元ネタ有り無しに関わらずオリカは大量に使うので、壊れは無いように気を付けてはいますが、ここはおかしいというところはご指摘ください。
元ネタのあるカードは出来るだけ原作再現したいと考えています。
あ、一人称苦手なので文章は拙いですが、何卒ご容赦を。
プロローグ
朝、起きたら知らない部屋のベッドで寝ていました。
カーテンの隙間からは朝日が差し込み、一部を除いて清潔感のある空間を照らしている。
……うん、ちょっと落ち着いて昨日の事を思い出そう。確か、夕飯を作って、嫁の調整をして寝た……はずだ。何もおかしな事は無い。
誘拐という嫌な二文字が頭に思い浮かんだけれど、拘束されていないしテレビやタンス等の日用品を見る限りその線は極めて薄い。
なら、初めに心配する事はたった一つ。
「俺の、命より大切な
俺はベッドから跳ね起きて、部屋の中で一番混沌であろう場所――カードが散らばった机を目指した。
散らばっていた遊戯王カードを掻き分けると、見慣れたイラストのデッキを見つけた。目じりに涙を浮かべながら、そのデッキを取り出し頬ずりしようする。
「良かったぁ……! 俺の
だが、触ったデッキには違和感があった。まず、掴んだ時の大きさが違う。俺の嫁のデッキサイズはカードダス用の大きさであるミニサイズじゃなくて、ノーマルサイズのはずだ。それに良く見ると表裏両方のカードの色が違うし、何より何枚かのイラストの縁に何故か矢印が……。
……………………。
「――――俺の嫁が遊戯王カードになってるぅう!?」
思わずデッキ内容を確かめてみると、切り札である嫁以外にもデッキに入っていたカード全てが遊戯王カードになっていたのだ。
「どういうことだ? これは」
目の前で起こった異常事態の数々に、俺の頭は沸騰寸前だった。とりあえず、兎にも角にもまずは情報だ、情報が欲しい。何がどうなっているんだ。
そして、思わず目の前にあったテレビのリモコンを押したとき、奇しくも俺に何が起こったのか理解することになる。
『レディーース、アーンド、ジェントルメーン。これより、榊遊矢のエンタメデュエルをお見せいたしましょう!』
「……『
少なくともここは、俺が元居た世界では無いと。
*
どうやらここは、遊戯王ARC‐Vに良く似た世界らしい。断言できないのはいくつかのカードの姿が原因だ。
――リンク・モンスター。
ARC‐Vの次元には存在しないカード、本来なら次のBRAINSに登場するカード群のはずだ。
「もしかするとここは、新マスタールールに変更されたARC‐V世界……なのか?」
他にも色々と気になる点、特に遊矢関係(ペンデュラムを使っていないのテレビに出ている+見た感じマインド揺さぶられていない処か、若き天才エンタメデュエリストとか言われている)があるけれど、今は置いとこう。……というかあまり遊矢関係に深入りするのは良くないと、原作知識が警鐘を鳴らしている。
まあ、ここでずっとしていても仕方が無い。取り敢えず外に出て情報収集だ。
*
意を決して部屋の外に出てみたら、父と母がいました。正確には『この世界』の父と母だけども。
いくつか他愛も無い話を交わした事で、別の世界の俺自身に憑依した可能性が浮上した。とはい、え元の俺と代わる事なんて出来ない上に、拠点となる場所は必要だ。
……それに、今の意識になる前の俺も現在の俺とあまり変わらない事、両親の性格が元居た世界と同じなのは、俺にとって救いだった。本心で話せるというのはかなり心が楽になる(流石に異世界からやってきたかもしれないとは言えないけれど)。
そして、母は俺に重要な情報をもたらしてくれた。
「ああ、舞網チャンピオンシップに挑戦するんだってね? あんた、頑張りなさいよ。それなりに応援するからさ」
「チャンピオンシップ? ……ああ、今の俺が何処まで行けるか分からないけど、がんばるよ」
まだ、舞網チャンピオンシップは始まっていない。と、いう事は本格的な次元戦争はまだ始まっていない?
LDSには確か異次元に行ける装置がある。上手く立ち回れば元の世界に戻れるかもしれない。
――元の世界に戻る必要はあるのか? あそこには、もう――
「っ!?」
「どうした? 具合でも悪いか?」
「何でもない! 行ってくるよ、母さん、父さん」
心配する両親を背に、俺は逃げるように外へ飛び出した。
*
舞網の街をぶらぶらと歩く。視線を上にして見れば、様々な塾の看板が目に入る。
「といっても、俺が本当に入りたい塾なんてあるのだろうか?」
今の俺が望んでいることは、少しでも嫁と共に戦えること、出来れば嫁本来のデッキで戦いたいこと、そして舞網チャンピオンシップで優勝して何とか元の世界に帰ることだ。
その為にまずは公式戦6割か6連勝(たぶん無理)、それ以前に公式戦に参加できる団体に入らないといけない。……あれ、詰んでね?
「僕のカード、返してよ!」
「使えないカードだが、てめぇにはもったいねぇ。俺が貰ってやるよ!」
ぶつぶつと出場する方法を考えていると、ビルの合間から誰かの叫び声が聞こえてきた。はて、どちらの声も何処かで聞いたことがある気はするけれど。それにしても聞き捨てなら無い言葉を聞いた、それを言われては黙って入られない。路地裏へと声を頼りに歩いていくと、青い髪の小さな少年と人相の悪そうな図体のでかい男が言い争っていた。俺は先程の暴言を吐いた人相の悪い男の方に喧嘩を売る。
「使えないカードとは聞き捨てならないな」
「あ? 何だよ、てめぇ」
男はどうやら、突然現れた俺の喧嘩を買ってくれたようだ。にやりと笑みを浮かべてデュエルディスクを構える。
「世の中にはな、戦いたくても戦えない文字通り『使うことのできない』カード達だっているんだ。そんな彼らの前で使えないカードなんて絶対に無いし言わせないよ。デッキを構えろ、負けたらカードは返してもらう!」
「なら俺が勝ったらお前のデッキを貰おうじゃねぇか」
「いいよ。まあ、あんた如きに負けるデッキじゃないけどな」
「なんだとぅ!?」
「お兄さん!」
売り言葉に買い言葉な俺たちの口喧嘩に小さな少年が口を出した。表情を見ると俺のことを心配しているようだ。
「僕の為に、自分のデッキを賭けなくたって……」
「大丈夫、君のためじゃない。これは俺のプライドの問題だから、俺の嫁にケチつけたこと後悔させてやる……」
「よ、嫁?」
俺の付け足した言葉に少年は困惑気味だった。そりゃそうだろうな、いきなり助けに来たと思ったら嫁が何だとか口にするやつとか変態だろう。……自重はしないけどな!
「さあ来いよ、三流以下のデュエリスト。生憎俺はデュエリストじゃないが相手をしてやる――」
「「――デュエル!!」」
ここに、俺と
呼んで頂きありがとうございました。
デュエルはちょっと長めになってしまいました。説明会でもあるし仕方無いね。