せっかく転生したので最強の悪役を目指します。 作:Z-ONE
ついに目覚めた闇の書を前に俺は転生してから初めて『畏怖』という感情を抱いていた。
「十六夜政宗、主や騎士達を苦しめた貴様に永遠の闇を与えてやろう」
「永遠の闇? フッ、下らんな。消えるのは貴様だ」
《Pause》
俺以外の全ての時間が停止する。
「いくら貴様でもポーズの前では無力……」
そう言いながらゆっくりと闇の書の闇に近づいていく。
「愚かだな、十六夜政宗」
突然、声が聞こえたと思うと俺は大きく後方に吹き飛んだ。
「グハぁ!?」
突然の衝撃に驚いたが何とか転倒せずに着地する。
「何故、停止した時間の中で動くことが出来る!?」
「騎士達が貴様のその技を受けたことでナハトが自己進化したのだろう。貴様のその技は私には通用しない」
「貴様如き、ポーズなくとも勝つことは容易だ!」
ジャンプで闇の書との距離を詰めた俺は攻撃を放つ。
「フンッ!」
「無駄だ」
俺の一撃を闇の書は左手で受け止める。
確かな感触はあったが即座に折れたであろう腕は元に戻る。
「無限再生機構か。鬱陶しいな、弱者の分際で……」
「だったら、私に勝てない貴様は雑魚以下という事になるな?」
「ほざけ!」
両者の強力なパンチとキックの繰り出し合いが続く。
俺の方はほとんど攻撃を相殺し、闇の書は受けた傷を即座に回復していた。
そして、俺の一撃で闇の書が後方に大きく動く。
「消えろ」
闇の書は突然空中に浮くと、右腕を掲げる。
右腕の中に黒い魔力の球体が生成されていく。
「永遠の闇に堕ちろ」
それと同時に周囲の町一帯に炎の塔が吹き上がる。
だが、炎の塔はポーズの影響ですぐにその時を停止させる。
「…成程、私は大丈夫でも魔法等は停止してしまうのか。ならば……」
闇の書はそういうと突然、その姿を消す。
「転移か? 何処に行った?」
「ここだ」
声がした方向を向くとそこにはゲーマドライバーのレバーを握る闇の書の姿があった。
「これが起動キーだろう? 解除させてもらう」
そう言った闇の書はゲーマドライバーのレバーを展開する。
《Restart》
それと共に停止していた時間が動き出し、周囲の炎の塔も動き出す。
「馬鹿が、こんな大雑把な攻撃が当たるものか」
「知っているとも」
背後から放たれた魔力の鎖に俺は拘束される。
「ふん……!」
「なにッ!?」
闇の書はバインドの鎖をそのまま大きく振るい、俺を地面に叩きつける。
ダメージこそほとんどないが大分距離を放された。
「あっちは転移で移動できるが……こちらも裏技で行こう」
《Jet combat!》
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「おそらく、大したダメージにはなっていないだろうが……」
「分かっているではないか」
「ッ!?」
何かを悟ったのか闇の書は高速で低空飛行を開始する。
すると先ほどまで闇の書が居た場所には無数の弾丸が撃ち込まれた。
闇の書は引き続き低空飛行で俺の上空からの機銃の掃射を躱していく。
「これでは無理だな。切り替えだ」
《Giligili chanbara!》
コンバットアーマーを解除し、ガシャットを切り替える。
《アガッチャ! ギリ・ギリ・ギリ・ギリ! チャンバラ!》
チャンバラアーマーを装着し、ガシャコンスパローを鎌モードで装備する。
「フン!」
「ッ……」
俺の両手に持った鎌と両脚の攻撃に闇の書の防御に入る。
「はッ!」
「グワッ」
闇の書の放った魔力弾によって距離が開いてしまう。
「ならば!」
《Gekitotu robots!》
チャンバラアーマーを解除し、再び武装を切り替える。
《アガッチャ! ぶっ飛ばせ! 突撃! ゲキトツパンチ! ゲ・キ・ト・ツロボッツ!》
ロボッツアーマーを装着した俺は左手のロボットアームを射出する。
「無駄だ!」
それを闇の書は右手に装着されたパイルバンカーでロケットアームを粉砕する。
粉砕されたアーマーは周囲一帯に煙を蔓延させる。
《アガッチャ! シャカリキ! シャカリキ! バッドバッド! シャカっとリキっとシャカリキスポーツ!》
スポーツアーマーを装着した俺は煙の中から闇の書を強襲する。
「くっ」
闇の書は不意打ちにこそ驚いたがすぐに切り返してくる。
「これでもどうだ!」
俺は右手側のタイヤを闇の書に投擲するが、闇の書はそれを片手で弾き飛ばす。
《アガッチャ! ド・ド・ドレミファ・ソ・ラ・シ・ド! OK! ドレミファビート!》
ビートアーマーに切り替えた俺はターンテーブルを回し、メロディーを流す。
「ひっ! ふっ! はっ!」
流れる音楽に合わせ、リズムに合わせて攻撃していく。
徐々に攻撃力が上昇していったが闇の書に腕を掴まれ、投げられる。
「コンボが途切れたか……」
俺はビートアーマーを解除し、通常形態に戻る。
