サルモール魔道士の異世界滞在記   作:半日本人

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 章に分けている「外伝 異世界滞在記」は主人公の心情を綴った日記が基本です。本編の合間にあるのはムンダス舞台とした話の内容の関わって来る部分となります。


23・5話 異世界滞在記 「外の世界の印象」

サルモール所属魔導士 アンジェルモ=ヴェルディによる異世界での記録

 

 

◇旅立ちの日  μ月δζ日

 

 朝の忙しい時間だったにも関わらず族長を始めとする多くの大人たち、そして友人たちが見送りに来てくれた。かつてスカイリムへ旅立った時を思い出す光景に、母上やヴィルナの声も聞こえた気がする。だからこそあの時と同じ言葉でムンダスの家族、そしてこの世界で絆を結んだ里の皆に別れを告げた。

・・今度こそ再会の約束は果たさないといけないな

 

 私がテレポートで送ってもらったのは水の都アルカンレティア。

紅魔の里から1番近い都市であり、色々と悪い噂を聞いたアクシズ教の総本山でもある。

元々、彼らと関わるつもりは全く無かったのだが、契約を交わしたお得意様であったので誠に不本意ながら関係を持ってしまった。会った限りではデイドラ崇拝者よりもまともそうだったのだが、正直話しているだけでかなり疲れる連中だった。

この世界の最大宗教であるエリス教を敵視しているとの事だったが、精々嫌がらせ程度で留めているようだ。

モラグ・バルとボエシアの信者共のような殺し合いをすることは無いし、一般人を誘拐したり生贄にしたりもしない。

変質者が多く、執拗に入信させようとして来ることを除けばタムリエル基準ではかなり安全な宗教だ。

私の付呪を気に入ってくれようなのでこれからも良い商売相手になってくれる事だろう。

 

 商店街では意外な出会いもあった。

なんと、ファルマーやドゥーマーと思わしき商人が饅頭を売っていたのだ!

タムリエルでは姿を消した両者が普通に人間に交じり平和を享受している・・。

彼らの同盟がきちんと成立していればスカイリムでもこの光景が見られたのかと思うとやるせない気持ちになった。こちらではドゥーマーは消え、ファルマーもドゥーマーの裏切りで醜いファルメルへと変わってしまったが、せめて彼らだけは末永く仲良くして欲しいものだ。

 

 冒険者ギルドでは、ミツルギたちと出会い初めてのクエストを受けた。あの犬頭が予想以上に弱くて拍子抜けしたが、初心者殺しと遭遇した時は思わぬ苦戦をさせられてしまった。やはり軍の小隊と冒険者パーティとでは意識も戦い方も異なり過ぎている。ミツルギは十分強いと言ってメンバーに誘ってくれたのだが、遊撃手としてならともかく純粋な後衛として私はまだ未熟だ。

 このまま彼と一緒に最前線に向かったとしてもいずれ幹部と当たる。

もしそうなれば、私のような経験不足の後衛ではきっとメンバーに犠牲が出てしまう。

だからこそ、純粋な後衛としての戦い方を知っており、全員が私以上の火力と魔力量を兼ね備える紅魔族を推薦しておいた。幹部のシルビアを撃退している彼らならきっと最前線でも頼りになるだろう。クレメアとフィオが賛同するかは心配だがこればかりは彼らの問題だからな・・。

 

 明日にはこの街を出てアクセルへ向かう馬車に乗るつもりだ。

私に必要なのはもっと多くの冒険者とパーティを組み意思疎通の方法や各職業の戦い方を覚える事。モンスターが弱く駆け出しが多いアクセルなら安全に、そしてしっかりと学ぶことが出来そうだ。本当は転生初日に学ぶべき事なのだが、転送された場所がアレだったからな・・。まぁ、得られた物の大きさを考えればむしろ僥倖だったといえよう。

 明日に備え今日は早めに休ませてもらう事にする。どうせこの体では彼らに交じって酒は飲めないしな。 

 温泉も気持ちが良く、夕食の海鮮鍋(何故か湖で獲れた物だが)も美味だったし、今日は良い夢を見る事が出来そうだ。

 




 行くべき所に魂が行っておらず、転送されるはずの場所と違う所に飛ばされ、冒険者として学ぶはずの知識も順番が違っている。
 既定路線から外れまくっている主人公ですが、それを踏まえ自分なりに優先順位を決めていっています。
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