あ、これあとがきです。エピローグがまだの人は一つ前へ。以下、一切容赦のない裏話やネタバレマシマシで。
はい、どうも、お疲れ様でしたてんぞーです。久方ぶりに完結です。最近はデータぶっ飛んだり、パソコンそのものが死亡。こう、最近はモチベーションはあったのに事故ってぶっ飛んだりすることで霧散したりできなくなったりで結構エタ率高かったなぁ、って事で始めたのがこれ。オリヴィエ専用救済SSでございます。まぁ、その発端はなんというか、
「オリヴィエ出演するたびに死ぬよな」
「オリヴィエはベルカにして死亡」
「死が似合う女ナンバーワン」
とかいう話をした結果なのよね、これ。そして見返せばこの女、マジでベルカ環境だと死んでしかいねぇな……これはやばいわ……そろそろ本格的に祟られない? ……良し! 生かそう! 手段を択ばずにオリヴィエを助けよう! あ、無理だ、ベルカクソゲー! とんだクソゲーだぞこの時代! 調べれば調べる程クソゲーだこれ!! そりゃあお前も死ぬよな!
というハイテンションでしたとも、えぇ。
調べれば調べる程噴出するベルカの闇。そりゃあ闇の書のシナリオや、ゆりかごのシナリオを見れば滅んであるという事を前提に考えているんだから、きっと当時設定を書いた人も、
「やっべwww滅ぶすならぶっこむわwwwww」
レベルで色々と滅びの要因をぶち込んだんだろうなぁ、と……え? そもそもリリカルシリーズの設定ががばがば? そんな話は今は受け付けていないので、えぇ。都合の良い事に聞こえません。最初から最後までがばがばだったとか。後付けオンパレードで実はひどい事になってない? 大丈夫? ガバ拡張されてない? もうされてたかー……。と言う感じだけど。
まぁ、そんなわけで始まりましたオリヴィエを救うためのss。これに当たっては自分自身にいくつか制限を設けていたわけで。
どんなに陳腐でもいいのでオリヴィエを救う事。
ハッピーエンドで終わらせる事。
起承転結をはっきりさせる事。
そして短編で纏める為に15万文字前後とする事。
結果、エピローグで15万803文字になりました。まぁ、15万前後で±で大体5000~2万ぐらいかなぁ? と読んでいた自分としてはかなり目標に近づける形だった、と。まぁ、つまり1ラノベサイズです。
つまり君たちはラノベ1冊分の短編を呼んだという事だ。おめでとう、本屋で1000円使う手間が省けたね? それで何か美味しい物を食べるといい。
個人的には偶には外に出てコーヒーを片手にドーナッツを食べるのをお勧めする。チープなのじゃなくて1000円で食べられるぐらいの所を。それでゆっくりと時間を過ごしてくれると嬉しい。人生ゆとりが大事だからね。
まぁ、インドに居る身としてはそこらへん、ゆとり過ぎて道端に牛とかコブラいるんですが……って感じだけど。
ともあれ、この物語は非常にチープな終わり方でもいいので、オリヴィエを助けようというお話。オリヴィエを助けるのはどうすべきか? 面白くするには、その後に続くには―――それを考えつつてんぞーの個人的な趣味を考えた結果がこれでした。まぁ、多少遊んでたエロゲーに影響された事も否定は出来ない。
エロゲーはいいぞ。
オリヴィエを確実に幸せにするためにはそもそもベルカという時代から彼女を連れ出す必要があった。そしてそれとは同時に最終決戦の場でオリヴィエを生かすためにはヴィルフリッドという、古代ベルカ時代における無敵最強のアイコンも必要でした。ですから特に気を使ったのが、
ヴィルフリッドの到着。
クラウスを完全な道化にはしない。
オリヴィエをベルカから連れ出す。