「もう、武装の切り替えはしないのか?」
「どれも通用しなかったからな」
「そうか」
闇の書は一気に距離を詰め、俺の懐に潜り込む。
「では、そろそろ終焉だ」
闇の書は俺に目にも止まらない速度で攻撃を加えていく。
「沈め!」
アッパーで俺を上空に飛ばし、闇の書が腕を向けると本体である本のページが自動でめくられていく。
やがて、本はとあるページで停止する。
「スターライトブレイカー」
高町なのはの得意技。
周囲の魔力を圧縮して放つ砲撃魔法。
俺はなすすべなく、その直撃を受けた……
「グハッ! 馬鹿な……こんな事が……」
地面に叩きつけられた俺は変身が解除され、地に跪いていた。
周囲には粉々になった俺のゲーマドライバーが散らばっていた。
「残念だったな。貴様では私には勝てない」
闇の書が俺から少し離れた場所でそう言い放つ。
「俺が……『負ける』? この……私が……?」
地面に跪いたまま俺は呟くように口にする。
(負ける? 誰が? 俺が?)
「そんな馬鹿な事を信じられるか……」
俺は立ち上がり、手に持っていたゲーマドライバーの破片を投げ飛ばす。
「私こそこの世界の管理者! 負けることなどあり得ない! この私が敗北するなど……認められるかぁ!」
そう言って俺はバグヴァイザードライを取り出す。
「なんだそれは……」
「もういい……『人』の身で勝てないのであれば……」
俺はバグヴァイザードライの銃口を自分に押し当てる。
「私は今! 人を捨てる!」
バグヴァイザーからバグスターウィルスが注入される。
「ぐおおおおおおおおおおおおおお!!」
俺の叫び声と共に周囲を閃光が覆いつくす……
「なんだこれはッ?」
闇の書も怯むほどの閃光が炸裂する。
やがて閃光が晴れると、そこには……
「成功だ、私は今、『人』を超えた……」
顔に血管が浮き上がり、瞳も赤の緑のオッドアイに変化したバグスター『十六夜政宗』がそこにいた。
「ゲムデウスウィルスを完全に我がモノにしたぞ! ハハハッ! ハハハハハハハ!」
俺は高笑いを上げ、バグヴァイザードライを構えた。
「さぁ、第二ラウンドと行こうか?」
《バグルドライバードライ……》
《Kamen rider chronicle》
ガシャットはいつも通り自動でバグルドライバーに装填される。
「変身」
《バグルアップ! 天を掴…ライ…ー! 刻め…ロ二……! 今……時…極まれり!》
いつも変身に黒い『何か』の影が現れるのを闇の書は見逃さなかった。
「なんだこいつは……」
再び、閃光が走り、俺の姿が変化する。
「酷いノイズだ。本来は変身用ではないのが問題か……」
だが、その姿は『仮面ライダークロノス』ではなかった。
「なんだ? その姿は?」
色が変化し、両手に剣と盾をそれぞれ持つクロノスがそこにいた。
「これこそ、ゲムデウスと完全融合を遂げた私の新たな姿。その名は『ゲムデウスクロノス』!」
ゲムデウスクロノスへと変身した俺は自身の持つ剣、『デウスラッシャー』を闇の書へと向ける。
「さぁ、絶望を教えてやろう」
次回予告
ついに覚醒した政宗。
『神』の力を得た政宗は闇の書との第二ラウンドに突入する。
「貴様はここで……絶版だ」
その時、乱入者が現れる……
「はやてちゃんは殺させない!」
幾度となく行われてきた政宗となのはとの戦いが再び始まる。
「高町なのはよ貴様、私と『協力』しないか?」
次回 闇の書戦第二ラウンド開幕! 政宗、共闘の提案?
この作品の結末について自分の中ではいくつか候補があるのですが、どれが見たいですか? ぜひご協力ください。
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政宗消滅END(一応正史)
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政宗完全勝利END(現在構想とは真逆)
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政宗改心END(自分的にはなし)
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作者にお任せ(高確率で消滅END)
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消滅と完全勝利
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消滅と改心
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完全勝利と改心
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全部見たい