サルモール魔道士の異世界滞在記   作:半日本人

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 いつもお読みいただき感謝します! 
アクセルへの旅は濃いイベント多々ありましたので日記の割には長めです。
ドーンブレイカーの覚醒や普通の冒険者たちとの交流をサルモール魔導士の視点でお送りさせていただきます。



26・5話 異世界滞在記 「アクセルへの道中」

サルモール所属魔導士 アンジェルモ=ヴェルディによる異世界での記録

 

 

◇アルカンレティア 出発の日 μ月δη日

 

 母上はエレンウェン閣下と知り合いだった!そんな衝撃的な事実を夢で見せられたことで夜明け前にも関わらず完全に目が覚めてしまった。

 

 気晴らしに鍛錬をしよう。そう思いついて部屋を抜け出した当時の私に雷撃を当ててやりたい……。

 この街ではスカイリムとは違い夜間に出歩くだけでも衛兵が注意してくるようだ。 街中で走りこむだけですれ違う衛兵に呼び止められて身分の証明をさせられる。余りにも非効率なので空き地で剣の素振りをしていたら詰め所(こちらではケイサツショというらしい)に連行されて取り調べを受けることになった。紅魔の里では特に注意されたことが無いが真剣を振り回すのは犯罪行為に当たるらしい。

 魔道具による取り調べて私が法を知らなかったことが証明されたので何とか犯罪歴を付けられずに済んだが、一緒に拘留されていたアクシズ教徒がしつこく話しかけて来たのには参った……。余談だが彼の容疑はエリス教の女性司祭に対するセクハラ行為らしい。……今日もこの世界は平和なようだ。

  

 釈放された後もしつこくついて来る彼を撒いた後、あの饅頭屋の前を通りかかった時は衝撃的な物も見せられた。エルフ族の証である尖った耳を外したスノーエルフと特徴的な髭を外したドゥーマー。 まったく、初めて邂逅した時の感動を返して欲しい気分だ!

 生前は、ファルメルの耳を切り取って毒薬の材料にしていたことはあったが、まさか異世界のスノーエルフまで耳が取れることになるとは・・・。 

 後で分かったが混血のエルフは人間と同じ耳をしているので雰囲気を壊さないようにエルフの付け耳をすることがあるらしい。世間のイメージとは面倒なものだ……私も高貴な種族としての名誉のためどれだけ心砕いたか。

 

 そんなことがあり早朝から非常に疲れたが、無事にアクセルへ向かう馬車に乗せてもらえ、ミツルギたちと何故かゼスタさんが見送りに来てくれていた。ゼスタさんがくれた『アクシズ教公認付呪士』なる称号は微妙だったが、彼のお告げは中々侮れない内容だった。あの性格でさえなければ素直に敬意を払えるのだが……紅魔族といい何故この世界は実力がある変人が多いのだろう?デイドラ信者共と同じなのか? 

 

 しかし、馬車で旅ができるなどなんと素晴らしいことか! 寒空の中あのスカイリムを歩き回らされた苦労を思えば何倍もマシだった。例え道中ドラゴンに襲われることになってもその思いは変わらない。

 それに転生特典が無い冒険者たちの戦い! ドラゴン(ここではワイバーンと呼ばれる種だが)に最初は怯えていたが彼らのスキルはとても興味深く、そして強力だった。まさか人間をここまで頼もしく思う日が来るとはな!紅魔族でも転生特典を持った勇者でもないこの世界でごく一般的な冒険者たち。彼の力やその使い方を体験できたのはとても大きい! 

 この後、あるパーティから夕食に誘われている。馬車の中で私を気遣ってくれたクルセイダーがいるパーティだ。 彼らに聞きたいことは既にメモをした! どんな話を聞かせてもらえるのか今から楽しみで仕方が無い!

 

 

 

 

アルカンレティア出発 2日目 μ月δθ日

 

 ドラゴンにアンデッド……生前に散々戦った連中とこの世界でも戦うことになるとは生前の行いが悪かったのだろうか?否、任務は真面目にこなしていたし鍛錬も今に至るまで怠ったことは無い。正義の名の下に真っすぐ歩んでいたはずなのだが・。

 昨夜夕食を一緒に食べた後、我々の野営地はゾンビの大群に襲われた。暗闇の中、味方を巻き込まないように剣で戦おうと考えたのだが・・ドーンブレイカーで止めを刺したゾンビが突如爆発を始めた。……そして爆発に巻き込まれたゾンビは何故か逃走を始め、追いかけるのが非常に大変だった。メリディア神はどれだけアンデッドが嫌いなんだ?

 戦いは恐らく明け方まで続いたと推測されるが、戦いの途中で限界が来て意識を失ったからよく覚えていない。

 

 意識を失っている間はあのいかれたノルドとセラーナという女性の夢を見せられた。どこかの立派な書斎でコソコソと何かをしていたが……。嫌なことを思い出すので詳細は省いておく。分かったのはあの2人に常命の者としての常識を期待してはいけないこと。そして人外になるのにも一切の抵抗が無いことだ……。母上たちがこいつらに会いに行くようだが大丈夫だろうか? あの男にも子どもがいるからヴィルナには手をかけないと信じたいが……まぁ、スフィリアに加え母上までいるなら逃げることぐらいはできると信じたい。何せ母上は私の魔法の師でもあるからな。

 

 意識を失っていた私はいつの間にか馬車に運び込んでくれたようだ。昨日のパーティと同じ馬車。気心の知れた彼らにスキルの相談に乗ってもらったり談笑したりするのはとても楽しい時間だった。この世界の占いも興味深かったな! あの本、恐らくマーラのように婚姻を司る神の祝福を受けているのだろう。将来の結婚を占いで知る。タムリエルでは余り聞かない風習だ。『この世界に相手はいない』という結果も私が転生者であることを考えると納得だ。こんな未知の物とたくさん出会えることが楽しみで仕方が無い。

 後は、もう少し一人前の男と意識されるようになりたいのだが・・ノルドやオークのように過剰な筋肉は必要がないがどうすればいいのだろうか? ぶっころりーさんにでも手紙で相談してみるか。

 

 余談だが、占う際に私の誕生日が明日だということが分かった。私も17・・こちらでは13だから非常にややこしいが、彼らは私のために魔法の指輪をプレゼントしてくれた! この世界の魔法は杖や指輪のような媒介を通して出ないと真の威力を発揮できないらしい。紅魔の里では自分で付呪をした指輪を付けていたので何の指摘もされなかったが、今の私にはこれ以上ない贈り物だ。

 彼らとはもう再会できるのか分からない。だが、この指輪を見る度に私は彼らの恩を忘れないつもりだ。

 

 ワイバーンやゾンビの討伐に参加したことで馬車主から謝礼金も出たことだし、今日は宿でゆっくり休んで明日から本格的にアクセルを散策することにする。落ち着いたら里の皆にも手紙を書かないといけないな。 

・・もう疲れる夢は見ないといいのだがな。 

 




次話の投稿はかなり間が空きます。詳細は本編最新話にございます。お待たせしてしまうのは心苦しいですが何卒ご容赦いただければ幸いです。 なお本作に正確な日付が無いのはこのすばの世界の正確な暦が分からないという都合です。26話の時点ではタムリエルの暦で慈雨の月の24日。転生してそろそろ1年が経過し、爆焔のストーリーが始まるぐらい時系列です。
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