暁 再結成   作:ガーディアン

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15話

「驚いたな。下級悪魔だったらあの一撃で終わりだが、

舐めていたな貴殿を」

「それはどうも」

「でもサイラオーグ、

あなたも攻撃しようとしたけど彼が避けたのがわかったでしょう?」

「ああ」

 

へぇ、あの一瞬の出来事を見れたのか

洞察力が優れているな

「みんな。サイラオーグは若手悪魔のナンバー1よ。

覚えておいてね」

 

若手悪魔ナンバー1か

つまり、この場にいる悪魔よりも強いと言う

 

「あ、兵藤!」

「匙じゃん。あ、会長も」

「ごきげんよう、リアス、兵藤くん」

ソーナ・シトリー

こちらもまた名門シトリー家の次期当主

そして、眷属の匙元士郎

こいつも神器を持っている

これで全員集まったらしくテーブルが用意される

 

無論、俺は人間でどこの眷属でもないので隅っこで待機だ

修復作業も終わり、自己紹介が始まる

「私はシーグヴァイラ・アガレス。大公アガレス家の次期当主です」

主は席に着き、眷属は後方で待機している

「私はリアス・グレモリー。グレモリー家の次期当主です」

「私はソーナ・シトリー。シトリー家の次期当主です」

「俺はサイラオーグ・バアル。大王バアル家の次期当主だ」

やはり皆の主の器なのか焦りもなにもない

 

「僕はディオドラ・アスタロト。

アスタロト家の次期当主です。

皆さん、よろしく」

優しげな声をしているけど、この青年も悪魔

裏じゃどんな顔をしているのか

「グラシャラボラス家は先日、御家騒動があったらしくてな・・・。

次期当主とされていた者が不慮の事故死を遂げたばかりだ。

それで、先程のゼファードルは新たな次期当主の候補と言う事になる」

サイラオーグからの説明

ふーん、俺に攻撃してきた奴は本来違う人がいたのか

 

「皆様、大変長らくお待ちいただきました。

皆さまがお待ちでございます」

 

若手悪魔達が案内された場所は異様な雰囲気がしている場所だった。

高い所に置かれた席には悪魔のお偉いさん方みたいな人たちが座っている。

サーゼクスの姿も見えた

魔王、一度どんな強さか戦ってみたいものだ

俺が倒したパピュスは最上級の魔術師

だがそれよりも上だと聞く

 

「よく集まってくれた。

次世代を担う貴殿らの顔を改めて確認するため、集まってもらった。

これは一定周期ごとに行う若き悪魔を見定める会合でもある」

初老の男性が腕を組みながら語る

「さっそく、やってくれたようだが……」

今度はヒゲたっぷりの男性悪魔が皮肉げに言う

さっきのことだな

俺も関わっているけど、大丈夫かな?

 

「キミ逹六名は家柄、実力共に申し分のない次世代の悪魔だ。

だからこそ、デビュー前にお互い競い合い、力を高めてもらおうと思う」

サーゼクスが六人を見つめて語る

「我々もいずれ《禍の団》との戦に投入されるのですね?」

サーゼクスの言葉にサイラオーグが尋ね返したが、サーゼクスは首を横に振る

「それはまだ分からない。

だが、出来るだけ若い悪魔逹は投入したくはないと思っている」

「何故です?

若いとはいえ、我らとて悪魔の一端を担います。

この歳になるまで先人の方々からご厚意を受け、なお何も出来ないとなれば…」

「サイラオーグ、その勇気は認めよう。

しかし無謀だ。

何よりも成長途中のキミ逹を戦場に送るのは避けたい。

それに次世代の悪魔を失うのはあまりに大きいのだよ、理解して欲しい。

キミ逹はキミ逹が思う以上に、我々にとって宝なのだよ。

だからこそ大事に、段階を踏んで成長して欲しいと思っている」

サーゼクスの言葉にサイラオーグは一応の納得をしたが、不満がありそうな顔をしていた。

まぁ、俺もあのテロリストは許せないからな

生あるものを死なせるようじゃ

不満の気持ちもなんとなくわかる

 

その後サーゼクスや他の悪魔は今後のゲームや冥界の情勢などをリアス達に話していた

「さて、長い話しにつきあわせてしまって申し訳なかった。

なに、私たちは若い君たちに私たちなりの夢や希望を見ているのだよ。

それだけは理解してほしい。

キミたちは冥界の宝なのだ」

皆に向かってサーゼクスは言う

それほど大事だと言う事だな

 

「最後にそれぞれの今後の目標を聞かせてもらえないだろうか?」

サーゼクスの問いかけに、サイラオーグが最初に答える。

「俺は魔王になるのが夢です」

真っ直ぐ、迷い無く言いきるサイラオーグ。

 

