視線が交差する中、ついに幕を開ける学級裁判…。

 

命懸けの騙し合いが、今始まる。

 

 

 

 

 




ーーウサミよりーー

ミナサン、こんにちはでちゅ!
いよいよ、始まってしまいまちたね。
いったい何が起こっているのか…これは後々明かされると思いまちゅよ!
それでは、お仕事をしまちゅ!


以下ウサミファイルより抜粋

・苗木誠は錯乱している。

・〝江ノ島盾子〟の死体は本物?

・学級裁判が行われる。

・学級裁判のための捜査が行われる。


それではミナサン、また今度も会いに来てくだちゃいね!
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