サルモール魔道士の異世界滞在記   作:半日本人

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主人公視点の6~7話です。 何事も初体験というイベントのような日々が日常へと変化していきます。 初体験編~日常編へ


7・5話 異世界滞在記 「異常が日常に変わる」

サルモール所属魔導士 アンジェルモ=ヴェルディによる異世界での記録

 

 

異世界生活3日目

 

最悪な夢を見た。最悪な奴が最悪な話を最悪な形で子供に言いふらしていた。

ドーンブレイカーが対アンデット用の魔剣だと分かったのは良かったが……肝心な効果は何だったのだろう?。朝からテンションが下がっていたら奥様に心配されたのでアルトマージョークで誤魔化しておいた。しかし、まさか年齢を疑われるとは……流石に知性が高いというだけはあって口を滑らすと危なそうだ。

 

朝食はコメという穀物を蒸したゴハンと大豆を発酵させペースト状にしたミソのスープ。そして畑で獲れたサバという魚のローストだった。

・・・もう驚く度に疑われるからもう何も考えないで周りに合わせることにしよう。

この家に居候をするのはこれで最後。族長家族には本当に世話になった。

食料まで分けてもらったし生活が落ち着いたら改めてお礼に伺うことにしよう。

 

新居は里の暇な若者たちが1日で用意してくれた物らしい。外装が木と土壁。床が木板とこちら独特のタタミというものを作った異国情緒あふれる家で生活がとても楽しみだ。

どうやらこちらでは引っ越して来た者が先住者に『うどん』という食材を持って挨拶に行く風習があるらしいので、族長が用意してくれた物を持って挨拶に行った。

 

近所にはそけっとさんという女性が1人で住んでいた。木製の片刃の剣を腰に下げておりよくモンスター相手に鍛錬しているらしい。そのうち腕試しをしてみたいものだ。

帰りに妙な魔力を感知し、調べてみたらぶっころりーさんが草むらに隠れていた。どうやらそけっとさんを無断で観察していたらしい。一応今回だけは情報と引き換えに見逃したが次からはそれなりに対応しよう。

 

ぶっこりーさんから貰った情報を基にめぐみんの父ひょうざぶろーさんの家に向かった。最初はめぐみんに指輪を渡したことで随分と疑われたが無事誤解が解けてからは、魂石の代わりになる吸魔石とマナタイトをはじめ、彼が製作した数々の魔道具の話を聞けた。

どうやらデメリットが多少あるのが原因で全然売れないようだが・・

例えば、敵の魔法防御を劇的に下げ代わりに攻撃魔法に耐えられるほどの物理防御を上げる罠餌などは、敵に食べさせて幻惑魔法で同士討ちをさせれば打たれ強い最高の傀儡ができるのにもったいないな。

ひょうざぶろーさんや妻のゆいゆいさんも無事打ち解けることができたし有意義な時間が持てた気がする。

 

なお、マナタイトのおかげでアルケイン付呪台も無事完成し、吸魔石を用いた付呪も無事成功した。錬金も問題なく行えたし、憂いなく明日から学校に通えそうだ。明日の名乗りを考えたらすぐ寝ることにしよう。

 

 

異世界生活4日目   ν月ωα日

 

今日から早朝から出かけても誰の迷惑にならないので、ニルンで日課だった鍛錬を再開。

魔力コントロールは問題無かったが、衰えた筋力・体力・魔力量を戻すためさっさと『レベル』とかいう物を上げないといけない。

里をランニングしていた時は突如竜巻に巻き上げられあわや重傷を負いそうになった。

まぁ、≪消音≫のブーツで音が聞こえず暗闇の中≪灯火≫の光しか見えなかったら私も怪しむな。まるでウィスプみたいだ。

私を吹き飛ばした農家の方にもちゃんと説明をしておいたのだから次からは大丈夫だろう。

その後は剣の訓練。流石にドーンブレイカーは重くまだふらつく。

同じ背丈の人間は軽々と振り回せていたから、やはりまだ体が出来上がってないのか?

 

初めてのお弁当は焼き肉弁当というもの。奥様のレシピ通りに作ったが挿絵が無いので後で、めぐみんかゆんゆんに確認しようと考えたのだが、今思えば何故めぐみんに見せようと考えたのだろう……

 

学生が着る服装に着替え登校。途中でそけっとさんと会って挨拶を交わしたが、昨日あれだけ念押ししたのにぶっこりーさんがまた無断で覗いていた。

魔法で石をぶつけて位置を暴いたら怒り狂ったそけっとさんに追い回されていた。

帰りに彼女に確認したところ「ボロボロにしたけど顔は見ないまま逃げられた」らしい。

そけっとさんはずば抜けた戦闘能力がありそうなのによく逃げ切ったな……

 

学校では冒険者カードの作成と自己紹介を行った。本来はクラスメートの前だけで行う予定だったのに、急きょ全教職員と他のクラスのメンバーがいる中で名乗りを上げることになりとても緊張した。めぐみんとゆんゆんにはまた借りができてしまったな・・

ただ、皆が予想以上に興奮して収拾がつかなくなったので幻惑魔法で黙らせたらクラスを落ち着かせる係になってしまった。決まったことは仕方ないから頑張るとしよう。

 

学校カリキュラムは

①体育の授業(名乗りの練習?体術の実践訓練)

②魔法学の授業(カッコイイ詠唱の仕方?この世界の魔法について)

③薬草学(自分が作りたい薬を作り方・薬草の知識)

④男女合同の課外授業(モンスターを大人が魔法で動けなくした上で子供に止めを刺させレベルを上げる。不定期)大まかにはこんな感じだった。

 

なお、弁当が上手くできているかあの2人に確認しに行ったがめぐみんに味見と称して全部食べられてしまった……あげく「家に嫁に来ませんか?」とかいう始末。

こんな子は泣きながら巨大なモンスターに追い回されればいいのに……。

なお、ゆんゆんも毎日弁当を奪われているが、懲りずに毎日弁当をかけた勝負を挑むらしい。というか2人分作っている時点で……

 

なお担任のかるせる先生が言うには普段は皆と共に上級生の授業を受け、下級生で学ぶはずだった分は宿題と補習でしてくれるようだ。

 

良い成績を取るには一見役に立たないこともしなければいけないようだ。学術的なテストや実践訓練ならまだ自信があるのに。

しかし、体術の授業をサボっているめぐみんが首席で、紅魔族の名乗りや感性についていけないゆんゆんが次席だから私にも十分チャンスはあるはず。彼女たちは優秀だが私もそつなくこなせば追いつけるはずだ。

 

下校後は図書室で補習課題を1時間ほど調べて帰宅。その後、家の周りの雑草を≪エクスプロージョン≫で一掃し畑となる場所を作った。後は暇な時間に土壌改良してゆけば大丈夫だろう。残りは宿題だけだ。

 

随分と騒がしい1日だったが、こんな毎日がいつしか日常となって行くだろう・・・

いずれ里を旅立つ時まで後悔が無いように生きて行かないとな。




振り返り&7話のその後の補足を兼ねています。

非日常が日常に。里での生活がすっかり日常となった主人公の様子が次話の主題になる予定です。
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