※自己解釈、設定間違いが多々あります。
それらを許容出来る方のみ閲覧頂ければと思います。
※妄想ssです。
細かい設定は省いている部分が多数登場します。
聖杯戦争ーー
七人のマスターと、それぞれのマスターに召還された、七騎の過去の英雄達とで争う儀式。
最後の一組となるまで戦い、勝ち抜いた者だけが手にすることの出来る万能の願望器"聖杯"を求めて、魔術師も、英雄も、自信の持てる全てを出しきる。
形式的なものではない、血で血を洗う、文字通りの"戦争"。
それだけに、勝利の栄光と、その報酬は膨大なものとなる。
名声を、富を、闘争を、夢を求めて、世界各地から最高峰に位置する魔術師が集結する。
「ーーそれが、聖杯戦争」
長い時間、目を通していた気がする。
火の灯る燭台だけが光源の地下室で読んでいた本を閉じる。パタン、と閉じたそこそこの厚みを感じさせる本の横には、重厚な装丁のなされた箱がある。
固唾を呑む。
これから自分がすべきことを再認識するためのように、箱の蓋に手を掛けた。
サーヴァントとは、過去の英雄。
それを実際に召還するのは、戦争の中心となる聖杯だ。
マスターは召還されて来たサーヴァントを現世に留める為の魔力を供給する。
召還する際にマスターに求められる物は、多くない。魔術回路すらないマスターでも令呪さえあれば召還が可能だ。
しかしその場合、召還されるサーヴァントは聖杯によって選ばれる。
マスターとの相性。触媒のない召還にはそれがサーヴァントを選ぶ基準となる。
触媒がある場合は、それに最も縁のある英雄が選ばれる。だがその触媒との関わりが深い英雄が複数いる場合。アーサー王伝説で有名な円卓や、数々の神々と英雄について記されたヘイムスクリングラの原本の断章、神の子の血を受けた聖具、三種の神器……これらは複数の英雄との関わりが深い。
もしそれらを用いることがあるならば、その際に追加の基準を設けられる。それが、召還するマスターとの相性だ。
石の床に彫られた陣へ、液体を注ぐ。
「…………」
……いよいよだ。
跪く。
過去の英雄に対する敬意ではない。
「素に、銀と、鉄ーー」
これから起きる、戦争への誓い。宣戦布告のためだ。
僕はこれから旅をする。
長い長い、時間の上を走る、途中停車のない列車に乗り込む。
「天秤の守り手よ―――!」
戻ることは、許されない。
「…………」
複数の英雄が該当する触媒を用いた際に召還されるサーヴァントは、マスターとの相性で選ばれる。
数刻前に読んでいた本の通りならば、召還されるサーヴァントと自分の相性は良いのだろう。性格や、生き方や……そこには何かしらの類似点があるはずだ。
しかし……。
「あの、マスター。まさか召還の際に不具合でも?」
この目の前にいる朱色の英雄と自分の相性が良いと言える場所がわからない…。そもそも英雄なのだろうか…?
体に程もある弓を持つ繊手、炎のように、あるいは日溜まりの様な朱い髪、虫も殺せないと思わせる麗しい容姿。
外見的な要素は一切類似点はない、となれば精神や起源が元になったのだろうか…。
……まずは真名か。
彼女のことを知るには、まず真名を知らなければ始まらない。
真名がわかれば、どこの、どんな、どれほどの英雄かがおおよそ窺えるからだ。
誰もが知る英雄、例えば伝説の男ヘラクレスならばギリシャやローマといった国のみならず、世界中でその名前、生涯、凄烈さを知るものがいるだろう。
アーサー王ならば、騎士の王、聖剣の使い手として国を治めたブリテンの主として様々な書物で語り継がれている。
サーヴァントの強さは、戦争の行われる地での知名度によっても変わってくる。そういう意味では、この触媒で召還されるであろう英雄を知るものは少なくない。
小柄とは言え、彼女も弓を携えているのだから恐らくは弓兵、歴とした三騎士であるアーチャークラスのはずだ。
「いや、大丈夫。少し気後れしていただけ……」
その言葉に彼女は首を傾げる。
理解は出来ないだろう、元よりこれを口に出せば機嫌を損ねるかも知れないのだから。
英雄というのだから、彼らは群雄割拠、でなくとも何かしらに秀でた人物であることは確かなのだ。
だが、目の前にいる彼女からは死地を乗り越えた者が放つ気迫も、全てを見抜く聡明さも、それらを翻弄する特殊性も感じられない。
先程まで彼女の立っていた陣を見つめる。
文字が間違っていたのだろうか、それとも使う鋼が悪かったのか。
何度見直しても間違いは見当たらない、素材も悪くはなかった。
この日のために2年以上かけて準備を重ねた、それが失敗したとは考えられない。考えたくない。
では触媒が悪いのか、それも違う。
大枚を叩いて、もはや資産は手持ちの幾らもない小銭だけ。そこまでして手に入れた触媒が偽物だった……?
考えれば考えるほど体の至るところから嫌な汗が吹き出し、心臓が頭の中で早鐘を打ち、目の前がぐらぐらと揺れ始めた。
たまらず近くの椅子に腰掛けると彼女が耳元で気遣いの言葉をかけてくれている。その心遣いに幾ばくか悩みも晴れていく気もしたが……。
まさかこんな華奢な、普通の、かなり可愛い女の子みたいなのがサーヴァントだなんて。
この戦争、生き残れるだろうか……。
走り出した列車の中で、早くも後悔の二文字が頭をよぎる。
ああ、大丈夫だよ。心配ない、君が不安がることは一切ない。
心優しい彼女に返事をしようと、言葉が頭をよぎったとほぼ同時。
どさり、と音を立てて椅子から床へ転がるように倒れた僕の意識はそこで途絶れていた。
まずは軽い話です
サーヴァントが誰なのかとかは次回。
シリアスっぽく書いてますが、内容はそんなことない感じになっていく予定。
筆が乗ってるうちに書いていきます。
まず読む人がいないでしょうが。