という三点だった。これで問題になってくるのはまさかの尺だった。今までは長編連載ばかりだったのでそこまで意識していなかったけど、15万文字とは非常に短い!!! 超短いのだ。信じられないほどに短い。これで本当に書きたいものを全部かけるのか? そう思ってしまうほどに薄い。だがやるのだ、やってしまうのだ。
登場するキャラクターを減らし、描写数を減らし、脇役ではなく背景の存在として扱う。その上で完全に誰だこれ? とならない程度には読者に通じる様なキャラ性を通す。ナンバーズは一切説明が入らなかったけど、大体の読者なら喋り方や応答であぁ、あいつか……なんて思えたりもしただろう。そういうのをメイン以外のキャラクターに対して行うのだ。会話やわずかなイベントから、どういう人物なのかを察せる様に書くのだ。
やはり15万文字辛い。
だけどやったぜ。
そんなわけでプロットを段階的に分けて管理しました。
このシーンからこのシーンは大体~~~文字数で管理。次にこのシーンは大体~~~文字数で管理、って感じですね。その結果は大体話数って形で見て貰えていると思います。シーン=話で大体管理しているので、それで物語を区切りつつ進めた訳です。それがおそらく一番管理しやすいから。そうやって構築し、描写のポイントを閉めたら、あとはもう書き始め。
毎日執筆、毎日更新というループの繰り返し。
大体15話前後で完結するのは見えていたので、まぁ、大体予想通りのスケジュールかなぁ、って結果です。
それじゃあキャラの話、という事で謎多き帽子さん。
帽子さん。何度か言っているけどモデルは存在する。だけどあくまでもモデルだけ。そこからはもうほとんどキャラの軽さとか行動原理とか、そこはもう別物で。動きもスタイルも完全に別だしな! とはいえ、元を借りたのはこいつレベルじゃねぇとこの女の運命はどうしようもねぇなぁ……って考えからもあったりするのでした。まぁ、そんな訳で選ばれた主人公の帽子さん。名前はない。そこは読者自身が自由に入力してやってください。
そんな訳で登場した帽子さんは完全な召喚特化型。動くなら相手を動かしたほうが楽。自分より強い奴を呼び出せばよい。回復も他人に任せる。強化も、防御も、移動も、全部出来る奴がやればいいじゃん! 俺? 立って召喚するだけだわ。そういうスタイルのキャラです。召喚・憑依・付与、そして契約っていう特性に特化した怪物だと思えば宜しいです。あちこち回っては詐欺めいた口八丁と契約スキルで契約件数を伸ばし、死んでも魂を束縛しているのでそのまま魔力で肉体を作って社畜生活続行! 死んでも働かせる! 絶対だ!
ブラック企業の方のソロモンと彼は呼ばれた。
悪魔も泣いて労基に飛び込む方のダンテ。
エクスカリバーを折って捨てるマーリン。
決まった展開やルールというのが大嫌いな奴だった。
そういう徹底的に理不尽で、反社会的だけど独自のルールを持っていて、それに従って生きているめちゃくちゃな奴、というのが帽子さんでした。或いはRPGの主人公で徹底してカオスな選択肢を選び続けるけど、要所要所ではかっこいい選択肢を選んでしまう我々。そういうタイプの人間でした。基本的にハッピーエンドが好きだけど、出来るなら楽したいし、自分の能力も有効に使いたい。まぁ、言ってしまえば欲張りな能力のある奴だった。
ただこれレベルで理不尽なご都合主義メイカーじゃなきゃオリヴィエの生存も難しかっただろうなぁー……というのも事実で。これ以外となるとオリヴィエが生まれる前から準備し始めるか、効率度外視で聖王家の王族がゆりかごに乗り込んでダイナミック自殺を決めてくれるのを頼むぐらいでしょうか。
ねぇなそれ……。
オリヴィエー!! 俺は人間を止めるぞー!!
ゆりかごのパーツとしてな!!!
