艦これ ~わたしの願い事~   作:水々

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右手首からのコード

「さて、気をとりなおして任務でもこなしますか。 九条さん、任務はありますか?」

 

「そそそそ、そこのパソコンの中に全てあるのです。 ほ、ほとんどの情報はそのパソコンに送られてくるので、よく見ておくのです」

 

執務室の机の上に、ぽつんとパソコンがおかれています。 さすがに砲弾くらってぴんぴんしてるのには驚いてますね。

 

「さっそく起動してみましょう!」

 

電源を入れると、編成、任務、家具、お知らせ、資材がかかれた画面がつきました。

 

任務は、はじめての〇〇みたいなものが多いですね。

 

その他も適当にポチポチしてみます。 ………………いちいちパソコンを見るより、頭に直接入れた方が楽ですね。

 

とりあえず右手首から、接続用のコードを出します。 それをパソコンとつなげ、頭に写します。

 

「ししし、司令官さん? な、何をしてるのですか?」

 

あれ? 私、変なことしてましたっけ? ……あ、言ってませんでしたね。

 

「このパソコンのデータを頭に写しているのです」

 

「えっと……そうじゃないのです、あの、なぜ腕からコードがでてるのですか?」

 

大本営から報告してくれてないんですね。

 

「はい、私はもともと、海軍艦艇を指揮するためのアンドロイドとして造られたものです。 深海凄艦には現代兵器が通用せず、廃棄予定だったんですが、艦娘の指揮も効率よくできるだろうということで、艦娘指揮用に多少の改装を受けここに来たんですよ」

 

あ、九条さんが口を開けたまま固まってしまいました。

 

「九条さん、九条さーん。 大丈夫ですかー?」

 

「っは!」

 

あ、気が付きましたね。

 

「大丈夫ですか?」

 

「えっと、つまり司令官さんは、人間ではないのですね?」

 

「はい、そうですけど………」

 

ウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ

 

突然の警報音

 

「何事です!?」

 

「敵の襲来です、提督」

 

山城さんが扉をバン!と開けて入ってきました。 扉は………無事ですね。

 

「了解です。 敵の勢力は分かっていますか?」

 

「まだ分かってないわ。 でも、嫌がらせしに来た訳じゃないみたい」

 

「普段より多いということですか」

 

悩ましいですね………。 敵の勢力が分からない以上、戦力の分散は避けたいですし。

 

「普段、旗艦は誰ですか?」

 

「響よ」

 

「分かりました、ありがとうございます」

 

響さんでしたか。 てっきり金剛さんか加賀さんか山城さんあたりかと。 …………でもやることは変わりませんね。

 

「よし、全艦娘、出撃用意です!」

 

…………一度言ってみたかったんですよね。 さぁ見せてもらいましょう。 ここの艦娘の性能とやらを。


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