『ほう………』

この言葉にお偉いさん方感嘆の息を漏らした

「大王家から魔王が出るとしたら前代未聞だな」

「俺が魔王になるしかないと冥界の民が感じれば、そうなるでしょう」

言い切るな

次はリアス

「私はグレモリーの次期当主として生き、

そしてレーティングゲームの各大会で優勝する事が近い将来の目標ですわ」

ふーん、レーティンゲーム

悪魔たちが戦って戦略をぶつけ合うゲームだな

次はソーナ

「私の夢は冥界にレーティングゲームの学校を建てる事です」

その言葉に眉を寄せるお偉いの悪魔たち

「レーティングゲームを学ぶ所ならば、既にある筈だが?」

「それは上級悪魔と一部の特権階級の悪魔のみしか行く事が許されない学校の事です。

私が建てたいのは下級悪魔、転生悪魔も通える分け隔ての無い学舎です」

差別のない学校か

確かに、人は見た目や級位ではわからない

夢のあることだな、だが……

 

『ハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!』

 

お偉いさん方の声が会場を支配し、嘲笑うかのように次々と口にし始めた。

「それは無理だ!」

「これは傑作だ!」

「なるほど!夢見る乙女と言うわけですな!」

「若いと言うのは良い!

しかし、シトリー家の次期当主ともあろう者がその様な夢を語るとは。

ここがデビュー前の顔合わせの場で良かったと言うものだ」

 

何故笑う?

俺は一瞬疑問符を浮かべた

「私は本気です」

ソーナも態度を変えずに言い切る

だが、お偉い悪魔の一人は冷徹な言葉を口にする

「ソーナ・シトリー殿。

下級悪魔、転生悪魔は上級悪魔たる主に仕え、才能を見出だされるのが常。

その様な養成施設を作っては伝統と誇りを重んじる旧家の顔を潰す事となりますぞ?

いくら悪魔の世界が変革の時期に入っていると言っても変えて良いものと悪いものがあります。

全く関係の無い、たかが下級悪魔に教えるなど・・・」

その一言に匙が口を挟む

「黙って聞いてれば、なんでそんなに会長の……ソーナ様の夢をバカにするんスか!?

こんなのおかしいっスよ!

叶えられないなんて決まった事じゃないじゃないですか!

俺達は本気なんスよ!」

「口を慎め、転生悪魔の若者よ。

ソーナ殿、下僕の躾がなってませんな」

「……申し訳ございません。あとで言ってきかせます」

「会長!どうしてですか!この人逹、会長の、俺達の夢をバカにしたんスよ!

どうして黙っているんですか!?」

「サジ、お黙りなさい。この場はそういう態度を取る場所ではないのです。

私は将来の目標を語っただけ、それだけの事なのです」

なるほど、お偉いさん方は上の立場だけが生き残れば良いというわけか

弱者を捨て、強者を育てる

俺の生きていた元の世界でもそれはあったが

違うところもある

ある意味反論した匙の意見は正しい

 

 

「夢は所詮、夢。叶うことと叶わぬことがありますぞ。ましてや下級悪魔如きがレーティングゲームを学ぶために行き来する学校を作るなど……」

「下らねぇ戯事だな…」

お偉いさんの言葉を遮り

俺はため息をしながら言う

俺がしゃべったことで全員俺に注目し始めた

 

「貴様、今なんと言った!?」

一人が激昂する

「戯言」

「人間ごときが、この場で話す権利などない!」

「はは!弱いじいさんごときに怯む俺じゃないけどな」

「貴様が今ここにいるのは魔王さま方の温情によるものだと言うのに……。

その上我々を侮辱し、意見するだと?

この様な神聖な行事の場にこれ以上に人間が居あわせることは耐えられん!!」

「夢には叶うことと叶わぬことがきっちりと分けられておる。

それを無知な人間が語るでないわ!!」

確かに、俺はまだ悪魔の社会を知らない

だけどな……

「人ってのはな必ず目標がある。

その目標を達成するために努力をする。

たとえ叶わなくても、強くなれるじゃないのか?」

「悪魔が努力?

ははは、笑わせるな。

努力は人間が必死こいて惨めになること。

そんなことは悪魔は望んでない!

むしろ、人間は哀れだな」

この言葉の後にお偉いさん方は一斉に笑い始めた

だけど下の席のサーゼクスや他の三人は笑ってはいない

 

ブチリ……

「少し、黙っててもらえませんかね?

うるさくてしょうがないんだが、なッ!!」

ゴオォォォッ!!!

 

建物が揺れる

パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!

窓が割れ

ピシシシ……!

壁や床にひびが入る

その場にいた全員が驚愕する

 

「俺を…人間をあまり怒らせないほうが賢明だと思いますよ?」

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