一発ネタにはなりそう。二発目は死ぬからない。
まぁ、そんな訳で最強無敵、そしてどこまでも大胆不敵で
最後に登場したユーリはアレ、読者に対して「なのは世界で最も解りやすい最強」という存在のアイコンである為に持ってきました。また同時にこれを引っ張ってこれるなら笑ってハッピーエンドを認められるな! という気持ちを生み出す為でした。
その後、歴史が崩壊し、再編された未来でなのセントの世界につながったのは、根本的に公式で出されている世界観で誰も死なず、みんな幸せで一切の事件のない世界がなのセント世界だからです。ここを終着点にすることでこれ以上の事件はない、ここからはずっと平和で、どこにでもある日常を仕事したり、ゲームしたりで生きて行く……という事に対するアイコンでした。
ちょーっと本編中では説明が難しかった話。
時間の接合性と主人公召喚の話。
この全ての始まりはクロゼルグが未来を見た事から始まります。
クロゼルグが未来の知識を得たのが始まりで、
ですがクロゼルグが未来の知識を獲得して死んだ事で、それが後世に―――つまりは未来のクロゼルグに伝わります。そうする事で情報の伝達が一週する訳です。
ですがここで発生したのは時間のループ処理。
つまり【未来のクロゼルグが過去で未来を見た、という情報を得た】のを【過去のクロゼルグが観測】しました。時間の情報取得によるループ処理で1週し、未来の情報が更新されたのを過去のクロゼルグが獲得しました。
そしてこれをクロゼルグが使える、と理解しました。
未来から過去への移動は不可能です。
ですが未来視などで未来から過去へと持ってくるのは可能です。これがクロゼルグがやっていたことでした。
つまり
未来のクロゼルグが、ゆりかごに無断侵入してサイコハッキングをしていた男達の話をニュースで見ました。つまりは帽子さんとジェイルのコンビです。そしてその内容も軽くだが取り上げられ、クロゼルグは過去へと介入できる存在がある、と理解しました。
そこで用意したのが召喚術。
自分の命を対価に生きている自分の存在を起点として召喚術を発動させる。
精神とはつまり
情報の塊なので、無論データの塊です。
オリヴィエが妙に帽子さんに近かったり、懐いたり、覚えたりしたのはこのコードを聖王核で無意識的に感知し、読み取って影響されていたからです。精神とか自我とか、それとはまったく関係のないクロゼルグの仕業でした。
召喚術の対象を帽子さんに絞っていたので、帽子さんが過去へとダイブした時点で術者は死んだクロゼルグから生きている頃の過去のクロゼルグにシフト、ですが対価は既に未来のクロゼルグによって支払われています。
つまり過去のクロゼルグはこれ、コストが支払い済みの術の起点として、或いは中継点として利用されただけでした。
セリフ、なかったけどちゃんと重要な役割でした。
まぁ、そんな訳で帽子さんの精神は、或いは存在そのものは肉体を現代において、既に常に過去の世界で存在し続けていたものでした。なので肉体を精神と同じ座標へと移動させるだけなので、最終決戦においてはあっさりと肉体を引っ張ってこれました。
まぁ、説明してしまえばこんなもんでした。
最後に、私はオリヴィエ・ゼーゲブレヒトが本当に大好きです。
定期的に絵を求めてブラウズしますがまったく新規の絵が見つかりません。ヒロインの話を探してもまったく見つかりません。もっと、もっと彼女の魅力を回りの人に知ってほしい……と、そう思いながら毎回殺して悲劇のヒロインに仕立て上げて来ました。ですがそれを一回反省して、こうやって立派なヒロインとしてエンディングを与えられました。
私は彼女というキャラクターが非常に好きです。古代ベルカという大地を捨てればきっと、さらに美しくなるキャラクターだと思っています。悲劇のヒロインなだけで終わらせるのは実にもったいなく、ただの王女だけで終わらすのも実にもったいない。
彼女の様な悲劇の王女様は、そのベールをはぎ取ってただの少女にしてしまえば、きっと恐ろしく可愛く、そしてもっと素敵になるだろうと思いました。
最後のシーン、キッチンでポニテ―ルで髪を纏めている姿はおそらく、古代ベルカに居る限りは一生到達できる事のない姿だったでしょう。彼女は王族という立場がある上に、日常生活用ではなく戦闘用の義手を貰っていた。身の世話は従者が行い、身分からして、そんな姿はあり得なかった。
だからこそ、誰か、他人の為に料理を作る、というシンプルなシーンで終わらせたかった。
そこにはきっと、本来のオリヴィエには出来ないけど、解放されたからこそ見れる彼女の魅力があったからと信じているからです。その一端でも、この気持ちが伝わってくれれば幸いです。
文字数との闘い、表現の幅との闘い、中々厳しく辛い時間でしたが、同時に達成感と楽しさに溢れる時間でした。しばらくは裏で色々と作業をやっているので次の更新は遅かったりゆっくりとなったりしますが、それではまた何らかの魅力をみんなに伝えられたら……と思います。
それではあとがきはこれにておしまい。
お疲れ様でした。
追記 活動報告にて完結記念支援絵アリ。