Fate/憧れの聖女   作:フラっぴー

2 / 2
第1話 生活

 

金髪の少女の手を引き、雨の中を走った。俺は学校では学年で一二を争うほど足に自信がある。だから少女は俺のスピードについてこれているのかが心配になり、後ろを見た。

 

 

「はあ……はあ……」

 

 

よかった……。なんとかついてこれているみたいだな。ずぶ濡れになって家に着き、早速中に入った。

 

 

「ちょっと待っててくれ、タオル持ってくる」

 

 

「は、はあ……」

 

 

洗面所にあるタオルを持って、少女が待ってる玄関に向かった。

 

 

「これ使って……く……れ……」

 

 

「あ、ありがとうございます。あの……どうかしましたか?」

 

 

少女は雨に打たれたせいか、服が濡れて透けてしまっていた。そのせいで少女の下着が……

 

 

「と、とりあえず脱衣所に向かってくれ。着替えを渡すからそれに着替えてくれ」

 

 

「は、はい」

 

 

とりあえず少女を脱衣所に向かわせて、俺は少女の体に合うサイズの服を探しにいった。中学の時に着ていた服なら大丈夫だろう。着替えを持って脱衣所の前に立ち、軽くノックした。

 

 

「入るぞー」

 

 

「ど、どうぞ」

 

 

中に入ってもいいみたいだから、俺は中に入って着替えを渡す。

 

 

「俺が中学の時に着てたやつだけど、これで我慢してくれ」

 

 

「わざわざすみません」

 

 

「いいよいいよ。飯作ってくるから、着替えたらリビングのソファーでゆっくりしていてくれ」

 

 

俺はそれだけ言って、リビングのキッチンに向かった。これからは2人分を作ることになるから、買い出しも2倍の量だな。数分後、少女は着替えてきて、リビングのソファーに座って待っていた。

 

 

「もうちょっとでできるから、待っててくれ」

 

 

「あ、私も手伝います!」

 

 

「いいのか?じゃあ箸とコップと皿を運んでくれ。箸は割り箸があるからそれでいいぞ。コップと皿もなんでもいいからな」

 

 

「わかりました!」

 

 

少女が俺が言ったものを運び終えると、ちょうど晩御飯もできたみたいだ。俺はご飯を茶碗に入れて、味噌汁を入れて持っていった。その後にメインの肉を炒めたものを運んだ。

 

 

「いただきます」

 

 

「い、いただきます!」

 

 

飯の時は一言も喋らずに黙々と食べた。俺は少女の方を見ると、少女は美味しそうに食べていた。そして食べ終えて、食器を運び、洗い物をした。一通り片付いたから、風呂の準備をして、溜まるのを待った。その間に自己紹介をしよう。

 

 

「そういえば自己紹介がまだだったな。五十嵐晴樹。君は?」

 

 

「え、えっとぉ……」

 

 

「ん?どうした?」

 

 

「あの、信じてもらえないと思いますが……」

 

 

「何が?」

 

 

「お、驚かないでくださいね。私は…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャンヌ・ダルクです」

 

 

 

 

「え……?」

 

 

 

「や、やはり信じてもらえないですか?」

 

 

 

「き、君!あのジャンヌ・ダルクなのか!?」

 

 

「は、はい」

 

 

「俺なんて失礼なことを!!いや本当にすみません!!俺の古着なんか着せてしまって!!い、嫌ですよね!今すぐ新しい服買ってきますから!!」

 

 

「お、落ち着いてください!!私この服装でも全然大丈夫ですから!!」

 

 

「い、いやでも……」

 

 

「ほんとうに大丈夫ですから!それより、私の予想以上に驚かれるとは……」

 

 

 

取り乱しすぎてしまった。まあクー・フーリンさんとかもいるぐらいだから、ジャンヌ・ダルクがいてもおかしくないけど、まさかその本人が目の前にいて、しかもこんな美人だったなんて。

 

 

「あの、晴樹君……でいいのですよね?」

 

 

「は、はい」

 

 

「あ、敬語にしなくていいですよ。さっきのほうが話しやすいですし」

 

 

「わ、わかった」

 

 

「ここに住んでいいというのは本当なんですか?」

 

 

「ジャ、ジャンヌさんがよければ」

 

 

「さんもいりませんからね。私はむしろありがたいことです。今まであの協会で寝泊りをしていたので、まともな暮らしをしてなかったので。ですからご迷惑になるかもしれませんが、よろしくお願いします」

 

 

「こちらこそ、よろしく頼む」

 

 

俺は手を差し出すと、ジャンヌも手を出して俺の手を握って握手をした。その直後、風呂が溜まった音がなり、ジャンヌにタオルを持たせて風呂場に行かせた。これからはジャンヌの分の服や家具を買わなきゃな。

 

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。